JPH05236955A - 耐熱性アルカリホスファターゼの製造法 - Google Patents

耐熱性アルカリホスファターゼの製造法

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JPH05236955A
JPH05236955A JP4078667A JP7866792A JPH05236955A JP H05236955 A JPH05236955 A JP H05236955A JP 4078667 A JP4078667 A JP 4078667A JP 7866792 A JP7866792 A JP 7866792A JP H05236955 A JPH05236955 A JP H05236955A
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JP
Japan
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alp
alkaline phosphatase
culture
heat
pref
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JP4078667A
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Kyoko Aoki
教子 青木
Kenzo Motosugi
健三 本杉
Shinichi Tokumitsu
伸一 徳光
Kenji Ogata
健治 岳田
Tadao Suzuki
直生 鈴木
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 菌体外に耐熱性アルカリホスファターゼ産生
能を有する微生物を培養し,培養物から耐熱性アルカリ
ホスファターゼを採取するに際し,精製処理としてイオ
ン交換クロマトグラフィー処理及び疎水的クロマトグラ
フィー処理を行う。 【効果】 従来の方法で問題となっていた精製効率の悪
さを大幅に改善し,各種の利用分野へ提供するのに十分
な純度のALPを,短期間かつ大規模に製造することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,耐熱性アルカリホスフ
ァターゼ(EC3.1.3.1,以下ALPと略記す
る。)の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,酵素免疫測定法が発達し,標識酵
素として用いられるALPの役割は非常に重要であり,
その需要は急激に増している。また,遺伝子工学の研究
において,ALPは,DNAの5'末端標識の前処理,ベ
クターの自己連結防止に利用され,その利用頻度は増加
している。
【0003】従来,ALPは,主として仔ウシの小腸あ
るいは大腸菌から生産されており,その供給源が限られ
ていた。仔ウシ小腸由来のALPは,臓器からの破砕抽
出の際,プロテアーゼを用いたり,有機溶媒を用いる
等,煩雑な操作を経なければならず,さらに,数種のカ
ラムを用いた後,実用的な製品を得ることができた。ま
た一方,大腸菌のALPも,細胞膜のペリプラズム部位
に局在するため,菌体破砕抽出後,他の多くの夾雑蛋白
と分離するために複雑なカラム操作を経なければ実用に
耐える酵素が得られ難かった。
【0004】このような理由から,菌体外にALPを分
泌する微生物が探索され,バチルスサチルス(Bacillus
subtilis)の変異株(Agricultural and Biological Che
mistry,第40巻,2181〜2185頁,1976
年)やバチルス リケニフォルミス(B. licheniformi
s)(Journal of General Microbiology,132巻,23
87〜2395頁,1986年)がALPを分泌すると
いう報告もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし,それらの精製
効率は極めて悪いものであった。例えば,バチルス リ
ケニフォルミスは,通常の培養条件では大腸菌と同じく
菌体内にALPを含むが,特別な条件で培養すると,菌
体外にALPを分泌することが知られており,ALPは
各種のセファデックス樹脂の組み合わせで精製できる。
ところが,これの操作は効率が悪く,多大の時間を要す
ることもあり,その精製効率は約10%と低いものであ
った。上述のような理由から,微生物の菌体外にALP
を分泌し,培養物から容易かつ大量にALPを製造でき
る技術が強く要望されていた。本発明は,ALPを効率
よく生産することのできる製造法を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,このよう
な課題を解決するために鋭意研究した結果,菌体外にA
LPを分泌する微生物の培養物から,精製処理としてイ
オン交換クロマトグラフィー処理及び疎水的クロマトグ
ラフィー処理を行うことによりALPを効率よく生産で
きることを見出し,本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち,本発明は,菌体外に耐熱性AL
P産生能を有する微生物を培養し,培養物からALPを
採取するに際し,精製処理としてイオン交換クロマトグ
ラフィー処理及び疎水的クロマトグラフィー処理を行う
ことを特徴とする耐熱性ALPの製造法を要旨とするも
のである。
【0008】以下,本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する微生物は,耐熱性ALPを菌体外に産生し得る
ものであればいかなるものでも使用できるが,好ましい
微生物としては,好熱性細菌があげられる。この好熱性
細菌としては,例えば,好熱性のバチルス属に属する細
菌があげられ,具体的には,バチルス ステアロサーモ
フィルスATCC7953,7954,8005,10
149,12980,NCA1503,2184,UK
−788(微工研菌寄第5411号),UK−563
(微工研菌寄第7275号)がある。特に本発明におい
ては,新たに土壌から分離した好熱性バチルス属細菌
(Bacillus sp.)AP−43が好ましい。
【0009】この好熱性バチルス属細菌AP−43の菌
学的性質を以下に示す。 (1)形態的特徴 a.細菌の形及び大きさ : 棹 状 (0.60〜0.65)μm×(2.7〜3.0)μm b.細胞の多形性 : 無 c.運動性の有無 : 有,鞭毛は周毛である。 d.胞子の有無 : 有,胞子は楕円形で,先端に形
成され,胞子嚢は膨らむ。 e.グラム染色性 : 陰 性 f.抗 酸 性 : 無 (2)生育状態 a.肉汁寒天平板培養 : 円形を示し,周縁は平滑で
表面も平滑である。色調は白色で,光沢がある。 b.肉汁寒天斜面培養 : 形状は糸状で,その生育は
良好である。 c.肉汁液体培養 : 表面生育はわずかにある
が,混濁状である。 d.肉汁ゼラチン穿刺培養 : ゼラチンは液化され
る。 e.リトマスミルク : リトマス退色弱酸性 (3)生理学的性質 a.硝酸塩の還元 : 無 b.脱窒素反応 : 陰 性 c.MRテスト : 陰 性 d.VPテスト : 陰 性 e.インドールの生成 : 無 f.硫化水素の生成 : 弱い陽性 g.デンプルの加水分解 : 弱いながらある h.クエン酸の利用 : 無 i.硝酸塩及びアンモニウム塩の利用 : 無 j.色素の生成 : 無 k.ウレアーゼ活性 : 無 l.オキシダーゼ活性 : 有 m.カタラーゼ活性 : 有 n.生育の範囲 : 生育pHは5.5〜8.0であ
り,生育温度40〜70℃,至適温度は60℃付近であ
る。 o.酸素に対する態度 : 好気的でよく生育する。 p.O−Fテスト : 陰 性 q.糖類からの酸及びガスの生成 L−アラビノース,D−キシロース,D−グルコース,
D−マンノース,D−フラクトース,D−ガラクトー
ス,麦芽糖,ショ糖,乳糖,トレハロース,D−ソルビ
ット,D−マンニット,イノシット,グリセリン,デン
プンからの酸及びガスの生成は認められない。 r.ファニルアラニンの脱アミノ反応 : 陰 性 s.塩化ナトリウムの耐性 : 7%では生育できな
い。 t.チロシンの分解性 : 無
【0010】以上の菌学的性質から,AP−43は,バ
ージィのマニュアル・オブ・デターミネーティブ・バク
テリオロジー(Bergey's Manual of Determinative Bact
eri-ology)第8版に基づき検索した結果,バチルス属に
属する細菌と判明したが,既存菌株とは異なっており,
新菌株と判定できるので,バチルス属細菌(Bacilluss
p.)AP−43と命名し,平成4年2月10日に通産省
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。その受託
番号は,微工研菌寄第12754号である。
【0011】本発明における微生物の培養は,ALPが
培地中の無機リン酸の欠乏で誘導されるため,適当なリ
ン酸濃度の培地で液体培養を行うことができ,細菌の培
養で通常用いられる炭素源,窒素源,無機塩類等を用い
ればよい。炭素源としては,例えば,グルコース,シュ
ークロース,フルクトース,デンプン加水分解物等が使
用できる。また,窒素源としては,例えば,硫酸アンモ
ニウム,塩化アンモニウム,アンモニア,アミノ酸,ペ
プトン,肉エキス,酵母エキス等の無機又は有機物が使
用できる。さらに,無機塩類としては,例えば,カリウ
ム,ナトリウム,亜鉛,鉄,マグネシウム,マンガン,
コバルト等の各塩類,必要に応じて微量金属塩,コーン
スティープリカー,ビタミン類,核酸等を使用してもよ
い。
【0012】本発明において,ALPを菌体外に分泌さ
せるには,培地中の無機リン濃度として,菌体が増殖し
得る最低限度の濃度とすることが望まれるが,無機リン
は,酵母エキスなどの他の培地成分にも含まれるため,
培地中溶液として500ppm以下,より好ましくは10
0ppm 以下とする。培地のpHとしては,中性付近と
し,通気攪拌等の好気条件で培養すれば良好な結果が得
られる。培養温度としては,40℃付近から70℃の範
囲で行えばよいが,50〜60℃で行うのがより好まし
い。このような条件で6〜10時間培養することによ
り,培地中にALPを著量蓄積させることができる。
【0013】本発明でALPを製造するには,例えば上
記のごとく培養し,培養終了後,遠心分離や濾過等の操
作で培養液から菌体を除いて濾液を回収し,この濾液か
らALPを以下に示すカラムを用いて精製すればよい。
このときの精製に,イオン交換クロマトグラフィー処理
及び疎水的クロマトグラフィー処理を行うことが必要で
ある。各クロマトグラフィー処理の操作は,通常の方法
で行うことができ,また,各クロマトグラフィーの順序
は,どちらが先でもよい。
【0014】本発明に用いられるイオン交換クロマトグ
ラフィーの好ましいイオン交換体としては,例えば,陰
イオン交換体があげられる。この陰イオン交換体の具体
例として,例えば,市販のDEAE−セファロースCL
−6BFF(ファルマシア社),DEAE−セファセル
(ファルマシア社),DEAE−セファデックスA−5
0(ファルマシア社),DEAE−トリスアクリルM
(LKB社),DEAE−トヨパール650(東ソー株
式会社),QAE−セファデックスA−50(ファルマ
シア社),Q−セファロースCL−6B(ファルマシア
社)等があげられる。中でも,DEAE−セファロース
等ジエチルアミノエチル基をイオン交換基に持つものが
好ましい。
【0015】本発明に用いられる疎水的クロマトグラフ
ィーの疎水的吸着担体としては,例えば,フェニル基,
アルキル基等をリガンドとする水不溶性担体があげられ
る。この具体例としては,例えば,市販のフェニルセル
ロファイン(チッソ社),フェニルセファロースCL−
4B(ファルマシア社),オクチルセファロースCL−
4B(ファルマシア社),ブチルトヨパール650(東
ソー株式会社),エチルアガロース(マイルス社),ブ
チルアガロース(マイルス社),ヘキシルアガロース
(マイルス社),オクチルアガロース(マイルス社)等
があげられる。中でも,フェニルセルロファイン等のフ
ェニル基を有する担体が好ましい。
【0016】このように処理することにより,純粋なA
LPが得られる。このようにして得られた耐熱性ALP
の理化学的性質を以下に示す。 (1)作 用:アルカリ性でリン酸モノエステルを
加水分解する。 (2)基質特異性:殆ど全てのリン酸モノエステル化合
物を脱リン酸化する。以下に示すような各種リン酸モノ
エステルに対して以下のような活性を有する。 基質 相対活性(%) pニトロフェニルリン酸 100 NADP 60 アデノシン5, リン酸 78 グアノシン5, リン酸 47 グルコース6リン酸 51
【0017】(3)耐熱性(熱安定性):約60℃の緩
衝液中で約15分間処理した後の活性が,処理前の活性
の90%以上の値を保持している。 (4)至適pH:9.5〜10.5 (5)安定pH:7.0〜9.0 (6)作用適温:50℃ (7)阻害:EDTA,無機リン酸,Zn2+,Mn2+
より阻害される。 (8)分子量:51,000(ゲル濾過法) 52,000(SDS PAGE)
【0018】(9)力価の測定法:p−ニトロフェニル
リン酸二ナトリウムを基質としてこれに酵素を作用させ
て生成するニトロフェノールを定量する。 〔試薬〕 基 質:100mMp−ニトロフェニルリン酸二ナトリ
ウム水溶液 緩衝液:10mM塩化マグネシウムを含む500mMトリ
ス酢酸緩衝液(pH9.0) 〔操作〕上記基質100μlと,緩衝液100μlと,
4M塩化ナトリウム水溶液500μlと水250μlと
を試験管にとり,37℃で予備加温する。酵素溶液(0.1
〜0.2U/mlに調製)50μlを添加し,37℃で5分間
反応させる。反応終了後,0.5N水酸化ナトリウム水
溶液を加えて反応を停止させ,420nmにおける吸光
度を測定する。また,盲検は,酵素溶液の代わりに水を
添加して同様に処理して得られた値とする。このように
して得られた値を用いて酵素活性を次の式から算出し
た。 △A420:420nmの吸光度の増加分 18.5 :p−ニトロフェノールのミリモル分子吸光
係数 (cm/μmol) 1 :セルの光路長(cm) 5 :反応時間(min) 1.5 :反応液の体積(ml) 0.05 :酵素の体積(ml) 酵素活性の表示は,1分間に1μmolのp−ニトロフ
ェノールを生成する酵素量を1Uとする。
【0019】
【実施例】以下,本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。 実施例1,比較例1,2 グルコース0.4%(重量%を表す。以下同様),硫酸ア
ンモニウム0.2%,酵母エキス0.1%,塩化カリウム0.
4%,硫酸マグネシウム・七水和物0.1%,リン酸カリ
ウム6ppm ,硫酸マンガン・四〜五水和物3ppm ,塩化
コバルト・六水和物1ppm ,pH7.0よりなる培地1.8
リットルを3リットル容のジャーファーメンターに仕込
み,121℃で15分間オートクレーブ滅菌した後,好
熱性バチルス属細菌AP−43(微工研菌寄第1275
4号)を接種し,60℃で9時間,300〜400rpm
で1vvm の通気条件下で培養した。遠心分離により菌体
を除いて培養液上清を活性測定したところ,5U/ml
のALPが蓄積されていた。
【0020】この培養液上清から陰イオン交換クロマト
グラフィー処理を行い,次いで疎水的クロマトグラフィ
ー処理を行うことにより,ALPを精製した。すなわ
ち,予め10mMトリス酢酸緩衝液pH7.3(0.1mM
塩化コバルトを含む。以下緩衝液Aと略記する。)で平
衡化したジエチルアミノエチル基を陰イオン交換基を有
するDEAE−セファロースCL−6BFF(フアルマ
シア社製)カラム(14cmφ×15cm)に培養上清をア
プライしたところ,ALPが吸着されたので,同緩衝液
で十分洗浄した後,同緩衝液を用いて0〜0.6Mの塩化
カリウムの直線濃度勾配にて溶出を行った。得られた活
性画分に20%飽和となるように硫酸アンモニウムを加
え,20%飽和硫酸アンモニウムを含む緩衝液Aで平衡
化したフェニル基をリガンドとして有するフェニルセル
ロファイン(チッソ社製)カラム(9cmφ×13cm)に
アプライした。同緩衝液で十分洗浄した後,緩衝液Aを
送液したところ,蛋白ピークと活性ピークが一致した。
活性画分を回収し,濃縮後,SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動を行ったところ,単一なバンドが得られ
た。このようにして得られた耐熱性ALPは,前記した
理化学的性質と同様な性質を有しており,収率は65%
であった。また,精製に要した日数は,3日間であっ
た。
【0021】なお,比較のため,上記と同様に培養して
得た培養液から,上記と同様に菌体を除いて,ジャーナ
ル・オブ・ジェネラル・ミクロバイオロジー(Journal
ofGeneral Microbiology)第132巻,2387〜23
95頁(1986年)の方法に基づいて陽イオン交換ク
ロマトグラフィー処理を2回行うことにより,ALPを
精製した。すなわち,上記培養液上清を約5%に濃縮
し,そこへカルボキシメチル基を官能基とする陽イオン
交換体CM−セファデックスC−25(フアルマシア社
製)を加え,濾過により培養液上清を除いてカラムに充
填し,1Mの硫酸マグネシウムを含む同緩衝液でALP
を溶出した。この活性画分を0.05Mの硫酸マグネシウ
ムを含む緩衝液Aに対して透析した後,同緩衝液で平衡
化した同じ陽イオン交換体であるCM−セファデックス
C−50(フアルマシア社製)カラムに通じ,同緩衝液
を用いて0.05〜0.5Mの硫酸マグネシウムの濃度勾配
により目的とするALP活性画分を得た(比較例1)。
【0022】また,同じ培養液上清をアグリカルチュラ
ル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー(Agricult
ural and Biological Chemistry) 第52巻,164
3〜1647頁(1988年)の方法に基づいて陰イオ
ン交換クロマトグラフィー処理とゲル濾過クロマトグラ
フィー処理を行うことにより,ALPを精製した。すな
わち,上記培養液上清を−20℃のアセトンを加えて粉
末化した後,緩衝液Aで溶解し,その後,同緩衝液を用
いてジエチルアミノエチル基を有する陰イオン交換体D
EAE−セルロースDE−52(ワットマン社製)カラ
ムに通じて,0.3Mと1Mの塩化ナトリウム濃度の緩衝
液で溶出した。溶出されたALP画分をセファデックス
G150カラムに通じてゲル濾過クロマトグラフィー処
理を行い,さらに,DEAE−セルロースDE−52
(ワットマン社製)カラムで0.3〜1.0Mの塩化ナトリ
ウムの濃度勾配により目的とするALP活性画分を得た
(比較例2)。
【0023】このようにして得られたALPの収率は,
比較例1が10%,比較例2が20%であった。また,
精製に要した日数は,比較例1が6日間,比較例2が1
0日間であった。
【0024】実施例2 バチルスステアロサーモフィルスNCA1503を実施
例1の培養条件で培養して培養液上清を得,得られた培
養液上清を疎水的クロマトグラフィー処理を行った後,
陰イオン交換カラムクロマトグラフィー処理を行うこと
により,耐熱性ALPを精製した。すなわち,培養液上
清に,硫酸アンモニウムを徐々に加えて20%飽和とし
た。次いで,20%飽和硫酸アンモニウムを含む緩衝液
Aで平衡化したフェニルセルロファイン(チッソ社製)
カラム(14cmφ×15cm)に上記培養液上清を通じ,
硫酸アンモニウム濃度を濃度勾配法により減じて溶出を
行ったところ,15%飽和硫酸アンモニウム濃度近くに
ALPが溶出した。この活性画分を緩衝液Aに対して透
析した後,同緩衝液で平衡化したDEAE−セファロー
スCL−6B(フアルマシア社製)カラム(9cmφ×1
3cm)に通じ,同緩衝液を用いて0〜0.6Mの塩化カリ
ウムの直線的濃度勾配により溶出を行って,目的とする
ALP活性画分を得た。得られたALPは,SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で単一なバンドを与える
まで精製することができた。
【0025】このようにして得られた耐熱性ALPは,
前記した理化学的性質と同様な性質を有しており,AL
Pの収率は60%であった。また,精製に要した日数
は,4日間であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば,従来の方法で問題とな
っていた精製効率の悪さを大幅に改善し,各種の利用分
野へ提供するのに十分な純度のALPを,短期間かつ大
規模に製造することができる。それゆえに,ALPを利
用する酵素免疫測定法の標準酵素や遺伝子工学用酵素の
分野における本発明の寄与は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岳田 健治 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 直生 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 菌体外に耐熱性アルカリホスファターゼ
    産生能を有する微生物を培養し,培養物から耐熱性アル
    カリホスファターゼを採取するに際し,精製処理として
    イオン交換クロマトグラフィー処理及び疎水的クロマト
    グラフィー処理を行うことを特徴とする耐熱性アルカリ
    ホスファターゼの製造法。
JP4078667A 1992-02-27 1992-02-27 耐熱性アルカリホスファターゼの製造法 Pending JPH05236955A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5633138A (en) * 1994-04-18 1997-05-27 Amersham Life Science, Inc. Thermostable alkaline phosphatase of thermus thermophilus
WO1997030723A1 (en) * 1996-02-26 1997-08-28 Michigan State University Purification and characterization of alkaline phosphatase from thermotoga neapolitana
EP0949930A4 (en) * 1996-06-19 2001-01-03 Diversa Corp THERMOSTABLE PHOSPHATASES

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