JP3133970B2 - ロープ車 - Google Patents
ロープ車Info
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Description
工程(製紙機械)において紙送りのために連続走行して
いるロープを案内するためのキャリアホイールの改良に
関する。
は、軽量化のためにアルミニウム合金製のものが主流を
占めているが、数十キロメートルにも及ぶ綿製あるいは
ナイロン製のロープを常時案内しているために、そのロ
ープ案内面の摩耗が著しい。
イールのロープ案内面に、プラズマ溶射法、フレーム溶
射法等により金属やセラミックを溶射して耐摩耗性溶射
皮膜を形成した上、機械加工あるいは研磨加工等の後加
工を施したものが使用されている。
ような従来のキャリアホイールは、耐摩耗性溶射皮膜の
面粗度および平滑性に限界があり、溶射後の機械加工や
研磨加工等の二次加工(後加工)が必須であるために、
加工工数の増加によりコストアップを招く結果となって
好ましくない。
性として溶射粒子の引っ張り応力によって溶射皮膜が形
成されるために、その溶射皮膜の密着強度や硬度が低く
割れの原因となりやすい。特に、高硬度の耐摩耗性金属
を厚く溶射すると、冷却時に耐摩耗性皮膜に割れが発生
し、したがって長期使用に耐え得るような必要十分な厚
さの耐摩耗性皮膜を形成することは困難であった。
れたもので、加工工数の低減を図りながら、とりわけ高
硬度で母材密着力に優れ且つ長期使用に十分に耐え得る
耐摩耗性皮膜をロープ案内面に有するロープ車を提供し
ようとするものである。
は、アルミニウム合金からなるロープ車本体のロープ案
内面に、超高速フレーム溶射法により、膜厚0.05〜
0.3mm、気孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,
000〜1,450の超硬合金の機能皮膜(耐摩耗性溶
射皮膜)を形成したことを特徴としている。
粉末成分として、主成分であるタングステンカーバイト
もしくはクロームカーバイトに、コバルト、ニッケル、
自溶合金、クロームおよびニッケルクロームのうちのい
ずれかを含むものを使用する。
P/HVOF法(High Pressure/Hig
h Velocity Oxy−Fuel)と呼ばれる
もので、高燃焼圧力、高ガス流速、高速粒子の溶射法で
あるところに特徴がある。すなわち、HP/HVOF法
は、基本的には既存のHVOF法の改良型ではあるが、
HVOF法と異なる点は、HVOF法では気体燃料(プ
ロパン、プロピレンあるいは水素)を使用しているのに
対して、HP/HVOF法では液体燃料である灯油(も
しくはケロシン)を使用することで、連続高燃焼圧(1
20〜130psi程度でHVOF法の約1.5倍)を
可能とし、その圧力で2,100m/sec程度という
フレーム速度を達成して、高粒子速度で溶射材料を溶射
するものである。
ロープ車のロープ案内面に形成された耐摩耗性溶射皮膜
である機能皮膜は、ビッカース硬さで1,000〜1,
450という高硬度もさることながら、気孔率が0.1
%以下であって、空孔のほとんどない緻密な組織である
ことから、溶射したままでもその皮膜表面は優れた平滑
性を有しており、機械加工や研磨加工等の二次加工を一
切必要としない。
皮膜の母材に対する密着強度は10,000psi(7
00kg/cm2)以上ときわめて優れており、膜厚が
0.05〜0.3mm程度であればその剥離や割れの発
生は全くない。これはHP/HVOF法の溶射皮膜が圧
縮応力で形成されるいわゆる圧縮皮膜(従来のHVOF
法等による溶射皮膜は引張皮膜)であるためで、その皮
膜自体の残留応力も圧縮応力であるが故に、母材金属に
対して皮膜が高張力と高密着性とを有していることにな
る。
ニウム合金からなるロープ車本体のロープ案内面に、H
P/HVOF法により、膜厚0.05〜0.3mm、気
孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,4
50のタングステンカーバイト等を主成分とする超硬合
金の機能皮膜を形成したものであるから、HP/HVO
F法の特殊性としてその機能皮膜の平滑性が高いために
従来のような機械加工や研磨加工等の二次加工が不要
で、加工工数の低減によりコストダウンを図ることがで
きる。しかも、膜厚の小さな機能皮膜をもって高硬度と
高密着力とを付与することができることから、機能皮膜
自体ひいてはロープ車の摩耗に対する耐久性が大幅に向
上する効果がある。
の代表的な実施の形態を示す図で、前述したキャリアホ
イールの例を示している。
ダイカスト鋳造法により成形されたアルミニウム合金製
のものであって、周知のように本体部2はボス部3とア
ーム部4およびリム部5とから形成されている一方、図
示しないベアリングを介して相手側の軸に軸受支持され
ることになるボス部3には鋼製のカラー6が鋳ぐるみさ
れて一体化されているとともに、リム部5にはロープ案
内面となる断面U字状のロープ案内溝7が形成されてい
る。
は、図3にも示すように、前述した超高速フレーム溶射
法(HP/HVOF法)により機能皮膜として所定厚み
の耐摩耗性溶射皮膜8が形成されている。この耐摩耗性
溶射皮膜8の膜厚は0.05mm〜0.3mm程度の範
囲で任意に設定可能である。
8を形成するには、ダイカスト鋳造後に所定の機械加工
を施して各部の寸法出しを終えた上で、その母材である
ロープ案内溝7の内周面の錆、油脂あるいは黒皮等の除
去を目的として洗浄処理を施すか、もしくは洗浄処理す
ることなくブラスト処理を施した上で、ロープ案内溝7
に溶射を実施して、上記の耐摩耗性溶射皮膜8を形成す
る。
は、タングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トを主成分として、これにコバルト、ニッケル、自溶合
金、クローム、ニッケルクロームのうちのいずれかを単
独もしくは複数加えたものを用い、その粒子の大きさは
15μm〜45μm程度とし、この粉末を溶射ガンのチ
ャンバ内における酸素と灯油との燃焼炎中に搬送ガスと
ともに送り込むとともに、その粉末粒子を飛行させ、同
期回転しているキャリアホイール1のロープ案内溝7の
内周面に高衝突エネルギにより積層して耐摩耗性溶射皮
膜8を形成する。
ては、タングステンカーバイト(88%)+コバルト
(12%)、タングステンカーバイト(83%)+コバ
ルト(17%)、タングステンカーバイト(88%)+
ニッケル(12%)、タングステンカーバイト(50
%)+自溶合金(50%)、タングステンカーバイト
(73%)+クローム(20%)+ニッケル(7%)、
タングステンカーバイト(84%)+コバルト(12
%)+クローム(4%)、クロームカーバイト(80
%)+ニッケルクローム(20%)、クロームカーバイ
ト(75%)+ニッケルクローム(25%)、クローム
カーバイト(80%)+ニッケル(20%)のうちのい
ずれかの組成のものを用いて溶射を行う。
に同期して、均一な厚みの耐摩耗性溶射皮膜8を形成す
るために、図4に示すように、ロープ案内溝7の断面形
状の曲率に合わせて溶射ガンGを旋回運動させる。
性溶射皮膜8は、HVOF法等のものと異なり圧縮皮膜
として形成されるために、HVOF法のものと比べてそ
の耐摩耗性溶射皮膜8の厚膜化は可能であるが、割れ等
を考慮すると0.05mm〜1.0mm程度、より望ま
しくは0.05mm〜0.3mm程度とする。そして、
このHP/HVOF法による耐摩耗性溶射皮膜8の特殊
性として、気孔率が0.1%以下ときわめて緻密な組織
が形成されるために、その表面の平滑性に優れており、
機械加工や研磨加工等の後加工を一切必要としない。同
時にその皮膜硬度もビッカース硬さで1,000〜1,
450にも及び、硬度の面でも著しく優れている。
形成されたまま後加工しない状態のキャリアホイール1
を実際の使用に供したとしても、相手側のロープに何ら
悪影響を及ぼすことはなく、本発明者等の実験によれ
ば、従来のものに比べてその耐摩耗性が著しく向上する
ことが判明した。
図で、キャリアホイールの断面図。
膜の拡大断面図。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム合金からなるロープ車本体
のロープ案内面に、超高速フレーム溶射法により、膜厚
0.05〜0.3mm、気孔率0.1%以下、ビッカー
ス硬さ1,000〜1,450の超硬合金の機能皮膜を
形成してなり、 この機能皮膜は、タングステンカーバイ
トもしくはクロームカーバイトを主成分としてコバル
ト、ニッケル、自溶合金、クロームおよびニッケルクロ
ームのうちのいずれかを含むものであることを特徴とす
るロープ車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09339233A JP3133970B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | ロープ車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09339233A JP3133970B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | ロープ車 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11173406A JPH11173406A (ja) | 1999-06-29 |
JP3133970B2 true JP3133970B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=18325521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09339233A Expired - Fee Related JP3133970B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | ロープ車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3133970B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100400933C (zh) * | 2005-04-21 | 2008-07-09 | 天津港第四港埠公司 | 用于门机臂架的组合式滑轮及其维修安装工艺 |
US20110318497A1 (en) * | 2008-12-23 | 2011-12-29 | Otis Elevator Company | Hoistway sheave resurfacing |
JP2012513355A (ja) * | 2008-12-23 | 2012-06-14 | オーチス エレベータ カンパニー | 金属ロープとシーブの接触部における摩耗および摩擦の制御 |
-
1997
- 1997-12-10 JP JP09339233A patent/JP3133970B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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