JP2000504097A - 密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 相互に相対運動する２個の機械部品（７、８）を備える密封装置であって、該密封装置は、半径方向内側の保持部（１）、半径方向外側の密封部（２）及びこれらを結合する柔軟な結合部（３）からなるシールリングを挟持する。密封部（２）は、半径方向外側の対向密封面に対して、もっぱら保持部の膨張によって、密封部（２）の直径を変えることなく予圧する。

Description

【発明の詳細な説明】 密封装置 本発明は、互いに相対的に軸方向及び／又は回転運動する２個の機械部品が、 同心の密封面の間にパッキンリングを挟持する密封装置に関する。パッキンリン グは弾性材料からなり、半径方向内側にある保持部、半径方向外側にある密封部 及びこれらを結合する柔軟な結合部を有する。保持部は内側の機械部品に対して 静止して密封し、内側密封面に予圧して取付けられている。内側密封面を以下で は基準密封面と称する。予圧の発生のために保持部の内径は基準密封面の直径よ り小さい。密封部はこれに対して可動の外側の対向密封面に予圧して接する。保 持部と密封部はおおむね同じ半径方向平面にある。一般にパッキンリングは内側 の機械部品の保持溝に取付けられている。 この種の公知の密封装置（US-A-4611931；出願人のパンフレット「気硬シール 」）は、一体形のパッキンリングが半径方向に互い違いの２個の溝状切込みによ り保持部と密封部の間にＺ状の延長方向形状の輪郭を形成されることによって、 結合部の柔軟性を得る。その結果、この溝の１つで封止される圧力が密封部の背 面に作用し、封止される圧力に比例して密封押圧力が増加する。封止される圧力 がこの溝に到達するように、密封部の端面は突起又は通路横断面を有する。パッ キンリングを収容する溝の側面に密封部が全面的に接して、装置を遮断すること がこれによって阻止される。密封押圧力と封止される圧力が比例するので、密封 部の初期予圧を小さくし、それによって付着摩擦（“Slip-Stick-Effect”［す べり粘着効果］）を小さくすることができる。それでも若干の初期密封押圧力が なければならない。それは弾性予圧によって得られる。公知の密封装置では対向 密封面に接するようになっている密封部の外周面の直径が対向密封面の直径より やや大きいことによって、弾性予圧が得られる。このため取付けの後に密封部の 周方向圧縮変形が生じる。その結果密封部はパッキンリングを保持する溝の内部 に曲がりくねった延長方向形状を生じる傾向がある。それは、縦断面で見て密封 部の相対位置が周囲のすべての場所で同じでなく、従って密封効果も相違し、一 部では最適でないことを意味する。最も不良な場所でもなお密封を保証するよう な前提条件の下では、密封部の予圧が大きくなければならないから、密封部の全 体と して最適な配列である場合に必要である以上に予圧を大きく設定しなければなら ない。 半径方向内側の保持部、半径方向外側の油かき及びこれらの部分を結合する柔 軟な結合部から構成される油かきリングが知られている（DE-U-8704249）。油か きはリップを有する。リップはかき取りの機能と、場合によっては密封の機能を 備え、この目的のために弛緩した直径より小さな直径に変形することによって対 向密封面に対して予圧されている。使用中にこのリップが対向密封面に対して適 正な位置に保持されるように、油かきはさらにガイドリングを備えている。ガイ ドリングの円筒形周面は対向密封面と同じ直径を有し、対向密封面に支持される 。このような支持リングは対向密封面に付加的摩擦を引き起こすから、対向密封 面に対する初期摩擦が僅少でなければならないパッキンリングには応用できない 。 そこで本発明の根底にある課題は、冒頭に挙げた種類の密封装置において、対 向密封面に対して密封部の位置が全周にわたって同じであるための前提条件を改 善するということである。 本発明に基づく解決策は、密封部の予圧が実質的に保持部の膨張によって発生 されることにある。それは、対向密封面の直径が、密封部の対向密封面と相互作 用する部分の弛緩状態における直径とほぼ同じ大きさであることを意味する。保 持部は結合部を介して密封部を対向密封面に押付けるが、密封部は弛緩状態に比 較して大きく膨張又は圧縮変形されない程度に保持部を膨張する。密封部は、パ ッキンリングを内側機械部品の基準密封面に取付けると膨張し、続いて内側機械 部品をパッキンリングとともに外側機械部品に挿入すると少なくとも部分的に再 び収縮する。曲がりくねった形状の変形を引き起こすことのある密封部の周囲の 圧縮変形がこうして回避される。対向密封面の直径は弛緩した密封部の直径より 大きいことが好ましい。 密封部の弾性予圧は同様の公知の装置の場合より小さくてよいから、密封縁の 構造が重要になる。密封縁は、目的にかなった方法でほぼ屋根形の縦断面の２つ の斜面の間に形成することが好ましい。適当な変形によって対向密封面への密封 縁の密接を保証するために、斜面を対向密封面に対して比較的急勾配に、即ち20 度、とりわけ25度を超える両側逃げ角で配列することが好ましい。それでも密封 部が十分にコンパクトであって、密封部に作用する力に十分な変形抵抗を対抗さ せることができ、特に摩擦力であまりに強く折返されることがないように、斜面 を凹形縦断面に形成することが好ましい。斜面は密封縁の近傍でだけ対向密封面 に対して急な延長方向形状をしており、残余の区域では平坦な延長方向形状をな す。密封縁と斜面の構造は、場合によっては請求項１ないし２の特徴から独立の 保護を受けることができる。 次に有利な実施例を具体的に説明する、図面を参照しつつ、本発明を下記にお いて詳述する。 図１は弛緩状態の本発明に係るパッキンリングの輪郭を示す。 図２は取付け状態の本発明に係るパッキンリングの輪郭を示す。 パッキンリングは保持部１、密封部２及びこれらの２つの部分の間にあるＺ形 の結合部３からなる。結合部の形状は溝４及び５によって決まる。パッキンリン グは詳しく図示しないピストン７の溝６に取付けるようになっている。ピストン ７にシリンダ８が属する。シリンダ８の対向密封面９の一部だけが示されている 。図示したすべての部分は、図面の外にある共通の軸線に対する回転体である。 溝の溝底16は基準密封面をなし、ここに保持部１が予圧されて密着する。良好な 密封のために、保持部１は、溝底16と相互作用する２個の密封縁15を保持部１の 面に備えている。 パッキンリングの保持部１と密封部２は取付け状態で半径方向に重なり合って いる。即ちその端面は溝６の側面と一致し、同じ半径方向平面にある。その場合 密封部２の端面は突縁10及び11からなり、媒質に対してパッキンリングの両側に 溝４及び５への入口を設けるために、突縁10及び11の間に通路横断面12がある。 このことは、密封部２の背面が密封される差圧を与えることに対する前提条件で ある。 密封部２は密封縁13により対向密封面９と相互作用する。密封縁13は２つの斜 面14によって画定される。斜面14の密封縁13に隣接する区域は、それから隔たる 区域よりも対向密封面９に対して急な傾斜を有する。その結果斜面14は凹形に形 成されている。こうして密封部２は、斜面14を密封縁13の直近の傾きで直線状に 通した場合より大きな平均半径方向厚さを得る。このことは特に密封縁13に作用 して密封部２を周方向軸線の周りにねじる（折返す）傾向がある摩擦力に対して 、密封部２をより剛直にする。密封縁13を丸みのある構造にすることができる。 密封縁13は少なくとも取付け状態（図２）で予圧により丸みを生じ又は扁平にさ れる。 本発明によれば対向密封面９の直径Ｄ_Gは、密封部２の密封縁１３の直径Ｄ_Dと ほぼ同じ大きさもしくは大きい。これに対して溝６の溝底16の直径Ｄ_Nは、これ と相互作用するパッキンリングの保持部１の面の直径Ｄ_Hよりかなり大きい。即 ちパッキンリングを溝６に取付けた後の密封部２が図２に鎖線で示唆した過度の 寸法を有するように、結合部３及び密封部２の直径と剛性が設定されている。過 度の寸法は、密封部が対向密封面９に取付けられ、それによって変形を生じた後 に弛緩寸法にほぼ相当するか又は僅かに大きい寸法に押し戻されるような大きさ である。冒頭に述べた不利な影響を生じる密封部２の周囲圧縮応力がこうして回 避される。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．相互に相対運動する２個の機械部品（７、８）を備える密封装置であって 、 該密封装置は、半径方向内側の保持部（１）、半径方向外側の密封部（２）及 びこれらを結合する柔軟な結合部（３）からなるパッキンリング（１、２、３） が同心の密封面（９、１６）の間に挟持され、 パッキンリングに対して不動の内側の基準密封面（16）が保持部の内径（Ｄ_H ）より大きな直径（Ｄ_N）を有し、 パッキンリングに対して可動の外側の対向密封面（９）に密封部（２）の外周 （13）が予圧して作用し、 密封部（２）の予圧がおおむね保持部（１）の膨張によって生じることを特徴 とする密封装置。 ２．対向密封面（９）の直径（Ｄ_G）が、密封部（２）の弛緩した外径（Ｄ_D） とほぼ同じか又は大きいことを特徴とする請求項１に記載の密封装置。 ３．密封部（２）が、ほぼ屋根形の斜面（14）の縦断面の間に少なくとも密封 縁（13）を形成することを特徴とする請求項１又は２に記載の密封装置。 ４．密封面（13）が丸みを帯びていることを特徴とする請求項３に記載の密封 装置。 ５．斜面（14）の縦断面が凹形であることを特徴とする請求項３又は４に記載 の密封装置。