JPH0225220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関の点火装置に関する。

〔従来技術〕

内燃機関の点火装置として、磁石式発電機およ
び点火制御回路を備えたマグネツト式点火装置が
あり、発電コイルと点火制御用電子部品とはそれ
ぞれ異つたブロツクに構成され、互いを多数のリ
ード線を介しての半田接続によつて、電気的に接
続される構成となつていた。

｛考案が解決しようとする課題〕 しかしながら、リード線どうしの半体付け作業
には熟練を要し、組付作業性を著しく低下させる
ほか、多数のリード線が互いに交又配線された場
合や外力を受けて変形した場合またエンジンの熱
や振動が加わつた場合に、短絡事故を招くという
問題があつた。また、上記リード線が混雑し、配
線ミスを生じる場合があつた。さらに、上記ブロ
ツクどうしは各別に配置されるため、これらの設
置のための占有空間が大きくなり、エンジン本体
に対し、コンパクトに装着できないという問題が
あつた。

本考案はかかる従来の諸問題点に着目してなさ
れたもので、発電コイルと点火制御回路との配線
接続を確実かつ容易化するとともに、これらの一
体化、コンパクト化による占有空間の狭小化を図
つた内燃機関の点火装置を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記従来の問題点を解決するため、
発電コイルの一端が電気的に接続された第１の端
子を有し前記発電コイルが巻装されたボビンが脚
に嵌装されるとともに、前記発電コイルの他端が
電気的に接続された第２の端子が前記脚に固設さ
れた成層鉄心と、 該成層鉄心の前記脚に、前記第１の端子及び前
記第２の端子の一部を残して前記発電コイル及び
前記ボビンを包むとともに前記第１の端子及び前
記第２の端子側に収容空間を形成するように成形
されたモールドケースと、 該モールドケースの前記収容空間内に収容さ
れ、点火制御回路が組み込まれ、外部接続用端子
を有し、前記第１の端子及び前記第２の端子にそ
れぞれ挿入して半田固定された電気的及び機械的
な接続用の孔部を有するプリント基板体と、 前記モールドケースの前記収容空間内に、前記
外部接続用端子の一部を残して前記プリント基板
体を覆うように埋め込まれた熱硬化性樹脂と、 からなる構成としたものである。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面について具体的
に説明する。

第５図および第６図は略コ字状の成層鉄心２０
の一方の脚２０ａに、予めボビン２１に巻装した
発電コイル２２を取り付けたものを示し、ボビン
２１の中央フランジ２１ａには、発電コイル２２
の一端２２ａが半田結合によつて電気的に接続た
れた第１の端子２３が取り付けられている。ま
た、発電コイル２２の他端２２ｂはボビン近傍の
成層鉄心２０の脚２０ａ上に固設した第２の端子
２４に半田結合によつて電気的に接続されてい
る。

第７図および第８図は、第５図及び第６図に示
したボビン付成層鉄心２０の前記脚２０ａにモー
ルドケース２５を、前記第１の端子２３及び前記
第２の端子２４の一部（図面では上端）を残して
前記発電コイル２２及び前記ボビン２１を包むと
ともに前記第１の端子２３及び第２の端子２４側
に収容空間を形成するように、熱可塑性樹脂にて
成形したものを示している。なお、モールドケー
ス２５の前記収容空間の深さは、後述の第４図に
示すプリント基板１を十分に収容できる寸法に選
定されている。

次に、プリント基板体について、第１図乃至第
４図、及び第９図に基づいて説明する。

第１図は大部分の点火制御回路を組み込んだプ
リント基板１の平面図である。このプリント基板
１上には導電膜よりなるプリントパターンと、こ
のプリントパターンの適当な部分に半田デイツプ
によつて接続保持されるサイリスタ２、ダイオー
ド３，４，５，６、抵抗７とが配置されている。

この場合に於いて、ダイオード５，６の各リー
ドワイヤ５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂはプリント基板
１の裏側に於いて折曲され、プリント基板１の平
面に平行に延出している。

第２図は主として配線用のプリント基板８の平
面図で、その中程にはこのプリント基板８を樹脂
中にモールドする際に生じる気泡を抜くための切
欠９が穿設されており、この切欠９周辺のプリン
ト基板８上面には、点火制御回路の一部である複
数のプリントパターン１０が設けられている。

１１はイケニシヨンコイル（図示せず）の一次
側を接続する外部接続用端子たるタブ端子、１２
はストツプスイツチ（図示せず）に接続するため
の外部接続用端子たるタブ端子で、それぞれハト
メ１１ａ，１２ａによつてプリントパターン１０
があるプリント基板８上に固定されている。

１３は前記第１の端子２３を挿入してプリント
パターン１０のいずれかに半田固定し電気的及び
機械的な接続をするための孔部、１４は前記第２
の端子２４を挿入してプリントパターン１０のい
ずれかに半田固定し電気的及び機械的な接続をす
るための孔部である。

１５はコンデンサで、そのリードワイヤ端はプ
リント基板８に設けた孔にそのプリント基板８の
裏側から挿入され、第２図示のプリントパターン
１０にそれぞれ半田デイツプなどにより取り付け
られている。このコンデンサ１５は上記ダイオー
ド３〜６などとともに、点火制御回路の一部を構
成している。

１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂは各プリント
パターン１０があるプリント基板８上に設けた孔
である。

第３図、第４図は、プリント基板１，８を結合
したもの、すなわち、モールドケース２５の前記
収容空間に収容する前のプリント基板体を示す。
かかる結合は、第１図に示すプリント基板１を、
ダイオード５，６のリードワイヤ５ａ，５ｂ，６
ａ，６ｂを上にして、プリント基板８に対して垂
直に立て、各リードワイヤ５ａ，５ｂ，６ａ，６
ｂをプリント基板８の上記各孔１６ａ，１６ｂ，
１７ａ，１７ｂに差し込んだ後に半田付けする。
このとき、不必要に延びているリードワイヤ５
ａ，５ｂ，６ａ，６ｂ端を切断して除去してお
く。

第９図は第７図、第８図に示すモールドケース
２５の前記収容空間内に第３図、第４図に示すプ
リント基板１，８の結合ブロツク、すなわち、プ
リント基板体を収容したものを示す。

かかる収容の際には、前記第１の端子２３及び
前記第２の端子２４端がプリント基板８の上記孔
部１３，１４にそれぞれ挿入されて半田付けされ
るとともに、プリント基板８上の外部接続用端子
１１，１２はモールドケース２５外に突出させら
れる。

以上の説明から明らかなように、この実施例の
場合には、プリント基板体は、２枚のプリント基
板１，８を用いた構成とされ、モールドケース２
５の収容空間内に収容され、点火制御回路が組み
込まれ、外部接続用端子１１，１２を有し、第１
の端子２３及び第２の端子２４にそれぞれ挿入し
て半田固定された電気的及び機械的な接続用の孔
部１３，１４を有する構成とされているのであ
る。

第１０図は、第９図に示すようにプリント基板
体（この実施例では、プリント基板１，８の結合
体）を収容したモールドケース２５の収容空間内
に、前記外部接続用端子１１，１２の一部を残し
て前記プリント基板体を覆うように、熱硬化性樹
脂２６を埋め込んだものを示す。すなわち、第１
０図は本考案の一実施例に係る内燃機関の点火装
置の完成状態を示す。

かかる内燃機関の点火装置では、前述した構造
によつて、成層鉄心２０、発電コイル２２および
点火制御用電子部品をコンパクトに小形一体化す
ることができる。また、これらを継ぐリード線が
なく、断線事故を招く心配がなく、リードワイヤ
どうしの接続も心要なく、回路動作の信頼性が向
上するものである。

なを、上記熱硬化性樹脂２６を埋め込む際に、
プリント基板８には切欠９が設けられているた
め、埋め込み工程に生じる気泡やガスはその切欠
９を通じてモールドケース２５外に抜け、ユニツ
ト内には残溜することはない。

第１１図および第１２図は本考案の他の実施例
を示す。第１１図は第９図に対応した状態を示
し、第１２図はその正面断面図である。

この実施例が前述の第１図乃至第１０図に示す
実施例と異なる所は、前記プリント基板体が１枚
のプリント基板３０を用いて構成され、これに合
わせてモールドケース２５Ａの形状が変更されて
いる点である。なお、前記プリント基板３０は前
記プリント基板１，８を一体化したものである。
なお、他の点については、前述の第１図乃至第１
０図に示す実施例と同様であるので、その説明は
省略する。

この実施例の場合には、プリント基板３０およ
び取付電子回路部品を含む厚みを抑えられるの
で、全体的に薄型にできるというメリツトが得ら
れるものである。

また、第３図、第４図に示す取付関係にあるプ
リント基板１，８を、一枚のフレキシブルタイプ
のプリント基板に代替することもできる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明した様に、本考案によれば、発
電コイルと点火制御用電子部品などとは、リード
線相互の直接接続することなく、端子とプリント
基板のプリントパターン上の孔部との挿入および
半田結合によつて簡単かつ確実に接続できるもの
であるから、点火装置の組付作業性の著しい向上
が図れるとともに、配線部分の変形や交又、配線
ミスを全く生じる心配がないので、商品品質の信
頼性が高まり市場性も高まるものである。また、
装置全体が一体化、コンパクト化され、エンジン
本体に対する設置空間を小さく抑えられ、デザイ
ン変更等が容易になる等の効果が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は大部分の点火制御回路を組み込んだプリント基
板の平面図、第２図は主として配線用のプリント
基板の平面図、第３図および第４図は２つのプリ
ント基板を結合した状態の平面図および正面図、
第５図は成層鉄心に発電コイル巻装のボビンを結
合した状態の平面図、第６図は同じく正面図、第
７図は成層鉄心にモールドケースを一体化したも
のの平面図、第８図は同じく正面図、第９図はモ
ールドケースに２つのプリント基板を取り付けた
状態の平面図、第１０図はモールドケースの収容
空間内に２つのプリント基板を熱硬化性樹脂で埋
め込んだ状態の平面図、第１１図は一枚のプリン
ト基板をモールドケース内に設置した他の実施例
の平面図、第１２図は同じく正面断面図である。 １，３０……プリント基板、２，３，４，５，
６，７，１５……点火制御用電子部品、８……プ
リント基板、１０……配線（プリントパターン）、
１１，１２……外部接続用端子、１３，１４……
孔部、２０……成層鉄心、２１……ボビン、２１
ａ……ボビンフランジ、２２……発電コイル、２
３……第１の端子、２４……第２の端子、２５，
２５Ａ……モールドケース、２６……熱硬化性樹
脂。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 発電コイルの一端が電気的に接続された第１
   の端子を有し前記発電コイルが巻装されたボビ
   ンが脚に嵌装されるとともに、前記発電コイル
   の他端が電気的に接続された第２の端子が前記
   脚に固設された成層鉄心と、 該成層鉄心の前記脚に、前記第１の端子及び
   前記第２の端子の一部を残して前記発電コイル
   及び前記ボビンを包むとともに前記第１の端子
   及び前記第２の端子側に収容空間を形成するよ
   うに成形されたモールドケースと、 該モールドケースの前記収容空間内に収容さ
   れ、点火制御回路が組み込まれ、外部接続用端
   子を有し、前記第１の端子及び前記第２の端子
   にそれぞれ挿入して半田固定された電気的及び
   機械的な接続用の孔部を有するプリント基板体
   と、 前記モールドケースの前記収容空間内に、前
   記外部接続用端子の一部を残して前記プリント
   基板体を覆うように埋め込まれた熱硬化性樹脂
   と、 からなることを特徴とする内燃機関の点火装
   置。 (2) プリント基板体が２枚のプリント基板を用い
   た構成とされてなることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の内燃機関の点火装
   置。 (3) プリント基板体が１枚のプリント基板を用い
   た構成とされてなることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の内燃機関の点火装
   置。