JP4630624B2 - 薬剤拡散装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施形態の薬剤拡散装置を示した斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態の薬剤拡散装置を把持部を開いた状態を示した斜視図である。図3は、環状枠部を示した斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態の薬剤拡散装置の薬剤保持部材の縁付近を示した一部切り欠き斜視図である。図5、図6は、本発明の第1の実施形態の薬剤拡散装置の薬剤保持部材を開いた状態を示した斜視図である。図7は薬剤保持部材の変形例を示す斜視図である。図8は薬剤保持部材の変形例の一部を拡大した斜視図である。
また、図4に示されるように、保持部30の外周に枠部固定部33が縫製により固定されている。
そして、環状枠部31を複数巻き状態にすると、薬剤保持部材12がコンパクトとなる。この状態の薬剤保持部材12は、図2に示されるように、円板部材20a、20bの大きさよりも小さい。したがって、円板部材20a、20bを合わせた内側に配置することができ、後述する保持部30に保持された薬剤の有効成分の拡散を抑制することができる。
本実施形態の薬剤拡散装置1の薬剤の有効成分は、常温で揮散性を有するものであり、当該有効成分として、有害生物に対して防虫効果を有し、殺虫又は忌避による防除が可能であるものがよい。
なお、「防虫効果」とは「殺虫効果」と「害虫の忌避効果」の両方を包含する概念である。
1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:エンペントリン)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:トランスフルスリン)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等のピレスロイド化合物、2,2−ジクロロビニル ジメチル ホスフェート、N,N−ジエチル−m−トルアミド、カラン−3,4−ジオール。
また、本発明に使用する有効成分は、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-5〜5×10-3mmHgとが望ましい。
ここで、Donovan法とは、New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography : Journal of Chromatography A. 749 (1996) 123-129 にてStephen F.Donovan 氏によって報告された方法である。
この場合、このような液状の薬剤中に保持部30を浸漬して行ってもよく、また、液状の薬剤を滴下して保持部30に保持させても良い。
薬剤の有効成分を拡散しない場合、例えば、販売の際や保管の際には、図1のような状態にしておく。すなわち、薬剤保持部材12の環状枠部31を小さくした状態で、本体部材11の円板部材20a、20bの間に挟まれた状態にしておく。この状態は、保持部30が折りたたまれて表面積が小さくなり、薬剤保持部材12の保持部30に保持されている薬剤の有効成分が拡散し難い状態である。
この密着部の具体例としては、ファスナー、面ファスナーなどがある。
また、保護部52は網状であって薬剤の有効成分の通過が可能であるので、保持部30に保持されている薬剤の有効成分の拡散を行うことが可能である。保護部52の網の貫通部分の大きさは、用途に合わせて用いることができるが、貫通部分が1mm角(面積で1mm2)〜5mm角(面積で25mm2)が、使用者が保持部30に触れにくく、薬剤の有効成分の拡散性もよく、かかる範囲が望ましい。
さらに、保護部52を、後述する第1の参考形態の薬剤拡散装置2の保護部61と同様な材質のシートも採用することができる。
保持部30へ薬剤を保持する方法は、上記した第1の実施形態と同様の方法を用いることができる。
すなわち、薬剤として、常温で揮散性を有する有効成分自体をそのまま用いて保持させても良く、また、当該有効成分を適宜希釈して得られる溶液(即ち、有効成分を有する薬剤)を用いて薬剤保持部材12の保持部30に保持させることができる。なお、希釈に用いる薬剤は、上記した第1の実施形態と同様なものを用いることができる。
この場合、このような液状の薬剤中に保持部30を浸漬して行ってもよく、また、液状の薬剤を滴下して保持部30に保持させても良い。
把持部63は棒状の部分であり、環状枠部62の枠内とは反対側の枠外に延びるように突出している。図9に示されるように、把持部63は、第1枠部材60a及び第2枠部材60bの両方に設けられているが、一方でも良い。
そうすると、図10に示されるように、枠部材60、保持部30、保護部61が一体化して固定される。なお、一体化の方法は、どのような方法でも良いが、熱溶着や、接着剤による接着などを用いることができる。
また、枠部材60の第1枠部材60aと第2枠部材60bに係合部(図示せず)を設けて、金魚すくい用の枠のように、着脱可能に一体化できるようにしてもよい。
薬剤拡散装置2を薬剤の有効成分の拡散を行う場所に移動させる。そうすると、保持部30に保持された薬剤の有効成分が拡散する。保持部30の両側の面には保護部61が覆うように設けられているが、保護部61は気化した薬剤の有効成分が通過するので、保持部30からの拡散を可能とする。また、保護部61によって、使用者が保持部30に直接触れにくくすることができ、安全性が高い。
枠部材60と保護部61との一体化は、上記したインサート成形によっても行うことができるが、枠部材60と保護部61の材質を同じ樹脂として、枠部材60と保護部61とを同じ樹脂成形品とすることもできる。
そして、枠部材60を1個として、この枠部材60と網状の保護部61bとが一体化されている。
保護部61として網状のものを用いた場合、その網の貫通部分の大きさは、用途に合わせて用いることができるが、貫通部分が1mm角(面積で1mm2)〜5mm角(面積で25mm2)とすることが望ましく、使用者が保持部30に触れにくく、薬剤の有効成分の拡散性もよい。
そして、拡散防止部65は、流通や販売の際に取り付けておき、使用の際には取り外されるものである。したがって、薬剤拡散装置2a、3a、4a、5aのような構成とすれば、使用までに拡散される無駄な薬剤の有効成分を低減することができる。
さらに、畳んだ状態の枠部材70の最外層に、拡散防止層72を設けることもできる。
なお、この場合、上記した保護部52、61は、薬剤の有効成分の拡散が可能な面のみ設けることができ、また、拡散防止部65もかかる面に取り付けられる。
図9に示される薬剤拡散装置2を用いた。なお、保持部30の面積は1000cm2とし、保持部30の材質は不織布を用いた。また、薬剤の有効成分として、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを用い、この薬剤300mgをアセトン7mlで希釈して薬剤を調整し、保持部30に滴下して15分風乾することにより、供試薬剤拡散装置Aを作製した。
図11に示される薬剤拡散装置3を用いた。なお、保持部30の面積は680cm2とし、保持部30の材質は網状のものを用いた。また、薬剤の有効成分として、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを用い、この薬剤300mgをアセトン5mlで希釈して薬剤を調整し、保持部30に滴下して15分風乾することにより、供試薬剤拡散装置Bを作製した。
図18に示される薬剤拡散装置6を用いた。なお、保持部30の面積は700cm2とし、保持部30の材質は不織布を用いた。また、薬剤の有効成分として、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを用い、この薬剤300mgをアセトン5mlで希釈して薬剤を調整し、保持部30に滴下して15分風乾することにより、供試薬剤拡散装置Cを作製した。
図11に示される薬剤拡散装置3を用いた。なお、保持部30の面積は680cm2とし、保持部30の材質は網状のものを用いた。また、薬剤の有効成分として、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを用い、この薬剤20mgをアセトン5mlで希釈して薬剤を調整し、保持部30に滴下して15分風乾することにより、供試薬剤拡散装置Dを作製した。
上記の参考例1〜3の薬剤拡散装置を、70cm×70cm×70cmのガラス槽の中央上面に吊るし、ほぼ同時にアカイエカ(雌)20匹を放した。20分経過後に、ランディングした虫をカウントした。
これらの結果について表1に示す。
上記の参考例4で作製された供試薬剤拡散装置Dを野外において、団扇のように扇いで、保持部30に保持された薬剤の有効成分を拡散させ、当該薬剤拡散装置の周辺に存在したアカイエカ(雌)を観察した。その結果、アカイエカ(雌)の防除が確認された。
11 本体部材
12、51 薬剤保持部材
20 把持部
20a、20b 円板部材
30 保持部
31、62 環状枠部
52、61 保護部
65 拡散防止部
Claims (6)
- 常温で揮散性を有する有効成分を含有する薬剤を保持してなる保持部と環状枠部とが設けられた薬剤保持部材と、把持部が設けられた本体部材を有し、前記保持部は変形可能であり、前記環状枠部は可撓性を有する環状の部材であって前記保持部の外周に設けられており、
前記環状枠部は、全体で1巻きの大きな環状となっている一巻状態と、前記一巻状態よりも小さく2巻き以上の状態となっている複数巻き状態とにすることができ、前記一巻状態では保持部を広げた状態としつつ保持部の一部を把持部によって挟んで持つことができ、前記複数巻き状態では前記把持部によって保持部の全体を覆うことができることを特徴とする薬剤拡散装置。 - 薬剤保持部材には保護部を有し、前記保護部は、薬剤の有効成分の通過が可能であって、保持部の表面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の薬剤拡散装置。
- 保護部は網状であることを特徴とする請求項2記載の薬剤拡散装置。
- 把持部は、2枚の板状の部材により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の薬剤拡散装置。
- 把持部は、略同形の2枚の円形の板状の部材により構成されていることを特徴とする請求項4記載の薬剤拡散装置。
- 把持部によって薬剤保持部材を密閉状態とすることができることを特徴とする請求項4又は5記載の薬剤拡散装置。
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