JPH0225555A - 金属溶射被膜の作製方法 - Google Patents

金属溶射被膜の作製方法

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JPH0225555A
JPH0225555A JP17399688A JP17399688A JPH0225555A JP H0225555 A JPH0225555 A JP H0225555A JP 17399688 A JP17399688 A JP 17399688A JP 17399688 A JP17399688 A JP 17399688A JP H0225555 A JPH0225555 A JP H0225555A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属溶射被膜の作製方法に関する。
更に詳しくは、ブラスト処理等の物理的前処理、あるい
は表面処理等の化学的前処理を施さない金属、プラスチ
ック等の被溶射基材上に、金属溶射被膜を作製する方法
に関する。
(従来の技術及びその解決すべき課題)従来より、例え
ば被塗物基材として鋼材を例にとると、亜鉛又は亜鉛−
アルミニウム合金等の鉄より卑なる金属を、電気メツキ
法、溶融メツキ法あるいは溶射法等により被覆する方法
が広く行なわれている。このような方法によれば、鉄基
材より卑なる被覆金属の犠牲防食作用により鉄を保護す
ることが出来るので、建築用鋼材、自動車車体などの薄
板鋼板、各種電装ケースなど、各種の産業用機材のため
に使用されている。
ところで、前記方法のうち、電気メツキ法や溶融メツキ
法等は、特定の工場以外では普通簡単には実施出来ない
。何となれば、メツキ槽の大きさ等により被塗物の大き
さに制限があること、特に溶融メツキ法は450〜60
0℃もの高温の溶融金属中に被塗物を浸漬するため熱歪
の問題等が起り、従って、薄板鋼板には適用出来ないな
どの各種制限があったからである。
一方、金属溶射法は、素材をほとんど加熱しなくてよい
ため寸法上の狂いが殆んど生じないこと、溶射皮膜を所
望の厚さで得られること、大型基材で、あっても現場施
工が可能であること、溶射被膜上には有機質の塗料が密
着し易いこと等の各種特徴を有するため橋梁や鋼構造物
などのために使用されてふり、かつ今後もその利用範囲
は拡大するものと予想されている。
しかしながら、金属を溶射により、表面が平滑な鋼材あ
るいはプラスチック等の表面に直接被覆する場合、基材
と金属溶射被膜との間には親和性や化学的結合が期待出
来ないため、基材への金属溶射被膜の密着性は極めて小
さいものであることがさけられなかった。
か−る欠点を改良するため、従来から平滑な基材に対し
サンドブラストやグリッドブラストなどのブラスト処理
を施し、基材と金属溶射被膜間にアンカー効果を持たせ
ることが行われている(例えば、特開昭50−6533
5号公報等)。
しかしながら、このような前処理としてのブラスト処理
作業には、非常に熟練度が要求され、かつ、作業時間が
長くかかり、更にブラストにより多量に発生する粉塵は
作業の安全、衛生上は勿論のこと環境汚染の問題があり
、従って何等かの予防処理を施さねばならず、そのため
加工コストの面でも好ましいものではなかった。
加えて、板厚が約1 mm以下の薄板鋼板やプラスチッ
クなどにブラスト処理を施すと、一般に研掃材の衝撃力
により大きな歪みが生じたり、極端な場合基材が破損す
ることが屡々あった。そのため例えば、板厚が0.5〜
0.8胴程度の自動車車体用薄板などにブラスト処理を
施す場合、特別に衝撃力を弱めた処理法を特に採用しな
ければならず、従って研掃力低下に基づく作業効率の低
下が問題となっていた。
又、無秩序に飛行する、跳ね返った研掃材や、処理によ
り飛散する粉塵が各種の機械部品等の間に入り込み、そ
れにより好ましくない各種問題を引きおこしていた。
更に、鋼材の溶接部に防食上金属溶射を行なう場合にも
、前もってブラスト処理が必要であるが、溶接部の硬さ
のためその処理は非常に困難であった。
・そこで、前記の如きブラスト処理を施さずに金属溶射
を行なう方法も提案されている。
例えば、特定金属をメツキした薄板鋼板上に金属溶射す
る方法(特開昭60−50156骨分N)、金属表面を
腐食液で凸凹状にする方法(特開昭60−50157号
公報)、鋼板を加熱して特定膜厚の酸化被膜を形成する
方法(特開昭61−26763号公報)などが知られて
いる。しかしながら、これらの方法は、いずれも基材を
特殊な環境下に置かなければならないため、適用される
基材の範囲が非常に限定され実用的ではなかった。
更に、非常に特殊な分野においては、特殊なアンカー効
果を持たせる方法も提案されている。
例えば、非常に高温で溶融しなければならないセラミッ
クスの溶射において、あらかじめリン酸亜鉛処理あるい
はサンドブラスト処理を施した基材上に、無機フィラー
を含有するアンダーコートを塗布する方法が提案されて
いる(例えば、特開昭61−104060号公報、及び
特開昭61−1、04061号公報)。この方法におい
ては一応十分なアンカー効果が得られるかもしれないが
、前述のブラスト処理の欠点として示したことは何−つ
解決されない。
本発明者等は、上記の如き公知技術の問題点を解決すべ
く、先に粒子径が5〜200μmの粒子を含有する樹脂
組成物を被溶射基材上に塗布することにより表面粗さ3
0〜250μmの被膜を得た後金属を溶射する方法を提
案した。
しかしながら、前記方法によっても、金属を溶射する時
の溶融金属の基材への付着率(以下、溶射効率という)
がやや低いという問題点があった。
溶射効率が低いと、溶射金属の浪費は勿論のこと、周辺
への飛散や、金属フユーム量の増大等の問題点が生じる
(発明の目的) 本発明は、前述の如き従来の金属溶射方法における各種
問題点を改善又は解決し、密着力の優れた金属溶射被膜
を高い溶射効率で作成することを目的とするものであり
、勿論ブラスト処理等の前処理を全く施すことなく金属
溶射被膜を作製する方、法を提供しようとするものであ
る。
さらに詳しくは、本発明の目的は、金属、プラスチック
、無機材料等の各種基材の表面に、ブラスト処理を施す
ことなく、金属溶射を行なって、防食被膜、導電性被膜
、電磁波シールド膜、耐久性被膜あるいは金属状外観を
有する被膜を得ようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ブラスト処理等の前処理を施さない被溶射基
材上に、不溶性の固体粒子を含有する樹脂組成物を塗布
することにより一1表面凹凸の平均間隔(Sm)と十点
平均粗さ(RZ)の被Sm/l?zが5以下、でかつR
zが10μmから250μmの粗面を形成した後、その
粗面上に金属溶射を施すことからなる金属溶射被膜の作
製方法に関する。
以下、本発明について詳述する。
本発明の方法において使用される「被溶射基材」(以下
、単に「基材」という)とは、ブリキ板、ダル鋼板、み
がき鋼板、黒皮鋼板、ケレンした錆鋼板、溶接鋼板等の
鉄素材;アルミニウム、亜鉛等の非鉄金属;ABSSp
po、塩化ビニル等のプラスチックス;スレート板、硅
酸カルシウム板、セメント等の無機材料;其の他ガラス
、木材、合板、有機樹脂フィルム(塗膜)等、各種のも
のが挙げられる。
本発明の方法において、金属溶射の前に塗布される「組
成物」は、平均粒子径5〜200μmの溶媒不溶性の固
体粒子を含有するものが好ましく、該粒子としては、例
えば、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、鉄、珪素な
どの金属、あるいは合金もしくは酸化物、窒化物、炭化
物等が挙げられる。
具体的には、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸
化鉄、炭化珪素、窒化硼素等が挙げられる。
又、組成物の溶媒組成によっては、アクリル樹脂、スチ
レン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン等の粉末を使用
してもよい。
これらの粒子は一種もしくは2種以上の混合物として使
用可能である。
使用される樹脂に対する化学的安定性や溶射材と腐食電
池を形成せず、硬く、かつ組成物中で沈澱しにくいこと
などを考慮すると、珪砂、アルミナ、炭化珪素等の使用
が、特に好ましい。
本発明に於て前記固体粒子の粒子径は、好ましくは5〜
200μmの範囲、より好ましくは30〜100μm程
度である。粒子径が200μmをこえると、樹脂組成物
に粒子が沈澱し易くなるとともに、スプレー塗布する場
合ノズル詰りをおこし易くなり又、たとえ塗布できても
表面粗さが粗くなり過ぎ、金属溶射膜の表面が粗くなり
、そのため外観が悪くなる傾向になる。一方、粒子径が
5μmより小さいと、樹脂組成物を基材表面に塗布して
も目的とする表面粗さが得にくくなり、従って密着性の
優れた金属溶射被膜が得られ難くなる。
本発明において、前記粒子は、後述する樹脂に対して好
ましくは25〜400容量%〔顔料容積濃度(PVC)
にして20〜80%〕、より好ましくは65〜150容
量%〔顔料容積濃度(PVC)にして40〜60%〕程
度の範囲で使用する。樹脂に対する添加■が25容量%
に満たない場合、樹脂分が多くなり、そのため表面粗さ
が小さくなり、その結果、金属溶射被膜の密着性が低下
する傾向になる。又、基材への樹脂付着量が多くなり、
絶縁被膜が形成されるため、特に溶射被膜を犠牲防食用
として用いる場合には不都合となり易い。
一方、樹脂に対する粒子の添加量が400容量%をこえ
ると、樹脂分が極端に少なくなり粒子間の結合力が弱く
なり、その結果、金属溶射被膜の密着力も低下するよう
になる。
次に、本発明に於て使用される「樹脂」とは、ある程度
の乾燥性、硬度、密着性、耐水性及び耐久性があれば特
に限定はない。
具体例としては、−液常温乾燥型樹脂である熱可塑性ア
クリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ゴム、アルキド樹脂、二
液硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、アフリル
ーラ1/タン樹脂、ポリエステル−ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、熱硬化性樹脂であるメラミン−アルキド樹脂
、メラミンーアクーリル樹脂、メラミン−ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等が挙げ
られる。
これらは1種もしくは2種以上の混合物としても使用可
能である。
特に好ましくは、金属溶射時に熱可塑性で、溶射金属粒
子が被膜に入り込み、溶射後に硬化するようなエポキシ
樹脂(ポリアミド樹脂、アミンアダクト等の硬化剤併用
)、アクリル−ウレタン樹脂、アクリル樹脂等である。
本発明の組成物には前記樹脂以外の成分として、該樹脂
を溶解又は分散せしめるための有機溶剤、水等を必要に
より加える。
更に、染料、顔料や分散剤、発泡防止剤、ダレ防止剤(
チキントロピック性付与剤)等の添加剤等も併用出来る
前記組成物の形態としては、溶剤系、水溶性系、水分散
系、溶剤分散系等の如くのいずれの形態でもとりうる。
しかしながら、耐溶剤性のないプラスチックスに塗布す
るような場合には、水系の組成物が好ましい。又水系樹
脂組成物を鉄素材に使用する場合には発錆を防ぐ対策を
とる必要がある。
本発明において、樹脂組成物は、前記樹脂及び粒子と、
必要により溶媒もしくは分散媒や各種添加剤等を加えて
、通常の分散、混合方法により混合して作製される。
かくして得られた樹脂組成物は、一般の塗料組成物と同
じような方法により基材上に塗布される。
特に塗布量のコントロールの容易さ等から、エアースプ
レー法の採用が好ましい。しかし、通常の塗料と同様に
組成や、粘度等を適宜調整することにより、刷毛塗りや
ロール塗装も可能であることは云うまでもない。
本発明において組成物の塗布量は、約10〜300g/
my程度が好ましい。
本発明の方法においては、前記の如き樹脂組成物を基材
上に塗布することにより、表面の凹凸の平均間隙(S+
n)と十点平均粗さ(Rz)の比Sm/Rzが5以下で
、かつRzが10〜250μmの粗面を形成せしめる必
要がある。
、尚、本発明における十点平均粗さ(RZ)と表面の凹
凸の平均間隔(Sm)は、いずれもJIS−B−060
1に定義されてセリ、市販の触針式の表面粗さ計で容易
に評価することができる。
金属溶射を行う場合には、高温で溶融した金属粒子(粒
子径10−数100μ0)が高速で基材に向って飛来し
、基材と衝突し、冷却、固化する。
この瞬間的なプロセスにおいて高い溶射効率で金属被膜
を得るためには、基材表面の粗面化状態が、溶融金属粒
子の大きさとくらべてあまり大き過ぎても、又あまり小
さ過ぎても好ましくない。
即ち、適切な表面粗さ(凹凸部の高低差)を有し、かつ
適切な凹凸の繰返し又は斜面の勾配が必要である。
本発明者等は上記の如き観点から種々検討を加えた結果
、溶射効率の最も高い条件を見い出したものである。
まず、本発明において粗面の凹凸を表わす十点平均粗さ
(Rz)は、10〜250μm1好ましくは30〜15
0μnの範囲にある必要がある。R2が10μmにみた
ない場合には凹凸が小さいため、溶射効率が著しく低下
するとともに金属被膜の密着性も実用に耐えなくなる。
一方、Rzが250μmをこえると、金属溶射被膜は付
着し易くなるが、表面が粗くなりすぎるため表面仕上り
性が低下する。
一方、粗面の凹凸の繰返し頻度も重要であり、たとえR
zが前記範囲に入っていても凹凸間の間隙が大きいと粗
面としての効果は低下する。
このような観点にたち、本発明においては、凹凸の平均
間隔(釦)をRzで除した数、つまりSm/Rzが5以
下、好ましくは3以下であることが必須である。
かくして適切な表面粗さと凹凸間隔を有する粗面が得ら
れるため、金属の溶射効率は一段と高まるのである。
しかして、本発明において必要とされるSm及びRzを
有する粗面を形成するための条件は複雑であり、一義的
に定義付けることは難しいが、樹脂組成物の配合、粒子
の粒子径、組成物の粘度、塗布養件等をあらかじめ定め
ることにより一定の粗面を得ることが出来る。
本発明に右いては、このようにして得られた特定表面粗
さを有する被膜上に、金属を溶射する。
尚、金属を溶射する前の被膜は必ずしも完全乾燥(硬化
)状態でなくともよい。即ち、半乾燥(硬化)であって
もよい。最も好ましいのは、被膜を乾燥状態にした上に
金属溶射し、しかる後に完全硬化せしめる方法である。
本発明において、前記金属溶射を行うための溶射方法と
しては、ガスフレーム溶射方法、電気7−ク溶射方法、
減圧内アーク溶射機による低温溶射方法等があり、いず
れの方法でもよい。
又、これら溶射方法に使用される金属としては、亜鉛、
亜鉛−アルミニウム合金、アルミニウム、丹銅、黄銅、
キュプロニッケル等通常使用されているものが支障なく
使用出来る。
本発明の方法においては、金属溶射被膜は樹脂組成物か
ら得られた被膜の特定表面粗さにより強固な密着性が得
られ、しかも前記樹脂組成物から得られる被膜は、被膜
中の各粒子が樹脂(有機物)の結合力により基材に付着
しているものである。
従って、樹脂組成物から得られた被膜中の樹脂成分が、
本発明の方法を実施中、溶射された金、萬粒子の温度に
より完全に焼失してしまうような条件はさけなければな
らない。
即ち、本発明における金属溶射は、樹脂組成物から得ら
れた被膜中の樹脂成分が完全に焼失しないような比較的
低い温度で行なうことが望ましく、例えば減圧内アーク
溶射機による低温溶射方法などの採用が好ましい。
前記低温溶射方法とは、円筒状に噴射される低温の空気
流を利用して、中心部を0.5 kg / at以下に
減圧させた環境下で、連続的に金属線材を電気的にアー
ク溶融させ、同時に前方の噴射気流中に吸引し、粉砕さ
せ、常温近くまで急冷却させ、液状の過冷却状態で溶融
金属粒子を基材上に付着せしめる方法からなるものであ
る。従って、該方法の場合には、単位時間の溶射量を比
較的多くし、溶射膜厚を厚くすることが可能である。一
方、ガス−フレーム溶射や電気アーク溶射方法の場合に
は、溶射金属線材径を小さくしたり、搬線速度を遅くし
たり、溶射量を比較的小さくしたり、あるいは溶射膜厚
を薄くする等の手段をとることにより、本発明の方法に
適用することが可能である。
(実施例) 以下、本発明について実施例により更に詳述する。
実施例1及び比較例1 メタクリル酸メチル400 g、アクリル酸ブチル50
0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−) 80 g
、メタクリル酸20gのモノマー組成で、ドデシルベン
ゼンスルフオン酸ナトリウム10gを乳化剤とし、過硫
酸アンモニウム3gを開始剤として乳化重合して加熱残
分40重量%のエマルションを得た。これに中和アミン
、成膜助剤、消泡剤、増粘剤を添加した加熱残分36重
量%のアクリルエマルション樹脂A306g (樹脂固
形分容量100cri)と、平均粒子径100μmの珪
砂(珪砂038号 奥付窯業原料製 比重2.4)24
0g(粒子容量100caf、 PVC50%)とを充
分に撹拌し、樹脂組成物Aを作製した。
o、gxi 00X200mmのブリキ板に、この樹脂
組成物Aをエアースプレーによって60 g/ra″の
割合で塗布し、表面粗さ(Rz) 110μmでSm/
Rz= 3.0の被膜を得、1時間乾燥した後、亜鉛を
143(Ig/m”の割合で低温溶射した。低温溶射の
条件は低温溶射機PA600にて線材直径1.1+nm
の亜鉛線材を製線速度12m/分(溶射量9.8kg/
時間)、電圧15V1電流300A、空気厚6kg/c
af、空気量1.6 m’/分のシェービングエアーを
使用しガン距離20cmで行った。亜鉛の溶射効率は以
下の第1表に示されるように60%と非常に高いもので
あった。
比較のため樹脂組成物Aを用いて同様に塗装し、Rz=
 65 μm 、 Sm/Rz= 5.5の粗面を得た
後、亜鉛を同様に溶射したく比較例1)。溶射効率は4
0%であった(第1表)。
実施例2及び比較例2 エポキシ樹脂(エビクロン4051 大日本インーキ化
学工業製 エポキシ当量950)100gに、キシレン
80g1メチルエチルケトン60g。
ブタノール25gを加えて溶解した後、ポリアミド樹脂
(エビキュアー892 セラニーズ製 活性水素当量 
133)10gを添加して得た加熱残分40重量%のエ
ポキシ−ポリアミド樹脂8275g (樹脂固形分容量
100cポ)と、平均粒子径48μmの炭化珪素(緑色
炭化珪素CG320名古屋研磨機材工業製 比重3.1
6 ’)221g(粒子容量70crl、PVC41%
)とを充分に撹拌し樹脂組成物Bを作製した。
0.8X100X200mmのブリキ板に、この樹脂組
成物Bをエアースプレーで30g/m”の割合で塗布し
、表面粗さ(Rz) 60 urnでSm/Rz= 2
.2の被膜を得、2時間乾燥した後、実施例1と同様の
方法でアルミニウムを540g/m’の割合で溶射した
。アルミニウムの溶射効率は50%と非常に高いもので
あった(第1表)。
一方、比較のため(比較例2)前記同様にしてRz= 
105 μm 、 Sm/Rz= 6.0の粗面を得た
後、アルミニウムを溶射したが、溶射効率は20%であ
った(第1表)。
実施例3及び比較例3 実施例2と同様にして、ABS板上に樹脂組成物Bを塗
布した後、第1表に示す条件となるように銅合金を溶射
した。その結果を第1表に示す。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、公知の方法におけるようにブラ
スト処理を行なわなくても平滑な基材に対して適度の表
面粗さを付与することができるので、板厚の薄いものあ
るいは形状が複雑なためブラスト処理が出来ない基材に
も金属溶射が可能となる。また、従来金属溶射が不可能
と考えられていた素材も利用することができる。しかも
、金属0溶射効率は1.5〜3倍強も向上せしめること
が出来る。
更に、本発明の方法によれば、溶射された液状の金1粒
子の可塑性を利用し、樹脂組成物から得られた被膜中の
粒子の間に溶射金属粒子を充填せしめることによるアン
カー効果により高付着力を発揮させることが出来る。
加えて、本発明の方法においては、従来のブラスト処理
における処理作業時間を1/10〜1/20以上削減出
来、従って加工コストの著しい低下が期待出来る。
また、ブラスト処理時に発生する粉塵による各種の問題
点、所謂公害も、−挙に解決出来る。
従って、今後の金属溶射技術の利用拡大に大きく寄与出
来るものであり、工業的な実用価値ははかり知れないも
のがある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ブラスト処理等の前処理を施さない被溶射基材上
    に、不溶性の固体粒子を含有する樹脂組成物を塗布する
    ことにより、表面の凹凸の平均間隔(Sm)と十点平均
    粗さ(Rz)の比Sm/Rzが5以下、でかつRzが1
    0μm〜250μmの粗面を形成した後、その粗面上に
    金属を溶射することを特徴とする金属溶射被膜の作製方
    法。
  2. (2)前記樹脂組成物が、粒子径5〜200μmの不溶
    性の粒子をその樹脂に対して25〜400容量%含有す
    る請求項(1)記載の金属溶射被膜の作製方法。
  3. (3)被溶射基材が鋼材であり、溶射金属が鋼材より卑
    なる金属である請求項(1)記載の金属溶射被膜の作製
    方法。
  4. (4)粒子径が5〜200μmの前記粒子が、酸化珪素
    、アルミナ及び炭化珪素からなる群から選ばれた少なく
    とも1種である請求項(2)記載の金属溶射被膜の作製
    方法。
  5. (5)金属溶射が、減圧内アーク溶射機による低温溶射
    である請求項(1)記載の金属溶射被膜の作製方法。
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