JPH0227549B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、密封ベローのハウジング側ベロー縁
が、継手ハウジングを囲繞しかつ断面をほぼＵ字
状に構成された環状溝内に固定され、このベロー
縁が、環状溝のＵ字形状に合わされた断面を持
ち、締付け環により環状溝の中へ押し込まれてい
る、密封ベローを玉継手の継手ハウジングに取り
付ける装置に関する。

従来の技術 このような装置は、Ｕ字状環状溝へ挿入される
ベロー縁が締付け環により非常に強く締め付けら
れるという欠点がある。これにより密封ベローが
しばしば損傷するので、湿気や塵埃が密封ベロー
により保護すべき個所へ達し、また場合によつて
は存在する潤滑剤が漏れ出ることがある。その結
果玉継手の腐食や大きい摩網がおこる。密封ベロ
ーの損傷は、密封ベローに加わる引張り応力によ
つて促進される。この引張り応力は、継手ハウジ
ングが玉軸部に対して揺動される時に、常に生ず
る。

締付け環により圧縮力およびせん断力を受ける
ベロー縁の範囲を厚く構成することによつて、こ
の問題を解決できる。しかし同時に継手ハウジン
グを囲繞するＵ字状断面の環状溝を異なる寸法に
し、特に深くして、締付け環が玉軸部の軸線方向
にも充分確実に保持されるようにせねばならない
という欠点を生ずる。さらに厚い密封ベローは重
量の増大と製造費の上昇を伴う。

発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、継手ハウジングの環状溝に係
合する締付け環により密封ベローを玉継手の継手
ハウジングに取り付ける際、従来の取付け装置に
比較して締付け環の締付け力を増大させることな
しに、密封効果を高めることである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するため本発明によれば、ベロ
ー縁の環状溝の底に対向する断面範囲が、環状溝
へはめられた状態で、溝底から離れて外方へ凸に
湾曲する環状ひだを形成し、この環状ひだが締付
け環の押圧力を受けて伸びる。

発明の効果 こうして本発明によれば、外方へ凸に湾曲する
環状ひだをベロー縁に形成することによつて、従
来のようにこの範囲における密封ベローの肉厚を
大きくする必要なしに、環状溝の底上におけるベ
ロー材料を増大して、肉厚を大きくするのと同じ
効果を得ることができる。締付け環により、材料
増大部はこの締付け環とハウジングとの間の環状
間隙へ押し込まれる。それにより継手ハウジング
にある環状溝に密封ベローが弾性的に接触すると
共に、締付け環の両側で密封ベローの転向範囲に
おける比表面圧が増大する。

しかも締付け環による半径方向締付けによつ
て、環状ひれが伸びるので、ベロー縁の軸線方向
押圧力が生ずる。これによりベロー縁へ作用する
半径方向力を高めることなしに、密封性能が向上
する。すなわち本発明による取付け装置では、環
状ひれの屈折レバー原理により、小さい半径方向
力で、大きい軸線方向押圧力が生ずるので、締付
け力を過大にすることなしに、良好な密封効果が
得られる。

実施例 本発明の対象のそれ以外の詳細および利点は、
本発明により構成された取付け装置の好ましい実
施例が示されている添付の図面の以下の説明から
明らかになる。

玉継手は、中において各方面に移動可能に設け
られた玉軸部２を持つ継手ハウジング１から成
り、継手ハウジング１と玉頭部３との間に支持殻
体４がはめ込まれている。継手ハウジング１は上
側において、圧延して形成されたキヤツプ５によ
り閉鎖されている。

継手ハウジング１と玉軸部２との間にある動作
上必要な開口６が密封ベロー７で密封されてお
り、この密封ベローがハウジング側において環状
溝８に係合しかつ締付け環９により固定されてい
る。密封ベロー７は軸部側において締付け環１０
により固定されている。密封ベロー７の内部にお
いて玉軸部２に支持スリーブ１１が設けられてお
り、この支持スリーブが一方では密封ベロー７の
上方への滑りを防止し、他方では激しい継手振動
の際に継手ハウジング１と玉軸部２との間の緩衝
装置として作用する。

密封ベロー７はハウジング側縁に、環状溝８に
適合せしめられた断面を持つている。この断面
は、はめられた状態、したがつて環状溝８にはめ
込まれた状態で環状溝８が底１２において外方へ
向いたひだ１３を形成する。この際環状溝８の底
１２と密封ベロー７の内面との間に空所１４が生
ずる。ひだ１３は締付け環９のはめ込みの際に空
所１４を縮小または除去しながらはめられる。そ
れによつて密封ベロー７の余剰材料が環状溝８の
側壁の方へ押しつけられかつ継手ハウジング１の
方へ締付け環９の両側にある環状空間の中へ押し
つけられる。その際転向範囲において高い面圧が
生じ、この面圧が密封の所望の改善を実現する。

密封ベロー７は、縁１５の継手ハウジング１に
接する側に溝１６を持つており、これらの溝がラ
ビリンス密封装置を形成している。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を断面（左半分）で示した玉継手
の正面図、第２図は締付け環なしの、密封ベロー
をはめた継手ハウジングの環状溝の一部の拡大断
面図、第３図は締付け環をはめた、第２図による
断面図である。 １…継手ハウジング、７…密封ベロー、８…環
状溝、９…締付け環、１３…ひだ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 密封ベロー７のハウジング側ベロー縁が、継
   手ハウジング１を囲繞しかつ断面をほぼＵ字状に
   構成された環状溝８内に固定され、このベロー縁
   が、環状溝８のＵ字形状に合わされた断面を持
   ち、締付け環９により環状溝８の中へ押し込まれ
   ているものにおいて、ベロー縁の環状溝８の底に
   対向する断面範囲が、環状溝へはめられた状態
   で、溝底から離れて外方へ凸に湾曲する環状ひだ
   １３を形成し、この環状ひだが締付け環９の押圧
   力を受けて伸びることを特徴とする、密封ベロー
   を玉継手の継手ハウジングに取り付ける装置。 ２ 密封ベロー７の軸線方向に見て外側にあつて
   環状溝８の一方の側面に対向する異形断面ベロー
   縁の接触面が複数の溝１６を持ち、これらの溝が
   ラビリンス密封片を形成していることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項に記載の装置。