JPH02299596A - l―メントールの生化学的分離法 - Google Patents

l―メントールの生化学的分離法

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JPH02299596A
JPH02299596A JP1080931A JP8093189A JPH02299596A JP H02299596 A JPH02299596 A JP H02299596A JP 1080931 A JP1080931 A JP 1080931A JP 8093189 A JP8093189 A JP 8093189A JP H02299596 A JPH02299596 A JP H02299596A
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JP
Japan
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menthol
esterase
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organic carboxylic
microorganism
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JP1080931A
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English (en)
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Hironori Murase
博宣 村瀬
Kiyomori Yoshikawa
吉川 清盛
Yoshio Tominaga
富永 嘉男
Akio Sugihara
杉原 耿雄
Tetsuo Muro
室 哲雄
Yuji Shimada
裕司 島田
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C C I KK
Osaka City
CCI KK
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C C I KK
Osaka City
CCI KK
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、ρ−メントールの生化学的分離法に関するも
のである。詳しく述べると、オクロバクトラム属の微生
物の生産するエステラーゼを該微生物の菌体またはその
培養物から分離したものもしくは該エステラーゼを含有
する上記微生物または培養物をそのまま62g−メント
ール異性体類の有機カルボン酸エステルの混合物に作用
させてρ−メントールのエステルのみを加水分解させ、
遊離するg−メントールを分離することを目的とするl
−メントールの生化学的分離方法である。
(従来の技術) Ω−メントールは、天然には薄荷葉油中に含まれており
、清涼な風味と爽快な皮膚感覚のために香料および医薬
品として重要な地位を占めている。
しかるに、光学的に不活性な原料からメントールを合成
すると、得られるメントール異性体混合物は、いずれも
ラセミ体の混合物になる。例えば、チモールの水素添加
により生成するメントールは、d、ρ−メントール、d
、Ω−ネオメントール、d、ρ−イソメントール、d、
Ω−ネオイソメントールの全てを含有しており、このた
め、合成法によりg−メントールを製造する際には、異
性体の副生が必然的に起る。したがって、ρ−メントー
ルとそれ以外の異性体との分離が必要となる。
(発明が解決すべき課題) 従来、特公昭46−27,352号、特公昭47−22
,276号、特公昭48−24,276号およびN1p
pon Nogcikagaku Kaishi第60
巻第11号第921〜926頁(1986)には、菌体
を用いたl−メントールの生化学的分離法が挙げられて
いるが、ρ−メンチルアセテー1・に特異的に作用する
エステラーゼを菌体内に有する本発明の菌(オクロバク
トラム属)を、」二記のアセチル化した異性体に作用さ
れることによりβ−メント−ルを簡単に分離精製できる
菌体および方法は全く知られていない。
したがって、本発明の目的は、新規なエステラーゼを用
いてd、Ω−メント−ル異性体類の有機カルボン酸エス
テルよりg−メントールを生化学的に分離する方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) −に2目的は、オクロバクトラム属の微生物の生産する
エステラーゼを該微生物の菌体またはその培養物から分
離したものもしくは該エステラーゼをへ有する該微生物
の菌体あるいは培養物をそのままd、ρ−メントール異
性体類の有機カルボン酸エステルの混合物に作用させて
l−メントールのエステルのみを加水分解し、遊離する
β−メントールを分離することを特徴とする生化学的分
離法により達成される。
(作用) 本発明において使用される新規なエステラーゼは、微生
物を用いて生産され、その生産菌としてはオクロバクト
ラム(Ochrobactrum)属に属し、下記性質
を有する酵素を生産する能力を有しておればよい。
本菌株は微工研菌寄第10541号として寄託されてお
り、その菌学的性質は以下のとおりである。
(A)形態 (a)細胞の形態および大きさ 桿状(0,6〜0.8)μmx(1,5〜1.9)μm
(b)多形性:なし くc)運動性:あり 鞭毛を有する (d)胞子:なし くe)ダラム染色:陰性 (B)各種培地における生育形態 (a)肉汁寒天培地(30℃、3日間)形状:円形 周縁:なし 隆起:低凸状 光沢:あり 表面二平滑 色調:純白色かつ不透明 粘性:あり(ムコイド) (b)肉汁寒天培地(37°C2時間) 十肉汁寒天培
地(41°C1時間) 十 肉汁寒天培地(45°C2時間) + (C)生理学的性質 偏性好気性 30°Cで48時間培養。
(a)硝酸塩の還元           +(b)グ
ルコースからの酸        −(C)アルギニン
デヒドロラーゼ     −=  5  − (d)β−ガラクトシダーゼ       −(e)イ
ンドールの生成         −(f)エスタリン
加水分解        −(g)ゼラチン加水分解 
        −(h)グルコース同化(assim
i 1ation)    +(i)アラビノース同化
         +(j)マンノース同化     
     +(10マンドール同化         
 −(ρ)N−アセチルグルコサミン同化   +(m
)マルトース同化          +(n)グルコ
ネート同化         −(0)カプレート同化
          +(p)アジペート同化    
      −(q)マレート同化         
  +(r)オキシダーゼ゛          十(
s)カタラーゼ十 (1)シトレート同化          十(u)フ
ェニルアセテート同化      −(V)チトクロム
オキシダーセ゛      十(W)NO3→N2 十 (X)クリステンセンウレアーゼ     +(y)エ
リスリトールからの酸      H−(z)3−ケト
ラクトース        −(2゛)フェニルアラニ
ソデアミナーゼ′   十(z”)OFテスト:陰性 
       十以1−の菌学的性質を有する菌につい
て、インターナショナル、ジャーナル、オブ、システマ
テイツク、バクテリオロジ−(Internation
al Journalof Systematic B
acteriology)1988年10月5j°第4
06〜416頁に基づき検討した結果、オクロバクトラ
ム(Ochrobactrum)属に属する菌株と同定
した。
また、本菌株を同居中の菌株と比較すると、オクロバク
トラム・アントロビー(Ochrobactrum a
nthropi)に近似している。
以」二のことから、本菌株をオクロバクトラム(Och
robactrum)属に属する菌種と認めオクロバク
トラム、アントロビーHM−1(Ochrobactr
um anthropi IIM−1)と命名した。
本発明に用いる微生物としては、本菌株とその変種、変
異株に限定されるものではなく、下記の性質の酵素を有
するものであればよい。
本発明の新規なエステラーゼの産出菌は、発酵学の分野
で公知の常法にしたがって培養することができる。使用
する培地としては炭素源、窒素源、無機物およびその他
の栄養素を適量含有する培地ならば、合成培地または天
然培地のいずれでも使用可能であり、液体培地または固
体培地を用いて培養することができる。具体的には炭素
源としては、グルコース、フラクトース、マルトース、
ガラクトース、澱粉、澱粉加水分解物、糖蜜、廃糖蜜等
の糖類、麦、米などの天然炭水化物、グリセロール、メ
タノール、エタノール等のアルコール類、酢酸、グルコ
ン酸、ピルビン酸、クエン酸等の脂肪酸類、ノルマルパ
ラフィン等の炭化水素類、グリシン、グルタミン、アス
パラギン等のアミノ酸類等の一般的な炭素源より使用す
る微生物の資化性を考慮して、一種または二種以上選択
して用いればよい。窒素源としては、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、大豆加水分解物、ミルクカゼイン、カ
ザミノ酸、各種アミノ酸、コーンステイープリカー、そ
の加水分解物、その他の動物、植物、微生物の加水分解
物等の有機窒素化合物、アンモニア、硝酸アンモニウム
、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモ
ニウム等のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム等の硝酸塩
、尿素等の無機窒素化合物より使用微生物の資化性を考
慮し、一種または二種以」二を選択して使用する。
さらに、無機塩として微量のマグネシウム、マンガン、
カルシウム、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛等のリン
酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の一種または二種以上
を適量添加し、必要に応じて植物油、界面活性剤等の消
泡剤を添加してもよい。
培養は前記培地成分を含有する液体培地中で振盪培養、
通気撹拌培養、連続培養などの通常の培養法を用いて行
うことができる。
培養条件は、培地の種類、培養法により適宜選択すれば
良く、本菌株が増殖し、エステラーゼを産生できる条件
であれば特に問題はない。通常は、培養開始のpHを7
ぐらいに調節し25〜35℃の温度条件下で培養するこ
とが望ましい。培養日数は坂ロフラスコを用いて培養を
行う場合、2〜30が適当である。
以上のようにして培養物中に生産蓄積されたエステラー
ゼは、次のような方法で採取、分取することができる。
本エステラーゼは菌体内に蓄積されるので、培養終了後
、菌体を濾過、遠心分離等の方法で集め、緩衝液等で菌
体を洗浄後、例えば凍結融解処理、超音波処理、加圧処
理、浸透圧差処理、磨砕処理等の物理的手段、もしくは
リゾチーム等の細胞壁溶解酵素処理のような生化学的処
理もしくは界面活性剤との接触処理等の化学的処理を単
独または組み合わせて行うことにより菌体を破砕し、エ
ステラーゼ′を抽出することができる。
その−例を挙げれば次の通りである。すなわち、遠心分
離により集めた菌体を50mMリン酸緩衝液(pH7)
で数回洗浄した後、同緩衝液に懸濁し、約1%のTri
ton  X100を加えて超音波処理により菌体を破
砕し、エステラーゼを抽出する。こうして得られた粗エ
ステラーゼは塩析、有機溶媒による分別沈澱、イオン交
換クロマトグラフィー、ゲル濾過、疎水クロマトグラフ
ィー、色素クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー等のクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィ
ーおよび電気泳動等の手段を単独もしくは組み合せて用
いて精製することができる。
その−例を挙げれば次の通りである。すなわち、Tri
ton  X100および超音波処理により破砕した菌
体処理物を遠心分離(20,000g、40分間)し、
得られた上澄み液を粗抽出液とする。該抽出液に1〜2
%のストレプトマイシンを加え、核酸および他の不溶物
を沈澱させ、遠心分離(10,000g、20分間)し
、得られた」二澄み液を硫安50〜80%飽和で塩析し
、本エステラーゼを不溶化させ、該不溶化物を20mM
リン酸緩衝液(p H7,5)で溶解後、同緩衝液中で
透析して得られたエステラーゼ溶液を、同緩衝液で平衡
化したDEAE−セルロースに吸着させた後、0〜0.
6MNaC,Qの直線的濃度勾配溶用法にてエステラー
ゼを溶出する。0.2〜0゜3MNa(IJ付近に溶出
されるエステラーゼ活性を何する両分を濃縮後、該濃縮
液を10mMリン酸緩衝液(pH7)+10mM2−メ
ルカプトエタノールで平衡化したセファデックスG−1
00に通過させ、溶出したエステラーゼ画分を、1mM
リン酸緩衝液(pH6,5)+10mM2−メルカプト
エタノール溶液中で透析し、透析して得られたエステラ
ーゼ溶液を同緩衝液で平衡化したヒドロキシルアパタイ
トに吸着させた後、同緩衝液の濃度を1〜150mMに
上げる直線的濃度勾配溶出法によりエステラーゼを溶出
させた後、エステラーゼ活性を有する両分を再度1mM
リン酸緩衝液(pH6,5) +10mM2−メルカプ
トエタノール溶液中で透析し、透析して得られたエステ
ラーゼ溶液を同緩衝液で平衡化したヒドロキシアパタイ
トに通過させ、エステラーゼを吸着させた後、同緩衝液
の濃度を1〜100mMに上げる直線的濃度勾配溶出法
によりエステラーゼを溶出する。
この溶出液を濃縮後、ディスク電気泳動に供したところ
、該エステラーゼはディスク電気泳動的に単一に精製さ
れたことがわかった。また、この濃縮液を5DS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(7,5%ゲル)に供した
ところ、単一のバンドを示し、その分子量は31,00
0であった。
セファデックスG−75のゲル濾過法による分子量は5
8,000であることから、同一分子量の二つのサブユ
ニットからなることが示唆された。
但し、ミオシン(分子量200,000) 、ホスホリ
ラーゼ(97,400) 、牛血清アルブミン(68,
000) 、オボアルブミン(43,000)、カルボ
ニックアンヒドラーゼ(29,000)、β−ラクトグ
ロブリン(18,400)、リゾチーム(14,300
)を5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるエ
ステラーゼの分子量決定の標準物質とし、ブルーデキス
トラン(200,000) 、牛血清アルブミン(67
゜000)、オボアルブミン(43,000) 、キモ
トリプシノーゲンA (25,000)をゲル濾過によ
るエステラーゼの分子量決定の標準物質とした。
この精製の過程の一例を示したのが第1表である。
次に本発明において用いたエステラーゼの活性測定法(
以下、本明細書中では回転撹拌法と記す。
)を説明する。
ρ−メンチルアセテート0.5g、種々の緩衝液(+1
〜*4)5mlからなる反応液を、径3cm。
高さ6cmのガラス容器に入れ、適宜希釈した酵素液(
0,05〜1m1)を加え、マグネティックスターラー
を用いて毎分500回転の速度で撹拌しながら30°C
で1時間作用させた後、エタノール20m1を加えて反
応を終了させた。酵素力価は遊離する酢酸をN/20水
酸化カリウムを用いて、pHIQを終点とする滴定によ
って求めた。1分間に1マイクロモル当量の酢酸を遊離
させる酵素量を1単位とした。
以下に緩衝液の種類およびその試験項目を挙げる。
+1 50mM酢酸緩衝液 (p115.6)+0.1
%Tritonxio。
該エステラーゼの精製の際に用いた。
+2 20mMリン酸緩衝液(+)+17) +0 、
1%’I’riton X100該エステラーゼの作用
最適条件、安定性、基質特異性、阻害剤の影響を調べる
のに用いた。
+3 20mMリン酸緩衝液(pH7)該エステラーゼ
の基質特異性の影響を調べるのに用いた。
* 4 20mM トリス塩酸緩衝液(+)117.2
)+0.1%’I’riton X100 該エステラーゼの金属イオンに対する影響を調べるのに
用いた。
オクロバクトラム属を用いたρ−メンチルエステルの選
択的加水分解の試験は以下のような方法で行った。
ペプトン1%、肉エキス0.6%およびNaCβ0.5
%からなるpH7の培地を500m1容量の坂ロフラス
コに60m1分注し、殺菌後、殺菌処理を行った0、4
5μmのフィルターで除菌したd、Ω−メンチルアセテ
ートを終末の濃度が1%となるように添加し、本菌を接
種して28℃で65時間振盪培養後、培養液中のdlg
−メントールおよびd、 fl−メンチルアセテートを
ジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテルを除去し
た後、残留物をガスクロマトグラフィーで分析し、その
ピークの面積比により62g−メンチルアセテ−1・の
加水分解率[メントールX100/(未分解のd、ρ−
メンチルアセテート+メントール)コを測定した。また
上記の残留物中のメントールを常法によりカルバメート
化し、これを高速液体クロマトグラフィーで分析し、ピ
ークの面積比により加水分解によって生じたΩ−メント
ールの純度[1−メントールx100/(Ω−メントー
ル十d−メントール)]を測定した。また、62g−イ
ソメンチルアセテート、d、ρ−ネオメンチルアセテー
ト、dlg−ネオイソメンチルアセテートを用いて−1
−記と同様の試験を行った。この結果を第2表に示す。
第2表 I−メントール 基    質     知陸蟇1vθ−11(%)d、
ρ −メンチルアセテート        23   
       約100d、ρ −インメンチルアセテ
ート       〇             −d
、ρ −不才メンチルアセテート       〇  
          −d、Ω −ネオイソメンチルア
セテート     〇            −ガス
クロマトグラフィーの分析条件 カラム:0V−172m、温度:150℃、検出:口り
高速液体クロマトグラフィーの分析条件カラム、CII
IRALCEL OD、  移動層:ヘキサン/2−プ
ロパツール90/10.  検出:UV 230゜□以
上の結果より、本菌または本菌が産出するエステラーゼ
をd、ρ−メントール異性体類の有機カルボン酸エステ
ルの混合物に作用させることによりg−メントールのエ
ステルだけが加水分解さ−  1つ  − れるのがわかった。
本発明で使用されるdlg−メントール類の有機カルボ
ン酸エステルの製造に使用される有機カルボン酸として
は蟻酸または一般式RCOOH(ここに、Rは炭素数1
〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、好まし
くは炭素数1〜3のアルキル基またはアルケニル基であ
る)で表される脂肪酸を用いることができるが、本閑に
関していえば酢酸を用いることにより加水分解速度が最
高になり、また工業原料としても最も有利なものとなる
本発明において、オクロバクトラム属の生産するエステ
ラーゼをdlg−メントールの有機カルボン酸エステル
またはこれを含有するdlg−メントール異性体類の有
機カルボン酸エステルの混合物に作用させるのであるが
、これらの方法としては、下記の方法がある。例えば本
菌を液体培地で培養するのと同時にd、Ω−メントール
の有機カルボン酸エステルまたはこれを含有するd、Ω
−メントール異性体類の有機カルボン酸エステルの混合
物を添加し作用させてもよく1本菌を液体培地で培養し
て培養物中にエステラーゼを蓄積させ、培養液にd、Ω
−メントールの有機カルボン酸エステルまたはこれを含
有するd、Ω−メントール異性体類の有機カルボン酸エ
ステルの混合物を添加して作用させもよい。あるいは菌
体を集め適当な緩衝液に懸濁させてこれにd、ρ−メン
)・−ルの有機カルボン酸エステルまたはこれを含有す
るd、Ω−メントール異性体類の有機カルボン酸エステ
ルの混合物を添加して作用させても良い。
また、エステラーゼの分離精製の常法に従って本菌の菌
体または培養物より分離したちの例えばエステラーゼ含
有抽出液、粗または精製エステラーゼ等は全て本発明に
使用することができる。
本発明において一ヒ記したd、ρ−メントールの・6機
カルボン酸エステルまたはこれを含有するd。
Ω−メントール異性体類の有機カルボン酸エステルに上
述のエステラーゼを作用させる条件として、反応温度は
25〜45℃位が適当であるが、本菌の生育、エステラ
ーゼの安定性、または経済性を考慮すると25〜37℃
位の反応温度が最適となり、この条件において反応時間
は3〜70時間位が適当である。基質となるd、ρ−メ
ントールの有機カルボン酸エステルまたはこれを含有す
るd。
Ω−メントール異性体類の有機カルボン酸エステルの混
合物の使用量は、本閑の培養物に対し1〜10%程度が
適当である。
本発明においてd、ρ−メントールの有機カルボン酸エ
ステルまたはこれを含有するd、ρ−メントール異性体
類の有機カルボン酸エステルの混合物に上述したエステ
ラーゼを作用させると、ρ−メントールの有機カルボン
酸エステルだけが加水分解されてρ−メントールが遊離
し、他のものはエステルのまま残留する。また基質がd
、!:I−メントールの有機カルボン酸エステルの場合
は、9体だけが加水分解されてρ−メントールとなり、
d体はエステルのまま残留する。
d、Ω−メントールの有機カルボン酸エステル中、また
はd、Ω−メントールの有機カルボン酸エステルを含有
するd、Ω−メントール異性体類の有機カルボン酸エス
テルの混合物中のρ−メンチルエステルの加水分解反応
が80〜100%進行したところで反応を中止し、反応
液よりρ−メントールを含む未反応エステルを有機溶媒
を用いて抽出するか、あるいは水蒸気蒸留等既知の技術
を用いて分離する。この未反応のメントール異性体類の
有機カルボン酸エステルとρ−メントールの分離は、通
常両者の物理化学的性質の差を利用して、例えば吸着ク
ロマトグラフィー、溶媒抽出法又は分留等によって容易
に実施することが出来る。
(実施例) つぎに、参考例および実施例により本発明を説明するが
、これらにより本発明の範囲がなんら制限されるもので
ないことはいうまでもない。なお、下記参考例および実
施例におけるパーセンテージは、特にことわらない限り
「重量%」を意味する。
参考例1 培養組成ペプトン1%、肉エキス0.6%、NaCρ0
.5%およびρ−メンチルアセテート1%からなるpH
7の種培地60m1を500m1容量の坂ロフラスコに
入れ、オクロバクトラム・アントロピHM −1(Oc
hrobactrum anthropi IIM−1
)(微工研菌寄第10541号)の−白金耳を接種し、
28℃で、22時間培養後得られた種培養液を、」二記
と同じ組成の18gの培地に入れ、28℃で18時間、
通気量8ρ/mi n、撹拌速度20Or、  p9m
、で培養した。培養終了後、遠心分離(10,000g
、30分間)により得た菌体的100 g’を50mM
リン酸緩衝液(p H7)で洗浄後、菌体の湿重量に対
して4倍量の1% Triton  X100を含んだ
50mMリン酸緩衝液(pH7)400mlに菌体を懸
濁させ、10分間ノ超音波処理(久保製作所lN5ON
ATORMode1200M、9KIlz±20011
z 、 140W)により菌体を破砕した。得られた菌
体処理物を遠心分離(20,000g。
40分間)し、エステラーゼ水溶液を得た。不溶性物質
に対しては再び−1−記と同じ処理を行った。
この操作を計3回繰り返し、大部分のエステラーゼ水溶
液を回収した。その結果、該エステラーゼのρ−メンチ
ルアセテートに対する総活性は775Uであった。
参考例2 参考例1に準じて得られた粗エステラーゼ抽出液に、5
0mMリン酸緩衝液に溶かしたストレプトマイシンの溶
液を加え、粗エステラーゼ抽出液中のストレプトマイシ
ン濃度を最終的に1%にし、生じた沈澱を遠心分離(1
0,000g、20分間)により除去した。続いて上澄
みを硫安80%飽和にし、セライトを用いた吸引濾過に
より沈澱を回収した。該沈澱を20mMリン酸緩衝液(
pH7,5)に溶解後、同緩衝液に対して透析した。
その結果、該エステラーゼのρ−メンチルアセテートに
対する総活性は537Uであった。
このエステラーゼ溶液を同緩衝液で平衡化したDEAE
−セルロースに通過させ、エステラーゼを吸着させた後
、同緩衝液で充分に洗浄し、エステラーゼ水溶液中に存
在していたTritonXlooを除去後0−0.6M
NaC,12の直線的濃度勾配溶出法によりエステラー
ゼを溶出した。
このエステラーゼ活性画分 を限外濾過膜で濃縮後、10mMリン酸緩衝液(pH7
) +10mM2−メルカプトエタノールで(1工衡化
したセファデックスG−100に通過させ、同緩衝液で
溶出した。得られたエステラーゼ画分を1mMリン酸緩
衝液(pH6,5) +10mM2−メルカプトエタノ
ールに対して透析し、同緩衝液で平衡化したヒドロキシ
アパタイトに通過させ、エステラーゼを吸着させた後、
同緩衝液で洗浄し、リン酸緩衝液の濃度を1〜150m
Mとする直線的濃度勾配溶出法によりエステラーゼを溶
出した。このエステラーゼ活性画分を再び1mMリン酸
緩衝液(pH6,5) +10mM2−メルカプトエタ
ノールに対して透析し、同緩衝液で平衡化したヒドロキ
シアパタイトに通過させ、エステラーゼを吸着させた後
、同緩衝液で洗浄し、リン酸緩衝液の濃度を1〜100
mMとする直線的濃度勾配溶出法によりエステラーゼを
溶出した。
この際タンパクと活性のピークが一致した両分を集めた
ところ、比活性29y2U/mg、総活性105Uまた
粗抽出液からの活性回収率は14%であった。
この溶出液を濃縮後、ディスク電気泳動に供したところ
、該エステラーゼは、ディスク電気泳動的に単一に精製
されたことがわかった。また、この濃縮液を5DS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動に供したところ、単一の
バンドを示し、その分子−量は3]、、000であった
。セファデックスG−75によるゲル濾過法による分子
量は58゜000であることから、同一分子量の二つの
サブユニットからなることが示唆された。
参考例3 参考例2に準じて得られた精製エステラーゼを、該エス
テラーゼの活性測定法(回転撹拌法)に従い各基質0.
5gに作用させ、分解活性を比較した。その結果の一例
を第3表に示す。第3表中の酵素活性はρ−メンチルア
セテー1・を0.1%Triton  X100を含ん
だ緩衝溶液中で作用させたときの分解活性を100とし
た相対活性(%)で表した。
第3表 参考例4 参考例1に準じて得られた精製エステラーゼを用いて、
Ω−メンチルアセテートを基質としたときの酵素の至適
pHおよびpH安定範囲を測定した。その結果を第1図
および第2図に示す。第1図において、活性測定は、3
0 °Cで行い、pH2〜12でブリトンーロビンソン
広域緩衝液に0゜1%のTriton  X100を含
んだ反応系を用いて行った。また、活性は最高値におけ
る活性値を100としたときの相対活性(%)で表わし
た。
第2図において、酵素液は、pH2〜12のブリトンー
ロビンソン広域緩衝液中に30°Cでインキュベートし
、17時間後に2QmMリン酸緩衝液(pH7)に0.
1%Triton  X100を劇んだ反応系(*2)
を用いて残存活性を測定し、インキュベート前の酵素の
活性値を100としたときの相対活性(%)で表わした
また、前記精製エステラーゼの至適温度と、熱安定性を
測定した。その結果を第3図および第4図に示す。第3
図において、活性の測定は20mMリン酸緩衝液(p 
H7)に0.1%Trit。
n  X100を含んだ反応系(*2)を用いて活性測
定を行ない、最高値における活性値を100としたとき
の相対活性(%)で表わした。
第4図において、横軸に示された各温度で酵素液を15
分間前処理したのち、30℃の20mMのリン酸緩衝液
(pH7)に0.1%Trit。
n  X100を含んだ反応系(*2)で活性を測定し
た。活性は、未処理のエステラーゼ活性を100とした
ときの活性残存率(%)で表わした。
実施例1 ペプトン1%、肉エキス0.6%およびNaCρ0.5
%からなるpH7の培地を500m1容量の坂ロフラス
コに60m1分注し、殺菌後、殺菌処理を行った0、4
5μmのフィルターで除菌した1 g−のd、Ω−メン
チルアセテートを添加し、オクロバクトラム・アントロ
ビー・HM −1(Oehr。
bactrum anthropi 11M−1)微工
研菌寄第10541シ」を斜面培地から1白金耳接種し
て28°Cで65時間振盪培養後、培養液中の反応物を
ジエチルエーテルで抽出し、シリカゲルカラムクロマI
・り゛ラフイーを用いてl−メントールと未反応エステ
ルとを分離した。その結果ρ−メントール0.21g(
収率21%)を得た。このl−メントールの旋光度は[
α] o −49,5° (c=10.エタノール)で
あった。
実施例2 ペプトン1%、肉エキス0.6%およびNaCρ0.5
%からなるpH7の培地60m1を500m1容量の坂
ロフラスコに入れ滅菌後、オクロバクトラム・アントロ
ビーHM−1(Ochrobactrum anthr
opi 11M’−1)微工研菌寄第10541号を斜
面培地から1白金耳接種して28°Cで22時間振とう
培養後、得られた培養液を200 g’のd、Ω−メン
チルアセテ−1・を加えた上記と同じ組成の培地18Ω
に入れ20Ω容量のジャーファメンターを用いて28℃
、通気量8g/min攪拌速度200 r、p、m、で
18時間反応させた。その後、浮1−する反応物を実施
例1と同様に処理してg〜メント−ル76g(収率38
%)を得た。このl−メントールの旋光度は[ct]o
−49,5° (c−10、エタノール)であった。
(発明の効果) 以−1−述べたように、本発明は、オクロバクトラム属
の微生物の生産するエステラーゼを該微生物の菌体また
はその培養物から分離したものもしくは該エステラーゼ
を含有する該微生物の菌体あるいは培養液をそのままd
、ρ−メントールの有機カルボン酸エステルの混合物に
作用させてΩ−メント−ルのエステルのみを加水分解し
、遊離するΩ−メントールを分離することを特徴とする
Ω−メント−ルの生化学的分離法であるから、極めて容
易にΩ−メントールを選択的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で使用されるエステラーゼの至適pH
を示すものである。第2図は、本発明で使用されるエス
テラーゼのpH安定性を示すものである。第3図は、本
発明で使用されるニステラ−ゼの至適温度を示すもので
ある。第4図は、本発明で使用されるエステラーゼの熱
安定性を示すものである。 特許出願人    シーシーアイ株式会社代理人  弁
理士 八 11」   幹 雄(他1名)pH 第4図 @75. (’C)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. オクロバクトラム属の微生物の生産するエステラーゼを
    該微生物の菌体またはその培養物から分離したものもし
    くは該エステラーゼを含有する該微生物の菌体あるいは
    培養物をそのままd,l−メントール異性体類の有機カ
    ルボン酸エステルの混合物に作用させてl−メントール
    のエステルのみを加水分解し、遊離するl−メントール
    を分離することを特徴とするl−メントールの生化学的
    分離法。
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