JP2840134B2 - 新規なアミノアシラーゼおよびその製造方法 - Google Patents

新規なアミノアシラーゼおよびその製造方法

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JP2840134B2
JP2840134B2 JP3002096A JP209691A JP2840134B2 JP 2840134 B2 JP2840134 B2 JP 2840134B2 JP 3002096 A JP3002096 A JP 3002096A JP 209691 A JP209691 A JP 209691A JP 2840134 B2 JP2840134 B2 JP 2840134B2
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acyl
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物由来の新規なア
ミノアシラーゼおよびその製造方法に関するものであ
る。詳しく述べると、本発明は、ペニシリウム (Penici
llium)属に属する微生物を培養して得られる新規なアミ
ノアシラーゼおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアミノアシラーゼとは、N−アシ
ルアミノ酸を有機酸とアミノ酸に加水分解する酵素であ
り、動物組織、植物、微生物に広く存在している。ま
た、アミノアシラーゼは、光学特異性が高く、L−アミ
ノ酸にのみ作用するので、従来はアミノ酸の光学分割な
どを目的としてN−アセチル−アミノ酸などの短鎖のN
−アシル−アミノ酸を光学特異的に加水分解するアミノ
アシラーゼについて多く報告されてきた。
【0003】また、近年、N−長鎖アシル−アミノ酸の
安全性や優れた生化学的分解性が確認され、さらにN−
長鎖アシル−アミノ酸は界面活性作用や殺菌作用等を有
しているため、石鹸、シャンプー、洗剤、乳化剤、抗菌
剤など幅広く用いられるようになり、様々な応用が注目
されている。これにともない、アミノアシラーゼを用い
たN−長鎖アシル−アミノ酸の加水分解およびその逆反
応のアミノアシラーゼを用いたN−長鎖アシル−アミノ
酸の合成等への応用が期待されている。
【0004】しかし、ジャーナル・オブ・バイオケミス
トリー (Journal of Biochemistry)、第91巻1731
〜1738頁(1982年)にN−長鎖アシル−アミノ
酸を加水分解するアミノアシラーゼに関する報告が、ま
た、特開昭57−129,696号にN−長鎖アシル−
アミノ酸の合成酵素であるアミノアシラーゼに関する報
告があるが、その数は非常に少なく、N−長鎖アシル−
アミノ酸を効率良く加水分解および合成できるアミノア
シラーゼは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、N−長鎖アシル
−アミノ酸を合成することができるアミノアシラーゼに
関する報告は少なく、特開昭57−129,696にグ
ルタミン酸と各種脂肪酸の合成が報告されているが、3
日間の反応における合成率が5%以下と低く、また、他
のアミノ酸を用いた場合の報告はされていない。
【0006】したがって、本発明の目的は、加水分解能
及び合成能の優れた新規なアミノアシラーゼおよびその
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加水分解
能及び合成能の優れたアミノアシラーゼを生産する微生
物を求め、鋭意検討した。その結果、従来まで糸状菌で
は発見されていない長鎖アシル基に特異的に作用するア
ミノアシラーゼをペニシリウム (Penicillium)属に属す
る微生物が生産することを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】本発明のアミノアシラーゼは、次の理化学
的性質を有している。
【0009】1)作用 N−長鎖アシル−アミノ酸に作用し、L−アミノ酸を遊
離させる。
【0010】2)基質特異性 炭素数4以上のアシル基を有するN−アシル−アミノ酸
のL体に作用し、D体には作用しない。アシル基に対す
る特異性は広く、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カ
ルボン酸からなるN−アシル化合物に作用する。
【0011】3)至適pHおよびpH安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
至適pHは、30℃、各種緩衝液(pH5.5〜6.
0:酢酸緩衝液、pH6.0〜8.0:リン酸緩衝液,
pH8.0〜9.5:ホウ酸−塩酸緩衝液、pH9.5
〜11.0:炭酸緩衝液)中で約8.5である。同緩衝
液中、30℃、5時間処理においてpH6〜9まで安定
である。
【0012】4)至適温度および熱安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
至適温度は、リン酸緩衝液(pH7)を用いて測定した
ところ、25〜35℃である。20mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8)中、40℃、15分処理において全く失
活せず、45℃、15分処理後の残存活性は約80%で
ある。
【0013】5)阻害剤の影響 パラクロロマーキュリーベンゾエートまたはジチオスレ
イトールにより阻害を受ける。
【0014】6)金属イオンの影響 Ni2+、Cu2+、Mg2+などによって活性化され、Hg
2+により阻害を受ける。
【0015】7)サブユニットの分子量 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動では分子量約4
8,000。
【0016】8)分子量 ゲル瀘過法では約192,000。
【0017】本発明はまた、ペニシリウム (Penicilliu
m)属に属する前記性質を有するアミノアシラーゼの生産
菌を培養し、該培養物から前記アミノアシラーゼを分
離、回収することを特徴とするアミノアシラーゼの製造
方法である。
【0018】さらに、本発明は、ペニシリウム (Penici
llium)属に属する前記アミノアシラーゼの生産能を有す
る菌株がペニシリウム・フニコロサム (penicillium fu
niculosum)であるアミノアシラーゼの製造方法である。
【0019】
【作用】本発明において使用される新規なアミノアシラ
ーゼは、微生物を用いて生産され、その生産菌としては
ペニシリウム (Penicillium)属に属し、上記性質を有す
る酵素を生産する能力を有していればよい。
【0020】本菌株は微工研条寄第3176号(FER
M BP−3176)として寄託されており、その菌学
的性質は以下のとおりである。
【0021】(A)各種培地における生育状態 (a)ツアペック培地 速やかに生育し、25℃、7日間で直径30〜40mm
に達する。コロニーは、黄色の栄養菌糸体と灰色から黄
緑色の分生子柄の混在した緻密な菌糸層からなる。ま
た、コロニーの裏面は、ピンクから深紅色である。ま
た、形態学的性質は以下の通りである。
【0022】分生子柄:気生菌糸から分枝している 25〜40×2.0〜3.0μm メトレ:5〜8本が輪生状となる 10〜13×2.0〜3.0μm フィアライド:3〜6本が輪生状となる ほこ先形 10〜12×1.5〜2.5μm 分生子:亜球形〜楕円形で小さい 表面は滑面〜微細な粗面 2.5〜3.5×2〜2.5μm
【0023】(b)麦芽エキス寒天培地 生育状態および形態学的性質は、ツアペック寒天培地の
ものとほぼ同様である。ただし、分生糸形成がツアペッ
ク寒天培地のものに比べて優れている。
【0024】(B)各生理的、生態的性質 pH:約6付近で、最良好な生育を示す 温度:5℃では生育はほとんど認められない 約25〜37℃で最適な生育が認められる。
【0025】以上の菌学的性質を有する菌について同定
を行った結果、本菌株はペニシリウム (Penicillium)属
に属する菌株と同定された。また、本菌株を同属中の菌
株と比較すると、ペニシリウム・フニコロサム (penici
llium funiculosum)に近似していることがわかった。
【0026】本発明に用いる微生物としては、本菌株と
その変種、変異株に限定されるものではなく、上記性質
の酵素を有するものであればよい。
【0027】本発明の新規なアミノアシラーゼ生産菌
は、発酵学の分野で公知の情報に従って培養することが
できる。使用する培地としては炭素源、窒素源、無機物
およびその他の栄養素を適量含有する培地ならば、合成
培地または天然培地のいずれでも使用可能であり、液体
培地または固体培地を用いて培養することができる。具
体的には炭素源として、グルコース、フラクトース、マ
ルトース、ガラクトース、澱粉、澱粉加水分解物、糖
蜜、廃糖蜜等の糖類、麦、米などの天然炭水化物、グリ
セロール、メタノール、エタノール等のアルコール類、
酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸等の脂肪酸
類、ノルマルパラフィン等の炭化水素類、グリシン、グ
ルタミン、アスパラギン等のアミノ酸類等の一般的な炭
素源より使用する微生物の資化性を考慮して、一種また
は二種以上選択して使用すればよい。窒素源としては、
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、ミ
ルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸、コーンステ
ィープリカー、その他の動物、植物、微生物の加水分解
物等の有機窒素化合物、アンモニア、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニ
ウム塩、硝酸ナトリウム等の硝酸塩、尿素等の無機窒素
化合物より使用微生物の資化性を考慮して、一種または
二種以上選択して使用する。
【0028】また、本アミノアシラーゼを効率的に生産
させるために、誘導物質として、N−長鎖アシル−アミ
ノ酸であるアミソフトCS−11、LS−11、GS−
11、HS−11(味の素(株))およびその類似物質
を一種または二種以上選択して使用することができる。
【0029】さらに、無機塩として微量のマグネシウ
ム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、
銅、亜鉛等のリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等より
一種または二種以上を選択して使用することができる。
また、必要に応じて植物油、界面活性剤等の消泡剤を添
加してもよい。
【0030】培養は前記培地成分を含有する液体培地中
で振盪培養、通気撹拌培養、連続培養などの通常の培養
法を用いて行うことができる。
【0031】培養条件は、培地の種類、培養法により適
宜選択すればよく、本菌株が増殖し、アミノアシラーゼ
を産生できる条件であれば特に問題はない。通常は、培
養開始時のpHを6ぐらいに調節し、25〜35℃の温
度条件下で培養することが望ましい。培養日数は5リッ
トルの三角フラスコを用いて培養を行う場合、4〜6日
が適当である。
【0032】以上のようにして、培養物中に生産蓄積さ
れたアミノアシラーゼは、次のような方法で採取、分取
することができる。
【0033】本アミノアシラーゼは菌体内に蓄積される
ので、培養終了後、菌体を瀘過、遠心分離等の方法で集
め、緩衝液等で菌体を洗浄後、例えば凍結融解処理、超
音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等の物理
的手段、もしくはリゾチーム等の細胞壁溶解酵素処理の
ような生化学的処理もしくは界面活性剤との接触処理等
の化学的処理を単独または組み合わせて行うことにより
菌体を破砕し、アミノアシラーゼを抽出することができ
る。こうして得られた粗アミノアシラーゼは塩析、有機
溶媒による分別沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、
ゲル瀘過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィ
ー、色素クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
等のクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)および電気泳動等の手段を単独もしくは組
み合わせて用いて精製することができる。
【0034】その一例を挙げれば次の通りである。すな
わち、瀘過で集めた菌体をビード・ビーター (Bead-Bea
ter)(バイオスペック プロダクト (BIOSPEC PRODUCT
S) 社製)を用いて磨砕処理し、アミノアシラーゼ抽出
液を得、その後、硫安を用いた塩析処理、DEAE−ト
ヨパール650Mイオン交換クロマトグラフィー、トヨ
パールHW55Fゲル瀘過クロマトグラフィー、ブチル
(BUTHYL)−トヨパール650M疎水クロマトグ
ラフィー、トヨパールHW55Fゲル瀘過クロマトグラ
フィーを行うことによって、ポリアクリルアミドゲル電
気泳動的に単一に精製することができる。
【0035】なお、本アミノアシラーゼの活性測定法
は、10mM N−オレオイル−L−グルタミン酸を含
んだ100mMリン酸緩衝液(pH7)250μlに蒸
留水200μlを加え、30℃において5分間インキュ
ベートした後、酵素液50μlを加え、15分間反応さ
せ、生成したL−グルタミン酸をニンヒドリン−ヒドリ
ンダンチン法(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー (Journal ofBiological Chemistry)、第2
11巻、907頁(1957))に従って測定した。な
お、1Uは、1分間に1μmolのL−グルタミン酸の
生成を触媒する酵素量とした。
【0036】
【実施例】つぎに、実施例により本発明を説明するが、
これらにより本発明の範囲がなんら制限されるものでな
いことはいうまでもない。なお、下記実施例におけるパ
ーセンテージは、特にことわらない限り「重量%」を意
味する。
【0037】実施例1 培養組成ペプトン2.0%、グルコース 0.5%、N
4 NO3 0.3%、KH2 PO4 0.4%、K2
HPO4 0.1%、NaCl 0.1%、MgSO4
0.02%からなるpH6の培地60mlを500m
l容量の坂口フラスコに入れ、ペニシリウム・フニコロ
サム (penicillium funiculosum)の一白金耳を接種し、
30℃で48時間培養し、種培養液を得た。上記の培養
組成のものに0.5%アミソフトGS−11(味の素
(株))を加え、pH6に調製した培地1リットルを5
リットル容量の三角フラスコに入れ、これに種培養液6
0mlを加え、約120時間培養した。計9リットルの
本培養を行い、培養終了後、吸引瀘過により得た菌体約
570g(湿重量)を0.85%NaCl水溶液で洗浄
後、菌体の湿重量に対して5倍量の50mMトリス−塩
酸緩衝液(pH8)に菌体を懸濁させ、4分間の磨砕処
理(ビード・ビーター (Bead-Beater)、バイオスペック
プロダクト (BIOSPEC PRODUCTS) 社製)により菌体を
破砕した。得られた菌体処理液を遠心分離(20,00
0×g、30分間)し、アミノアシラーゼ抽出液を得
た。その結果、該アミノアシラーゼの総活性は、20,
817U、比活性1.5U/mgであった。なお、タン
パクの定量は、色素結合法に準じて行った。
【0038】実施例2 実施例1に準じて得られた粗アミノアシラーゼ抽出液を
硫安30%飽和にし、セライトを用いて沈殿を除去し
た。得られた上澄み液を硫安80%飽和にし、遠心分離
(12,000×g、30分間)により沈殿を回収し
た。該沈殿を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8)に
溶解後、同緩衝液に対して透析した。その結果、該アミ
ノアシラーゼの総活性は21,285U、比活性10.
7U/mgであった。
【0039】このアミノアシラーゼ溶液を同緩衝液で平
衡化したDEAE−トヨパール650Mに通過させ、ア
ミノアシラーゼを吸着させた後、同緩衝液で充分に洗浄
し、非吸着物質を除き、0〜0.5M NaClの直線
的濃度勾配溶出法によりアミノアシラーゼを溶出した。
このアミノアシラーゼ活性画分を限外瀘過膜で濃縮後、
20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8)+0.1MNa
Clで平衡化したトヨパールHW55Fを用いてゲル瀘
過を行った。得られたアミノアシラーゼ活性画分を硫安
25%飽和にし、硫安25%飽和の20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH8)で平衡化したブチル(BUTHY
L)−トヨパール650Mに通過させ、アミノアシラー
ゼを吸着させた後、同緩衝液で充分に洗浄し、非吸着物
質を除き、硫安25〜0%飽和の直線的濃度勾配溶出法
によりアミノアシラーゼを溶出した。得られたアミノア
シラーゼ活性画分を限外瀘過膜で濃縮後、上記のトヨパ
ールHW55Fを用いて同様の操作でゲル瀘過を行っ
た。得られたアミノアシラーゼ活性画分を集めたとこ
ろ、総活性3,497U、比活性624.5U/mgで
あった。また、この活性画分をポリアクリルアミドゲル
電気泳動に供したところ、該アミノアシラーゼは単一の
バンドを示したことより、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動的に単一に精製されたことが分かった。精製の結果
を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例3 実施例2に準じて得られた精製アミノアシラーゼを用
い、前述した活性測定法(但し、100mMリン酸緩衝
液(pH7)の代わりに100mMホウ酸−塩酸緩衝液
(pH8.5)を用いた)に従い、分解活性を比較し
た。
【0042】その結果の例を表2、表3に示す。表2、
表3中の酵素活性は、N−オレオイル−L−グルタミン
酸に対する分解活性を100とした相対活性(%)で表
した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】実施例4 実施例2に準じて得られた精製アミノアシラーゼを用
い、前述した活性測定法(但し、100mMリン酸緩衝
液(pH7)の代わりに100mMトリシン−塩酸緩衝
液(pH8.5)を用いた。また、反応時間を30分と
した)に従い、各種金属イオン及び阻害剤の存在下で分
解活性を比較した。
【0046】その結果の一例を表4に示す。表4中の酵
素活性は、無添加の分解活性を100とした相対活性
(%)で表した。
【0047】
【表4】
【0048】実施例5 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供したところ、
単一のバンドを示し、その分子量は約48,000であ
った。TSKゲルG3000SWを用いたゲル瀘過法
(移動層:0.2Mリン酸緩衝液(pH7))では、分
子量は192,000であった。但し、ホスホリラーゼ
b(分子量97,400)、血清アルブミン(65,4
00)、卵白アルブミン(42,700)、炭酸脱水酵
素(29,000)、トリプトファンインヒビター(2
0,100)、α−ラクトアルブミン(14,400)
をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動によるアミノア
シラーゼの分子量決定の標準物質とし、グルタミン酸デ
ヒドロゲナーゼ(290,000)、乳酸デヒドロゲナ
ーゼ(142,000)、エノラーゼ(67,00
0)、アデニル酸キナーゼ(32,000)、チトクロ
ムC(12,400)をゲル瀘過によるアミノアシラー
ゼの分子量決定の標準物質とした。
【0049】実施例6 実施例2に準じて得られた精製アミノアシラーゼを用い
て、N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質をしたと
きの酵素の至適pH及びpH安定範囲を測定した。
【0050】その結果を図1及び図2に示す。図1にお
いて、活性測定は、30℃で各種緩衝液(pH5.5〜
6.0:酢酸緩衝液、pH6.0〜8.0:リン酸緩衝
液,pH8.0〜9.5:ホウ酸−塩酸緩衝液、pH
9.5〜11.0:炭酸緩衝液)を用いて行った。ま
た、活性は最高値における活性値を100としたときの
相対活性(%)で表した。図2において、酵素液はpH
3〜11の各種緩衝液中においてインキュベートし、5
時間後に残存活性を測定した。活性はインキュベート前
の酵素の活性値を100としたときの活性残存率(%)
で表した。
【0051】また、前記精製アミノアシラーゼを用い
て、N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたと
きの酵素の至適温度と熱安定性を測定した。
【0052】その結果を図3及び図4に示す。図3にお
いて活性測定は各温度において行った。また、活性は最
高値における活性値を100としたときの相対活性
(%)で表した。図4において、横軸に示された各温度
で酵素液(20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8))を
15分間処理した後、氷冷し、残存活性を測定した。活
性は、未処理の酵素の活性値を100としたときの活性
残存率(%)で表した。
【0053】実施例7 本アミノアシラーゼの合成能の一例を示す。8ml容量
のバイアルビンに、0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH
8.5)に溶かした3Mグリシン溶液:1ml、オレイ
ン酸:100mg、酵素液:20μl(20U)を入
れ、40℃、120rpm(往復振盪)の条件下で15
時間反応させた。反応終了後、塩酸で反応を止め、ホル
ヒ法によりN−オレオイル−グリシンを抽出し、HPL
C(カラム:shim−pack FLC−NH2 、移
動層:ヘキサン/2−プロパノール/10%リン酸,9
5:5:0.1v/v/v、検出:208nm)で定量
したところ、約30mgのN−オレオイル−グリシンの
合成が確認できた。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、前記のご
とき理化学的性質を有する新規のアミノアシラーゼ及び
ペニシリウム属の微生物によるアミノアシラーゼの製造
方法であるから、該アミノアシラーゼを用いることによ
り、N−長鎖アシル−アミノ酸、N−長鎖アシル−ペプ
チド、N−長鎖アシル−タンパク質の低コストでの生産
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明で使用されるアミノアシラー
ゼの至適pHを示すものである。
【図2】 図2は、本発明で使用されるアミノアシラー
ゼのpH安定性を示すものである。
【図3】 図3は、本発明で使用されるアミノアシラー
ゼの至適温度を示すものである。
【図4】 図4は、本発明で使用されるアミノアシラー
ゼの熱安定性を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−129696(JP,A) 特開 昭63−22188(JP,A) 特開 昭55−42535(JP,A) 特開 昭58−209982(JP,A) 特開 昭60−237992(JP,A) 特開 昭51−121591(JP,A) 特公 昭35−10692(JP,B1) 特公 昭31−2891(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の理化学的性質を有するアミノアシ
    ラーゼ 1)作用 N−長鎖アシル−アミノ酸に作用し、L−アミノ酸を遊
    離させる。 2)基質特異性 炭素数4以上のアシル基を有するN−アシル−アミノ酸
    のL体に作用し、D体には作用しない。アシル基に対す
    る特異性は広く、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カ
    ルボン酸からなるN−アシル化合物に作用する。 3)至適pHおよびpH安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
    至適pHは、30℃、各種緩衝液(pH5.5〜6.
    0:酢酸緩衝液、pH6.0〜8.0:リン酸緩衝液,
    pH8.0〜9.5:ホウ酸−塩酸緩衝液、pH9.5
    〜11.0:炭酸緩衝液)中で約8.5である。同緩衝
    液中、30℃、5時間処理においてpH6〜9まで安定
    である。 4)至適温度および熱安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
    至適温度は、リン酸緩衝液(pH7)を用いて測定した
    ところ、25〜35℃である。20mMトリス−塩酸緩
    衝液(pH8)中、40℃、15分処理において全く失
    活せず、45℃、15分処理後の残存活性は約80%で
    ある。 5)阻害剤の影響 パラクロロマーキュリーベンゾエートまたはジチオスレ
    イトールにより阻害を受ける。 6)金属イオンの影響 Ni2+、Cu2+、Mg2+などによって活性化され、Hg
    2+により阻害を受ける。 7)サブユニットの分子量 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動では分子量約4
    8,000。 8)分子量 ゲル瀘過法では約192,000。
  2. 【請求項2】 ペニシリウム (Penicillium)属に属する
    請求項1記載のアミノアシラーゼの生産菌を培養し、該
    培養物から前記アミノアシラーゼを分離、回収すること
    を特徴とするアミノアシラーゼの製造方法。
  3. 【請求項3】 ペニシリウム (Penicillium)属に属する
    請求項1記載のアミノアシラーゼの生産能を有する菌株
    がペニシリウム・フニコロサム (penicillium funiculo
    sum)である請求項2記載のアミノアシラーゼの製造方
    法。
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