JPH09329245A - リップ型シール - Google Patents

リップ型シール

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JPH09329245A
JPH09329245A JP8150670A JP15067096A JPH09329245A JP H09329245 A JPH09329245 A JP H09329245A JP 8150670 A JP8150670 A JP 8150670A JP 15067096 A JP15067096 A JP 15067096A JP H09329245 A JPH09329245 A JP H09329245A
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lip
hole
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seal
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Tsugunari Iwashita
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    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
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    • F16J15/3252Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings provided with casings or supports with rigid casings or supports
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16J15/00Sealings
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    • F16J15/3232Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip having two or more lips
    • F16J15/3236Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip having two or more lips with at least one lip for each surface, e.g. U-cup packings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンシールにおいて、耐久性の低下を招
くことなくシール性の向上を図る。 【解決手段】孔部4に内嵌され油圧Wを受けることによ
り孔部内を摺動するピストン体3の油圧作用側に、摺動
壁面7から徐々に離れるテーパ面部322と、平行面部
321とを形成する。テーパ面部と摺動壁面との間を埋
めるように断面形状が略三角形に形成されたシール本体
部21と、シール本体部から連続して形成されたリップ
部22とでリップ型シールを構成する。リップ部の背面
221に作用する油圧によるリップ部を摺動壁面側に押
し付ける力の作用線Qと、テーパ面部から摺動壁面側に
延びる法線Tとが摺動壁面よりも孔部側では少なくとも
交差しないようにシール本体部をリップ部から孔軸方向
一側に離れた位置に配設する。これにより、摺動壁面か
らリップ型シールに作用する接触反力分布が、リップ部
による接触反力ピークと、シール本体部による接触反力
ピークとの2つのピーク値を有する分布形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧により摺動さ
れるピストン体と、このピストン体が摺動する摺動壁面
との間のシールを行うリップ型シールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のリップ型シールとし
て、ピストン体の液圧作動側端部の外周囲から摺動壁面
に対し斜めに延びたリップ部を備えたものが知られてい
る(例えば、特開平1−34744号公報,実開平1−
69973号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
リップ型シールにおいては、図9に例示するように、単
にリップ部aが摺動壁面b,b側に延びたものであるた
め、ピストン体cを孔部dに内嵌させた状態でリップ部
aと摺動壁面bとの間に生じる接触反力分布は図10に
示すように1つのピーク値pを有する1つの山型分布形
状になる。
【0004】また、たとえ、図11に示すようにピスト
ン体cの液圧作動側端部にテーパ部eを形成し、このテ
ーパ部eからリップ部aが摺動壁面b側に斜めに延びる
ようにしても、同図の左側から作用する液圧に基づき斜
めに開いたリップ部aを摺動壁面bに対し押す力F1
と、上記テーパ部eからの反力F2 とが互いに交差し、
結局、F1 とF2 と合力F(図12参照)の作用位置で
接触反力のピーク値pが生じることになる。このため、
接触反力分布は、上記と同様に1つの山型分布形状(図
10参照)になってしまう。
【0005】そして、このように接触反力分布が1つの
山型分布形状の場合、リップ部の延長長さ、肉厚、ゴム
材質等を調整してその剛性を硬め(高弾性係数)にする
ことにより接触反力のピーク値を高くしてシール性の向
上を図ろうとすると、リップ部に応力が局部的に集中し
て耐久性の低下を招くおそれがある。逆にリップ部の剛
性を軟らかめにして摺動性の向上を図ろうとすると、シ
ール性の低下を招くおそれがある。さらに、上記の如く
接触反力が1つの山型分布形状であると、リップ部の耐
久性の低下や傷等の発生が直接的にシール性の悪化につ
ながるおそれがある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、耐久性の低下
を招くことなくシール性の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、孔部に内嵌され孔軸方向一
側から液圧を受けることにより孔部内を孔軸方向他側に
摺動するピストン体に対し設けられるものであって、そ
のピストン体の周面から孔軸方向一側に向かい上記孔部
の摺動壁面に対し交差するように斜めに延びたリップ部
を有するリップ型シールを前提とする。このものにおい
て、上記孔部の摺動壁面に接触することにより作用する
接触反力分布が、上記リップ部に基づく接触反力のピー
ク値に加え、このピーク値の発生位置から孔軸方向他側
に離れた位置に少なくとも1つの他の接触反力のピーク
値を有する分布形状となるように、上記リップ部の孔軸
方向他側位置に、そのリップ部の基端側から連続して延
び上記ピストン体の周面に密着して上記他の接触反力の
ピーク値を発生させるシール本体部を一体に形成する構
成とするものである。
【0008】上記の構成の場合、ピストン体が孔部に内
嵌されてその孔軸方向一側から液圧が作用すると、摺動
壁面との間において孔軸方向一側位置にリップ部による
接触反力のピーク値が生じ、孔軸方向他側位置にシール
本体部による接触反力の他のピーク値が生じることにな
る。このため、孔軸方向に互いに離れた位置に生じる2
つの接触反力のピーク値によって接触反力の分布形状が
孔軸方向に2つの山型形状になり、この2段階の接触反
力ピークによってピストン体と孔部の摺動壁面との間の
シール性(耐圧性)が向上する。加えて、リップ部の先
端等が損傷しても、シール本体部の接触反力ピークによ
りさらにもう1段階のシールが可能であるため、ピスト
ン体と上記摺動壁面との間のシールにおいてフェイルセ
ーフの実現が図られる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ピストン体の孔軸方向一側の外周面に、孔
軸方向一側に向かい孔部の摺動壁面から徐々に離れるテ
ーパ面部を形成する。そして、リップ型シールとして、
上記テーパ面部と摺動壁面との間を埋めるように断面形
状が略三角形に形成されたシール本体部と、このシール
本体部の孔軸方向一側端の摺動壁面側表面から連続して
形成されたリップ部とを備える構成とするものである。
【0010】上記の構成の場合、リップ部が摺動壁面に
より曲げられることによる弾性復元力及び液圧によりリ
ップ部を摺動壁面側に押し付ける力によってリップ部に
おいて接触反力のピークが生じる一方、リップ部の曲げ
及び液圧に基づく孔軸方向他側への圧縮力に起因してシ
ール本体部から摺動壁面に対しテーパ面部の法線方向に
反力が作用してシール本体部において他の接触反力のピ
ークが生じる。これにより、リップ部とは別に接触反力
ピーク値を生じさせるシール本体部が具体的に特定され
る。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、テーパ面部の孔軸方向一側端から孔軸方向
一側に孔部の摺動壁面と略平行に拡がる平行面部を形成
する。加えて、リップ部を、そのリップ先端が上記平行
面部の孔軸方向一側端よりも孔軸方向他側に位置付けら
れるよう形成し、上記平行面部との間に断面形状が略三
角形の環状の隙間を有するようにするものである。
【0012】上記の構成の場合、孔軸方向一側からピス
トン体に作用する液圧が平行面部とリップ部背面との間
の略三角形断面の環状の隙間に集中的に作用し、その液
圧がリップ部の背面側からリップ部を摺動壁面側に押し
付けるように作用する。そして、そのリップ先端がピス
トン体の平行面部の孔軸方向一側端よりも孔軸方向他側
に位置付けられるため、作用している液圧が抜かれた場
合であっても、孔部の端部とリップ先端との干渉を防止
し得る。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項2ま
たは請求項3記載の発明において、リップ部を、テーパ
面部から摺動壁面側に延びる法線と交差しないようにシ
ール本体部から孔軸方向一側に離れた位置に形成するも
のである。
【0014】上記の構成の場合、シール本体部から摺動
壁面に対しテーパ面部の法線方向に作用する反力と、リ
ップ部の摺動壁面に対する押付け力とが互いに独立して
生じる。このため、孔軸方向に互いに離れた位置に2つ
の接触反力ピークがより確実に生じて接触反力の分布形
状が2つの山型のものとなる。
【0015】さらに、請求項5記載の発明は、請求項1
記載の発明において、孔部を円筒状に形成し、ピストン
体をその円筒状孔部に内嵌するドーナッツ状に形成す
る。そして、上記円筒状孔部の径方向に対し内向きの周
壁面に対するリップ部及びシール本体部を上記ピストン
体の外周面側に形成する一方、上記円筒状孔部の外向き
の周壁面に対するリップ部及びシール本体部を上記ピス
トン体の内周面側に形成するものである。
【0016】上記の構成の場合、円筒状の孔部と、この
孔部に対し内嵌されるドーナッツ状のピストン体との間
をシールするリップ型シールにおいて、そのピストン体
の外周側及び内周側のそれぞれにリップ部及びシール本
体部が形成されて、内外周のそれぞれで孔軸方向に2つ
の接触反力ピークが生じることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0018】図1は、本発明の実施形態に係るリップ型
シール2を示し、3はそのリップ型シール適用したピス
トン体、4はこのピストン体3が内嵌される孔部であ
る。
【0019】この実施形態は、軸体5の外周面51と、
この軸体5を囲む外側ケース6の内周面61とにより画
成された円筒状の孔部4に対し、無端のドーナッツ状の
ピストン体3が内嵌され、このピストン体3の孔軸X方
向一側(図1の左側)から作用する油圧により上記ピス
トン体3が孔軸X方向他側(同図の右側)に作動する場
合を示している。つまり、摺動壁面7として上記外周面
51と内周面61との2つの円周面があり、ピストン体
3の内外周のそれぞれに上記リップ型シール2が形成さ
れている。
【0020】このような適用態様の具体例としては、自
動車の自動変速機内のクラッチ装置を油圧によりON・
OFF作動させる場合があり、これを図2を用いて説明
すると、上記軸体5の外周面51とハウジング6の内周
面61(図1参照)とは、径方向外向きの円周面である
摺動壁面7と、これを囲む径方向内向きの円周面である
摺動壁面7とで構成され、これら2つの摺動壁面7,7
は自動変速機のハウジング8により一体に形成されてい
る。上記2つの摺動壁面7,7間に円筒状の孔部4とし
てのシリンダが画成され、この孔部4にドーナッツ状の
ピストン体3が内嵌されている。クラッチ部9は、ハウ
ジング8に対しスプライン結合等により孔軸方向(同図
の左右方向)に移動可能に接続された複数のプレッシャ
リング91,91,…と、回転部10に対し上記と同様
に左右方向に移動可能に接続されて隣接するプレッシャ
リング91,91間に挟み込まれた複数のプレッシャプ
レート92,92,…とを備えている。そして、上記ピ
ストン体3が同図の左側から作動油の供給を受けて右側
に移動し上記各プレッシャリング91及び各プレッシャ
プレート92を固定部93との間で挟み付けることによ
り上記回転部10の回転を阻止する一方、上記作動油が
排出されてばね11の付勢力により上記ピストン体3が
元の位置(図2に示す位置)に復元することにより上記
回転部10の回転を許容するようになっている。
【0021】以下、説明の簡略化のため図1のモデルを
用いて説明すると、上記ピストン体3は、板状部材のプ
レス加工により無端のドーナッツ状に形成されたもので
あり、底壁31と、一対の溝壁32,32とから孔軸X
方向他側(同図の右側)に開口する溝型の断面を有して
いる。上記各溝壁32は、底壁31側から摺動壁面7と
平行に立ち上がる第1平行面部321と、この平行面部
321の右端から屈曲して摺動壁面7に徐々に近付くよ
うに傾斜するテーパ面部322と、このテーパ面部32
2の右端から屈曲して上記摺動壁面7と平行に立ち上が
る第2平行面部323とを有するようにプレス成形され
ている。
【0022】各リップ型シール2は、上記内外周の各溝
壁32の第1平面部321からテーパ面部322にかけ
ての外表面に対し加硫接着により形成されたものであ
る。上記各リップ型シール2は、図3に詳細を示すよう
に、上記テーパ面部322と摺動壁面7との間を埋める
ように形成された略三角形の断面のシール本体部21
と、このシール本体部21の孔軸X方向他側端である左
端の摺動壁面7側(同図の上側)の部位から摺動面面7
に対し斜めに交差するように延びるリップ部22とから
基本構成されている。なお、同図中23は上記シール本
体部21の第1平面部321側から延びてその第1平面
部321を被覆する被覆部である。
【0023】上記リップ部22は、シール本体部21か
ら摺動壁面7に作用する反力の方向であるテーパ面部3
22の法線Tと、上記リップ部22から摺動壁面7に作
用する押付け力であるリップ部22の背面221からの
液圧の作用線Qとが少なくとも摺動壁面7の孔部4側で
は交差しないように、シール本体部21と孔軸X方向に
互いに離して形成されている。すなわち、上記法線T
と、液圧の作用線Qとが互いに交差しない、もしくは、
交差するとしても摺動壁面7より外方位置で交差するこ
とになるようにシール本体部21がリップ部22から孔
軸X方向に離して形成されている。要するに、上記シー
ル本体部21からの摺動壁面7への反力と、リップ部2
2からの摺動壁面7への押付け力とが、摺動壁面7上の
孔軸X方向に互いに離れた2つの位置にそれぞれ作用す
るようにされている。また、上記リップ部22は、その
リップ先端222が底壁31の外表面位置よりも孔軸X
方向一側である右側に位置付けられており、また、上記
リップ部22と、上記被覆部23、すなわち、第1平面
部321との間には略三角形の断面の隙間12が形成さ
れている。
【0024】上記構成のリップ型シール2の場合、ピス
トン体3が孔部4に内嵌されて図3の左側から油圧Wが
作用すると、リップ部22から摺動壁面7に対し上記内
嵌による曲げ復元力に加えてその背面221への油圧に
よる押付け力が作用線Q方向に作用する一方、上記リッ
プ部22の曲げ及び隙間12を画成する壁面への油圧に
よってシール本体部21が摺動壁面7の側に膨み出して
テーパ面部322からの反力として摺動壁面7を法線T
方向に押圧することになる。
【0025】このため、摺動壁面7に対するリップ型シ
ール2の接触反力の分布は図4に示すように、リップ先
端222の位置を零として孔軸X方向一側(図3右側)
に向かいリップ部22による接触反力ピーク値p1 と、
シール本体部21による接触反力ピーク値p2 との2つ
の山部を有する分布形状となる。従って、摺動壁面7と
リップ型シール2との間では、上記の2つの接触反力ピ
ークの両位置で高い耐圧性を発揮してシール性の向上を
図ることができる一方、リップ先端222等のリップ部
22が万が一損傷してもシール本体部21による他の接
触反力ピークの部分でのシール性が発揮されるため、よ
り高いフェールセーフを実現させることができる。
【0026】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
ピストン体3として第1平面部321を有するものを示
したが、これに限らず、少なくともピストン体としてテ
ーパ面部322を有するものであればよい。
【0027】また、上記実施形態ではリップ型シール2
としてシール本体部21とリップ部22とを備えたもの
を示したが、これに限らず、リップ部22に連続してピ
ストン体3の外表面に密着して形成されたシール部分で
あって、そのシール部分がリップ部22とは独立して接
触反力ピークを生じ得るシール部分を備えておればよ
い。
【0028】さらに、上記実施形態では円筒状孔部4に
ドーナッツ状ピストン体3が内嵌された場合を示した
が、これに限らず、円形断面の孔部に円形断面のピスト
ン体が内嵌されたものであってもよい。この場合には、
上記円形断面のピストン体の外周面に上記実施形態にお
けるテーパ面部322とシール本体部21及びリップ部
22との組み合わせを適用すればよい。
【0029】
【実施例】本実施形態における作用・効果を実証するた
めに、上記実施形態(図3)をモデルとして有限要素法
(FEM)解析を行った。以下にその解析結果を示す。
【0030】図5は、リップ型シール2を備えたピスト
ン体3が孔部4内に内嵌された状態であって、油圧が
零、すなわち、油圧が作用していない状態についてのリ
ップ型シール2の変形性状と、応力状態と示すものであ
る。この場合、リップ部22が摺動壁面7により曲げら
れてそのリップ部21からシール本体部21にかけて外
表面側の部位が引張応力(+)の領域R1 ,R2 とな
り、隙間12を囲む部位が圧縮応力(−)の領域R3 と
なる。上記引張応力(+)の領域R1 ,R2 では外表面
側である程、高い引張応力(+)を示す。加えて、その
引張応力(+)の領域R2 がシール本体部21の側に拡
がっており、シール本体部21に対し、上記圧縮応力
(−)の領域R3 との関係で上記シール本体部21の引
張応力(+)の領域R2 が摺動壁面7に対し膨出する側
に引張られている。
【0031】図6は、図5の状態から油圧Wが作用した
場合についてのリップ型シール2の変形性状と、リップ
型シール2を介在していることによるピストン体3のテ
ーパ面部322及び第1平面部321の各外表面位置か
ら摺動壁面7側への反力の大きさ及び方向(同図の矢印
参照)とを示すものである。この場合、シール本体部2
1の摺動壁面7の側への膨出及びこれに伴う圧縮により
テーパ面部322からその法線方向に反力が摺動壁面7
に対し作用する一方、リップ部22の曲げ及び油圧Wに
よる押付け力により第1平面部321からその法線方向
に反力が摺動壁面7に対し作用する。
【0032】図7は、図6と同様に油圧Wが作用した場
合についてのリップ型シール2の変形性状と、摺動壁面
7のリップ先端222から孔軸方向他側(同図の右側)
の各位置からリップ型シール2に対し作用する接触反力
の大きさ(同図の矢印参照)とを示すものである。これ
によれば、リップ部22のリップ先端222のわずかに
右側位置で接触反力のピークが生じ、上記リップ部22
の付値位置で接触反力が低減し、シール本体部21の孔
軸方向中央付近で再び接触反力のピークが生じている。
この接触反力の変化を図8に示すと、リップ先端222
から孔軸方向他側にリップ部22とシール本体部21と
の互いに離れた位置に2つの接触反力ピークが生じてい
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるリップ型シールによれば、ピストン体が孔部
に内嵌されてその孔軸方向一側から液圧が作用すると、
摺動壁面との間においてリップ部による接触反力ピーク
と、シール本体部による接触反力ピークとによって2つ
の接触反力ピークを摺動壁面の孔軸方向に互いに離れた
位置に生じさせることができ、この2段階の接触反力ピ
ークによってピストン体と摺動壁面との間のシール性
(耐圧性)を向上させることができる。加えて、リップ
部の先端等が万一損傷しても、シール本体部による他の
接触反力ピークの部分でのシール性を発揮することがで
き、より高いフェールセーフを実現させて耐久性の向上
を図ることができる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、シール本体
部の圧縮に起因して摺動壁面に対しテーパ面部の法線方
向に反力が作用し、シール本体部と摺動壁面との間にリ
ップ部による接触反力ピークとは別に他の接触反力ピー
クを確実に生じさせることができる。これにより、請求
項1記載の発明による効果をより確実に得ることができ
る。
【0035】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明による効果に加えて、孔軸方向一側からピスト
ン体に作用する液圧を平行面部とリップ部背面との間の
略三角形断面の環状の隙間に集中的に作用させてリップ
部を摺動壁面側に効果的に押し付けることができる上、
作用している液圧が抜かれた場合であっても、孔部の端
部とリップ先端との干渉を防止することができる。
【0036】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項2または請求項3記載の発明による効果に加えて、2
つの接触反力ピークを孔軸方向に互いに離れた位置に、
より一層確実に生じさせることができる。
【0037】さらに、請求項5記載の発明によれば、請
求項1記載の発明による効果に加えて、円筒状の孔部
と、この孔部に対し内嵌されるドーナッツ状のピストン
体との間をシールするリップ型シールにおいても、シー
ル性の向上と、より高いフェールセーフの下での耐久性
の向上とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を適用したピストン体の縦断
面図である。
【図2】図1のピストン体を適用したクラッチ装置の断
面説明図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】リップ先端からの孔軸方向位置と接触反力との
関係図である。
【図5】図3に示す部分の油圧零状態における変形と発
生応力とを示すFEM解析図である。
【図6】図3に示す部分の油圧作用状態における変形と
ピストン体からの反力とを示すFEM解析図である。
【図7】図3に示す部分の油圧作用状態における変形と
摺動壁面からの接触反力とを示すFEM解析図である。
【図8】図7におけるリップ先端からの孔軸方向位置と
接触反力との関係図である。
【図9】従来のリップ型シールを示す図1相当図であ
る。
【図10】図9のもののリップ先端からの孔軸方向位置
と接触反力との関係図である。
【図11】図9とは異なる従来のリップ型シールを示す
部分断面図である。
【図12】図11の場合における力の合成を示す説明図
である。
【符号の説明】 2 リップ型シール 3 ピストン体 4 孔部 7 摺動壁面 21 シール本体部 22 リップ部 222 リップ先端 321 第1平面部(平面部) 322 テーパ面部 X 孔軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔部に内嵌され孔軸方向一側から液圧を
    受けることにより孔部内を孔軸方向他側に摺動するピス
    トン体に対し設けられるものであって、そのピストン体
    の周面から孔軸方向一側に向かい上記孔部の摺動壁面に
    対し交差するように斜めに延びたリップ部を有するリッ
    プ型シールにおいて、 上記孔部の摺動壁面に接触することにより作用する接触
    反力分布が、上記リップ部に基づく接触反力のピーク値
    に加え、このピーク値の発生位置から孔軸方向他側に離
    れた位置に少なくとも1つの他の接触反力のピーク値を
    有する分布形状となるように、上記リップ部の孔軸方向
    他側位置に、そのリップ部の基端側から連続して延び上
    記ピストン体の周面に密着して上記他の接触反力のピー
    ク値を発生させるシール本体部が一体に形成されている
    ことを特徴とするリップ型シール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 ピストン体の孔軸方向一側の外周面には、孔軸方向一側
    に向かい孔部の摺動壁面から徐々に離れるテーパ面部が
    形成されており、 上記テーパ面部と摺動壁面との間を埋めるように断面形
    状が略三角形に形成されたシール本体部と、このシール
    本体部の孔軸方向一側端の摺動壁面側表面から連続して
    形成されたリップ部とを備えていることを特徴とするリ
    ップ型シール。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 テーパ面部の孔軸方向一側端から孔軸方向一側に孔部の
    摺動壁面と略平行に拡がる平行面部が形成されており、 リップ部は、そのリップ先端が上記平行面部の孔軸方向
    一側端よりも孔軸方向他側に位置付けられるよう形成さ
    れ、上記平行面部との間に断面形状が略三角形の環状の
    隙間を有していることを特徴とするリップ型シール。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、 リップ部が、テーパ面部から摺動壁面側に延びる法線と
    交差しないようにシール本体部から孔軸方向一側に離れ
    た位置に形成されていることを特徴とするリップ型シー
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 孔部が円筒状に形成され、ピストン体がその円筒状孔部
    に内嵌するドーナッツ状に形成され、 上記円筒状孔部の径方向に対し内向きの周壁面に対する
    リップ部及びシール本体部が上記ピストン体の外周面側
    に形成されている一方、上記円筒状孔部の外向きの周壁
    面に対するリップ部及びシール本体部が上記ピストン体
    の内周面側に形成されていることを特徴とするリップ型
    シール。
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