JPH0228225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は包装体、詳しくは防虫剤、芳香剤等に
使用される包装体に関する。

〔従来の技術〕

従来、例えば防虫剤、芳香剤、除湿剤等を包装
する包装体では内容物を通気性を有する容器内に
入れ流通時はさらにそれを不通気性の包材で被覆
し、使用時に該包材を取り除いて使用している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながらこれらは、使用時に包材を破り通
気性を有する容器を取出して使用しなければなら
ず非常に不便であつた。

本考案は上述した従来技術の欠点を克服したも
ので、外包材を必要としない、不通気性層を剥が
すだけで簡単に通気性と不透水性をも有すること
の出来る包装体を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち本考案は、不通気性の容器本体と、該
本体開口部を被覆して設けられ且つ通気性及び不
透水性を有する織布又は不織布の上層と多数の通
気孔が穿設された感熱接着性樹脂層との２層構造
からなる通気層と、該通気層上に設けられた通気
性を有さない不通気層とからなる包装体であつ
て、上記不通気層は該不通気層に設けた、粘着付
与剤をねり込んだポリオレフイン系樹脂からなる
接合層を介して、通気層に対して剥離可能に設け
られて成ることを特徴とする包装体を要旨とす
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１図は本考案包装体の一実施例を示すもの
で、図中１は包装体、２は芳香剤等の内容物であ
る。該包装体１は開口部３を有する不通気性の容
器本体４と、該開口部３を被覆して設けられた通
気層５及び該通気層５上に設けられた不通気層６
から構成されている。さらに通気層５は通気性及
び不透水性を兼備した織布又は不織布よりなる上
層７と、通気性付与のために穿設された多数の通
気孔９を有する感熱接着性樹脂層８との２層構造
からなる。通気層５は上層７の下層である感熱接
着性樹脂層８によつて容易に容器本体４に貼着で
き、該本体４の開口部を被覆することができる。
又、不通気層６は接合層１０、中間層１１、表面
層１２の三層から構成されていて、接合層１０は
不通気層６を通気層５に対して剥離可能に接合す
る為のものであつて易剥離性も得られる。粘着付
与剤をねり込んだポリオレフイン系樹脂（以下、
粘着付与剤含有ポリオレフイン系樹脂と称す。）
にて形成されており、中間層１１は通気を遮断す
る為のものであり、表面層１２は中間層１１の保
護的役割をするものである。

容器本体４は、真空成形あるいはインジエクシ
ヨン成形等により成形する。通気層５は多数の通
気孔９を有する感熱接着性樹脂層８を上層７にラ
ミネートして成形する。又、不通気層６は接合層
１０に中間層１１及び表面層１２を順次ラミネー
トして成形する。

包装体１の成形方法としては、容器本体４に内
容物２を収納した後、通気層５及び不通気層６を
該本体４に順次ラミネートして成形するか、又は
通気層５と不通気層６をラミネートしたものを容
器本体４にラミネートして成形する。

容器本体４の材質としては、従来公知の通気性
を有さない合成樹脂が挙げられる。

通気層５の材質としては、上層７は通気性有す
るが水を通さない程度に密に織つたポリプロピレ
ン織布、又は通気性を有するが水を通さないポリ
プロピレン不織布、高密度ポリエチレン系不織布
が挙げられ、感熱接着性樹脂層８はポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が挙げられる。又、不通気
層６の材質は以下の通りである。接合層１０の粘
着付与剤含有ポリオレフイン系樹脂としては、水
素添加した炭化水素系の粘着付与剤をねり込んだ
ポリエチレン、上記粘着付与剤をねり込んだエチ
レン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ中間層１
１の材質としてはアルミ箔、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物、延伸ビニルアルコール等が
挙げられ、表面層１２の材質としてはポリエチレ
ンテレフタレート、延伸ナイロン、延伸ポリプロ
ピレン等が挙げられる。

上記のように構成された包装体１は使用時に不
通気層６を剥がして使用する。この際不通気層６
は、該層６に設けた前記の接合層１０によつて通
気層５に対して剥離可能に設けられているため容
易に通気層５から剥がれる。上記の剥離は不通気
層６の接合層１０と通気層５の上層７の間でなさ
れる。

尚、本実施例において不通気層は三層から構成
されているがこれに限られるものではなく、不通
気層が不通気性であり且つ通気層に対して剥離可
能に構成されていれば何層から構成されていても
良い。

〔作用〕

本考案の包装体は容器本体の開口部が通気層と
該通気層の上に設けた不通気層とにより被覆され
ているため、使用前には不通気層により不通気性
を備えており、使用時には上記不通気層に設けら
れている粘着付与剤含有ポリオレフイン系樹脂の
接合層により不通気層を該接合層と通気層の間で
容易に剥がして除去することができ、その結果、
通気層により通気性が確保される。また、上記の
通気層が通気性及び不透水性を兼備した織布又は
不織布の上層と通気孔が多数穿設された感熱接着
性樹脂層の２層構造であるため、上層により液状
内容物の外部漏出が防止され、しかも感熱接着性
樹脂層上に上層が存在するため感熱接着性樹脂層
における通気孔の埃塵等による目詰まりが防止さ
れる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案包装体は、不通気
性の容器本体に該本体開口部を被覆して通気性を
有する通気層を設け、該通気層上に通気性を有さ
ない不通気層を設け且つ不通気層が通気層に対し
て剥離可能に設けられている為、従来の様に流通
時は内容物を通気性を有する容器内に入れ、さら
に外容器を不通気性の包材で被覆し、使用時に外
包材を取り除いて使用するような煩わしさもなく
使用時に不通気層を剥がすだけで使用でき、又、
不通気層は該層に設けた粘着付与剤含有ポリオレ
フイン系樹脂からなる接合層によつて通気層に対
して剥離可能に設けられているので容易に不通気
層を剥がすことが出来、非常に便利である。

又、通気層が通気性及び不透水性を有する織布
又は不織布の上層と多数の通気孔が穿設された感
熱接着性樹脂層との２層構造を成しているため、
内容物が例え液体であつたとしても不通気層を剥
離除去した後（即ち、使用時）に液状の内容物が
通気層を通して容器外部に漏出してしまう虞れは
なく、しかも通気孔を有する感熱接着性樹脂層の
上方に常に上層が存在する層構造であるため、不
通気層剥離時の接合層の接着剤（粘着付与剤含有
ポリオレフイン系樹脂）の残着や、或いは不通気
層剥離除去後における外部からの埃塵によつて、
上記通気孔が目詰まりを起こし、それによつて通
気層全体の通気性能が低下するという問題がな
く、通気性の保持効果に優れている。

更に、従来は通気性の容器を更に不通気性の包
材で被覆し包装体を得るため製造工程が煩雑とな
る不具合があつたが、本考案包装体は不通気層を
通気層の上に設けるだけでありその製造工程が非
常に簡略化される効果がある等、種々の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案包装体の一実施例を示す縦断面
図である。 １……包装体、３……開口部、４……容器本
体、５……通気層、６……不通気層、７……上
層、８……感熱接着性樹脂層、９……通気孔、１
０……接合層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 不通気性の容器本体と、該本体開口部を被覆し
   て設けられ且つ通気性及び不透水性を有する織布
   又は不織布の上層と多数の通気孔が穿設された感
   熱接着性樹脂層との２層構造からなる通気層と、
   該通気層上に設けられた通気性を有さない不通気
   層とからなる包装体であつて、上記不通気層は該
   不通気層に設けた、粘着付与剤をねじ込んだポリ
   オレフイン系樹脂からなる接合層を介して、通気
   層に対して剥離可能に設けられて成ることを特徴
   とする包装体。