JP2559283B2 - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶射ピストンリングに関する。
〔従来の技術〕 ピストンリングの外周面に溶射皮膜を形成したものは
知られており、通常Mo以外の溶射材を使用する場合は、
母材との密着性を良好にするために、表層部の溶射皮膜
の下に下地溶射皮膜を設ける。この場合、通常、ピスト
ンリングの外周面に浅い凹溝を全周にわたって形成し、
その溝内の全表面に下地溶射皮膜を設け、その溝内に表
層部の溶射材を溶着して形成する。
そして、従来、例えばNi−Al下地溶射材が使用され
て、内燃機関用エンジンで一定の効果を出したが、高負
荷化する中では不十分で、Ni−Al下地溶射皮膜が層内剥
離することがある。
また、Ni−Al下地溶射材は、5〜10%AlとNiであるた
め、硬度が低く耐摩耗性に乏しい欠点があり、外周面に
露出したNi−Al下地溶射皮膜は燃焼生成硬質粉によって
容易に摩耗して、外周面において母材と表層部の溶射皮
膜との間に段付摩耗を生じ、その凹部が切欠作用となり
耐剥離性が劣化し、またこの凹部部分のエッジ部がシリ
ンダ壁面を異常に加速摩耗させることがある。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、耐摩耗
性、耐焼付性にすぐれるとともに、ピストンリング母材
及び表層部の溶射皮膜との密着性にすぐれ、耐剥離強度
の高い下地溶射皮膜を備えた溶射ピストンリングを提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の構成は、外周面に形成した下地溶射皮膜上に
表層部の溶射皮膜を備えるピストンリングにおいて、前
記下地溶射皮膜が、粒度44μm以上で125μm未満のMo6
0〜80重量%と、粒度10μm以上で64μm未満のNi自溶
性合金20〜40重量%との溶射材からなり、かつその皮膜
厚さが20〜100μmであることを特徴とする。
Ni自溶性合金は重量比でCr9〜11%、B1.5〜2.5%、Si
2.0〜3.5%、C0.5%以下、Fe4%以下、Co1%以下、Ni残
部からなるのがよい。
〔作用〕
Moを60〜80重量%含んでいるので、ピストンリング母
材との密着性がよい。
以下、ピストンリング母材との密着性の評価試験を説
明する。
球状黒鉛鋳鉄よりなるリング径90mmφのピストンリン
グの外周面の母材表面を、粗さ20μmRZにブラスト加工
した後、下地溶射材を単層でプラズマ溶射し、常法で仕
上加工した。そして、ピストンリングの内周の対称位置
に配置する一対のピンを反対方向に動かしてピストンリ
ングを拡げ、剥離又はクラック発生までの拡げ量と、溶
射皮膜の残留量で密着性を調べた。
使用溶射材:MoとNi自溶性合金 Moは純度99.7%、Ni自溶性合金はJIS MS FNi−2相当
材である。また、Moの粒度は44μm以上125μm未満、N
i自溶性合金の粒度は10μm以上64μm未満である。
表1にMo量を変えた場合の結果を示す。
上記結果から、Mo60〜80重量%で、溶射残留量が100
%で拡げ量も大きいことがわかる(第3図参照)。
また、Moの他にNi自溶性合金を含むので、耐摩耗性、
耐焼付性がすぐれ、また抗張力が高くクラックを生じに
くい。特に、重量比でCr9〜11%、B1.5〜2.5%、Si2.0
〜3.5%、C0.5%以下、Fe4%以下、Co1%以下、Ni残部
からなるNi自溶性合金は、引張強度が56Kg/mm2、硬さHR
C40と高いので好ましい。
またMo粒度を44μm以上で125μm未満とすると、下
地溶射皮膜の粗さが大きくなり、表層部の溶射皮膜との
結合力が大きい。下地溶射皮膜と表層部の溶射皮膜の結
合はインターロック結合であり(第2図参照、1はピス
トンリング母材、3は下地溶射皮膜、4は表層部の溶射
皮膜)、そのため結合力を上げるには下地溶射皮膜の表
面粗さを粗くする必要があり、それには下地溶射材の粒
度を大きくするのがよい。なお、125μm以上である
と、Mo粉が未溶解になるので、結合力は劣化する。
一方、Ni自溶性合金の粒度が大きいと、溶射皮膜内の
均一性が劣り、層内強度が低下し、層内剥離を生じる。
これは粒子が溶融し、各粒子が積層する溶射皮膜の特性
であり、Mo層の補強材として作用しているNi自溶性合金
は均一であることが必要で、粒子の大きさは小さい方が
より均一に分布し結合力を強化する。よって、Ni自溶性
合金の粒度は10μm以上で64μm未満とする。
以下に、下地溶射皮膜の上に表層部の溶射皮膜を形成
したピストンリングについて、MoとNi自溶性合金の粒度
を変えた場合のねじりテストを行い、剥離の有無を調べ
た。
球状黒鉛鋳鉄よりなるリング径90mmφのピストンリン
グの外周面に浅い凹溝を全周にわたって形成し、その凹
溝の母材表面を粗さ20μmRZにブラスト加工した後、そ
の溝内の全表面に下地溶射材をプラズマ溶射して厚さ60
μmの下地溶射皮膜を設け、その溝内に表層部の溶射材
をプラズマ溶射して厚さ140μmの溶射皮膜を形成し、
常法で仕上加工した。そして、ピストンリングを60度ね
じり(合口を上下にずらす)、合口と反対側の20mmの区
間の剥離の有無を調べた。結果を表2に示す。なお、10
個のピストンリングについて行い、剥離を生じないもの
は○、剥離を生じたものが1〜5個の場合は△、剥離を
生じたものが6〜10個の場合は×で示す。
使用下地溶射材:Mo 70重量% Ni自溶性合金 30重量% (JIS MSFNi−2相当材) 表層部の使用溶射材:高Cr鋳鉄 50重量% Mo 30重量% Ni自溶性合金 20重量% (JIS MSFNi−2相当材) 上記より、Moの粒度44μm以上125μm未満、Ni自溶
性合金の粒度10μm以上64μm未満が良好であることが
わかる。
次に、拡げ密着テストを行った。
ピストンリングは上記ねじりテストで説明したものと
同様にして作製した。なお、比較例として、下地溶射皮
膜を設けないもの(比較1)と、下地溶射皮膜がNi−5
%Al(比較2)も作製した。そして、ピストンリングの
内周の対称位置に配置する一対のピンを反対方向に動か
してピストンリングを拡げ、剥離又はクラック発生まで
の拡げ量と溶射皮膜の残留量を調べた。
下地溶射材と表層部の溶射材は上記ねじりテストで用
いたものと同一である。なお、Moの粒度は44μm以上で
125μm未満、Ni自溶性合金の粒度は10μm以上で64μ
m未満のものを使用した。
結果を表3に示す。
上記のように、下地溶射皮膜を設けないものは母材面
で、下地溶射皮膜がNi−5%Alのものは下地溶射皮膜内
で剥離するが、本発明のものは単なるクラック発生のみ
で、剥離しない。
なお、下地溶射皮膜の厚さが20μm未満であると、下
地溶射皮膜の粗さが不充分となり、100μmを越える
と、溶射皮膜全体に占める下地溶射皮膜の割合が多くな
って耐久性が劣るようになる。
〔実施例〕 第1図はピストンリングの外周面に溶射皮膜を形成し
たものを示す。即ち、ピストンリング母材1が球状黒鉛
鋳鉄よりなるピストンリングの外周面に浅い凹溝2を全
周にわたって形成し、母材面を粗さ20μmRZにブラスト
加工した後、その溝2内に下記に示す下地溶射材をプラ
ズマ溶射して、溝2内の全表面に下地溶射皮膜3を厚さ
60μm設け、その後下記に示す表層部の溶射材を溝2内
にプラズマ溶射して、下地溶射皮膜3上に表層部の溶射
皮膜4を厚さ150μm設け、所定の仕上加工を施して形
成したものである。
下地溶射材:Mo 70重量% Ni自溶性合金 30重量% (JIS MSFNi−2相当材) 表層部の溶射材:高Cr鋳鉄 50重量% Mo 30重量% Ni自溶性合金 20重量% (JIS MSFNi−2相当材) ピストンリング母材は上記では球状黒鉛鋳鉄を使用し
たが、勿論これに限ることはなく、他の鋳鉄あるいは鋼
は適宜使用すればよい。
また、表層部の溶射材としては、上記に限らず、この
他例えば下記に示すもの等を使用するのがよい。
高Cフェロクロム合金 70重量% Mo 9重量% Ni自溶性合金 21重量% (JIS MSFNi−2相当材) Moの粒度は44μm以上で125μm未満、Ni自溶性合金
の粒度は10μm以上で64μm未満のものを使用した。
なお、下地溶射皮膜の厚さは30〜80μmが特に好まし
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、耐摩耗性、耐焼
付性にすぐれるとともに、ピストンリング母材及び表層
部の溶射皮膜との密着性にすぐれ、耐剥離強度の高い下
地溶射皮膜を備えた溶射ピストンリングとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すピストンリングの一部
分の縦断面図、第2図はその要部拡大図、第3図は母材
との密着性テストの結果を示す図である。 1はピストンリング母材、2は凹溝、3は下地溶射皮
膜、4は表層部の溶射皮膜。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に形成した下地溶射皮膜上に表層部
    の溶射皮膜を備えるピストンリングにおいて、前記下地
    溶射皮膜が、粒度44μm以上で125μm未満のMo60〜80
    重量%と、粒度10μm以上で64μm未満のNi自溶性合金
    20〜40重量%との溶射材からなり、かつその皮膜厚さが
    20〜100μmであることを特徴とするピストンリング。
  2. 【請求項2】Ni自溶性合金が重量比でCr9〜11%、B1.5
    〜2.5%、Si2.0〜3.5%、C0.5%以下、Fe4%以下、Co1
    %以下、Ni残部からなることを特徴とする請求項1記載
    のピストンリング。
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