JP3133970B2 - ロープ車 - Google Patents

ロープ車

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JP3133970B2
JP3133970B2 JP09339233A JP33923397A JP3133970B2 JP 3133970 B2 JP3133970 B2 JP 3133970B2 JP 09339233 A JP09339233 A JP 09339233A JP 33923397 A JP33923397 A JP 33923397A JP 3133970 B2 JP3133970 B2 JP 3133970B2
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順一 吉野
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日本ユテク株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロープ車、特に製紙
工程(製紙機械)において紙送りのために連続走行して
いるロープを案内するためのキャリアホイールの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工程で使用されるキャリアホイール
は、軽量化のためにアルミニウム合金製のものが主流を
占めているが、数十キロメートルにも及ぶ綿製あるいは
ナイロン製のロープを常時案内しているために、そのロ
ープ案内面の摩耗が著しい。
【0003】このようなことから、従来は、キャリアホ
イールのロープ案内面に、プラズマ溶射法、フレーム溶
射法等により金属やセラミックを溶射して耐摩耗性溶射
皮膜を形成した上、機械加工あるいは研磨加工等の後加
工を施したものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のキャリアホイールは、耐摩耗性溶射皮膜の
面粗度および平滑性に限界があり、溶射後の機械加工や
研磨加工等の二次加工(後加工)が必須であるために、
加工工数の増加によりコストアップを招く結果となって
好ましくない。
【0005】また、溶射による耐摩耗性溶射皮膜の特殊
性として溶射粒子の引っ張り応力によって溶射皮膜が形
成されるために、その溶射皮膜の密着強度や硬度が低く
割れの原因となりやすい。特に、高硬度の耐摩耗性金属
を厚く溶射すると、冷却時に耐摩耗性皮膜に割れが発生
し、したがって長期使用に耐え得るような必要十分な厚
さの耐摩耗性皮膜を形成することは困難であった。
【0006】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、加工工数の低減を図りながら、とりわけ高
硬度で母材密着力に優れ且つ長期使用に十分に耐え得る
耐摩耗性皮膜をロープ案内面に有するロープ車を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウム合金からなるロープ車本体のロープ案
内面に、超高速フレーム溶射法により、膜厚0.05〜
0.3mm、気孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,
000〜1,450の超硬合金の機能皮膜(耐摩耗性溶
射皮膜)を形成したことを特徴としている。
【0008】そして、上記の超硬合金の機能皮膜となる
粉末成分として、主成分であるタングステンカーバイト
もしくはクロームカーバイトに、コバルト、ニッケル、
自溶合金、クロームおよびニッケルクロームのうちのい
ずれかを含むものを使用する。
【0009】ここで、上記の超高速フレーム溶射法はH
P/HVOF法(High Pressure/Hig
h Velocity Oxy−Fuel)と呼ばれる
もので、高燃焼圧力、高ガス流速、高速粒子の溶射法で
あるところに特徴がある。すなわち、HP/HVOF法
は、基本的には既存のHVOF法の改良型ではあるが、
HVOF法と異なる点は、HVOF法では気体燃料(プ
ロパン、プロピレンあるいは水素)を使用しているのに
対して、HP/HVOF法では液体燃料である灯油(も
しくはケロシン)を使用することで、連続高燃焼圧(1
20〜130psi程度でHVOF法の約1.5倍)を
可能とし、その圧力で2,100m/sec程度という
フレーム速度を達成して、高粒子速度で溶射材料を溶射
するものである。
【0010】したがって、請求項1に記載の発明では、
ロープ車のロープ案内面に形成された耐摩耗性溶射皮膜
である機能皮膜は、ビッカース硬さで1,000〜1,
450という高硬度もさることながら、気孔率が0.1
%以下であって、空孔のほとんどない緻密な組織である
ことから、溶射したままでもその皮膜表面は優れた平滑
性を有しており、機械加工や研磨加工等の二次加工を一
切必要としない。
【0011】また、HP/HVOF法で溶射された機能
皮膜の母材に対する密着強度は10,000psi(7
00kg/cm2)以上ときわめて優れており、膜厚が
0.05〜0.3mm程度であればその剥離や割れの発
生は全くない。これはHP/HVOF法の溶射皮膜が圧
縮応力で形成されるいわゆる圧縮皮膜(従来のHVOF
法等による溶射皮膜は引張皮膜)であるためで、その皮
膜自体の残留応力も圧縮応力であるが故に、母材金属に
対して皮膜が高張力と高密着性とを有していることにな
る。
【0012】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、アルミ
ニウム合金からなるロープ車本体のロープ案内面に、H
P/HVOF法により、膜厚0.05〜0.3mm、気
孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,4
50のタングステンカーバイト等を主成分とする超硬合
金の機能皮膜を形成したものであるから、HP/HVO
F法の特殊性としてその機能皮膜の平滑性が高いために
従来のような機械加工や研磨加工等の二次加工が不要
で、加工工数の低減によりコストダウンを図ることがで
きる。しかも、膜厚の小さな機能皮膜をもって高硬度と
高密着力とを付与することができることから、機能皮膜
自体ひいてはロープ車の摩耗に対する耐久性が大幅に向
上する効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】図1,2は本発明に係るロープ車
の代表的な実施の形態を示す図で、前述したキャリアホ
イールの例を示している。
【0014】同図に示すように、キャリアホイール1は
ダイカスト鋳造法により成形されたアルミニウム合金製
のものであって、周知のように本体部2はボス部3とア
ーム部4およびリム部5とから形成されている一方、図
示しないベアリングを介して相手側の軸に軸受支持され
ることになるボス部3には鋼製のカラー6が鋳ぐるみさ
れて一体化されているとともに、リム部5にはロープ案
内面となる断面U字状のロープ案内溝7が形成されてい
る。
【0015】そして、ロープ案内溝7の内周面全面に
は、図3にも示すように、前述した超高速フレーム溶射
法(HP/HVOF法)により機能皮膜として所定厚み
の耐摩耗性溶射皮膜8が形成されている。この耐摩耗性
溶射皮膜8の膜厚は0.05mm〜0.3mm程度の範
囲で任意に設定可能である。
【0016】上記のロープ案内溝7に耐摩耗性溶射皮膜
8を形成するには、ダイカスト鋳造後に所定の機械加工
を施して各部の寸法出しを終えた上で、その母材である
ロープ案内溝7の内周面の錆、油脂あるいは黒皮等の除
去を目的として洗浄処理を施すか、もしくは洗浄処理す
ることなくブラスト処理を施した上で、ロープ案内溝7
に溶射を実施して、上記の耐摩耗性溶射皮膜8を形成す
る。
【0017】耐摩耗性溶射皮膜8となる粉末材料として
は、タングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トを主成分として、これにコバルト、ニッケル、自溶合
金、クローム、ニッケルクロームのうちのいずれかを単
独もしくは複数加えたものを用い、その粒子の大きさは
15μm〜45μm程度とし、この粉末を溶射ガンのチ
ャンバ内における酸素と灯油との燃焼炎中に搬送ガスと
ともに送り込むとともに、その粉末粒子を飛行させ、同
期回転しているキャリアホイール1のロープ案内溝7の
内周面に高衝突エネルギにより積層して耐摩耗性溶射皮
膜8を形成する。
【0018】より具体的には、溶射する材料の粉末とし
ては、タングステンカーバイト(88%)+コバルト
(12%)、タングステンカーバイト(83%)+コバ
ルト(17%)、タングステンカーバイト(88%)+
ニッケル(12%)、タングステンカーバイト(50
%)+自溶合金(50%)、タングステンカーバイト
(73%)+クローム(20%)+ニッケル(7%)、
タングステンカーバイト(84%)+コバルト(12
%)+クローム(4%)、クロームカーバイト(80
%)+ニッケルクローム(20%)、クロームカーバイ
ト(75%)+ニッケルクローム(25%)、クローム
カーバイト(80%)+ニッケル(20%)のうちのい
ずれかの組成のものを用いて溶射を行う。
【0019】この時、上記のキャリアホイール1の回転
に同期して、均一な厚みの耐摩耗性溶射皮膜8を形成す
るために、図4に示すように、ロープ案内溝7の断面形
状の曲率に合わせて溶射ガンGを旋回運動させる。
【0020】HP/HVOF法により形成された耐摩耗
性溶射皮膜8は、HVOF法等のものと異なり圧縮皮膜
として形成されるために、HVOF法のものと比べてそ
の耐摩耗性溶射皮膜8の厚膜化は可能であるが、割れ等
を考慮すると0.05mm〜1.0mm程度、より望ま
しくは0.05mm〜0.3mm程度とする。そして、
このHP/HVOF法による耐摩耗性溶射皮膜8の特殊
性として、気孔率が0.1%以下ときわめて緻密な組織
が形成されるために、その表面の平滑性に優れており、
機械加工や研磨加工等の後加工を一切必要としない。同
時にその皮膜硬度もビッカース硬さで1,000〜1,
450にも及び、硬度の面でも著しく優れている。
【0021】したがって、上記の耐摩耗性溶射皮膜8が
形成されたまま後加工しない状態のキャリアホイール1
を実際の使用に供したとしても、相手側のロープに何ら
悪影響を及ぼすことはなく、本発明者等の実験によれ
ば、従来のものに比べてその耐摩耗性が著しく向上する
ことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロープ車の代表的な実施の形態を示す
図で、キャリアホイールの断面図。
【図2】図1に示すキャリアホイールの側面説明図。
【図3】図1に示すキャリアホイールの耐摩耗性溶射皮
膜の拡大断面図。
【図4】図1に示すキャリアホイールの溶射時の説明
図。
【符号の説明】
1…キャリアホイール 2…本体部 3…ボス部 4…アーム部 5…リム部 7…ロープ案内溝(ロープ案内面) 8…耐摩耗性溶射皮膜(機能皮膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−290871(JP,A) 特開 昭64−87970(JP,A) 特開 平2−97678(JP,A) 実開 平1−98209(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 55/32 - 55/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金からなるロープ車本体
    のロープ案内面に、超高速フレーム溶射法により、膜厚
    0.05〜0.3mm、気孔率0.1%以下、ビッカー
    ス硬さ1,000〜1,450の超硬合金の機能皮膜を
    形成してなり、 この機能皮膜は、タングステンカーバイ
    トもしくはクロームカーバイトを主成分としてコバル
    ト、ニッケル、自溶合金、クロームおよびニッケルクロ
    ームのうちのいずれかを含むものであることを特徴とす
    るロープ車。
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