JPH0229576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は情報記録デイスクプレーヤに関し、特
にPCM信号を記録したデイジタルオーデイオデ
イスク（以下DADと略称する）を演奏するデイ
スクプレーヤに関する。

DADを演奏するデイスクプレーヤとしては例
えば、DADに記録された信号穴（ピツト）にレ
ーザ光を照射し、該信号穴の有無による反射光の
強度変化を検出して信号を読み取る、いわゆる光
学式信号検出方式のものがある。第１図ないし第
３図に従来の光学式信号検出方式のデイスクプレ
ーヤの要部を示す。

図示される如く、レーザ光照射装置等を含む光
学式ピツクアツプ手段を担持したキヤリツジ１
は、互いに平行に配置され且つ所定支持機構（図
示せず）によつて各々両端部を保持されたスクリ
ユーシヤフト２及びガイドシヤフト３によつて摺
動自在に支持されている。スクリユーシヤフト２
は、キヤリツジ１に形成された案内孔１ａに嵌挿
されており、一方、ガイドシヤフトは３はキヤリ
ツジ上面に突設された受部材１ｂに摺動自在に係
合している。スクリユーシヤフト２は図示せぬ駆
動源によつて回転駆動される。キヤリツジ１の下
面には凹部１ｃが形成されており、該凹部内にス
クリユーシヤフト２に螺合するハーフナツトが４
が配置されている。このハーフナツト４は、スク
リユーシヤフト２と平行に配置され且つ一端がキ
ヤリツジ１の下面に固定された板バネ５の自由端
部に固着されており、該板バネによつてスクリユ
ーシヤフト２に近づく方向に付勢されている。

上記した構成のデイスクプレーヤにおいては、
スクリユーシヤフト２を正逆転せしめることによ
つて、板バネ５及びハーフナツト４を介してキヤ
リツジ１が駆動されるのであるが、スクリユーシ
ヤフト２と案内孔１ａとの間には僅かながら間隙
がある為、受部材１ｂとガイドシヤフト３との間
に発生している摩擦力によつて、キヤリツジ移動
時に該キヤリツジが第１図において二点鎖線で示
される如く移動方向に対して傾斜するという問題
があり、良好な演奏状態を得る為に解決が求めら
れていた。

本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところはキヤリツジが傾く
ことがなく、従つて良好な演奏状態を得ることが
可能なデイスクプレーヤを提供することである。

本考案によるデイスクプレーヤは、支持機構と
前記支持機構上に設けられた案内駆動手段と、光
学式ピツクアツプ手段を担持して前記案内駆動手
段により案内され且つ駆動されるキヤリツジとを
含み、前記案内駆動手段は前記支持機構に回動自
在に保持されたスクリユーシヤフトと、前記スク
リユーシヤフトを回転駆動する駆動源と、前記ス
クリユーシヤフトと平行に配置され前記スクリユ
ーシヤフトと共に前記キヤリツジを摺動自在に支
持するガイドシヤフトと、前記キヤリツジを前記
スクリユーシヤフトに近づく方向に付勢する付勢
手段を備え、該付勢手段は一端部がキヤリツジに
固定され且つ他端部が上記支持機構にスクリユー
シヤフトと平行に設けられた所定当接面に摺動自
在に当接するバネ部材から成ることを特徴として
いる。

以下、本考案の実施例たるデイスクプレーヤの
要部を第４図ないし第１４図を参照しつつ説明す
る。

第４図ないし第６図に示されるシヤーシ１１
は、図示せぬプレーヤハウジング内に設けられ、
且つ該プレーヤハウジングにダンパー作用を有す
る４つの脚機構１２ａ，１２ｂ，１２ｃ及び１２
ｄを介して取り付けられている。シヤーシ１１の
下面右方にはステンレス鋼などからなるスクリユ
ーシヤフト１４が前後方向（矢印Ｙ方向及びその
反対方向）に伸長して配置されている（但しここ
で言う右方とは前方に向つてのものであつて矢印
Ｘの反対方向を指し、また、矢印Ｚ方向は上方で
ある）。スクリユーシヤフト１４にはその略全長
に亘つて例えば台形ネジが螺刻されている。ま
た、スクリユーシヤフト１４はその両端部におい
て、含油ポリアセタール樹脂などから成る軸受部
材１５ａ及び１５ｂを介して支持台１６に回動自
在に取り付けられている。支持台１６はシヤーシ
１１の下面に固定されている。スクリユーシヤフ
ト１４の前端部は軸受部材１５ａより更に前方に
突出しており、且つシヤーシ下面に回動自在に設
けられたプーリ１７ａの軸部にカプラー１７ｂに
よつて接続されている。プーリ１７ａはまた、ベ
ルト１７ｃを介してモータ１８の出力軸に連結さ
れている。

上記プーリ１７ａ、カプラー１７ｂ、ベルト１
７ｃ及びモータ１８等によつて、スクリユーシヤ
フト１４を回転駆動する駆動源が構成されてい
る。

一方、シヤーシ１１の下面左方には、スクリユ
ーシヤフト１４と平行にガイドシヤフト２０が配
置されている。ガイドシヤフト２０はスクリユー
シヤフト１４と協働して支持するものであつて、
シヤーシ１１の下面に固設された支持台２３にそ
の両端部が固定されている。ところで、このキヤ
リツジ２１は、演奏されるべきデイスク２５の記
録面にレーザ光を照射せしめる照射装置を含む光
学式ピツクアツプ手段を担持したものである。

第７図ならびに第９図ないし第１１図に示され
るように、キヤリツジ２１の右端部には前後方向
に伸びる凹部２１ａが形成されており、該凹部内
には好ましくは軸受部材１５ａ及び１５ｂと同材
質から成る一対の軸受部材２６ａが設けられてい
る。これら２つの軸受部材２６ａはキヤリツジ２
１に対して、軸受ホルダ２６ｂ及び軸受ホルダ押
え２６ｃを介してネジ２６ｄによつて固定されて
いる。スクリユーシヤフト１４は、この軸受部材
２６ａに形成された案内孔に嵌挿されているので
ある。

第９図及び第１０図において特に明らかな如
く、キヤリツジ２１の右端部上面には、板バネ２
８が配置されている。板バネ２８は全体として前
後方向に伸長して設けられており、その中央下端
部において軸受ホルダ押え２６ｃと共にキヤリツ
ジ２１に固定されている。また、板バネ２８の上
端部であつて前後両端部には樹脂などからなる摺
動部２８ａが設けられている。板バネ２８はこの
摺動部２８ａにおいて、支持台１６にスクリユー
シヤフト１４と平行に設けられた当接面１６ａに
摺動自在に当接している。キヤリツジ２１はこの
板バネ２８によつて、スクリユーシヤフト１４及
びガイドシヤフト２０の各中心軸に対して垂直な
平面内においてスクリユーシヤフト１４に近づく
方向に付勢されている。なお、キヤリツジ２１を
スクリユーシヤフト１４に近づく方向に付勢する
付勢手段としては上記した板バネ２８に限らず、
例えばコイルスプリングなど各種の部材が利用出
来ることは言うまでもない。

キヤリツジ２１の右端部が上記したように軸受
部材２６ａ等を介してスクリユーシヤフト１４に
摺動自在に支持されているのに対して、キヤリツ
ジ２１の左端部は該右端上に固設された受部材３
０を介してガイドシヤフト２０に支持されてい
る。

第７図ないし第９図において詳しく示される如
く、受部材３０は全体としてＬ字状に屈曲して形
成されており、該Ｌ字の一辺部３０ａにおいてキ
ヤリツジ２１の後端面に取り付けられ、且つ他辺
部３０ｂにおいてガイドシヤフト２０に摺動自在
に係合している。第９図において特に明らかなよ
うに、受部材３０の一辺部３０ａは一対のネジ３
１ａ及び３１ｂによつてキヤリツジ後端面に固定
されている。右方のネジ３１ｂは、一辺部３０ａ
に形成された長孔３０ｃに挿通されてキヤリツジ
後端面に螺合している。すなわち、受部材３０
は、ネジ３１ａ及び３１ｂを多少緩めることによ
つて、ネジ３１ａを中心として第９図における時
計方向及び反時計方向に長孔３０ｃの範囲内で回
動し得るようになつているのである。受部材３０
の一辺部３０ａには軸３０ｄが突設されており、
該軸にはバネ部材３２が外嵌している。バネ部材
３２の一端はキヤリツジ後端面に突設されたピン
２１ｂに係合しており、また、他端は受部材３０
の一辺部３０ａに設けられたピン３０ｅに係合し
ている。受部材３０はこのバネ部材３２によつ
て、ネジ３１ａを中心として第９図における反時
計方向に付勢される。

受部材３０の左方には調節部材３４が設けられ
ており、且つネジ３４ａによつてキヤリツジ後端
面に固定されている。調節部材３４の上端部は前
方に向けて屈曲せしめられており、該屈曲部３４
ｂには、その先端部が受部材３０の他辺部３０ｂ
に係合し得る調節ネジ３５が螺合している。この
調節ネジ３５を回動させることによつて受部材３
０がネジ３１ａを中心として回動し、従つて、キ
ヤリツジ２１がスクリユーシヤフト１４を中心と
して回動するのである。このような構成としたこ
とによつて、光学式ピツクアツプ手段の光軸のい
わゆるタンジエンシヤル方向における調節が可能
となつている。

受部材３０の他辺部３０ｂに対向する形で板バ
ネ等からなる弾性部材３７が配設されている。弾
性部材３７は、その一端がキヤリツジ２１に対し
て固定されており、且つ、他端部においてガイド
シヤフト２０を他辺部３０ｂと共に摺動自在に挟
持している。

第１１図ａないしｃ、第１２図及び第１３図ａ
に示されるように、キヤリツジ２１の右端部下面
には板バネ４０が配設されている。板バネ４０
は、全体として矩形状に形成されており、環状部
４０ａと、該環状部の対向する部分間を橋絡する
ブリツジ部４０ｂとから成つている。ブリツジ部
４０ｂにはスクリユーシヤフト１４と螺合するハ
ーフナツト４１がネジ４１ａによつて固定されて
いる。板バネ４０は、ブリツジ部４０ｂがスクリ
ユーシヤフト１４と平行であるように配置されて
おり、且つ、環状部４０ａにおいてスクリユーシ
ヤフト１４の回転軸に関して略対称な位置にてキ
ヤリツジ２１にネジ固定されている。第１２図に
特に明らかなように、環状部４０ａ上であつてキ
ヤリツジ２１にネジ固定される位置には円筒状の
ダンパ部材４０ｃが固着されている。

このように構成された板バネ４０は、スクリユ
ーシヤフト１４が回転駆動されるのに伴つて第１
３図ｂに示されるように変形し、スクリユーシヤ
フト１４の駆動力をキヤリツジ２１に有効に伝え
るのである。

ここで、上記したスクリユーシヤフト１４と、
軸受部材１５ａ，１５ｂと、プーリ１７ａと、カ
プラー１７ｂと、ベルト１７ｃと、モータ１８
と、ガイドシヤフト２０と、軸受部材２６ａと、
軸受ホルダ２６ｂと、軸受ホルダ押え２６ｃと、
板バネ２８と、受部材３０と、弾性部材３７と、
板バネ４０と、ハーフナツト４１と、これら各部
材に関連する周辺小部材とによつて、キヤリツジ
２１を案内し且つ駆動する案内駆動手段が構成さ
れている。また、シヤーシ１１、脚機構１２ａ，
１２ｂ，１２ｃ，１２ｄ、支持台１６及び支持台
２３等によつて、上記案内駆動手段を支える支持
機構が構成されている。

なお、キヤリツジ２１の移動方向前方には図示
せぬスピンドルモータによつて回転駆動されるサ
ポートホイール４３が設けられている。

また、上記実施例においては、受部材３０を押
して回動せしめる調節ネジ３５を、調節部材３４
を介してキヤリツジ２１に取り付けたものが示さ
れているが、第１４図ａ及びｂに示されるよう
に、調節ネジ３５をキヤリツジ２１に直接螺合せ
しめる形式として上記調節部材３４を省略するこ
とも出来る。但し、第１４図ａ及びｂにおいて
は、上記実施例と同一または対応する部分につい
ては同じ参照符号を用いている。

なお、前述した如く、本考案による情報記録デ
イスクプレーヤにおいては、キヤリツジ２１をス
クリユーシヤフト１４に向けて付勢する付勢手段
を、一端部がキヤリツジ２１に固定され且つ他端
部が固定側である支持機構にスクリユーシヤフト
１４と平行に設けられた当接面１６ａに摺動自在
に当接するバネ部材２８により構成している。か
かる構成の故、キヤリツジ２１にバネ部材２８に
より付与される付勢力はキヤリツジ２１の位置に
関係なく常に一定となる。

以上詳述した如く、本考案による情報記録デイ
スクプレーヤにおいては、キヤリツジ２１をスク
リユーシヤフト１４に近づく方向に付勢する付勢
手段が設けられている。よつて、キヤリツジ移動
時にガイドシヤフト２０とこれに摺動自在に係合
する受部材３０との間に発生する摩擦力によつて
キヤリツジ２１がガタ付きあるいは傾斜するとい
うことが防止され、従つて良好な演奏状態が得ら
れるのである。

また、本考案による情報記録デイスクプレーヤ
においては、上記付勢手段が板バネ２８等の比較
的低廉なる部材により構成されているのでコスト
の上昇もさほど問題とならないのである。

また、本願考案による情報記録デイスクプレー
ヤにおいては、上記の付勢手段を、一端部がキヤ
リツジに固定され且つ他端部が上記支持機構にス
クリユーシヤフトと平行に設けられた所定当接面
に摺動自在に当接するバネ部材により構成してい
るのである。かかる構成の故、キヤリツジにバネ
部材により付与される付勢力はキヤリツジの位置
に関係なく常に一定となり、キヤリツジの移動が
円滑に行なわれるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来のデイスクプレーヤ
の要部を示す図、第４図ないし第６図は本考案に
係るデイスクプレーヤの内部構造の各々平面図、
正面図及び左側面図、第７図ないし第１０図はキ
ヤリツジとその周辺部材を示す各々平面図、正面
図、右側面図及び斜視図、第１１図ないし第１３
図は上記内部構造の一部詳細図、第１４図ａ及び
ｂは上記内部構造の一部の変形例を示す図であ
る。 主要部分の符号の説明、１１……シヤーシ、１
４……スクリユーシヤフト、１６，２３……支持
台、１６ａ……当接面、１８……モータ、２０…
…ガイドシヤフト、２１……キヤリツジ、２５…
…デイスク、２６ａ……軸受部材、２８，４０…
…板バネ、３０……受部材、３２……バネ部材、
３４……調節部材、３５……調節ネジ、３７……
弾性部材、４１……ハーフナツト、４３……サポ
ートホイール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持機構と、前記支持機構上に設けられた案内
   駆動手段と、光学式ピツクアツプ手段を担持して
   前記案内駆動手段により案内され且つ駆動される
   キヤリツジとを含み、前記案内駆動手段は前記支
   持機構に回動自在に保持されたスクリユーシヤフ
   トと、前記スクリユーシヤフトを回転駆動する駆
   動源と、前記スクリユーシヤフトと平行に配置さ
   れ前記スクリユーシヤフトと共に前記キヤリツジ
   を摺動自在に支持するガイドシヤフトと、前記キ
   ヤリツジを前記スクリユーシヤフトに近づく方向
   に付勢する付勢手段とを備え、前記付勢手段は一
   端部が前記キヤリツジに固定され且つ他端部が前
   記支持機構に前記スクリユーシヤフトと平行に設
   けられた所定当接面に摺動自在に当接するバネ部
   材から成ることを特徴とする情報記録デイスクプ
   レーヤ。