JP2534153Y2 - 通気性包装袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は椎茸等の茸の培養対の包装に好適に使用でき
る通気性包装袋に関し、更に詳述すれば、茸菌の培養か
ら保管、流通を１つの包装袋で行うことを可能とする通
気性包装袋に関する。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来より、椎茸などの茸の栽培にあたっては、ナラ、
ブナなどの駒やおがくずに窒素源や炭素源などを添加し
た培養基を通気性を有する包装容器内に収容し、湿熱殺
菌等の適宜な滅菌処理を行った誤、所定の茸菌を植え付
けて培養体を作製し、これを原木に接種したり、適当な
容器に移し替えて栽培することが行われている。

通常これらの包装容器には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の瓶が多く使用されているが、プラスチックフ
ィルム製の包装袋も使用されている。

プラスチックフィルム製の包装袋の場合、包装袋本体
の所定箇所にスリット等の切り込みや孔等を形成して、
通気性を確保するとともに、外部よりの雑菌等の侵入を
防止するため該部分を覆って通気性フィルター材を当接
し、フィルター材の側端部を包装袋本体に熱接着した包
装袋が使用されることが多い。

しかしながら、包装袋本体に円形の孔を穿孔した場合
は、フィルターが露出しており、保管流通時にフィルタ
ーに塵埃、水分が付着し、細菌の遮断性が補償できな
い。このため、塵埃および水分の付着を防止するため
に、包装袋本体にミシン目を形成した包装袋が提案され
ているが、この場合は、茸菌の栽培時に必要とする大量
の空気の流通を確保することが難しく、さらに包装袋本
体に間隙を形成するように一条のスリット線を形成する
場合は、空気の流通は確保できるものの、保管、流通の
段階でスリット部分が外側に捲れ上がり、フィルター材
が露出する恐れがあり、やはり細菌の遮断性に問題があ
る。

本考案は、上記の事情に鑑みなされたもので、茸菌の
培養時ないしは保管流通時にも、フィルター部分の汚染
を防止し、細菌遮断性を確保できる通気性包装袋を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するため、透明の合成樹脂
製の包装袋本体に少なくとも一条のスリットを形成し、
このスリットを覆って包装袋本体の内側に通気性の帯状
のフィルター材を配置し、該フィルター材と本体とをそ
の幅方向両端縁部で接着して端縁接着部を形成すると共
に、これら両端縁接着部から上記スリットに向けて延出
する複数の延出接着部を互いに所定間隔離間して形成し
て通気性包装袋を提供する。

〔作用〕

本考案は、以上のように、通気性フィルターを複数の
延出接着部を形成して包装袋本体に接着してあるので、
茸菌培養時はもちろんのこと、培養基を封入したまま保
管、流通しても包装袋のスリット部分が捲れ上がること
はなく、フィルターに塵埃等が付着せず、細菌遮断性が
確保できるとともに、包装袋の外観もきわめて良好な状
態を保持することができる。

以下、本考案の実施例につき図面を参照して説明す
る。

〔実施例〕

第１図および第２図は、本考案の一実施例に係る通気
性包装袋を示し、図中１は包装袋本体で、この本体１
は、少なくとも内面がポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱接着性を有する合
成樹脂フィルムより構成された複合フィルムにて形成さ
れている。この場合、包装袋本体１の形成としては、平
袋でも良いが、茸の培養に好都合なガセット袋あるいは
図示の如く底部とＷ型に折り込んだ自立性包装袋が好ま
しい。

この実施例において、本体１は２枚の複合材フィルム
2a,2bの端縁部を熱接着３することにより形成されてい
るが、一方のフィルム2aの上部には幅方向に沿って一条
のスリット４が形成されている。また、このスリット４
を該フィルム2aの内側より覆って帯状の通気性フィルタ
ー材５が配置され、フィルム2a内面にその幅方向面端縁
部が熱接着され、端縁接着部6,6が形成されていると共
に、これら両端縁接着部6,6からスリット４に向けて延
出する複数の延出接着部7,7が互いに等間隔ずつ離間し
て形成されている。この場合、これら両端縁接着部6,6
からそれぞれ延出する延出接着部7,7は互いに対向し、
かつ対向先端部が連続した格子状に形成されている。な
お、第１図においてフィルター材５とフィルム2aとの熱
接着部分は点線による斜線部で示した。

ここで、上記フィルター材５としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の合成樹脂製繊維からなる不織
布、紙あるいは紙に合成樹脂製繊維を混抄した混抄紙な
どを単独あるいは複数層積層した複合材を利用すること
ができるが、通気性等の点から透気度が0.01〜100秒程
度のフィルター材とすることが好ましい。

上述した包装袋はフィルター材５がその周縁部だけで
なく、数箇所においてスリット４を横切るようにフィル
タ材５の幅方向に沿ってフィルター材５と袋本体１内面
とが接着されているので、スリット４が捲れ上がってフ
ィルター材５が露出するようなことがなく、このため塵
埃等が多量にフィルター材５に付着して目詰まりを生じ
るようなことがなく、しかもフィルター材５と袋本体１
との間に広い非接着部を有するので、スリット４からフ
ィルター材５と袋本体１との間に流入した空気は広い面
においてフィルター材５と接触すると共に、これを通過
するので、良好な空気の流通状態が常に確保される。ま
た、フィルター材５が外部に露出することがないので常
に良好な体裁を保つことができる。

なお、本考案の通気性包装袋は、上記実施例に限定さ
れるものではなく、例えば延出接着部7,7は、両端縁接
着部6,6より互いに対向して延出しかつその対向先端部
がスリット４を隔て若干離間した状態の櫛歯状にしたり
（第３図）、両端縁接着部より互いに非対向状態に延出
し、かつその先端部がスリットを越えるように千鳥状に
配置した形状に接着することができる（第４図）。更
に、包装袋本体１の形状等、その他の構成も本考案の要
旨を逸脱しない限り種々変更して差し支えない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の通気性包装袋によれ
ば、茸菌培養時はもちろんのこと、培養基を封入したま
ま保管、流通して包装袋のスリット部分が捲れ上がるこ
とはなく、フィルターに塵埃等が付着せず、最近遮断性
が確保できるとともに、包装袋の外観もきわめて良好な
状態を保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第1,2図は、本考案の一実施例に係る通気性包装袋を示
すもので、第１図は平面図、第２図は第１図II−II線に
沿った断面図、第3,4図はそれぞれ他の実施例に係る通
気性包装袋を示す部分平面図である。 １……包装袋本体、４……スリット、５……フィルター
材、６……端縁接着部、７……延出接着部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明の合成樹脂製の包装袋本体に少なくと
   も一条のスリットを形成し、このスリットを覆って包装
   袋本体の内側に通気性の帯状のフィルター材を配置し、
   該フィルター材と本体とをその幅方向両端縁部で接着し
   て端縁接着部を形成すると共に、これら両端縁接着部か
   ら上記スリットに向けて延出する複数の延出接着部を互
   いに所定間隔間して形成してなることを特徴とする通気
   性包装袋。