JPH0227397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、カセツト式テープレコーダーに関
し、特にピンチローラー装置に係る。

(ロ) 従来技術 磁気テープがカセツトと呼ばれる容器内に収納
されているカセツトテープを使用するカセツト式
テープレコーダーが普及しているが斯かるテープ
レコーダーは磁気テープがカセツト内に収納され
ているため磁気ヘツドを磁気テープに接触させる
ためには磁気ヘツドを変位せしめる必要がある。
またキヤプスタンとの協働によつて磁気テープを
定速走行せしめるピンチローラーもカセツト内に
挿入させる必要がある。一般的なカセツト式テー
プレコーダーは、再生動作時非動作位置より動作
位置に直線的に摺動変位する摺動基板を設け、該
摺動基板上に磁気ヘツド及びピンチローラーが取
付けられている。また斯かる摺動基板は一般に固
定基板に摺動可能に取付けられているが斯かる方
式ではカセツトテープの着脱動作を行なう場合に
磁気ヘツドをカセツトテープより離間せしめる必
要があるので摺動基板の変位置が大きくなり、小
型化には適していないものであつた。

(ハ) 考案の目的 本考案は、超小型のテープレコーダーに適した
ピンチローラー装置を提供しようとするものであ
る。

(ニ) 考案の構成 本考案はカセツトテープが挿入されるカセツト
ホルダーを構成する上板に回動可能に取付けられ
ていると共に磁気ヘツドが固定され、且つ再生動
作時動作位置に回動変位する磁気ヘツド取付板
と、該磁気ヘツド取付板の回動支軸よりも磁気ヘ
ツド側の前記上板に回動可能に取付けられている
と共にピンチローラーが回転可能に取付けられて
いるピンチローラーアームと、前記磁気ヘツド取
付板への磁気ヘツドの取付ネジに取付けられてい
ると共に前記ピンチローラーアームを動作位置方
向へ回動付勢せしめるスプリングとより成り、再
生操作に伴なう前記磁気ヘツド取付板の回動変位
により前記ピンチローラーアームを動作位置に回
動変位せしめるようにしたものである。

(ホ) 実施例 図面は何れも本考案に関し、第１図は要部の側
面図、第２図は要部の正面図、第３図は停止状態
を示す要部の平面図、第４図は再生状態を示す要
部の平面図である。図において、１は固定基板２
に設けられた支持板３に軸４によつて回動可能に
取付けられているカセツトホルダーであり、カセ
ツトテープ５が図示した方向より挿入される装着
部６が形成されていると共に磁気ヘツド及びピン
チローラーが第１図の破線で示す位置に配置され
ている。７は前記カセツトホルダー１構成する上
板８に軸９によつて回動可能に取付けられている
磁気ヘツド取付板であり、上面には磁気ヘツド１
０がネジ１１，１２によつて固定されていると共
に下面には制御ピン１３が設けられている。１４
は前記上板８の前記磁気ヘツド取付板７の軸９よ
りも磁気ヘツド側に軸１５によつて回動可能に取
付けられているピンチローラーアームであり、軸
１６によつてピンチローラー１７が回転可能に取
付けられている。１８は電動機によつて回転駆動
されると共に前記ピンチローラー１７との協働に
より磁気テープを走行駆動せしめるキヤプスタン
である。１９は再生操作時電動機の回転力等によ
り矢印Ａ方向に変位する摺動レバーであり、前記
カセツトホルダー１が演奏位置にあるとき前記磁
気ヘツド取付板７の下面に設けられている制御ピ
ン１３と係合する係合孔２０が形成されている。
２１は前記磁気ヘツド１０を磁気ヘツド取付板７
に固定するネジ１２に取付けられているスプリン
グであり、一端２１ａが前記ピンチローラーアー
ム１４に当接し、該ピンチローラーアーム１４を
動作位置方向へ付勢する作用を有している。カセ
ツトテープ５をカセツトホルダー１に挿入した後
該カセツトホルダー１を演奏位置に回動変位させ
た停止状態では第３図に示したように磁気ヘツド
１０と磁気テープＴとが軽く接触した状態になる
ように構成されている。

以上の如く本考案は構成されており、次に動作
について説明する。第１図に示した着脱位置にカ
セツトホルダー１を回動させた状態においてカセ
ツトテープ５を該カセツトホルダー１に設けられ
ている装着部６に図示した方向より挿入した後時
計方向に回動変位せしめるとカセツトホルダー１
が演奏位置に位置せしめられる。前記カセツトホ
ルダー１が演奏位置に回動変位すると磁気ヘツド
取付板７の下面に設けられている制御ピン１３が
摺動レバー１９に設けられている係合孔２０と係
合した状態になる。第３図は斯かる状態を示すも
のであり、磁気ヘツド取付板７及びピンチローラ
ーアーム１４は共に非動作位置にある。前記磁気
ヘツド取付板７が非動作位置にある状態では、該
磁気ヘツド取付板７に取付けられている磁気ヘツ
ド１０が磁気テープＴに軽く接触した状態にあ
り、またピンチローラーアーム１４が非動作位置
にある状態ではピンチローラー１７はキヤプスタ
ン１８より離間した状態にある。斯かる状態にお
いて再生操作をすると動作切換機構が動作し電動
機の回転力等によつて摺動レバー１９が矢印Ａ方
向に変位せしめられる。該摺動レバー１９が矢印
Ａ方向に変位すると該摺動レバー１９に設けられ
ている係合孔２０によつて制御ピン１３が矢印Ａ
方向への変位力を受ける。前記制御ピン１３が矢
印Ａ方向への変位力を受けると該制御ピン１３が
設けられている磁気ヘツド取付板７が軸９を中心
として時計方向に回動変位し、その回動変位に伴
なつてピンチローラーアーム１４が時計方向に回
動変位する。第４図は、斯かる動作によつて構成
された再生状態であり、磁気ヘツド１０が磁気テ
ープＴに十分に接触した状態になると共にピンチ
ローラー１７がキヤプスタン１８に圧着された状
態になる。斯かる状態にあるときピンチローラー
１７のキヤプスタン１８への圧着力はスプリング
２１の付勢力によつて与えられている。斯かる状
態において再生動作は行なわれるが再生動作状態
にあるときに停止操作を行なうと動作位置にロツ
クされていた摺動レバー１９のロツクが解除さ
れ、該摺動レバー１９はスプリング（図示せず）
の付勢力によつて矢印Ｂ方向に摺動復帰せしめら
れる。該摺動レバー１９が矢印Ｂ方向に変位する
と磁気ヘツド取付板７がスプリング（図示せず）
の付勢力によつて軸９を中心として反時計方向に
回動復帰せしめられ、この回動復帰に伴なつてピ
ンチローラーアーム１４も軸１５を中心として反
時計方向に回動復帰せしめられる。再生状態より
停止操作を行なうと斯かる動作が行なわれ、テー
プレコーダーは第３図に示した停止状態になる。
第３図に示した停止状態にあるとき磁気ヘツド１
０は磁気テープＴに軽く接触した状態にあるため
早送り又は巻戻し動作を行なうと磁気テープＴに
録音されている信号が磁気ヘツド１０によつて再
生されることになり、所謂キユー又はレビユー状
態にある。

(ヘ) 考案の効果 本考案のピンチローラー装置はカセツトテープ
が装着されるカセツトホルダーを構成する上板に
磁気ヘツド及びピンチローラーを取付け、該磁気
ヘツド及びピンチローラーがカセツトホルダーと
共に回動変位するように構成したので磁気ヘツド
の動作位置と非動作位置との間の変位量を少なく
することが出来、また磁気ヘツドが取付けられて
いる磁気ヘツド取付板の回動支軸よりも磁気ヘツ
ド側にピンチローラーアームの回動支軸を設けた
ので該磁気ヘツド取付板上にピンチローラーアー
ムを設ける場合に比較してピンチローラーアーム
の回動変位量を大きくすることが出来る。それ故
磁気ヘツド取付板の回動変位量を小さくすること
が可能となり、本考案は超小型のテープレコーダ
ーのピンチローラー装置として最適なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、何れも本考案に関し、第１図は要部の
側面図、第２図は要部の正面図、第３図は停止状
態を示す要部の平面図、第４図は再生状態を示す
要部の平面図である。 主な図番の説明、１……カセツトホルダー、５
……カセツトテープ、７……磁気ヘツド取付板、
８……上板、１０……磁気ヘツド、１３……制御
ピン、１４……ピンチローラーアーム、１７……
ピンチローラー、１８……キヤプスタン、１９…
…摺動レバー、２０……係合孔、２１……スプリ
ング、Ｔ……磁気テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 演奏位置と着脱位置との間を回動可能に取付け
   られていると共にカセツトテープが挿入される装
   着部が形成されているカセツトホルダーを備えた
   カセツト式テープレコーダーにおいて、前記カセ
   ツトホルダーを構成する上板に回動可能に取付け
   られていると共に磁気ヘツドが固定され、且つ再
   生動作時動作位置に回動変位する磁気ヘツド取付
   板と、該磁気ヘツド取付板の回動支軸よりも磁気
   ヘツド側の前記上板に回動可能に取付けられてい
   ると共にピンチローラーが回転可能に取付けられ
   ているピンチローラーアームと、前記磁気ヘツド
   取付板への磁気ヘツドの取付ネジに取付けられて
   いると共に前記ピンチローラーアームを動作位置
   方向へ回動付勢せしめるスプリングとより成り、
   再生操作に伴なう前記磁気ヘツド取付板の動作位
   置への回動変位により前記ピンチローラーアーム
   を動作位置に回動変位せしめるようにしたことを
   特徴とするカセツト式テープレコーダーのピンチ
   ローラー装置。