JP5050270B2 - 金属溶射皮膜用の封孔処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、金属溶射皮膜用の封孔処理剤に関するものである。
各種金属材料、無機材料、プラスチック材料等の基材上に形成した亜鉛・アルミニウム疑合金等の金属溶射皮膜は、金属溶射直後は多孔性である。しかし、水や酸素、電解質等の金属腐食環境下においては、亜鉛・アルミニウム疑合金の金属溶射皮膜の表面が徐々に腐食され、それら金属腐食された緻密な生成物によって封孔され、金属溶射皮膜表面が安定化し、長期の防食性を発揮する(以下、自己封孔という)。しかし、緻密な皮膜が形成される前に金属溶射皮膜が海水等に濡れると、その海水などが被溶射基材素地まで浸透し、内層で水素ガスが発生する。その間に自己封孔されると、自己封孔により生成した皮膜は非常に緻密であるため、発生水素ガスの拡散ができなくなり金属溶射皮膜が浮き上がる現象が起こる。
この傾向は溶射皮膜の膜厚が大きい程、顕著であり、その結果、浮き上がった溶射皮膜が剥離しやすくなるといった問題点があった。そこで、自己封孔されるまで金属溶射皮膜が海水等に濡れないようにすればよいが、自己封孔されるまで長い時間がかかるため、実用的でない。そこで、金属溶射皮膜上を塗料等で封孔処理させることが有効である。
近年では、塗料組成物として配合される有機溶剤が環境や人体へ悪影響を及ぼすことから、塗料に含まれる溶剤について有機溶剤から水系への転換が図られている。水系塗料は、建築物への適用は多数あるが、鋼構造物への適用には、塗膜性能としての耐水性及び耐湿性が劣り、技術的に問題がある。
水系化した防食塗料として、A)自己乳化型エポキシ樹脂、B)活性水素当量が60〜250g/当量であるポリアミン系硬化剤、C)常温で液状の炭化水素樹脂を必須成分として用い、上記のA成分に含まれるエポキシ基1当量に対する上記B成分に含まれる活性水素を0.7〜1.5当量とし、かつ上記のA成分とB成分との合計量100質量部に対する上記C成分の使用量を20〜200質量部とする水希釈性防食塗料組成物がある(特許文献1)。
しかしながら、この技術では、自己乳化型エポキシ樹脂が反応しても水溶性官能基が膜中に残存するため親水性を有し、耐水性が劣る問題があり、この技術を封孔処理剤に適用することができなかった。
特開平5−202318号公報
本発明は、上記問題を解決することであり、封孔処理剤が、水溶性アミン樹脂硬化剤を使用するので、製造時及び塗装時の人体への影響(危険性)が低く、しかも金属溶射皮膜との密着性、耐水性及び防食性が優れた金属溶射皮膜の封孔処理剤を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、金属溶射皮膜上に、バインダー樹脂及び顔料を含む封孔処理剤であって、前記バインダー樹脂が、水溶性アミン樹脂硬化剤及び疎水性液状エポキシ樹脂からなり、顔料が、タルクからなり、タルクが、封孔処理剤組成物中5〜20質量%で含有される封孔処理剤にて封孔処理することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明に至ったものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の封孔処理剤は、バインダー樹脂として、水溶性アミン樹脂硬化剤及び疎水性液状エポキシ樹脂とを有する。
疎水性液状エポキシ樹脂は、疎水性であり、かつ液状のものである。ここで、疎水性とは、水に対して溶解しない又は親水性を有さないことを意味する。水中に分散している乳化型エポキシ樹脂とは異なるエポキシ樹脂である。例えば、水に対する溶解性(25℃)として、3%以下、特に、1%以下の溶解性を示すものをいう。液状とは、常温(20〜25℃)で液状のエポキシ樹脂である。
常温において液状であるエポキシ樹脂を使用するのは、水溶性アミン樹脂中に(固形エポキシ樹脂と比べて)比較的均一に分散させることが容易であり、後述する水溶性アミン樹脂硬化剤との反応性も良好となる。エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ当量100〜300g/eq、好ましくは、150〜250g/eqであることが適当である。エポキシ当量が、100g/eq未満であると、物理的強度が低下し易いため、好ましくない。一方、エポキシ当量が、300g/eqを越えるような過大な値となると、一般に5℃程度の低温で液状を維持出来なくなる傾向にあり、樹脂が結晶化、析出し易くなり、好ましくない。エポキシ樹脂が常温において「液状」であるためには、分子量が低いことが好ましい。分子量としては、例えば、数平均分子量が、通常500以下、好ましく400以下であることが好適である。
このような疎水性液状エポキシ樹脂としては、以下で説明する水溶性アミン樹脂硬化剤と常温で反応して、硬化するものであれば、特に限定されるものではない。疎水性液状エポキシ樹脂は、分子中にグリシジル基を1個以上、好ましくは、1.2個以上含有するものが好適である。上限としては、例えば、分子中にグリシジル基を3個以下が好適であろう。
本発明の疎水性液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキルモノグリシジルエーテル、アルキルモノグリシジルエステル、アルキルジグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエステル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、ポリグリコールモノグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここで、アルキルモノグリシジルエーテル等におけるアルキル基は、例えば、炭素数3〜15のアルキル基が好適である。このようなアルキル基としては、例えば、ネオペンチル基や、2−エチルヘキシル基などのアルキル基が好適に挙げられる。
疎水性液状エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、それらの混合物として使用してもよい。この場合、全体としてのエポキシ樹脂の混合物のエポキシ当量が、上記の範囲に入っていればよい。
本発明の封孔処理剤で使用される水溶性アミン樹脂硬化剤は、水溶性で、かつ疎水性液状エポキシ樹脂と反応し、硬化反応を生じる。本来、疎水性エポキシ樹脂は、水とはなじまないため、疎水性物質同士が集まろうとして、分離し易いが、水溶性アミン樹脂硬化剤が、疎水性液状エポキシ樹脂に対する乳化剤的な役割を果たし、液状の疎水性エポキシ樹脂を分子レベルで取り巻き、粒子を形成(エマルション化)する。このため、疎水性液状エポキシ樹脂を使用しても、均一に水溶性アミン樹脂と混和させることができる。
水溶性アミン樹脂硬化剤は、樹脂成分が多く、希釈水が少ない状況(加熱残分で60%以上)において常温で透明な性状を示す。水溶性アミン樹脂硬化剤は、例えば、特開平6−298910号公報に示される水溶性アミン樹脂硬化剤が好適に挙げられる。
水溶性アミン樹脂硬化剤としては、例えば、具体的な商品名として現在上市されているフジキュアーFXH−927(富士化成工業(株)製)や、フジキュアーFXI−919(富士化成工業(株)製)、アデカハードナーEH−4163X(旭電化(株)製)、ベッコポックスEH613W/80WA(サーフェース・スペシャリティージャパン社製)、ベッコポックスEH623W/80WA(サーフェース・スペシャリティージャパン社製)等が好適に挙げられる。
水溶性アミン樹脂硬化剤は、単独で使用してもよく、それらの混合物として使用してもよい。
水溶性アミン樹脂硬化剤は、疎水性液状エポキシ樹脂のエポキシ当量に対し、当量比で、例えば、0.50〜1.50、好ましくは、0.70〜1.30で使用することが好適である。
また、水溶性アミン樹脂は、23℃において加熱残分(以下、NVという)50%未満、好ましくは、NV40%以下でエマルションの形態に変化するものであることが好適である。NVの測定は、JIS K 5601−1−2に基づく方法で実施される。
本発明の封孔処理剤は、タルク物を含む。タルクは、本発明の封孔処理剤の質量に基づいて、例えば、5〜50質量%で含有されることが適切である。タルクの量が、5質量%未満では、耐水性が不良となり易く、一方、50質量%を超えると、塗装作業性が低下し易くなり、好ましくない。タルクの好ましい配合量は、10〜40質量%程度である。
好ましくは、タルクと併用して、沈降性硫酸バリウムを使用してもよい。これにより、良好な作業性が得られ易いなどの利点がある。
本発明で使用されるタルク及び沈降性硫酸バリウムは、もともと水分含量の低いものである。例えば、タルクの水分含量は、通常、0.2〜0.3質量%である。また、沈降性硫酸バリウムの場合には、水分含量は、例えば、0.1〜0.2質量%である。従って、封孔処理剤の乾燥後の塗膜中において、顔料によりもたらされる水分の量が非常に小さいため、金属溶射皮膜への防食作用の面において優れている。
沈降性硫酸バリウムは、封孔処理剤の質量に基づいて、例えば、0〜40質量%、好ましくは、5〜30質量%で含まれることが好適である。更に、沈降性硫酸バリウムとタルクとの質量比率は、例えば、50:50〜0:100、好ましくは、1:0.5〜0:1であることが好適である。この範囲内において、防食塗膜としての優れた耐水性が得られる。
以下において、本発明の封孔処理剤を適用する好適な例について説明する。
本発明の封孔処理剤は、被溶射基材(以下単に「基材」ともいう)に対して、金属溶射皮膜を形成した後の封孔処理に使用することが好ましい。
基材としては、例えば、ブリキ板や、ダル鋼板、みがき鋼板、黒皮鋼板、ケレンした錆鋼板、溶接鋼板、鋳物等の鉄素材;アルミニウム、亜鉛等の非鉄金属;ABS、PPO、塩化ビニル等のプラスチックス;スレート板、硅酸カルシウム板、セメント等の無機材料;其の他ガラス、木材、合板、あるいはこれら基材を塗料にて塗装したもの等、各種のものが各種挙げられる。
基材表面と金属溶射皮膜との密着性をよくするために、金属溶射する前に基材表面を粗面化し、アンカー効果を持たせるのが望ましい。
基材表面の粗面化は、従来から広く採用されているサンドブラストや、グリットブラストなどのブラスト処理により行ってもよいが、粉塵発生により作業環境が悪くなる等の問題点がある。従って、本発明では、特公平2−54422号公報等に記載されているように不溶性固体粒子を含有するプライマー組成物を基材表面に塗付することにより、多孔質のプライマー層を形成し、該表面を粗面化するのが好ましい。
前記プライマー組成物は、溶媒不溶性の固体粒子と、バインダーとして用いる樹脂(以下、「プライマーバインダー樹脂」という。)とを含有する。
固体粒子の例を挙げると、鋼や、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、鉄、珪素などの金属もしくはこれらの合金、又は酸化物、窒化物、炭化物等があり、更に具体的な例を挙げると、酸化アルミニウムや、酸化珪素(珪砂)、酸化鉄、炭化珪素、窒化硼素等がある。
該固体粒子の粒子径は、例えば、5〜200μm、特に30〜100μmとするのが好ましい。該固体粒子は、バインダー樹脂100容量部に対して、例えば、25〜400容量部〔顔料容積濃度(PVC)にして20〜80%〕、好ましくは、65〜150容量部〔顔料容積濃度(PVC)にして40〜60%〕の割合で混合するのが好ましい。
該プライマーバインダー樹脂に対する固体粒子の添加量が25容量部に満たない場合、樹脂分が多過ぎて表面粗さが小さくなり、その結果、金属溶射皮膜の密着性が低下する傾向がある。また、基材への樹脂付着量が多くなり、絶縁皮膜が形成されるため、特に溶射皮膜を犠牲防食用として用いる場合には不都合となり易い。一方、プライマーバインダー樹脂に対する固体粒子の添加量が400容量部を超えると、樹脂分が極端に少な過ぎて固体粒子間の結合力が弱くなり、その結果、金属溶射皮膜の密着力が低下する傾向がでる。
該プライマーバインダー樹脂は、ある程度の乾燥性を有し、硬度、密着性、耐水性等のよい皮膜を形成するものであれば特に制限する必要はないが、具体例を挙げると一液常温乾燥型樹脂である熱可塑性アクリル樹脂や、ビニル樹脂、塩化ゴム、アルキド樹脂、二液硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ポリエステル−ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂であるメラミン−アルキド樹脂、メラミン−アクリル樹脂、メラミン−ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等がある。
このプライマー組成物には、必要に応じて、該樹脂を溶解又は分散させるための有機溶剤、水等や、染料、顔料や分散剤、発泡防止剤、ダレ防止剤(チキソトロピック性付与剤)等の添加剤)等の各種添加剤等を配合してもよい。
プライマー組成物の形態としては、無溶剤系や、溶剤系、水溶性系、水分分散系、溶剤分散系等の如きいずれの形態でもよい。
該プライマー組成物は通常の塗料の塗付と同様にして基材表面に塗付するが、特に塗付量のコントロールの容易さを考慮するとエアースプレー法が好適である。プライマー組成物の固形分塗付量は、例えば、約10〜300g/m2程度が適当であり、得られるプライマー層の表面は、表面の凹凸の平均間隙(Sm)と十点平均粗さ(Rz)の比Sm/Rzが5以下、好ましくは、3以下で、かつRzが10〜250μm、好ましくは、30〜150μmの粗面状態とするのが望ましい。このような粗面とすることにより、溶射付着効率がよくなり、かつ密着性のよい溶射皮膜が得られる。なお、十点平均粗さ(Rz)と表面の凹凸の平均間隔(Sm)は、いずれもJ1S−B−0601に定義されており、触針式の表面粗さ計で容易に評価することができる。
前記の望ましいSm、Rzを有する粗面を形成するための条件を一義的に定めることは難しいが、プライマー組成物の組成や、固体粒子の粒子径、プライマー組成物の粘度、塗付条件等を予め定めることにより所望の粗面を得ることができる。
次いで、このようにして粗面化した基材表面に、金属溶射を行い、金属溶射皮膜を形成する。
金属溶射方法としては、例えば、ガスフレーム溶射方法や、電気アーク溶射方法、減圧内アーク溶射機による低温溶射方法等があり、いずれの方法でもよいが、特に比較的低い温度で溶射出来る低温溶射方法が好ましい。
前記低温溶射方法とは、アーク点の周辺より噴射される低温の空気流を利用して、減圧させた環境下で、連続的に金属線材を電気的にアーク溶融させ、同時に前方の噴射気流中に吸引し、粉砕させ、常温近くまで急冷却させ、液状の過冷却状態で溶融金属粒子を基材上に付着せしめる方法からなるものである。従って、該方法の場合には、単位時間の溶射量を比較多くし、溶射膜厚を厚くすることが可能である。
このように金属溶射皮膜を形成した基材に対して、その封孔処理するために、上記で説明した本発明の封孔処理剤が適用される。
金属溶射皮膜上に塗装された封孔処理剤は、例えば、エアースプレー、ハケなどによって、被覆することができる。
被覆の量は、例えば、50〜500g/m2、好ましくは、150〜250g/m2であることが好適である。
次いで、被覆した封孔処理剤は、自然乾燥又は強制乾燥などにより、皮膜とされる、その際の乾燥条件は特に限定されない。例えば、室温にて1〜20時間自然乾燥する方法や、40℃〜120℃で10〜120分間強制乾燥させる方法がある。
以下、本発明について、実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準で示す。
<プライマー1の調製>
エポキシ樹脂(エピクロン4051 DIC社製 エポキシ当量950)100部に、キシレン80部、メチルエチルケトン60部、ブタノール25部を加えて溶解した後、ポリアミド樹脂(エピキュアー892 セラニーズ製 活性水素当量133)10部を添加して得た、固形分40%のエポキシ−ポリアミド樹脂275部(樹脂固形分容量100)と、平均粒径48μmの炭化ケイ素(緑色炭化ケイ素CG320名古屋研磨材工業製 比重3.16)221部とを充分に攪拌し、プライマー1を調整した。
<プライマー2の調整>
水道水25部、分散剤3部、消泡剤1部にアミン樹脂(フジキュアーFXI−919 富士化成工業社製)10部を徐々に加え、攪拌した。次に平均粒径48μmの炭化ケイ素(緑色炭化ケイ素CG320名古屋研磨材工業製 比重3.16)45部を加え、攪拌した。次にエポキシ樹脂(エピコート828 ジャパン・エポキシレジン社製)5部、エポキシ樹脂(カージュラーE10P シェル社製)5部を加えて攪拌し、プライマー2を調整した。
<封孔処理剤の調製>
封孔処理剤を以下の表1に示す配合にて調製し、封孔処理剤1〜4を作成した。なお、主剤と硬化剤の混合物を均一化するために、動力攪拌機にて攪拌した。
<金属溶射皮膜板1の調製>
13.2×70×150mmの錆鋼板表面をディスクサンダーにてSIS−St3に素地調製し、該表面に前記プライマー1の塗料をエアースプレーによって40g/m2の割合で塗付し、24時間自然乾燥させ、十点平均表面粗さ(Rz)が90μm、表面の凹凸の平均間隙(Sm)とRzの比(Sm/Rz)が2.2のプライマー層を形成させた。
次いで、減圧内アーク溶射方法により、Zn−Al擬合金溶射を平均膜厚が80μmになるように溶射を行った。なお、Zn−Al擬合金溶射の条件は、サンメタ社のアーク溶射機SX200Sにて、直径1.3mmφの純亜鉛線材と純アルミニウム線材を各1本ずつ使用して、搬線速度10m/分、電圧15V、電流130A、空気圧0.6MPaで行い、金属溶射皮膜板1を調整した。
<金属溶射皮膜板2の調整>
13.2×70×150mmの錆鋼板表面をディスクサンダーにてSIS−St3に素地調製し、該表面に前記プライマー2の塗料をエアースプレーによって40g/m2の割合で塗付し、24時間自然乾燥させ、十点平均表面粗さ(Rz)が90μm、表面の凹凸の平均間隙(Sm)とRzの比(Sm/Rz)が2.2のプライマー層を形成させた。
次いで、減圧内アーク溶射方法により、Zn−Al擬合金溶射を平均膜厚が80μmになるように溶射を行った。なお、Zn−Al擬合金溶射の条件は、パンアートクラフト社のアーク溶射機PA100にて、直径1.3mmφの純亜鉛線材と純アルミニウム線材を各1本ずつ使用して、搬線速度5m/分、電圧15V、電流130A、空気圧6kg/cm2 で行い、金属溶射皮膜板2を調整した
[実施例1]
前記金属溶射皮膜板1に封孔処理剤1(実施例1)をエアースプレーによって250g/m2の割合で塗装し、24時間自然乾燥させ、溶射試験板を作成した。
[実施例2、比較例1及び2]
前記金属溶射試験板1に、更に封孔処理剤2(実施例2)、又は封孔処理剤3及び4(比較例1及び2)をエアースプレーによって250g/m2の割合で塗装し、24時間自然乾燥させ、溶射試験板を作成した。
[実施例3]
金属溶射試験板2に、更に封孔処理剤2(実施例2)をエアースプレーによって250g/m2の割合で塗装し、24時間自然乾燥させ、溶射試験板を作成した。
実施例1〜3及び比較例1及び2より得られた金属溶射試験板について、防食性、付着性及び耐水性を下記の方法で評価、測定した。
耐水性試験
23℃の環境下で、30日間、水道水に全浸漬し、30日後の塗膜外観を以下の基準で評価した。
○:異常なし
×:封孔処理膜に膨れが発生
付着性試験
付着性試験方法は、カッターナイフを用いて、2mmの碁盤目を25個作製し、セロハンテープ剥離試験後、以下の基準で目視評価した。
(評価基準)
○:どの格子の目にもはがれがない。
×:切り傷の両側と交点とにはがれが生じている。
防食性試験
耐複合サイクル試験を2000時間行った後の塗膜外観を、以下の基準で目視評価した。
(評価基準)
○:異常なし
×:膨れの発生
以下の表1に示すデータから明らかなように、実施例1〜4においては耐水性、付着性及び防食性能の面において良好な結果が得られた。しかし、疎水性エポキシ樹脂の代わりに乳化型エポキシ樹脂を使用する比較例1、及びタルクを配合していない比較例2においては、耐水性、付着性及び防食性能が劣っていた。
表1
Figure 0005050270
注)
1)エピコート828:エポキシ当量190g/eq(ジャパン・エポキシレジン社製)
疎水性で、常温で液状。水への溶解性0g(25℃)。
2)カージュラE10P:エポキシ当量245g/eq(シェル社製)
疎水性で、常温で液状。水への溶解性0g(25℃)。
3)エピレッツYL7208:エポキシ当量195g/eq(ジャパン・エポキシレジン社製)
常温で液状、乳化型エポキシ樹脂(エマルション状態)。
4)フジキュアーFXI−919:変性ポリアミン樹脂(富士化成工業社製)
水溶性。23℃においてNV40%以下でエマルションの形態に変化。
5)Disperbyk-190(ビックケミー・ジャパン社製)
6)アデカネートB-940(アデカ社製)
7)テキサノール
8)KBM-403 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)

Claims (5)

  1. バインダー樹脂及び顔料を含む金属溶射皮膜用封孔処理剤であって、前記バインダー樹脂が、水溶性アミン樹脂硬化剤及び疎水性液状エポキシ樹脂からなり、前記顔料が、タルクからなり、タルクが、封孔処理剤組成物中5〜20質量%で含有されており、更に、沈降性硫酸バリウムを含み、前記沈降性硫酸バリウムの量が封孔処理剤組成物の質量に基づいて5〜30質量%であることを特徴とする封孔処理剤。
  2. 前記水溶性アミン樹脂が、23℃において加熱残分(NV)40%以下でエマルションの形態に変化する請求項に記載の封孔処理剤。
  3. 前記疎水性液状エポキシ樹脂のエポキシ樹脂当量が、100〜300g/eqである請求項1〜のいずれかに記載の封孔処理剤。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の封孔処理剤にて封孔処理することを特徴とする金属溶射皮膜の作成方法。
  5. 請求項に記載の方法によって形成された金属溶射皮膜。
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