JPH07145489A - めっき層と溶射層からなる積層皮膜の形成方法 - Google Patents

めっき層と溶射層からなる積層皮膜の形成方法

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JPH07145489A
JPH07145489A JP3274490A JP27449091A JPH07145489A JP H07145489 A JPH07145489 A JP H07145489A JP 3274490 A JP3274490 A JP 3274490A JP 27449091 A JP27449091 A JP 27449091A JP H07145489 A JPH07145489 A JP H07145489A
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JP
Japan
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layer
plating layer
plating
base material
sprayed layer
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JP3274490A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Kamimura
芳久 上村
Takuo Hara
卓雄 原
Toshikazu Tomino
寿和 冨野
Koichi Moriya
公一 守屋
Yukinori Kamitaka
幸則 神高
Munehide Katsumura
宗英 勝村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUUMIC KK
Kagawa Prefectural Government
Original Assignee
YUUMIC KK
Kagawa Prefectural Government
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業用機械装置に用いられる部材の表面改質
方法に係るものであり、めっき層と溶射層からなる積層
皮膜を形成し、それぞれの層の持つ欠点を相互に補完し
ようとするものである。 【構成】 母材に、めっき法により金属からなるめっき
層を形成し、該めっき層の表面をRa3〜Ra10の表
面粗さとしたうえ、該めっき層の上面に溶射法により溶
射層を形成することを特徴とするものであり、また、R
a3〜Ra10の表面粗さを有する母材にめっき法によ
り金属からなるめっき層を形成し、該めっき層の上面に
溶射法により溶射層を形成することを特徴とするもので
あり、また前記方法で形成された金属からなる溶射層に
セラミックスからなる溶射層を形成することを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、産業用機械装置に用
いられる部材の表面改質方法に係るものであり、めっき
層と溶射層からなる積層皮膜を形成し、それぞれの層の
持つ欠点を相互に補完しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来表面改質技術として、プラズマ、ア
ーク、ガスなどの熱源中で溶融させた金属またはセラミ
ックスの液体状微粒子を金属または非金属の母材表面に
高速度で衝突させて層を形成する溶射法と、電気めっき
法または無電解めっき法により金属または非金属の母材
表面を金属で被覆するめっき法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の溶射法は、セラ
ミックスなどの耐摩耗性または耐熱性を有する層を形成
することができるが、図7に示すように、その表面や内
部には気孔や貫通気孔が存在しているので耐食性を要求
される部材への適用は困難である。耐食性を必要とする
ときに、腐食雰囲気を有する気体または液体が母材に到
達するのを防ぐため、気孔を高分子材料などで封孔する
こともできるが、封孔処理を施しても、表面及び表面近
傍の気孔を封孔するにとどまり、皮膜内部の気孔を完全
に封孔することは困難であり、しかも、封孔剤として使
用する樹脂は摩耗、熱に弱い欠点があった。次に、後者
のめっき法では、めっき材料が金属に限定されるため、
セラミックスの溶射層に比べ耐摩耗性や耐熱性に劣ると
いう欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の欠点を改
善すベく、母材に、めっき法により金属からなるめっき
層を形成し、該めっき層の表面をRa3〜Ra10の表
面粗さとしたうえ、該めっき層の上面に溶射法により溶
射層を形成することを特徴とするものであり、また、R
a3〜Ra10の表面粗さを有する母材に、めっき法に
より金属からなるめっき層を形成し、該めっき層の上面
に溶射法により溶射層を形成することを特徴とするもの
であり、また、前記方法で形成した金属からなる溶射層
の上に、さらに溶射法によりセラミックスからなる溶射
層を形成することを特徴とするものである。
【0005】
【作用】母材と溶射層とは物理的な結合形態であり、め
っき層は滑らかな表面状態を呈しているので、めっき層
の上に溶射層を形成することは不可能であったが、めっ
き層の表面粗さをRa3〜Ra10と粗くすることによ
って、初めてめっき層への溶射層の形成が可能となっ
た。めっき層の表面粗さが粗い場合には、図8に示すよ
うに、めっき前の母材の表面粗さとめっき後のめっきの
表面粗さとは略同様な値を示すので、粗面化は、めっき
の前でも後でもよいことがわかる。以上のように、めっ
き層の上に溶射層を形成することによって、耐食性と耐
摩耗性または耐熱性を兼ね備えた皮膜を形成することが
できる。
【0006】
【実施例】本発明の第一実施例を図1について説明する
と、1は一般構造用圧延鋼材(SS400)からなる母
材であって、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さ
はRa5.9であった。該母材1の表面に膜厚が20μ
mの無電解ニッケル−りんめっきのめっき層2を形成
し、該めっき層2の上にプラズマ溶射装置を用いてNi
−Cr−Alの金属からなる溶射層3を形成した。図か
らめっき層2は、緻密な層を形成し、その上層に気孔が
存在する溶射層3が明瞭に確認できる。なお、図中のめ
っき層2を明確に示すため、硝酸1:酢酸1:蒸留水1
の腐食液で積層皮膜の断面を腐食した後、断面写真の撮
影を行った。
【0007】次に、第二実施例を図2について説明する
と、母材1として一般構造用圧延鋼材(SS400)を
用い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはRa
5.9であった。該母材1の表面に膜厚が20μmの無
電解ニッケル−りんめっきのめっき層2を形成し、該め
っき層2の上にプラズマ溶射装置を用いてNi−Cr−
Alの金属からなる溶射層3を形成し、さらにその溶射
層3の上にAl−3%TiOのセラミックスか
らなる溶射層3を形成して積層皮膜を形成した。なお、
図中のめっき層2を明確に示すため、前記同様の腐食液
で積層皮膜の断面を腐食した後、断面写真の撮影を行っ
た。
【0008】次に、第三実施例を図3について説明する
と、母材1として一般構造用圧延鋼材(SS400)を
用い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはRa
5.9であった。この母材1表面に膜厚が30μmの電
気すずめっきのめっき層2を形成し、該めっき層2の上
にブラスト処理を行い、めっき層2の表面粗さをRa
4.2とし、該粗面化しためっき層2の上にプラズマ溶
射装置を用いて、Al−3%TiOのセラミッ
クスからなる溶射層3を形成した。なお、電気すずめっ
きは無電解ニッケル−りんめっきに比べ引張り強さの値
が極端に低い(後記の引張り試験の引張り強さは35k
N/mmであった。)ことを考慮し、結合面の表面積
を大きくするため、ブラスト処理を行った母材1表面に
めっき層を形成したが、無電解ニッケル−りんめっきは
引張り強さの値が高い{後記の引張試験の引張強さは9
5kN/mmを超えた値(接着部での破断でそれ以上
の引張り強さを確認できなかった。)であった。}た
め、めっき層を形成する前に母材1表面にブラスト処理
を行う必要はない。また、図中のめっき層を明確に示す
ため、3%ピクリン酸アルコール溶液で積層皮膜の断面
を腐食した後、断面写真の撮影を行った。
【0009】次に、第四実施例を図4について説明する
と、母材1として一般構造用圧延鋼材(SS400)を
用い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはRa
5.9であった。この母材1表面に膜厚が30μmの電
気すずめっきのめっき層2を形成し、該めっき層2の上
にブラスト処理を行い、めっき層2の表面粗さをRa
4.2とし、該粗面化しためっき層2の上にプラズマ溶
射装置を用いて、Ni−Cr−Alの金属からなる溶射
層3を形成した。なお、図中のめっき層を明確に示すた
め、前記同様のアルコール溶液で積層皮膜の断面を腐食
した後、断面写真の撮影を行った。
【0010】なお、前記いずれの実施例も中間に位置す
るめっき層2を明確に示すため、通常の腐食より厳しい
腐食を行っている。また、第三実施例及び第四実施例は
めっき層2にビッカース硬さ(Hv)が15と軟らかい
すずを用いており、断面写真を撮影する前工程の研磨加
工時に研磨された溶射層3などの粉がめっき層2に残存
する。このため、界面結合状態などを正確に観察するこ
とが難しい。そこで、視野は狭いが腐食が必要でなく、
比較的簡単な研磨でよい電子顕微鏡写真を撮影した。第
一実施例と同じ条件で作成した積層皮膜断面の電子顕微
鏡写真と線分析結果を図5に示す。母材1とめっき層2
及びめっき層2と溶射層3のいずれの界面も良好な結合
状態であり、めっき層2も緻密な層を形成していること
がわかる。なお、線分析を実施した位置は図5中央の直
線部である。
【0011】また、第四実施例と同じ条件で作成した積
層皮膜断面の電子顕微鏡写真と線分析結果を図6に示
す。
【0012】次に、第二実施例と同じ条件で作成したセ
ラミックスからなる溶射層3の断面の電子顕微鏡写真を
図7に示す。
【0013】次に、めっき層の表面粗さと母材の表面粗
さとの関係を測定した結果を図8に示す。母材1として
一般構造用圧延鋼材(SS400)を用い、その表面に
ブラスト処理を行い、表面粗さはRa5.9であった。
この母材表面に膜厚が15μm、20μm、30μmの
3種類の無電解ニッケル−りんめっきのめっき層2を形
成し、それぞれのめっき層の表面粗さを測定したところ
図8に示すようにRa5.5〜Ra5.8であり、母材
の表面粗さと略同様の値を示しており、溶射層を形成す
ることが可能な表面粗さであった。
【0014】次に、前記各実施例の積層皮膜の密着性を
評価するため、引張り試験を行ったところ下記のとおり
であった。なお、試験結果は試験片3個の平均値とし
た。引張り試験はJIS H 8666に準じて行い、
引張り速度は0.5mm/minとし、接着剤はエポキ
シ系の樹脂を使用した。なお、接着剤が試験結果に影響
を及ぼすのを防ぐため、積層皮膜の最上層の膜厚を約5
30μmとした。第一実施例の積層皮膜(最上層の膜厚
は異なる。)の引張り強さは62kN/mmであり、
破断箇所はめっき層2と溶射層3の境界部であった。第
二実施例の積層皮膜(最上層の膜厚は異なる。)の引張
り強さは35kN/mmであり、破断箇所は金属の溶
射層3とセラミックスの溶射層3の境界部であった。第
三実施例の積層皮膜(最上層の膜厚は異なる。)の引張
り強さは21kN/mmであり、破断箇所はめっき層
2と溶射層3の境界部であった。第四実施例の積層皮膜
(最上層の膜厚は異なる。)の引張り強さは39kN/
mmであり、破断箇所はめっき層2と溶射層3の境界
部であった。また、上記実施例以外の引張り試験も前記
と同じ引張り試験の条件で行った。まず、母材1として
一般構造用圧延鋼材(SS400)を用い、その表面に
ブラスト処理を行い、表面粗さはRa5.9であった。
該母材1の表面に膜厚が20μmの無電解ニッケル−り
んめっきのめっき層2を形成し、該めっき層2の上にプ
ラズマ溶射装置を用いて膜厚が530μmのAl
−3%TiOのセラミックスからなる溶射層3を形成
した。該積層皮膜の引張り強さは19kN/mmであ
り、破断箇所はめっき層2と溶射層3の境界部であっ
た。次に、第四実施例で形成した金属からなる溶射層の
上に、さらに膜厚が530μmのAl−3%Ti
のセラミックスからなる溶射層3を形成して積層皮
膜を形成した。該積層皮膜の引張り強さは31kN/m
であり、破断箇所は金属からなる溶射層3とセラミ
ックスからなる溶射層3の境界部であった。前記実施例
の結果及び実施例以外の結果ならびに母材1の表面に直
接溶射層3を形成したものとの比較を図9に示す。な
お、母材1の表面に直接溶射層3を形成したものの母材
1の表面粗さ及び溶射層3の形成条件は実施例に示した
積層皮膜の形成条件と同じである。めっき層に直接セラ
ミックスからなる溶射層を形成した積層皮膜の引張り強
度は他の積層皮膜のその値より低い値を示しているが、
溶射層3の始端部及び終端部が存在しない円筒形状の部
材などへの適用は可能と考えられる。
【0015】
【発明の効果】従来、めっき層は滑らかな表面状態を呈
しているので、めっき層の上に溶射層を形成することは
不可能であったが、めっき層の表面粗さをRa3〜Ra
10と粗くすることによって、初めてめっき層への溶射
層の形成が可能となった。また、めっき層で耐食性を、
溶射層で耐摩粍性など複合的機能を有する積層皮膜が簡
便な方法で作成することも可能となった。さらに、めっ
き法及び溶射法は複雑形状のものへの加工が容易である
ため、広範囲な産業用機械装置などへの用途拡大につな
がるなど大きな経済的効果を生む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で形成した第一実施例の積層皮膜の
断面写真である。
【図2】本発明方法で形成した第二実施例の積層皮膜の
断面写真である。
【図3】本発明方法で形成した第三実施例の積層皮膜の
断面写真である。
【図4】本発明方法で形成した第四実施例の積層皮膜の
断面写真である。
【図5】第一実施例の積層皮膜断面の電子顕微鏡写真と
線分析結果である。
【図6】第四実施例の積層皮膜断面の電子顕微鏡写真と
線分析結果である。
【図7】セラミックス溶射層断面の電子顕微鏡写真であ
る。
【図8】めっき層の表面粗さと母材の表面粗さとの関係
を測定した結果である。
【図9】積層皮膜の引張強さの結果である。
【符号の説明】
1 母材 2 めっき層 3 溶射層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 次に、第三実施例を図3について説明す
ると、母材1として一般構造用圧延鋼材(SS400)
を用い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはR
a5.9であった。この母材1表面に膜厚が30μmの
電気すずめっきのめっき層2を形成し、該めっき層2の
上にブラスト処理を行い、めっき層2の表面粗さをRa
4.2とし、該粗面化しためっき層2の上にプラズマ溶
射装置を用いて、Al−3%TiOのセラミッ
クスからなる溶射層3を形成した。なお、電気すずめっ
きは無電解ニッケル−りんめっきに比べ引張り強さの値
が極端に低い(後記の引張り試験の引張り強さは35
/mm であった。)ことを考慮し、結合面の表面積を
大きくするため、ブラスト処理を行った母材1表面にめ
っき層を形成したが、無電解ニッケル−りんめっきは引
張り強さの値が高い{後記の引張試験の引張強さは95
N/mm を超えた値(接着部での破断でそれ以上の引
張り強さを確認できなかった。)であった。}ため、め
っき層を形成する前に母材1表面にブラスト処理を行う
必要はない。また、図中のめっき層を明確に示すため、
3%ピクリン酸アルコール溶液で積層皮膜の断面を腐食
した後、断面写真の撮影を行った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 次に、第四実施例を図4について説明す
ると、母材1として一般構造用圧延鋼材(SS400)
を用い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはR
a5.9であった。この母材1表面に膜厚が30μmの
電気すずめっきのめっき層2を形成し、該めっき層2の
上にブラスト処理を行い、めっき層2の表面粗さをRa
4.2とし、該粗面化しためっき層2の上にプラズマ溶
射装置を用いて、Ni−Cr−Alの金属からなる溶射
層3を形成した。なお、図中のめっき層を明確に示すた
め、前記同様のアルコール溶液で積層皮膜の断面を腐食
した後、断面写真の撮影を行った。次に、第五実施例を
図10について説明すると、母材1として一般構造用圧
延鋼材(SS400)を用い、この母材1表面に膜厚が
20μmの無電解ニッケル−りんめっきのめっき層2を
形成し、該めっき層2の上にブラスト処理を行い、めっ
き層2の表面粗さをRa5.8とし、該粗面化しためっ
き層2の上にプラズマ溶射装置を用いて、Ni−Cr−
Alの金属からなる溶射層3を形成した。次に、第六実
施例を図11について説明すると、母材1としてアルミ
ニウム合金(A 5052P)を用い、その表面にブラ
スト処理を行い、表面粗さはRa6.5であった。この
母材1表面に膜厚が15μmの工業用クロムめっきのめ
っき層2を形成し、該めっき層2の上にプラズマ溶射装
置を用いて、Ni−Alの金属からなる溶射層3を形成
した。次に、第七実施例を図12について説明すると、
母材1としてアルミニウム合金(A 5052P)を用
い、その表面にブラスト処理を行い、表面粗さはRa
6.5であった。該母材1の表面に膜厚が20μmの無
電解ニッケル−りんめっきのめっき層2を形成し、該め
っき層2の上にプラズマ溶射装置を用いてNi−Cr−
Alの金属からなる溶射層3を形成した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 次に、前記各実施例の積層皮膜の密着性
を評価するため、引張り試験を行ったところ下記のとお
りであった。なお、試験結果は試験片3個の平均値とし
た。引張り試験はJIS H 8666に準じて行い、
引張り速度は0.5mm/minとし、接着剤はエポキ
シ系の樹脂を使用した。なお、接着剤が試験結果に影響
を及ぼすのを防ぐため、積層皮膜の最上層の膜厚を約5
30μmとした。第一実施例の積層皮膜(最上層の膜厚
は異なる。)の引張り強さは62N/mm であり、破
断箇所はめっき層2と溶射層3の境界部であった。第二
実施例の積層皮膜(最上層の膜厚は異なる。)の引張り
強さは35N/mm であり、破断箇所は金属の溶射層
3とセラミックスの溶射層3の境界部であった。第三実
施例の積層皮膜(最上層の膜厚は異なる。)の引張り強
さは21N/mm であり、破断箇所はめっき層2と溶
射層3の境界部であった。第四実施例の積層皮膜(最上
層の膜厚は異なる。)の引張り強さは39N/mm
あり、破断箇所はめっき層2と溶射層3の境界部であっ
た。第五実施例の積層皮膜(最上層の膜厚は異なる。)
の引張り強さは62N/mmであり、破断箇所はめっ
き層2と溶射層3の境界部であった。第六実施例の積層
皮膜(最上層の膜厚は異なる。)の引張り強さは52N
/mmであり、破断箇所はめっき層2と溶射層3の境
界部であった。第七実施例の積層皮膜(最上層の膜厚は
異なる。)の引張り強さは62N/mmであり、破断
箇所はめっき層2と溶射層3の境界部であった。また、
上記実施例以外の引張り試験も前記と同じ引張り試験の
条件で行った。まず、母材1として一般構造用圧延鋼材
(SS400)を用い、その表面にブラスト処理を行
い、表面粗さはRa5.9であった。該母材1の表面に
膜厚が20μmの無電解ニッケル−りんめっきのめっき
層2を形成し、該めっき層2の上にプラズマ溶射装置を
用いて膜厚が530μmのAl−3%TiO
セラミックスからなる溶射層3を形成した。該積層皮膜
の引張り強さは19N/mm であり、破断箇所はめっ
き層2と溶射層3の境界部であった。次に、第四実施例
で形成した金属からなる溶射層の上に、さらに膜厚が5
30μmのAl−3%TiOのセラミックスか
らなる溶射層3を形成して積層皮膜を形成した。該積層
皮膜の引張り強さは31N/mmであり、破断箇所は
金属からなる溶射層3とセラミックスからなる溶射層3
の境界部であった。前記実施例の結果及び実施例以外の
結果ならびに母材1の表面に直接溶射層3を形成したも
のとの比較を図9に示す。なお、母材1の表面に直接溶
射層3を形成したものの母材1の表面粗さ及び溶射層3
の形成条件は実施例に示した積層皮膜の形成条件と同じ
である。めっき層に直接セラミックスからなる溶射層を
形成した積層皮膜の引張り強度は他の積層皮膜のその値
より低い値を示しているが、溶射層3の始端部及び終端
部が存在しない円筒形状の部材などへの適用は可能と考
えられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図10】 本発明方法で形成した第五実施例の積層皮
膜の断面写真である。
【図11】 本発明方法で形成した第六実施例の積層皮
膜の断面写真である。
【図12】 本発明方法で形成した第七実施例の積層皮
膜の断面写真である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】追加
【補正内容】
【図11】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】追加
【補正内容】
【図12】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で形成した第一実施例の積層皮膜の
金属組織を示す断面写真である。
【図2】本発明方法で形成した第二実施例の積層皮膜の
金属及びセラミックス材料の組織を示す断面写真であ
る。
【図3】本発明方法で形成した第三実施例の積層皮膜の
金属及びセラミックス材料の組織を示す断面写真であ
る。
【図4】本発明方法で形成した第四実施例の積層皮膜の
金属組織を示す断面写真である。
【図5】第一実施例の積層皮膜断面の金属組織を示す
子顕微鏡写真と線分析結果である。
【図6】第四実施例の積層皮膜断面の金属組織を示す
子顕微鏡写真と線分析結果である。
【図7】溶射法で形成したセラミックス材料の組織を示
電子顕微鏡写真である。
【図8】めっき層の表面粗さと母材の表面粗さとの関係
を測定した結果である。
【図9】積層皮膜の引張強さの結果である。
【符号の説明】 1 母材 2 めっき層 3 溶射層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月24日
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】 本発明方法で形成した第五実施例の積層皮
膜の金属組織を示す断面写真である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】追加
【補正内容】
【図11】 本発明方法で形成した第六実施例の積層皮
膜の金属組織を示す電子顕微鏡写真と線分析結果であ
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図12
【補正方法】追加
【補正内容】
【図12】 本発明方法で形成した第七実施例の積層皮
膜の金属組織を示す電子顕微鏡写真と線分析結果であ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】追加
【補正内容】
【図10】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】追加
【補正内容】
【図11】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】追加
【補正内容】
【図12】
フロントページの続き (72)発明者 冨野 寿和 香川県綾歌郡国分寺町新居1659−3 (72)発明者 守屋 公一 香川県観音寺市観音寺町甲673−1 (72)発明者 神高 幸則 香川県高松市鬼無町佐藤56−2 (72)発明者 勝村 宗英 香川県高松市高松町477−22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材に、めっき法により金属からなるめ
    っき層を形成し、該めっき層の表面をRa3〜Ra10
    の表面粗さとしたうえ、該めっき層の上面に溶射法によ
    り溶射層を形成することを特徴とするめっき層と溶射層
    からなる積層皮膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 Ra3〜Ra10の表面粗さを有する母
    材に、めっき法により金属からなるめっき層を形成し、
    該めっき層の上面に溶射法により溶射層を形成すること
    を特徴とするめっき層と溶射層からなる積層皮膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の方法で形
    成した金属からなる溶射層の上に、さらに溶射法により
    セラミックスからなる溶射層を形成することを特徴とす
    るめっき層と溶射層からなる積層皮膜の形成方法。
JP3274490A 1991-07-24 1991-07-24 めっき層と溶射層からなる積層皮膜の形成方法 Expired - Lifetime JPH07145489A (ja)

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