JPS597608Y2 - 中空部材の裏板支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、種々形状の中空部材と他部材とをボルト等
で連結する際、中空部材内に配設し用いられる裏板の仮
支持構造に関するものである。

従来、種々形状の中空部材に他部材、たとえば蝶番など
をボルト等により取付けるには、中空部材内面に雌螺子
孔を設けたナット兼用の平板状の裏板を挿入して、これ
に蝶番側よりボルトを挿通し螺合することが行われてい
る。

（実公昭５４−２５５６７号公報第５図）しかしながら
中空部材の形状および大きさなどにより、該中空部材内
に手を入れることができない場合、裏板が嵌まる溝を設
けた取付治具を利用して中空部材外より取付治具を介し
て裏板を移動して、中空部材に設けたボルト孔に合致さ
せた後、ボルトを螺合させて支持しており、その組立取
付作業は著しく厄介で手数を要するものであった。

さらに前述の作業を改善したものとして実公昭５４−２
５５６７号が知られている。

即ち、中空部材の内面に挿入する雌螺子孔付裏当て板の
一端を、中空部材の開口端まで延長し、これに位置決め
用段部を設けたものである。

しかしながら裏当て板の一端を中空部材の開口端まで延
長し、これに位置決め段部を設けたものであり、中空部
材の開口端と中空部材の螺孔との距離により種々多数の
裏当て板が必要となり、部品管理およびコスト面で不経
済である。

さらに中空部材内に多数の裏当て板が配置できず使用用
途が限定される等の欠点を有している。

以上の点に鑑み、中空部材内への裏板の適宜位置への取
付けが簡単で材料コストの廉価な、さらには中空部材内
への多数の裏板の適宜位置への取付けの容易な中空部材
の裏板支持構造を提供することを目白勺とする。

以上実施例に基づいて説明する。

第１図は、扉１の一側の中空部を有する竪框２内に上部
裏板４、下部裏板４′の２個の裏板を配設し、蝶番３，
３′をビスにより取付ける場合の実施例であり、以下そ
の詳細を第２図乃至第５図において説明する。

第２図は第１図の一側の竪框２の縦断面図であり、竪框
２の取付フランジ２′には蝶番３，３′の取付位置にお
いて螺孔が設けられている。

又竪框２の側板を連結し中空部を形或する連結フランジ
２“には、取付フランジ２′の蝶孔と対向した適宜位置
において、中空部内方に突出し互いに変位して（第３図
は中央よりや・上方に、第４図は中央よりや・下方に変
位した場合を示す。

）係止片６，６′が設けられている。

裏板４，４′は雌螺孔を穿設した板状の座金部７，７′
と、座金部７，７′を取付フランジ２′面の対向位置へ
のガイドとなる、座金部７，７′の一対向辺より略直角
に折曲した支持部８，８′とより或り、前記係止片６，
６′に各々係合すべく係合部分を除いて支持部８，８′
には切欠部９，９′が設けられている。

上部裏板４は第３図の如く、支持部８の下方に切欠部９
が設けられ、竪框２の連結フランジ２″の上方寄りに係
止片６が設けられている。

又下部裏板４′は第４図の如く、支持部８′の上方に切
欠部９′が設けられ、竪框２の連結フランジ２“の下方
寄りに係止片６′が設けられている。

即ち、取付けに際しては第５図の如く、竪框２の一端か
ら下部裏板４′、上部裏板４の順に挿入する、下部裏板
４′の支持部８′に設けられた切矢部９′は、下部裏板
４の係止片６と対応した位置に設けられており、下部裏
板４′は係止片６では係止されず、これを通過して適宜
位置である係止片６′に支持部８′が係合し係止される
。

次いで上部裏板４は支持部８が係止片６に係合し係止さ
れ裏板４，４′は竪框２内の適宜位置に配置される。

次いで蝶番３，３′を竪框２の取付フランジ２′に当接
しビス５により蝶番３，３′、取付フランジ２′、裏板
４，４′を一体的に結合するものである。

次に３個の裏板を取付ける際の他の実施例を第６図に基
づいて説明すると、竪框２２の連結フランジ２２″には
交互に凹凸条が中空部材内方に設けられており、溝条Ｊ
．， Ｊ２， Ｊ３と突条Ｋ１，Ｋ２とを形威している
。

又取付フランジ２２′と各々の溝条Ｊｌ，Ｊ２，Ｊ３と
の巾はＬであり、取付フランジ２２′と各々の突条Ｋ１
，Ｋ２との巾はｌとなっている。

裏板１４は、雌螺孔を穿設した板状の座金部１７と、座
金部１７の一対向辺より略直角に折曲した上支持部１８
、下支持部１８′とによりコ字状を威し、上支持部１８
、下支持部１８′は連結フランジ２２″にガイドされる
ことにより座金部１７を取付フランジ２２′と対向する
様にガイドしている。

上支持部１８の巾はｌであり連結フランジ２２″に設け
られた突条Ｋｌ，Ｋ２にガイドされる、下支持部１８′
はその先端に凹凸部が設けられており、突部Ｍ１，Ｍ２
，Ｍ３と溝部Ｎ１，Ｎ２とを形威している。

又下支持部１８′の突部Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３までの巾はＬ
であり、溝部Ｎ１，Ｎ２までの巾はｌとなっている。

即ち下支持部１８′の突部Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３は各々連結
フランジ２２″の溝条Ｊ．， Ｊ２， Ｊ３と対応して
おり、下位、中位、上位位置の蝶番３取付位置の取付フ
ランジ２２′に設けられた蝶孔と対向して連結フランジ
２２“の各溝条Ｊエｔ Ｊ２ ，Ｊ３には、その各溝条
Ｊ１，Ｊ２，Ｊ３内において中空部内方に突出した係止
片１６， １６’， １６“が下位（第７図Ａ）、中位
（第７図Ｂ）、上位（第７図Ｃ）位置に設けられている
。

取付けに際しては、まず裏板１４の下支持部１８′の突
部Ｍ２，Ｍ３を切欠し、竪框２２の一端から挿入すると
上位、中位の係止片１６”， １６’に対応した突部Ｍ
２，Ｍ３が切欠されている事により係止されず、下位の
係止片１６に突部Ｍ１が係合し適宜位置に係止される。

同様に裏板１４の中位の係止片１６′に係合する突部Ｍ
２以外の突部Ｍ１，Ｍ２を切欠し挿入する。

最後に突部帆以外の突部Ｍ１，Ｍ２を切欠した裏板１４
を挿入し各々の裏板１４は竪框２２の適宜位置に係止さ
れ配置される。

次いで蝶番３を取付フランジ２２′に当接しビスにより
蝶番３、取付フランジ２２′、裏板１４を一体的に結合
するものである。

この時、連結フランジ２２“の溝条、突条の数に対応し
て裏板１４の突部、溝部を設け係止片を変位した位置に
設けることにより多数の裏板を中空部材内に配置するこ
とが可能となる。

又本実施例は扉において説明したが、これに限定される
ことなく手摺りの支柱と笠木との接合、さらに中空部材
も角筒状に限らず円筒状等の種々の中空部材において裏
板の形状を変えることにより他部材との接合が可能であ
る。

以上の如く中空部材には、他部材との取付位置において
中空部内方に突出する係止片を設け、中空部材に挿入さ
れる裏板には、他部材の取付位置と対向して座金部と、
座金部の位置をガイドし係止片と係合する支持部を設け
たものであり、中空部材内への裏板の適宜位置への取付
けが簡単であり、裏板も同一形状のものが使用でき、材
料コストも廉価である。

又裏板を多数取付ける場合には、中空部材内方に突出す
る係止片を取付位置において互いに変位して複数設ける
と共に、裏板の支持部を適宜位置の係止片と係合する部
分を除いて切欠した切矢部を設けることにより、簡単な
加工により容易に中空部材の一端より多数の裏板を適宜
位置に配置することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は扉の一側の竪框に使用した本考案の実施例、第
２図は第１図の一側の竪框の縦断面図、第３図は第２図
のＩＩＩ一ＩＩ線断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ
線断面図、第５図は裏板の挿入を示す一部破断図、第６
図は扉の一側の竪框に使用した他の実施例、第７図は下
位、中位、上位位置に配設した裏板部における横断面図
。 １・・・・・・扉、２，２２・・・・・・竪框、２’，
２２’・・・・・・取付フランジ、２“，２２″・・
・・・・連結フランジ、３，３′・・・・・・蝶番、４
，４′・・・・・・上部（下部）裏板、５・・・・・・
ビス、６，６’， １６， １６’， １６”・・・・
・・係止片、７， ７’， １７・・・・・・座金部、
８， ８’， １８， １８’・・・・・・支持部、９
，９′・・・・・・切欠部、Ｊ１，Ｊ２，Ｊ３・・・・
・・溝条、Ｋ１，Ｋ２・・・・・・突条、Ｍ１ ， Ｍ
２ ，Ｍ３・・・・・・突部、Ｎ１，Ｎ２・・・・・・
溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空部材には、他部材との取付位置において該中空部材
   の一部を中空部材内方に突出した係止片を互いに変位し
   て設けると共に、他部材の取付位置と対向する座金部と
   、適宜位置の前記係止片と係合する部分を除いて切欠し
   た切欠部を設け、且つ該座金部の位置ガイドをする支持
   部とを有する裏板を中空部材内に挿入して戒ることを特
   徴とする中空部材の裏板支持構造。