JPH0229288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、相対向する二枚のパネルにボルト
を一連に通してナツトで締め付け、両パネルを所
要間隔離れて相互に連結するパネル用結合具の改
良に関する。

〈従来の技術〉 従来からこの種の結合具としては、種々の提案
がある。

例えば、第５図及び第６図に示す結合具が知ら
れている。この結合具１は、相対向する両片２，
２を折返し部３で互いに連結し、両片２，２には
ボルトＢを通す取付孔４，４を相対向して開設す
る。そして、両片の一方の片２の取付孔４の孔縁
から円筒形の突縁５を外向きに延出すると共に、
この突縁５内に補強用の金属リング６をインサー
ト成形してなる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、従来の結合具１では、金属リング６を
インサート成形しなければならず、インサート成
形によると、成形用金属に高い精度が要求される
ばかりでなく、成形工程の自動化が困難で、所謂
反自動成形となるため、成形単価が高価となる。

又、成形時に、金属リング６内に樹脂が回り込
むおそれがあり、不良品の発生のおそれがある。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案のパネル用結合具は、上下に相対
向したボルト挿通用の取付孔を有する上、下壁を
備え、且つ、一側に開口を有する中空なケース状
のスペーサ部と、このスペーサ部に連接し、該ス
ペーサ部を上下二枚のパネルの少なくとも一方に
係止するクリツプ部とを備えたプラスチツク成形
品と、上記スペーサ部の開口から嵌め込まれ、上
記取付孔に連通する穴を備え、且つ、前記スペー
サ部の上、下壁の対向間隔にほゞ等しい厚さを有
する補強用の金属リングとから成ることを特徴と
するのである。

〈作用〉 従つて本考案によれば、成形品を成形機により
成形後、成形品の中空なケース状のスペーサ部の
内部に一側の開口から金属リングを嵌め込み、成
形品の取付孔と金属リングの穴とを一連に挿通さ
せて組み付ける。

使用するにはボルトを通す通孔が開設された二
枚のパネルの対向間隔内にスペーサ部を差し込
み、スペーサ部の上、下壁の取付孔と両パネルの
挿孔とを連通させる。このとき、クリツプ部によ
りスペーサ部が両パネルの一方に係止される。

次に、連通状態の通孔と取付孔に一連にボルト
を通し、ボルトの突出端にナツトを締め付けて固
定する。

従つて、両パネルはスペーサ部を狭んで所要間
隔上下に離れて相互に連結される。

〈実施例〉 以下に本考案を図面に示した一実施例に基いて
説明する。

この結合具７は、プラスチツク成形品Ｍと、金
属リングＲとから成り、該成形品Ｍは金属リング
Ｒを収納するスペーサ部８と、このスペーサ部８
を両パネルＰの少なくとも一方に係止するクリツ
プ部９とを備える。

上記スペーサ部８は、中空なケース状で、一側
に横向きに開放した開口１０を有し、上下に離れ
て相対向する上下壁１１ａ，１１ｂと、この上下
壁１１ａ，１１ｂの外縁に一部沿つて連設する側
壁１２とから成る。上記上壁１１ａと下壁１１ｂ
とは、略々Ｄ字形の薄肉な平板状であつて、略中
央に相対向してボルト挿入用の円形の取付孔１３
を夫々開設する。又、側壁１２は、上壁１１ａと
下壁１１ｂとの外縁の円弧部分に沿つて垂設し、
その内側面には金属リングＲの外周面に当接する
内向きに突出した位置決め用のリブ１４…を段違
に複数突設する。

上記クリツプ部９は、図面に示した実施例にあ
つては、スペーサ部８の両端に左右横向きに連設
し、上下の片１５ａ，１５ｂを折返し部１６で相
互に連結した略横向きなＵ字状を成す。そして、
両片１５ａ，１５ｂの対向間隔をパネルＰの板厚
より狭くし、折返し部１６の弾性により両片１５
ａ，１５ｂの対向間隔内にパネルＰを弾性的に狭
持できる様にする。尚、両片１５ａ，１５ｂはそ
の上片１５ａを長く、下片１５ｂを短くすると共
に、両片１５ａ，１５ｂの自由端部を夫々上下外
向きに屈曲させ、パネルＰに差し込み易くしてい
る。

一方、前記した金属リングＲは、その外径をス
ペーサ部８内に嵌り込む大きさとし、略中央にス
ペーサ部８の取付孔１３よりやゝ大きな穴１７を
開設すると共に、上下の厚みをスペーサ部８の上
下壁１１ａ，１１ｂの対向間隔にほゝ等しい厚さ
に設定する。

従つて、成形品Ｍを成形後、そのスペーサ部８
の開口１０の端部から金属リングＲを横向きに嵌
め込めばよい。即ち、金属リングＲを嵌め込む
と、金属リングＲの外周面がスペーサ部８内のリ
ング１４に当接し、略中央に位置決めされる。こ
のため、金属リングＲの穴１７とスペーサ部８の
取付孔１３が一致し、一連に連通した状態でスペ
ーサ部８内に金属リングＲが収納される。

次に、第４図を用いて取付状態を説明する。二
枚のパネルＰ，Ｒに通孔１８，１８を相対向して
開設し、両パネルＰの対向間隔内にスペーサ部８
を差し込み、両パネルＰの通孔１８とスペーサ部
８の取付孔１３を一致させる。

又、このときに、パネルＰの一方の端部にクリ
ツプ部９が差し込まれ、その両片１５ａ，１５ｂ
が外向きに押し広げられ、折返し部１６の弾性力
により両片１５ａ，１５ｂの対向間隔内にパネル
Ｐが狭持され、両パネルＰの通孔１８とスペーサ
部８の取付孔１３が一致した位置でスペーサ部８
が一方のパネルＰに係止される。

そして、連通状態の通孔１８及び取付孔１３に
ボルトＢを一連に通して、ボルトＢの突出端をナ
ツトＮで締付けて固定する。

このため、両パネルＰは、スペーサ部８の上下
幅だけ上下に離れて相互に連結される。

又、ボルトＢとナツトＮとの締付け力は、スペ
ーサ部８の上下壁１１ａ，１１ｂを介して金属リ
ングＲの厚み方向に作用し、スペーサ部８の上下
壁１１ａ，１１ｂが撓み込むことがなく、両パネ
ルＰが常に水平に保持される。

更に、両パネルの対向面には、プラスチツク製
の上下壁１１ａ，１１ｂのみが接触し、金属リン
グＲが直接触れることがないので、両パネルＰの
塗装面やメツキ面等を傷付けることがない。

尚、取付手順としては、一方のパネルＰに結束
具７を係止した後、他方のパネルＰをスペーサ部
８を狭んで対向させてもよい。

又、クリツプ部９としては、スペーサ部８を両
パネルＰの少なくとも一方に仮留めできればよ
く、例えばアンカー形やカヌー形等のクリツプを
利用しても良い。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、成形品Ｍ
を成形後、そのスペーサ部８内に金属リングＲを
嵌め込むことにより製造できるので、成形品Ｍの
成形を自動工程により安価に成形できるばかりで
なく、スペーサ部８が金属リングＲの収納ケース
となつているので、他の固定手段を要せず、両者
を簡単に組み付けられる。

又、金属リングＲは上、下壁１１ａ，１１ｂを
備えたプラスチツク製のスペーサ部８内に収納さ
れ、パネルＰの対向面に直接接触するのは金属リ
ングではなく、プラスチツクの上、下壁１１ａ，
１１ｂであるため、金属リングＲによりパネルの
塗装面やメツキ面を傷付けることがなく、サビの
発生を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
分解斜視図、第２図は同上の縦断面図、第３図は
組み付け状態の平面図、第４図は取付状態の断面
図、第５図は従来例の斜視図、第６図は同上の使
用状態の断面図である。 図面中、７は結合具、８はスペーサ部、９はク
リツプ部、１０は開口、１３は取付孔、１７は
穴、Ｍは成形品、Ｒは金属リング、Ｐはパネル、
Ｂはボルト、Ｎはナツト、はスペーサ部の上下
幅を夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対向する二枚のパネルにボルトを一連に通し
   てナツトで締め付け、両パネルを所要間隔離して
   相互に連結するパネル用結合具であつて、 上記結合具は、上下に相対向したボルト挿通用
   の取付孔を有する上下壁を備え、且つ、一側に開
   口を有する中空なケース状のスペーサ部と、この
   スペーサ部に連接し、該スペーサ部を両パネルの
   少なくとも一方に係止するクリツプ部とを備えた
   プラスチツク成形品と、上記スペーサ部の開口か
   ら嵌め込まれ、上記取付孔に連通する穴を備え、
   且つ、前記スペーサ部の上、下壁の対向間隔に
   ほゞ等しい厚さを有する補強用の金属リングとか
   ら成ることを特徴とするパネル用係合具。