JPH04308745A - 硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材 - Google Patents

硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材

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JPH04308745A
JPH04308745A JP3075123A JP7512391A JPH04308745A JP H04308745 A JPH04308745 A JP H04308745A JP 3075123 A JP3075123 A JP 3075123A JP 7512391 A JP7512391 A JP 7512391A JP H04308745 A JPH04308745 A JP H04308745A
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JP
Japan
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steel material
hydrogen sulfide
coated steel
coating
coated
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Withdrawn
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JP3075123A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Miyajima
宮嶋義洋
Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Nobuki Yoshizaki
吉崎信樹
Hirotada Kato
加藤弘忠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装鋼材に関し、更に詳
しくは硫化水素による鋼材の腐食を防止する塗装鋼材に
関する。
【0002】
【従来の技術】油井、ガス井で原油、天然ガスを採掘・
採取に用いる鋼管は、天然ガスや原油中に数100pp
m〜50vol%の範囲でH2SやCO2 などの酸性
物質が含まれる場合がある。そのため、鋼管の内面に防
食塗装を施した鋼管が用いられる。例えば、図3に示す
如く、鋼管1の内面をブラスト処理で粗面化し、エポキ
シ系プライマー8を介してエポキシ・フェノール樹脂ま
たはフェノール樹脂系塗料9を塗装した内面塗装鋼管、
特開昭62−209289号公報で提案された図4に示
す、鋼管1の内面にNi,CrおよびMoからなる群よ
り選ばれた金属10でめっきし、クロメート処理11を
介してPPS(ポリフェニレンサルファイド)12を被
覆した内面被覆鋼管や本発明者らが特願平2−7623
7号で提案した図5に示す、クロメート処理11を施し
た鋼材1の表面に(a)エポキシ樹脂、(b)分子鎖の
末端にシラノール基を有するシリコーンプレポリマー、
(c)有機チタネート、(d)アミン系硬化剤、(e)
無機顔料の5成分を必須成分とする防食塗料3を塗装し
た塗装鋼材などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図3,図4および図5
に示す従来の防食鋼材では、100%H2 S+50v
ol%CO2 、かつ温度250℃、圧力120kg/
cm2 程度の環境で120日程度のオートクレーブ試
験では塗膜の膨潤や剥離はなく防食性は良い。しかしな
がら、実際の油井、ガス井ではH2S,CO2 の他に
NaClなどの塩類が共存する極めて過酷な環境の場合
があり、このような環境に従来の防食鋼材を用いると塗
膜が剥離する問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の如
き課題を解決すべく、NaClが共存する100%H2
S+50vol%CO2 環境で防食塗膜の剥離を防止
できる塗装鋼材の塗膜構成について、本発明者らが特願
平2−76237号で提案した防食塗料塗膜と鋼材の間
の界面接着の強化方法を鋭意検討した。その結果、ブラ
スト処理を施した鋼材の表面にプラズマ溶射によりCr
,Moあるいはこれらの金属の合金を溶射してまだらの
金属溶射層を形成し、上にエポキシ樹脂、分子鎖の末端
にシラノール基を有するシリコーンプレポリマー、有機
チタネート、アミン系硬化剤およぴ無機顔料の5成分を
必須成分とする防食塗料を塗装することにより、前述の
課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨とするところは、
(1)ブラスト処理を施した鋼材の表面にまだらの金属
溶射層と防食塗料塗膜を積層したことを特徴とする硫化
水素による腐食を防止する塗装鋼材。
【0006】(2)プラズマ溶射によりCr,Moある
いはこれらの合金を溶射してまだらの金属溶射層を形成
したことを特徴とする前記(1)項記載の硫化水素によ
る腐食を防止する塗装鋼材。
【0007】(3)下記の(a),(b),(c),(
d)および(e)の5成分を必須成分とする防食塗料を
用いて防食塗膜を形成することを特徴とする前記(1)
項記載の硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材。 (a)エポキシ樹脂 (b)分子鎖の末端にシラノール基を有するシリコーン
プレポリマー (c)有機チタネート (d)アミン系硬化剤 (e)無機顔料。
【0008】(4)分子鎖の末端にシラノール基を有す
るシリコーンプレポリマーが末端シラノールポリジメチ
ルシロキサン,末端シラノールポリジフェニルシロキサ
ンあるいは末端シラノールポリジメチルジフェニルシロ
キサンであることを特徴とする前記(3)項記載の硫化
水素による腐食を防止する塗装鋼材。
【0009】(5)有機チタネートがトリエタノールア
ミンチタネートであることを特徴とする前記(3)項記
載の硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材。
【0010】(6)アミン系硬化剤がエピクロルヒドリ
ンm−キシレンジアミンの縮合物であることを特徴とす
る前記(3)項記載の硫化水素による腐食を防止する塗
装鋼材。 である。
【0011】すなわち、本発明は図1に示す如くブラス
ト処理を施した鋼材1の表面に、まだらの金属溶射層と
防食塗料塗膜を積層したことを特徴とするものであり、
又この金属溶射層としてプラズマ溶射よりCr,Moあ
るいはこれらの金属の合金を溶射して形成したまだらの
金属溶射層2、及び前記(a),(b),(c),(d
)および(e)の5成分を必須成分とする防食塗料塗膜
3を順次積層した塗装鋼材であって、NaClが共存す
る100%H2S+50vol%CO2 環境で防食塗
膜の剥離を防止できる防食性の優れた塗装鋼材に関する
ものである。
【0012】以下、本発明につき詳細に説明する。まず
、本発明に用いる鋼材とは、炭素鋼、ステンレス鋼等の
合金鋼で出来た鋼管、形鋼、鋼板、棒鋼および鋼製の成
形品や構造物等で、屋外、地中、地上、海底などで広く
用いられるものである。NaClが共存する100%H
2S+50vol%CO2環境で防食塗料塗膜と鋼材の
間の剥離を防止するために、本発明の鋼材の表面をグリ
ットブラスト処理、ショットブラスト処理、サンドブラ
スト処理などのブラスト処理により表面のスケールなど
を除去するとともに表面を粗面化する。グリットブラス
ト処理やショットブラスト処理に用いる研掃材の材質と
しては、炭素鋼、アルミニウム、ステンレスなどの合金
鋼を用い、粒子径は任意であるが、粗面化の程度として
は防食塗料塗膜と鋼材の間の剥離を防止するために鋼材
表面の10点平均粗さ(RZ)で5〜150μmの範囲
に粗面化する。
【0013】本発明の金属溶射層は、Cr,Moあるい
はこれらの金属の合金の溶射により形成する。NaCl
が共存する100%H2S+50vol%CO2 環境
で防食塗料塗膜と鋼材の間の剥離を防止するために、ま
だらの金属溶射層の被覆率は、鋼面の真上から見た溶射
金属で被覆された面積の百分率換算で、5〜70の範囲
になるようにする。まだら化の方法は溶射時に溶射ガン
から発射する溶融金属粒を鋼材表面に吹き散らす方法や
溶射により得た平滑な金属溶射層をブラスト処理してま
だらにする方法が有効である。鋼面に散布された溶射金
属の島の大きさは、NaClが共存する100%H2S
+50vol%CO2 環境で防食塗料塗膜と鋼材の間
の剥離を防止するために、島の最大直径が0.5〜5m
mの範囲になるように溶射する。
【0014】本発明の防食塗料塗膜の形成に用いる防食
塗料とは、(a)成分であるエポキシ樹脂100重量部
に(b)成分である分子鎖の末端にシラノール基を有す
るシリコーンプレポリマーを5〜70重量部、(c)成
分である有機チタネートを0.01〜5重量部、(d)
成分であるアミン系硬化剤と無機顔料を混合した防食塗
料である。
【0015】上記の(a)成分であるエポキシ樹脂とは
、フェノールノボラック型のグリシジルエーテル,ビス
フェノールA,ADまたはFのジグリシジルエーテル、
あるいはこれらのエポキシ樹脂の混合物である。フェノ
ールノボラック型のグリシジルエーテルとして利用でき
る市販品としては、油化シェルエポキシ社製のエピコー
ト152,エピコート154、ダウケミカル日本社製の
DEN431,DEN438,DEN439,DEN4
85、日本チバガイギー社製のEPN1138,EPN
1139,XPY307などが挙げられる。ビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテルとして利用できる市販品
としては、油化シェルエポキシ社製のエピコート827
,エピコート828,エピコート834,エピコート1
001,エピコート1004,エピコート1007,エ
ピコート1009、三井石油化学社製のエポミックR1
40,エポミックR144,エポミックR301,エポ
ミックR301,エポミックR307,エポミックR3
09、ダウケミカル日本社製のDER317,DER3
30,DER331,DER333,DER383,D
ER387,DER662,DER664,DER66
7などが挙げられる。また、ビスフェノールADのジグ
リシジルエーテルとして利用できる市販品としては、三
井石油化学社製のエポミックR710,エポミックR7
10Hなどがある。更に、ビスフェノールFのジグリシ
ジルエーテルとして利用できる市販品としては、油化シ
ェルエポキシ社製のエピコート807などが挙げられる
。これらのエポキシ樹脂はNaClが共存する100%
H2 S+50vol%CO2 環境で鋼材と防食塗膜
の間の剥離を防止するのに必須である。尚、エポキシ樹
脂が常温で高粘度もしくは固体の場合は溶剤で希釈する
か、あるいはビスフェノールFのグリシジルエーテルで
希釈して用いる。
【0016】(b)成分である不分子鎖の末端にシラノ
ール基を有するシリコーンプレポリマーとは、分子鎖の
末端に反応性に優れたシラノール基を有する末端シラノ
ールポリジメチルシロキサン、末端シラノールポリジフ
ェニルシロキサンまたは末端シラノールポリジメチルジ
フェニルシロキサンであって、NaClが共存する10
0%H2S+50vol%CO2 環境で鋼材と防食塗
膜の間をの剥離を防止するのに必須である。ここで言う
末端シラノールポリジメチルシロキサンとは、
【001
7】
【化1】
【0018】の分子構造を有する両末端に反応性のシラ
ノール基を有するシリコーンプレポリマーであって、N
aClが共存する100%H2S+50vol%CO2
 環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を防止するには、分
子量が700〜4200の範囲のものが望ましい。市販
品としては、チッソ社製のPS339.7,PS340
,PS341などが利用できる。末端シラノールポリジ
フェニルシロキサンとは、
【0019】
【化2】
【0020】の分子構造を有する両末端に反応性の優れ
たシラノール基を有するシリコーンプレポリマーであっ
て、NaClが共存する100%H2S+50vol%
CO2環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を防止するには
、分子量が1000〜1400の範囲のものが望ましい
。市販品としてはチッソ社製のPS080が利用できる
。末端ポリジメチルジフェニルシロキサンとは、
【00
21】
【化3】
【0022】の分子構造を有する末端に反応性に優れた
シラノール基を有するシリコーンプレポリマーであって
、NaClが共存する100%H2S+50vol%C
O2 環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を防止するには
、分子量が950〜5000の範囲のものが望ましい。 市販品としては、チッソ社製のPS084,PS085
,PS088などが利用できる。
【0023】上記の分子鎖の末端にシラノール基を有す
るシリコーンプレポリマーは反応性の極めて優れたシラ
ノール基によって防食塗料に配合して硬化させる過程で
エポキシ樹脂とアミン系硬化剤との架橋反応の際に一緒
に架橋構造に取り込まれ一体化し塗膜の硫化水素や水の
透過を抑制し、NaClが共存する100%H2S+5
0vol%CO2 環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を
防止するのに有効である。
【0024】分子鎖の末端シラノール基を有するシリコ
ーンプレポリマーの配合量に関しては、NaClが共存
する100%H2S+50vol%CO2 環境で鋼材
と防食塗膜の間の剥離を防止するために、エポキシ樹脂
100重量部に対するシリコーンプレポリマーの配合量
が5〜70重量部の範囲になるように配合する。該配合
量が5重量未満および70重量部越では鋼材と防食塗膜
の間の接着力が低下する傾向にある。
【0025】(c)成分である有機チタネートとしては
トリエタノールアミンチタネート,テトライソプロピル
チタネート,ブチルチタネートダイマー,テトラステア
リルチタネート,チタニウムアセチルアセトネート,チ
タニウムエチルアセテート,チタニウムラクテート,チ
タニウムオレートなどがあるが、NaClが共存する1
00%H2S+50vol%CO2 環境で鋼材と防食
塗膜の間の剥離を防止するためにトリエタノールアミン
チタネートを用いる。該トリエタノールアミンチタネー
トの市販品としては、三菱瓦斯化学社製の「有機チタネ
ートTEAVY」が利用できる。有機チタネートはシリ
コーンプレポリマーのシラノール基、エポキシ樹脂とア
ミン系硬化剤との架橋反応を均一化・促進し、防食塗料
塗膜内の各成分を一体化して、硫化水素、塩素イオンや
水の透過を抑制し、NaClが共存する100%H2S
+50vol%CO2 環境で鋼材と防食塗膜の間の剥
離を防止するのに効果がある。有機チタネートの配合量
に関しては、エポキシ樹脂100重量部に配合する該有
機チタネートの配合量が0.01〜5重量部の範囲にな
るようにする。該配合量が0.01未満および5重量部
越では鋼材と防食塗膜の間の接着力が低下する傾向にあ
る。
【0026】次に、(d)成分であるアミン系硬化剤と
しては、NaClが共存する100%H2S+50vo
l%CO2 環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を防止す
るために、下記の分子構造を有するエピクロルヒドリン
とm−キシレンジアミンの縮合物で、
【0027】
【化4】
【0028】平均分子量が328以上(平均重合度nが
n≧1)のものを用いる。該当する市販品としては三菱
瓦斯化学社製の「ガスカミンG328S」が利用できる
。アミン系硬化剤の配合量に関しては、NaClが共存
する100%H2S+50vol%CO2 環境で鋼材
と防食塗膜の間の剥離を防止するために、防食塗料組成
物(アミン系硬化剤を除く)のエポキシ当量とアミン系
硬化剤の活性水素当量の混合比で0.6〜2.0の範囲
にする。該混合比が0.6未満および2.0越では鋼材
と防食塗膜の間の接着力が低下する傾向にある。
【0029】(e)成分である無機顔料としては、Na
Clが共存する100%H2S+50vol%CO2 
環境で鋼材と防食塗膜の間の剥離を防止するために、酸
化チタン(例えばチタン工業社製のKR380,KR4
60など)、シリカ(日本アエロジル社製のアエロジル
200,アエロジル300、マイクロン社製のSR70
,SRC18など)、シリカアルミナ(日本アエロジル
社製のCOX84,MOX80など)、タルク(林化成
社製のタルカンパウダーPK−P,ミクロンホワイト#
5000など)、ケイ酸ジルコニウム(第一稀元素化学
工業社製のBR−90G)、カオリンクレー(林化成社
製のSTAINSTONE−Wなど)などの体質顔料の
うち少なくとも1種と、クロム酸バリウム(BaCrO
4 )、ジンククロメート(ZnCrO4 ・4Zn(
OH)2 )、リンモリブテン酸アルミニウム(MoO
3 ・P2 O5 ・Al2 o3 )などの硫化水素
と反応し難い防錆顔料のうち少なくとも1種を添加して
用いる。前記の体質顔料はエポキシ樹脂とぬれ性をよく
するために、顔料表面にシリカ−アルミナ処理、シラン
カップリング処理などの表面処理を施したものを使用で
きる。本発明の防食塗料には、NaClが共存する10
0%H2 S+50vol%CO2 環境で鋼材と防食
塗膜の間の剥離を防止するために、体質顔料と防錆顔料
を組合せて配合することが必須であり、どちらか一方が
欠けると鋼材と防食塗料塗膜の間の接着が低下する。上
記の無機顔料の配合量に関しては、体質顔料の配合量と
防錆顔料の配合量の比は任意であるが、NaClが共存
する100%H2S+50vol%CO2 環境で鋼材
と防食塗膜の間の剥離を防止するために、前記の(a)
成分であるエポキシ樹脂100重量部当り体質顔料と防
錆顔料の合計添加量が3〜70重量部の範囲になるよう
に添加する。該添加量が3重量%未満あるいは70重量
%越の場合には、鋼材と防食塗料塗膜の間の接着力が低
下する。
【0030】次に、本発明の塗装鋼材の製造方法につい
て、内面塗装鋼管の場合を例にとり説明する。
【0031】内面塗装鋼管は、例えば図2の方法で製造
することができる。すなわち、グリッドブラストなどで
内面のスケールなどを除去し粗面化した鋼管1の内面に
、プラズマ溶射機の溶射ガン4でCr,Moまたはこれ
らの合金の溶融粒子5を発射し表面に散布するように溶
射してまだらの金属溶射層2(図1)を形成する。次に
、本発明の防食塗料を内面塗装機によって塗装し防食塗
料塗膜3を形成し、高周波誘導加熱装置7によって塗膜
を加熱硬化させ、本発明の内面塗装鋼管を得る。上記の
まだらの金属溶射層を形成するために、プラズマ溶射機
で一度平滑に金属溶射層を形成した後ブラスト処理を施
してまだらにする方法を用いてもよい。また上記の防食
塗料の塗装方法としてはスプレー塗装機によるスプレー
塗布、ロール塗布、しごき塗り、流し塗りなどの従来公
知の方法を用いることができる。
【0032】
【作用】以上のようにして得た本発明による塗装鋼材の
一部断面は、図1に示す通りのものであり、図中1はブ
ラスト処理でスケールなどを除去し粗面化した鋼材、2
はCr,Moあるいはこれらの金属の合金のまだらの金
属溶射層、3は下記の(a),(b),(c),(d)
および(e)の5成分を必須成分とする防食塗料塗膜、
(a)エポキシ樹脂 (b)分子鎖の末端にシラノール基を有するシリコーン
プレポリマー (c)有機チタネート (d)アミン系硬化剤 (e)無機顔料 をそれぞれ示している。また図中2はまだらの金属溶射
層の被覆率が鋼面の真上から見た溶射金属で被覆された
面積の百分率換算で5〜70%の範囲で、かつ後面に散
布された溶射金属の島の最大直径が0.5〜5mmの範
囲で、3は0.5〜8mmの膜厚を有していると良好な
結果が得られる。以下、実施例に基づき本発明を具体的
に説明する。
【0033】
【実施例】実施例1 鋼板(75mm巾×150mm長さ×5mm厚み)をブ
ラスト処理し、第1表に示す塗膜構成で本発明の塗装鋼
板を作成した。これらの被覆鋼板を100%H2 S+
50vol%CO2 +12重量%食塩水を入れたオー
トクレーブに挿入し、温度250℃、圧力120kg/
cm2 で10日間保持し、被覆の剥離の有無について
調べた結果を第2表に示す。尚、これらの被覆鋼板の金
属溶射には小野田セメント社製のエアロプラズマ溶射装
置APSα50型を用いて鋼板表面に溶融金属を吹き散
らして行ない、本発明の防食塗料の塗装はスプレー塗装
機により行なった。第2表の結果から、ブラスト処理し
た鋼材の表面にプラズマ処理によりCr,Moあるいは
これらの合金を溶射してまだらの金属溶射層を形成し、
その上にエポキシ樹脂、分子鎖の末端にシラノール基を
有するシリコーンプレポリマー、有機チタネート、アミ
ン系硬化剤および無機顔料(体質顔料と防錆顔料の組み
合せ)の5成分を必須成分とする防食塗料を塗装した本
発明の塗装鋼材は、NaClの共存する100%H2 
S+50vol%CO2 の環境下でも、被覆の剥離が
なく、優れた防食性を発現する。
【0034】比較例1 鋼板(75mm巾×150mm長さ×5mm厚み)をブ
ラスト処理し、エポキシ系プライマーを50μmの膜厚
で塗布して硬化させた。次いで、その表面にエポキシ・
フェノール樹脂塗料とフェノール樹脂塗料を膜厚1.5
mmで塗装して硬化させ、従来の被覆鋼板1と2を作成
した。
【0035】               被覆鋼板の番号    
          被覆の種類          
          1            エポ
キシ・フェノール樹脂塗料             
       2            フェノール
樹脂塗料被覆鋼板1と2を実施例1と同じオートクレー
ブ試験に供試し、被覆の剥離の有無を調べた結果を第2
表の比較例1に示した。第2表の結果から、ブラスト処
理した鋼材の表面にエポキシ系プライマーを介してフェ
ノール樹脂を被覆した従来の被覆鋼材は、NaClの共
存する100%H2 S+50vol%CO2 の環境
下で、被覆が剥離する。
【0036】比較例2 鋼板(75mm巾×150mm長さ×5mm厚み)を脱
脂・酸洗し、表面にNi,Cr,MoとNi−Cr−M
o合金のめっきを厚み50μになるように施した。次い
で、その表面にクロメート処理液(関西ペイント社製の
コスマー#100)を焼付け乾燥後の全クロム付着量が
350mg/m2 になるように塗布して焼付けた。次
いで、その表面にポリフェニレンサルファイドの粉体を
膜厚が2mmになるように静電塗装し、高周波誘導加熱
装置で鋼板温度を470℃に加熱し粉体を溶融・融着さ
せて、特開昭62−209289号に該当する被覆鋼板
3〜6を製作した。
【0037】                 被覆鋼板の番号  
      めっきの種類             
         3               
   Ni                    
  4                  Cr  
                    5    
              Mo         
             6           
 Ni−Cr−Mo合金被覆鋼板3〜6を実施例1と同
じオートクレーブ試験に供試し、被覆の剥離の有無を調
べた結果を第2表の比較例1に示した。第2表の結果か
ら、鋼材の表面をNi,Cr,Moからなる選ばれた金
属でめっきし、クロメート処理を介してポリフェニレン
サルファイドを被覆した特開昭62−209289号に
該当する被覆鋼板は、NaClの共存する100%H2
 S+50vol%CO2 の環境下で、被覆が剥離す
る。
【0038】比較例3 鋼板(75mm巾×150mm長さ×5mm厚み)をブ
ラスト処理し、クロメート処理剤(関西ペイント社製の
コスマー#100)を焼付け乾燥後の全クロム付着量が
350mg/m2 になるように塗布して焼き付けた。 次いで、その表面に下記の5成分からなる防食塗料を膜
厚が2mmになるようにスプレー塗装して焼付け、特願
平2−76237号に該当する塗装鋼板7を製作した。
【0039】     成    分               
     内    容              
配合量[重量部]エポキシ樹脂           
   エピコート1001            1
00シリコーンプレポリマー    PS340   
                   10有機チタ
ネート            トリエタノールアミン
チタネート    1アミン系硬化剤        
    ガスカミンG328            
  11.6無機顔料               
   酸化チタン                 
     35被覆鋼板7を実施例1と同じオートクレ
ーブ試験に供試し、被覆の剥離の有無を調べた結果を第
2表の比較例7に示した。第2表の結果から、クロメー
ト処理を施した鋼材の表面にエポキシ樹脂、分子鎖の末
端にシラノール基を有するシリコーンプレポリマー、有
機チタネート、アミン系硬化剤および無機顔料(体質顔
料防錆顔料の組み合せ)の5成分を必須成分とする防食
塗料を塗装した特願平2−76237号に該当する塗装
鋼材は、NaClの共存する100%H2 S+50v
ol%CO2 の環境下で、被覆が剥離する。
【0040】比較例4 鋼板(75mm巾×150mm長さ×5mm厚み)を表
面粗度RZ が50μmになるようにブラスト処理し、
その表面に、Moを小野田セメント社製のエアロプラズ
マ溶射装置APSα50型を用いて鋼板全面に溶融金属
を均一に膜厚が50μmになるように溶射し、その上に
下記の成分配合の防食塗料を膜厚2mmになるようにス
プレー塗装し硬化させて塗装鋼板8を形成した。
【0041】     塗料成分                 
   内    容              配合
量[重量部]エポキシ樹脂             
 エピコート1001            100
シリコーンプレポリマー    PS340     
                 10有機チタネー
ト            トリエタノールアミンチタ
ネート    1アミン系硬化剤          
  ガスカミンG328              
11.6体質顔料                 
 酸化チタン                   
   30防錆顔料                
  ジンククロメート               
   5塗装鋼板8を実施例1と同じオートクレーブ試
験に供試し、塗膜の剥離の有無を調べた結果を第2表の
比較例8に示した。第2表の結果から、本発明の必須構
成要件である金属溶射層をまだらに被覆せず均一の皮膜
とした場合は、NaClの共存する100%H2 S+
50vol%CO2 の環境下で、被覆が剥離する。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように、ブ
ラスト処理した鋼材の表面にプラズマ溶射によりCr,
Moあるいはこれらの合金を溶射してまだらの金属溶射
層を形成し、その上にエポキシ樹脂、分子鎖の末端にシ
ラノール基を有するシリコーンプレポリマー、有機チタ
ネート、アミン系硬化剤および無機顔料(体質顔料と防
錆顔料の組み合せ)の5成分を必須成分とする防食塗料
を塗装した本発明の塗装鋼材は、NaClの共存する1
00%H2 S+50vol%CO2 の環境下でも、
被覆の剥離がなく、従来にない優れた防食性を発現する
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装鋼材の一部断面を示す図。
【図2】本発明の内面塗装鋼管の製造法を説明する図。
【図3】従来の塗装鋼材の一部断面を示す図。
【図4】特開昭62−209289号の被覆鋼材の一部
断面を示す図。
【図5】特願平2−76237号の塗装鋼材の一部断面
を示す図。
【符号の説明】
1…ブラスト処理を施した鋼材 2…プラズマ溶射によりCr,Moあるいはこれらの合
金を溶射して形成したまだらの金属溶射層3…エポキシ
樹脂、分子鎖の末端にシラノール基を有するシリコーン
プレポリマー、有機チタネート、アミン系硬化剤および
無機顔料(体質顔料と防錆顔料の組み合せ)の5成分を
必須成分とする防食塗料塗膜4…回転式のプラズマ溶射
ガン 5…溶射される溶融金属粒 6…回転式のスプレー塗装ガン 7…高周波誘導加熱装置 8…エポキシ系プライマー層 9…エポキシ・フェノール樹脂塗料塗膜またはフェノー
ル樹脂塗膜 10…Ni,CrおよびMoよりなる群から選ばれた金
属のめっき層 11…クロメート処理層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ブラスト処理を施した鋼材の表面にま
    だらの金属溶射層と防食塗料塗膜を積層したことを特徴
    とする硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材。
  2. 【請求項2】  プラズマ溶射によりCr,Moあるい
    はこれらの合金を溶射してまだらの金属溶射層を形成し
    たことを特徴とする請求項1記載の硫化水素による腐食
    を防止する塗装鋼材。
  3. 【請求項3】  下記の(a),(b),(c),(d
    )および(e)の5成分を必須成分とする防食塗料を用
    いて防食塗膜を形成することを特徴とする請求項1記載
    の硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材。 (a)エポキシ樹脂 (b)分子鎖の末端にシラノール基を有するシリコーン
    プレポリマー (c)有機チタネート (d)アミン系硬化剤 (e)無機顔料
  4. 【請求項4】  分子鎖の末端にシラノール基を有する
    シリコーンプレポリマーが末端シラノールポリジメチル
    シロキサン、末端シラノールポリジフェニルシロキサン
    あるいは末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキ
    サンであることを特徴とする請求項3記載の硫化水素に
    よる腐食を防止する塗装鋼材。
  5. 【請求項5】  有機チタネートがトリエタノールアミ
    ンチタネートであることを特徴とする請求項3記載の硫
    化水素による腐食を防止する塗装鋼材。
  6. 【請求項6】  アミン系硬化剤がエピクロルヒドリン
    とm−キシレンジアミンの縮合物であることを特徴とす
    る請求項3記載の硫化水素による腐食を防止する塗装鋼
    材。
JP3075123A 1991-04-08 1991-04-08 硫化水素による腐食を防止する塗装鋼材 Withdrawn JPH04308745A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010053374A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Dainippon Toryo Co Ltd 金属溶射皮膜用の封孔処理剤
WO2018008271A1 (ja) * 2016-07-05 2018-01-11 藤倉化成株式会社 塗料および塗膜

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JP2010053374A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Dainippon Toryo Co Ltd 金属溶射皮膜用の封孔処理剤
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