JPH0225068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、冷・暖房可能なヒートポンプ式空気
調和機に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、空気調和機により室内冷房を行なう場
合、外気温度よりも室内温度が５℃以上低い状態
では、室外から室内へと入つた時、この温度差に
よりヒートシヨツクを感じ人体に悪影響を与える
ことがあり、逆に室内から室外へ出る時も同様の
問題があつた。

このため、従来室外ユニツトに外気温度センサ
を設け、外気温度により室内の空調設定温度を補
正し、室外温度が上昇した場合においても室内・
外の温度差が５℃以上にならない様に制御する空
気調和機があつた。

しかしながら、このような空気調和機では外気
温度を検出するために、室外側に室外温度センサ
を設ける必要があり、配線が面倒で、コスト高と
なる等の欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情を考慮してなされたもので
低コストで、外気温度を検出し快適性の向上を図
ることができるヒートポンプ式空気調和機を提供
することを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は、着霜を検知するために室内熱交換器
に取り付けた着霜温度センサの出力を利用して間
接的に外気温度を検出し、この検出出力に応じて
空調設定温度を変更するようにしたヒートポンプ
式空気調和機である。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づい
て説明する。圧縮機１、四方弁２、室外熱交換器
３、減圧装置４、室内熱交換器５は順次連通され
ヒートポンプ式冷凍サイクルを形成している。ま
た、室外熱交換器３には室外フアン６が、室内熱
交換器５には室内フアン７がそれぞれ設けられて
いる。そして室外熱交換器３には着霜温度センサ
１０が取り付けられ、室内熱交換器５の室内空気
吸込側には室温センサ１１が設けられている。こ
の着霜温度センサ１０と室温センサ１１の出力は
それぞれの温度検出回路Ａ及びＢ１２，１３でデ
イジタル信号に変換される。温度検出回路Ａ１２
で変換された信号は２つに分かれ、一方は着霜検
出回路１４へ、他方は空調設定温度補正回路１５
に入力される。着霜検出回路１４は四方弁駆動回
路１６とともに除霜制御装置１７を形成してい
る。着霜検出回路１４は、暖房時温度検出回路Ａ
１２からの温度信号があらかじめ設定された値よ
りも低下した場合除霜運転、すなわち四方弁反転
を行なう。また、この除霜運転はタイマ（図示し
ない）および着霜温度センサ１０の出力に応じて
終了される。

空調設定温度補正回路１５は冷房運転時、着霜
温度センサ１０の出力、温度検出回路Ａ１２の温
度信号を入力として、この値に応じて空調設定温
度を補正し補正後の空調設定温度を出力するもの
である。この補正は、第２図に示すように空気調
和機の運転時の室外熱交換器温度と外気温度とが
一定の相関関係にあることに基づき、第３図に示
す実線Ｘを用いて着霜温度センサ１０の検出温度
から対応する外気温度を算出し、第４図からその
外気温度に対応する補正空調設定温度を求めるも
ので、着霜温度センサ１０の出力から換算された
外気温が高くなるに従つて空調設定温度を高くす
るように作用する。

なお、上記説明では着霜温度センサ１０の出力
から補正空調設定温度を求めるために２つのグラ
フを使用したが、実際には着霜温度センサ１０出
力から直接対応する補正空調設定温度を求めるこ
とができるグラフ（演算式）又は表を記憶してお
けばよい。

空調設定温度補正回路１５から出力された補正
空調設定温度は温度比較回路１８に入力され、室
温センサ１１の検出温度と比較される。この温度
比較回路１８はこの２つの温度信号を比較し、そ
の差の値に応じて圧縮機駆動回路１９に制御信号
を送る。この制御信号は通常の圧縮機のON−
OFF信号又は能力可変圧縮機の能力制御信号で
ある。そして、圧縮機駆動回路１９によつて圧縮
機１は駆動制御される。

以上の構成からなる本実施例のヒートポンプ式
空気調和機の動作を説明する。圧縮機１が運転開
始し、所定時間後に冷凍サイクルが安定すると温
度検出回路Ａ１２は温度信号を空調設定温度補正
回路１５に送る。そして空調設定温度補正回路１
５はあらかじめ定められた関係から補正空調設定
温度を温度比較回路１８に出力する。この際着霜
温度センサ１０の検出温度が50℃の場合、外気温
度は35℃となり補正空調設定温度は30℃となる。
そしてこの補正空調設定温度と室温センサ１１の
検出温度が比較され、この比較結果に応じて圧縮
機を駆動制御することにより室温はほぼ補正空調
設定温度30℃に制御される。

なお、運転開始時の冷凍サイクルが安定するま
での空調設定温度はあらかじめ一定値例えば20℃
に設定されている。

以上のように本実施例によれば除霜制御用に室
外熱交換器に設けられた着霜温度センサの検出温
度によつて間接的に外気温度を検出し、この外気
温度に応じて空調設定温度を補正するため、外気
温検出用の温度センサが不用となり、低コストで
室外温度に応じた室温制御が可能で、冷やしすぎ
等の無駄な電力消費を防止することができる等の
実用的な効昇を奏する。

次に第５図に基づいて第２の実施例を説明す
る。なお第５図には冷凍サイクル部分は第１実施
例と同一のため省略している。この実施例は、使
用者により温度設定器３０に設定されている設定
温度を外気温度により補正するものである。

温度設定器３０の設定温度Tsと着霜温度セン
サ１０の検出温度Taは共に空調設定温度補正回
路３１に入力され、空調設定温度補正回路３１は
設定温度Tsを検出温度Taに応じて補正し、補正
空調設定温度Tc（＝Ts＋α（Ta−β））を出力す
る。この補正空調設定温度Tcは、温度比較回路
３２で、温度センサ１０の検出温度Tbと比較さ
れ、この結果に応じて圧縮機が駆動され、室温は
補正空調設定温度Tc近傍に制御される。

この第２の実施例では室外気温のみでなく使用
者の希望する温度も加味して最適の補正空調設定
温度を求め、この温度へと制御するため、より快
適で、省エネルギー性の高い空気調和が可能であ
る。

また、冷凍サイクルに能力可変圧縮機を使用す
る場合、着霜温度センサの検出温度と外気温度と
の関係が、この圧縮機の能力変化に応じて変化す
るため、異なる能力毎にその能力に応じた相関関
係により外気温度及び補正空調設定温度を算出す
ればよい。例えば第４図に示すように100％能力
時の相関関係を実線Ｘとすると50％能力時は破線
Ｙとすれば圧縮機の能力変化に応じた空調温度制
御を得ることができる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案は、室外熱交換器に取り付
けた着霜温度センサの出力により着霜を検知し除
霜制御を行なうとともに、冷房運転時はこの出力
により空調設定温度に補正を行なうため、外気温
検出用の温度センサが不用となり、低コストで、
快適性、省エネ性の優れたヒートポンプ式空気調
和機を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるヒートポンプ
式空気調和機の冷凍サイクル図と制御ブロツク図
第２図は空気調和機冷房運転時の空外熱交換器温
度と外気温度の関係を示すグラフ、第３図は室外
熱交換器温度と外気温度の関係を示すグラフ、第
４図は外気温度と補正空調設定温度の対応関係を
示すグラフ、第５図は本考案の第２の実施例であ
るヒートポンプ式空気調和機の制御ブロツク図で
ある。 １……圧縮機、２……四方弁、３……室外熱交
換器、４……膨張弁、５……室内熱交換器、６…
…室外フアン、７……室内フアン、１０……着霜
温度センサ、１１……室温センサ、１４……着霜
検出回路、１５……空調設定温度補正回路、１７
……除霜制御回路、１８……温度比較回路、２０
……温度制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、冷媒流路切換弁、室内熱交換器、室外
   熱交換器等を順次連通してなる冷凍サイクルと、
   室温を検出する室内温度センサと、着霜を検出す
   るために前記室外熱交換器に設けられ、前記室外
   熱交換器の温度を検出する着霜温度センサと、こ
   の着霜温度センサの出力を入力し、前記着霜温度
   センサの検出温度に応じて除霜運転を行なう除霜
   制御手段と、前記室内温度センサと前記着霜温度
   センサの出力を入力し、冷房運転時、前記着霜温
   度センサの検出温度に応じて空調設定温度を補正
   し、補正後の空調設定温度と前記室内温度センサ
   の検出室温を比較し、この比較結果に応じて圧縮
   機の運転停止を制御する温度制御装置とを備えた
   ことを特徴とするヒートポンプ式空気調和機。