JPH0224664B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明はスクリーン印刷機におけるスキージ、
ドクター上下反転切替駆動装置に係り、絹、合成
繊維、金属線製のスクリーンを枠に張設して成る
刷版を構成しておき、インクが塗布された刷版を
被印刷物面にスキージで圧着し、擦動させること
で印刷を施し、これに伴ない生じたインクの濃淡
を均一にすべくドクターを走行させるスクリーン
印刷機において、一往復中でスキージとドクター
とを上下反転作動させるに際し、両者ともに鉛直
方向に沿う上下動となしてその円滑化が図れるよ
うにしたスキージ、ドクターの上下動反転切替駆
動装置に関するものである。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来、この種のスキージ、ドクターの反転切替
駆動装置は、被印刷物への印刷行なうスキージと
偏位したインクの濃淡を均一にするドクターとを
一往復中での走行方向逆転時に交互に上下動させ
るよう、これらの往復動に関連して行なわせてお
り、例えば、特公昭52−6646号公報がある。これ
は、駆動チエーンの反転時に該チエーンによつて
回動される反転スプロケツトを、スキージ、ドク
ターの架設機構中に設け、その反転スプロケツト
によつて駆動される反転カムにより、架設機構中
に揺動自在に取付けた上下対の反転リンクの両端
を交互に上下させることで、反転リンクの両端に
取付けたスキージ、ドクターを交互に上下動させ
るものである。ところが、これによると、スキー
ジ、ドクター夫々は反転リンクの揺動に伴ない上
下動するも、それは円弧状の動きとなつているか
ら、左右の架設機構相互間で僅かな作動上の障害
があると、ねじれが生じ、スクリーン面への平均
した擦動、走行が困難となり、印刷にムラが生じ
る一因ともなつた。そればかりでなく、円弧状の
上下動はスクリーン面への押圧、スクリーン面か
らの離反に際しスクリーンを擦過し、損傷させる
こともあつた。

［発明の目的］ そこで、本発明はかかる点に鑑み創出されたも
のであり、スキージ、ドクターの交互の反転上下
切替作動を鉛直方向に沿つた直線状となすこと
で、従来存した諸欠点を解消せんとするものであ
る。

［発明の概要］ 上述した目的を達成するため、本発明にあたつ
ては、スキージをスクリーン上で擦動させて被印
刷物に印刷を施し、同じくドクターを走行させて
偏位したインクの濃淡を均一にすべくしたスクリ
ーン印刷機におい、相対峙させた左右のガイドフ
レームに、一体的に同期移行する左右のキヤリジ
ブロツクをフレームに沿つた前後に進退可能にし
て配設し、このキヤリジブロツクの前後で上下方
向に摺動案内されるよう設けた左右のスキージガ
イドホルダー、ドクターガイドホルダー相互間に
スキージバー、ドクターバーを夫々架設し、スキ
ージバーには前記スキージを、ドクターバーには
前記ドクターを夫々取付けて成る架設支持機構
と、ガイドフレーム前後に配したスプロケツト間
で正逆方向で駆動されるチエーンを掛巡させると
共に、左右のキヤリジブロツク相互間で軸支して
ある中央シヤフト一端に固着した揺動する反転停
止アームをチエーンに枢支連結し、反転停止アー
ムの揺動停止時にはキヤリジブロツク自体を進退
させる走行機構と、中央シヤフトに固着した反転
ギヤにキヤリジブロツクに軸支してあるクランク
シヤフトに固着したクランクギヤを噛合させ、ク
ランクシヤフト端に固定した偏芯ローラーを前記
ガイドホルダーのいずれか一方に形成した横長の
横ガイド部に嵌合させ、偏芯ローラーの回転を一
定範囲内で規制停止させることでこの回転に伴な
いガイドホルダーを上下動せしめ上下位置で停止
させる上下動機構と、前後に位置する前記スキー
ジガイドホルダー、ドクターガイドホルダー相互
間のキヤリジブロツクに揺動自在に軸支した連絡
プレートの両端夫々をガイドホルダー夫々に遊動
枢着させた反転連繋機構とを備えたことに存する
ものである。

［発明の実施例］ 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明
すると次の通りである。

図において示される符号１は図示を省略したス
クリーン印刷機本体上にセツトされる刷台であ
り、この刷台１上には紙葉の如き被印刷物２が載
置される。一方、絹、合成繊維、金属線製のスク
リーン３を木、アルミニウム製の枠４に張設して
成る刷版５をセツトし、スクリーン３に塗布した
インクをスクリーン３上を擦動するスキージ１９
によつて被印刷物２面に圧着させて印刷を施し、
また、ドクター２２を走行させることで偏位した
インクの濃淡を均一にさせるようになつている。

すなわち、一往復中での走行方向逆転時に交互
にスキージ１９、ドクター２２を上下反転切替作
動させるため、これらのスキージ１９、ドクター
２２を架設支持する架設支持機構１０、この架設
支持機構１０を前後に走行させその進退を図る走
行機構３０、スキージ１９、ドクター２２を交互
に上下動させ、上下のいずれの位置で停止された
とき走行機構３０にて架設支持機構１０全体を走
行させるべくした上下動機構４０、スキージ１
９、ドクター２２のいずれか一方が上下動される
とき他方を反転上下動させる反転連繋機構５０を
備えている。

しかして、架設支持機構１０は、前記スクリー
ン印刷機本体上で相対峙させて配設した左右のガ
イドフレーム１１に、一体的に同期移行する左右
のキヤリジブロツク１３をフレーム１１に沿つた
前後に進退可能にして配設し、このキヤリジブロ
ツク１３の前後で上下方向に摺動案内されるよう
設けた左右のスキージガイドホルダー１７、ドク
ターガイドホルダー２０相互間にスキージバー１
８、ドクターバー２１を夫々架設し、スキージバ
ー１８には前記スキージ１９を、ドクターバー２
１には前記ドクター２２を夫々取付けて成るもの
である。

ガイドフレーム１１自体は角筒状に形成されて
おり、その内部には、後述する走行機構３０の走
行伝達部材、上下動機構４０の上下反転制御部材
等が組込まれ、安全性、体裁性が考慮されている
と共に、左右においての駆動時に生じるバランス
を良好ならしめるための堅牢性を図つている。

キヤリジブロツク１３の前後で設けたスキージ
ガイドホルダー１７、ドクターガイドホルダー２
０は、図示にあつては右方が前者１７、左方が後
者２０として位置させてあるも、これの位置関係
は任意である。また、これらのガイドホルダー１
７，２０のキヤリジブロツク１３への取付けは、
上下方向に摺動されるよう設けるもので、そのた
め、図示例の如くガイドホルダー１７，２０の外
側面夫々に外側方へ突設したローラー付きの上下
ガイド１６，１６を、キヤリジブロツク１３内側
面の前後においての上下部に形成した縦長の溝状
或いは孔状の縦ガイド部１５に嵌合させてある。

このように構成された架設支持機構１０を前後
に走行させる走行機構３０は、前記ガイドフレー
ム１１前後に配した駆動用スプロケツト３３、従
動用スプロケツト３４間で正逆方向で駆動される
チエーン３５を掛巡させると共に、左右のキヤリ
ジブロツク１３相互間で軸支してある中央シヤフ
ト３９の一端に固着した揺動する反転停止アーム
３８をチエーン３５に枢支連結し、反転停止アー
ム３８の揺動停止時にはキヤリジブロツク１３自
体を進退させるものとしてある。

第３図に示すように、チエーン３５は、ガイド
フレーム１１一端に固設したモータ３１の出力軸
に固定した駆動伝達スプロケツト３２、このスプ
ロケツト３２と前記駆動用スプロケツト３３間に
掛巡させたチエーンによつて駆動されるもので、
キヤリジブロツク１３が走行して所定の前位置或
いは後位置に到達するとそれを検出する図示を省
略した制御機構によつてモータ３１駆動を逆転さ
せ、第４図乃至第６図に示すように、チエーン３
５をＡ方向からＢ方向へ或いは逆に駆動循環させ
る。

チエーン３５の駆動をキヤリジブロツク１３の
走行に確実に伝達させるため、図示のように、中
央シヤフト３９は左右のキヤリジブロツク１３相
互間でその略中央位置で軸支されており、一方、
中央シヤフト３９端にキー等を介して反転停止ア
ーム３８をその後部に固着し、この反転停止アー
ム３８先端を、チエーン３５における適位置での
チエーンブロツク間に適当なチエーン継手３６を
介して連結されている反転アームブロツク３７に
ねじ止め連結する。そして、キヤリジブロツク１
３が停止されているときでのチエーン３５の循環
によつて反転停止アーム３８が前後に揺動し、か
つ、中央シヤフト３９が正逆方向で揺転すると、
上下動機構４０によつて所定の作動が終了するに
伴ない中央シヤフト３９の揺転及び反転停止アー
ム３８の揺動がそれの前後端位置で停止されるも
のとしてある。したがつて、循環するチエーン３
５は、反転停止アーム３８及び中央シヤフト３９
の揺動、揺転が停止されると、反転停止アーム３
８を介して中央シヤフト３９をガイドフレーム１
１の前後に沿つて強制的に進退させるものとな
る。その際、図示例では、キヤリジブロツク１３
を円滑に安定した状態で前後に走行させるべくし
たキヤリジブロツク１３の前後進退方向への案内
手段２５を付設させてある。この案内手段２５
は、第１図乃至第３図に示すように、キヤリジブ
ロツク１３と対峙させてガイドフレーム１１内部
に配置した内側プレート１４からキヤリジブロツ
ク１３にガイドローラーセツトネジ２６をねじ止
めし、ガイドフレーム１１の内側に前後に沿つて
長く切欠いて開口したガイド窓１２縁に摺接転動
する走行ガイドローラー２７をカラーにて位置決
めさせてガイドローラーセツトネジ２６に遊嵌さ
せて成るものである。

このように案内手段２５の走行ガイドローラー
２６を、ガイドローラーセツトネジ２６を介して
内側プレート１４、キヤリジブロツク１３に保持
させることによつて、キヤリジブロツク１３自体
をガタつくことなく円滑に前後に進退走行させる
ことができる。

また、図示の如く、角筒状に形成したガイドフ
レーム１１内部に配置した前記内側プレート１４
に中央シヤフト３９を保持ベアリング３９Ａにて
軸支することで、反転停止アーム３８及び後述の
反転ギヤ４１を固着する中央シヤフト３９端の保
持位置を確保するのに役立つ。

そして、スキージ１９或いはドクター２２上下
動させる上下動機構４０は、チエーン３５の駆動
にて前記反転停止アーム３８を介して従動揺転す
る中央シヤフト３９に固着した反転ギヤ４１にキ
ヤリジブロツク１３に軸支してあるクランクシヤ
フト４３に固着したクランクギヤ４２を噛合さ
せ、クランクシヤフト４３端にキー等にて固着し
た偏芯ローラー４４を前記スキージガイドホルダ
ー１７或いはドクターガイドホルダー２０のいず
れか一方、図示にあつてはスキージガイドホルダ
ー１７外側面に形成した横長の溝状或いは孔状の
横ガイド部４６に嵌合させ、偏芯ローラー４４の
回転を一定範囲内で規制停止させることでこの回
転に伴ないガイドホルダー１７，２０を上下動せ
しめ上下位置で停止させるようになつている。

すなわち、キヤリジブロツク１３が走行してい
ない停止時において、循環駆動するチエーン３５
が反転停止アーム３８を介して中央シヤフト３９
を揺転させるに伴ない、この中央シヤフト３９に
固着した反転ギヤ４１がクランクギヤ４２に噛合
しているからクランクシヤフト４３を回転させ、
このようにクランクシヤフト４３を回転させるこ
とで偏芯ローラー４４を円弧状の軌跡上で移行さ
せると、スキージガイドホルダー１７自体はキヤ
リジブロツク１３に上下に摺動自在にして取付け
られているから、偏芯ローラー４４がスキージガ
イドホルダー１７の横ガイド部４６内で横方向に
移動するときはスキージガイドホルダー１７自体
を上下に強制移動させるものとなる。一方、スキ
ージガイドホルダー１７の上下動は、前記上下ガ
イド１６が縦ガイド部１５の上下端に衝接する
と、その位置で停止されると同時に、偏芯ローラ
ー４４及びクランクシヤフト４３、中央シヤフト
３９の回転及び反転停止アーム３８の揺動をも停
止させ、スキージガイドホルダー１７の停止され
た上下位置を維持しながら、キヤリジブロツク１
３を走行させる。なお、このとき、クランクシヤ
フト４３を第１の保持ベアリング４５Ａのカラー
にてキヤリジブロツク１３に、また第２の保持ベ
アリング４５Ｂ、カラーにて前記内側プレート１
４に夫々軸支させておくことで、クランクシヤフ
ト４３は２点支持となり、クランクシヤフト４３
を円滑に回転させるからクランクギヤ４２の回転
は偏芯ローラー４４を確実に、しか安定した偏芯
軌跡によつて回転させることができる。

このとき、キヤリジブロツク１３面に形成した
縦長の縦ガイド部１５の長さがスキージガイドホ
ルダー１７の上下動のそれに対応したものとなつ
ている。また、横ガイド部４６はスキージガイド
ホルダー１７の前部がわ或いは後部がわに形成さ
れており、180゜未満の正逆方向の一方のみでクラ
ンクシヤフト４３を揺転させることにより、偏芯
ローラー４４における半円に対応した円弧状の軌
跡に沿う時計方向或いは反時計方向で移行がスキ
ージガイドホルダー１７の下降或いは上昇のみに
対応させるもとし、偏芯ローラー４４の一方向の
みでの移行によつてはスキージガイドホルダー１
７が上下動はしないものとしてある。これがた
め、スキージガイドホルダー１７の上下動の距離
は、縦ガイド部１５の長さによつて、更に横ガイ
ド部４６の長さ及び偏心ローラー４４における移
行軌跡の大きさ等によつて任意に設定でき、汎用
性に富むものとなる。

このようにして、いずれか一方のガイドホルダ
ー１７，２０が上下動されるとき、他方のガイド
ホルダー２０，１７を反転上下させる反転連繋機
構５０は、前後に位置する前記スキージガイドホ
ルダー１７、ドクターガイドホルダー２０相互間
のキヤリジブロツク１３に揺動自在に軸支した連
絡プレート５１の両端夫々をガイドホルダー１
７，２０夫々に遊動枢着させて成るものである。

図示にあつての連絡プレート５１は、上下一対
にして配装されており、前記の上下動機構４０に
よつて一対のガイドホルダー１７，２０が上下動
するとき、支点を中心として揺動する連絡プレー
ト５１が他方のガイドホルダー２０，１７を反転
上下動させるものである。連絡プレート５１両端
は、前記上下ガイド１６，１６に枢着させること
で夫々のガイドホルダー１７，２０に連繋させて
あると共に、ガイドホルダー１７，２０夫々の円
滑な上下動及び構成簡素化を図るために連絡プレ
ート５１両端の枢着部分５２は長孔状と成して上
下ガイド１６，１６夫々に摺動自在に嵌合させて
ある。

尚、上下動機構４０、反転連繋機構５０は、ス
キージガイドホルダー１７に組込まれ、これを上
下動させることでドクターガイドホルダー２０を
反転上下動させるものとして図示されるも、ドク
ターガイドホルダー２０がわから上下動させるよ
うに両機構４０，５０を組込むも差し支えないも
のである。

また、図中６０は、走行方向を逆転しての走行
開始直前における架設支持機構１０の仮停止を図
るべく、キヤリジブロツク１３に付設したブレー
キ機構であり、それの具体的な構成例を図示に従
い説明すると、ガイドフレーム１１上に位置させ
てキヤリツジブロツク１２上縁略中央部から側面
略逆Ｌ字形のブレーキブロツク６１を突設し、こ
のブレーキブロツク６１に前記ガイドフレーム１
１面に先端が圧止するブレーキシユー６２を摺動
自在に内嵌し、ブレーキブロツク６１上側からブ
レーキブロツク６１にねじ込んだブレーキ圧力調
整ダイヤル６３先端を、ブレーキブロツク６１に
内装させたコイル状のスプリング６４を介してブ
レーキシユー６２後端に押圧させて成るものであ
る。このブレーキ機構６０によつて、ブレーキシ
ユー６２がガイドフレーム１１面に強く圧止し、
その間での摩擦抵抗を増大させているときはキヤ
リジブロツク１３の走行を困難なものとし、チエ
ーン３５の駆動が反転停止アーム３８、中央シヤ
フト３９、反転ギヤ４１、クランクギヤ４２を介
してクランクシヤフト４３を回転させることでの
上下動機構４０、更には反転連繋機構５０の作動
を確実なものとさせる。すなわち、キヤリジブロ
ツク１３自体は、前記走行ガイドローラー２７に
てガイドフレーム１１のガイド窓１２に接してお
り、極めて小さい力でも走行可能であるから、逆
転走行開始時において上下動機構４０、反転連繋
機構５０を作動させずに走行するのを防止するが
ためである。

このブレーキ機構６０は、図示例に限らず、例
えばキヤリジブロツク１３にチエーンを取付け、
ガイドフレーム１１がわにトルクリミツターの如
きブレーキスプロケツトを取付けて構成してもよ
い（図示せず）。

次に、これが作動を説明するに、刷台１上への
被印刷物２のセツト、インクを塗布した刷版５の
セツトが完了したあと、スイツチ操作によりモー
タ３１を駆動させる。すると、その駆動力は、駆
動伝達スプロケツト３２、駆動用スプロケツト３
３を順次回転させてチエーン３５を循環せしめ、
これによつて、揺動する反転停止アーム３８にて
中央シヤフト３９を揺転させ、更に反転ギヤ４
１、クランクギヤ４２を介してクランクシヤフト
４１を夫々回転させる。このとき、反転停止アー
ム３８、反転ギヤ４１、クランクギヤ４２、クラ
ンクシヤフト４３は偏芯ローラー４４を介してそ
の偏芯量に対応して一方のガイドホルダー１７，
２０を上下動させると共に、連絡プレート５１を
介して他方のガイドホルダー２０，１７を反転上
下動させる。スキージガイドホルダー１７が上下
動し、上下のいずれかの位置で停止されると、ク
ランクシヤフト４３の回転、反転停止アーム３８
の揺動が停止されるもので、その際、チエーン３
５は駆動しているからそれまで停止されていたキ
ヤリジブロツク１３が走行を開始する。

しかして、図示においてチエーン３５がＡ方向
に牽引駆動されているときは、上下動機構４０は
スキージガイドホルダー１７をＡ方向へ下降させ
る一方、反転連繋機構５０によつてドクターガイ
ドホルダー２０をＡ方向へ上昇させることで、ス
キージ１９はスクリーン３面に圧接する。そし
て、スキージガイドホルダー１７が下位置に到達
し停止されると、架設支持機構１０におけるキヤ
リジブロツク１３は走行機構３０のチエーン３５
によつてガイドフレーム１１に沿つて案内走行さ
れ、チエーン３５の牽引方向へスキージ１９がス
クリーン３上を擦動しながら移行し、被印刷物２
２に印刷を施す（第５図参照）。スキージ１９が
走行し、所定位置に至るとモータ３１が逆転駆動
してチエーン３５をＢ方向へ牽引するときは、上
下動機構４０におけるクランクシヤフト４３が逆
転してスキージガイドホルダー１７をＢ方向へ上
昇させる一方、反転連繋機構５０によつてドクタ
ーガイドホルダー２０をＢ方向へ下降させる。こ
のように逆作動することで、今度はドクター２２
がスクリーン３上を走行し、印刷時において偏位
したインクの濃淡を均一にし、次回の印刷に備え
る（第６図参照）。

［発明の効果］ したがつて、走行機構３０におけるチエーン３
５の駆動によつて作動される上下動機構４０、反
転連繋機構５０が架設支持機構１０におけるスキ
ージ１９、ドクター２２を一往復での前進或いは
後退時で交互に反転上下動させるものであり、し
かも、その際のスキージ１９、ドクター２２の上
下動は、スクリーン３面に対して直交する鉛直方
向に沿つたものであるから、極めて円滑であり、
左右でのバラつきがなく、スキージ１９、ドクタ
ー２２下端のスクリーン３面の圧接は平均して行
なわれるものである。

そればかりでなく、スキージ１９、ドクター２
２の反転上下動は走行機構３０におけるチエーン
３５の正逆方向での変換駆動に追従して行なわれ
るから、特別な上下動変換のための複雑な機構を
組込む必要もないと共に、架設支持機構１０全体
の往復動でスキージ１９下降による印刷、ドクタ
ー２２下降によるインク厚の均一化が交互に行な
われるから、これに同期させて被印刷物２をセツ
トさせることで極めて能率よく印刷作業を実施す
ることができる。

特に、架設支持機構１０は、相対峙させた左右
のガイドフレーム１１に、一体的に同期移行する
左右のキヤリジブロツク１３をフレーム１１に沿
つた前後に進退可能にして配設し、このキヤリジ
ブロツク１３の前後で上下方向に摺動案内される
ように設けた左右のスキージガイドホルダー１
７、ドクターガイドホルダー２０の相互間にスキ
ージバー１８、ドクターバー２１を夫々架設し、
スキージバー１８にはスキージ１９を、ドクター
バー２１にはドクター２２を夫々取付けて成るか
ら、走行機構３０の駆動によつての架設支持機構
１０全体を左右でガタつくことなく円滑に進退さ
せると共に、上下動機構４０、反転連繋機構５０
によつてのスキージ１９、ドクター２２の反転上
下動をも円滑に行なわせる。

また、架設支持機構１０全体を走行させる走行
機構３０は、ガイドフレーム１１前後に配したス
プロケツト３３，３４間で正逆左右で駆動される
チエーン３５を掛巡させると共に、左右のキヤリ
ジブロツク１３相互間で軸支してある中央シヤフ
ト３９の一端に固着した揺動する反転停止アーム
３８をチエーン３５に枢支連結し、反転停止アー
ム３８の揺動停止時にキヤリジブロツク１３自体
を進退させるから、架設支持機構１０が走行して
いない停止時では上下動機構４０を作動させ、こ
れによりスキージ１９、ドクター２２の上下反転
作動が完了すると走行動作に速やかに移行させる
と共に、作動伝達も確実である。

走行機構３０におけるチエーン３５の駆動にて
反転停止アーム３８を揺動させるのに伴ない中央
シヤフト３９を揺転させるとき、この中央シヤフ
ト３９に固着した反転ギヤ４１にキヤリジブロツ
ク１３に軸支してあるクランクシヤフト４３に固
着したクランクギヤ４２を噛合させ、クランクシ
ヤフト４３端に固定した偏芯ローラー４４をいず
れか一方のガイドホルダー１７，２０に形成した
横長の横ガイド部４６に嵌合させ、偏芯ローラー
４４の回転を一定範囲内で規制停止させることで
この回転に伴ないガイドホルダー１７，２０を上
下動せしめ上下位置で停止させるようにした上下
動機構４０を構成したから、偏芯ローラー４４の
偏芯量をガイドホルダー１７，２０の上下動距離
に対応規制せしめ得るのであり、スクリーン３面
へのスキージ１９、ドクター２２の圧接力の調整
を可能とすると共に、上下のいずれかでのガイド
ホルダー１７，２０の停止がクランクシヤフト４
３の回転、中央シヤフト３９の揺転、及び前記反
転停止アーム３８の揺動を強制停止させ、それに
よつてチエーン３５の駆動を走行用に変換させる
ことができる。

また、キヤリジブロツク１３の走行、ガイドホ
ルダー１７，２０の上下動反転をチエーン３５の
循環駆動から得るべくした反転停止アーム３８、
中央シヤフト３９、反転ギヤ４１、クランクギヤ
４２、クランクシヤフト４３から成る組合せは、
構成が極めて簡単であり、確実に作動し故障が少
ないものである。

更に、反転連繋機構５０は、前後に位置するス
キージガイドホルダー１７、ドクターガイドホル
ダー２０相互間のキヤリジブロツク１３に揺動自
在に軸支した連絡プレート５１の両端夫々をガイ
ドホルダー１７，２０夫々に遊動枢着させてある
から、一方のガイドホルダー１７，２０の上下動
は他方のそれ２０，１７を直ちに反転上下動させ
るのであり、スキージ１９、ドクター２２が同時
にスクリーン３面に圧接するこことがない。ま
た、前記の上下動機構４０の採用と相俟ち、スキ
ージ１９、ドクター２２の反転上下動の調整は特
別な制御手段を用いずに簡単に行なえるばかりで
なく、鉛直方向に沿つての上下動を担保する。

以上説明したように本発明によれば、スクリー
ン印刷機において印刷を施すスキージ、インクの
濃淡を均一化させるドクター夫々の反転上下切替
作動を円滑迅速なものとし、しかも、そのときの
上下動は鉛直方向に沿つた直線状となして、左右
でのガタつきがあつてもスクリーン面への平均し
た擦動、走行を図つて美麗な印刷面を実現すると
共に、スクリーン面への圧接、離反を迅速にして
スクリーンの損傷を防止し、また、作動も円滑で
故障も少ない等の優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は要部における一部切欠分解斜視図、第２図は同
じく横断面図、第３図は同じく縦断面図、第４図
は同じく側面図、第５図はスキージガイドホルダ
ーの下降時における要部縦断面図、第６図は同じ
く上昇時における要部縦断面図である。 １……刷台、２……被印刷物、３……スクリー
ン、４……枠、５……刷版、１０……架設支持機
構、１１……ガイドフレーム、１２……ガイド
窓、１３……キヤリジブロツク、１４……内側プ
レート、１５……縦ガイド部、１６……上下ガイ
ド、１７……スキージガイドホルダー、１８……
スキージバー、１９……スキージ、２０……ドク
ターガイドホルダー、２１……スキージバー、２
２……スキージ、２５……案内手段、２６……ガ
イドホルダーセツトネジ、２７……走行ガイドロ
ーラー、３０……走行機構、３１……モータ、３
２……駆動伝達スプロケツト、３３……駆動用ス
プロケツト、３４……従動用スプロケツト、３５
……チエーン、３６……チエーン継手、３７……
アームブロツク、３８……反転停止アーム、３９
……中央シヤフト、３９Ａ……保持ベアリング、
４０……上下動機構、４１……反転ギヤ、４２…
…クランクギヤ、４３……クランクシヤフト、４
４……偏芯ローラー、４５Ａ，４５Ｂ……保持ベ
アリング、４６……横ガイド部、５０……反転連
繋機構、５１……連絡プレート、５２……枢着部
分、６０……ブレーキ機構、６１……ブレーキブ
ロツク、６２……ブレーキシユー、６３……ブレ
ーキ圧力調整ダイヤル、６４……スプリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スキージをスクリーン上で擦動させて被印刷
   物に印刷を施し、同じくドクターを走行させて偏
   位したインクの濃淡を均一にすべくしたスクリー
   ン印刷機におい、相対峙させた左右のガイドフレ
   ームに、一体的に同期移行する左右のキヤリジブ
   ロツクをフレームに沿つた前後に進退可能にして
   配設し、このキヤリジブロツクの前後で上下方向
   に摺動案内されるよう設けた左右のスキージガイ
   ドホルダー、ドクターガイドホルダー相互間にス
   キージバー、ドクターバーを夫々架設し、スキー
   ジバーには前記スキージを、ドクターバーには前
   記ドクターを夫々取付けて成る架設支持機構と、
   ガイドフレーム前後に配したスプロケツト間で正
   逆方向で駆動されるチエーンを掛巡させると共
   に、左右のキヤリジブロツク相互間で軸支してあ
   る中央シヤフトの一端に固着した揺動する反転停
   止アームをチエーンに枢支連結し、反転停止アー
   ムの揺動停止時にはキヤリジブロツク自体を進退
   させる走行機構と、中央シヤフトに固着した反転
   ギヤにキヤリジブロツクに軸支してあるクランク
   シヤフトに固着したクランクギヤを噛合させ、ク
   ランクシヤフト端に固定した偏芯ローラーを前記
   ガイドホルダーのいずれか一方に形成した横長の
   横ガイド部に嵌合させ、偏芯ローラーの回転を一
   定範囲内で規制停止させることでこの回転に伴な
   いガイドホルダーを上下動せしめ上下位置で停止
   させる上下動機構と、前後に位置する前記スキー
   ジガイドホルダー、ドクターガイドホルダー相互
   間のキヤリジブロツクに揺動自在に軸支した連絡
   プレートの両端夫々をガイドホルダー夫々に遊動
   枢着させた反転連繋機構とを備えたことを特徴と
   するスクリーン印刷機におけるスキージ、ドクタ
   ーの上下動反転切替駆動装置。 ２ ガイドフレームを角筒状に形成してその内部
   にキヤリジブロツクと対峙させた内側プレートを
   配置し、この内側プレートには、中央シヤフト及
   びクランクシヤフトを軸支させると共に、キヤリ
   ジブロツクの前後進退方向への案内手段を付設さ
   せてある特許請求の範囲第１項記載のスクリーン
   印刷機におけるスキージ、ドクターの上下動反転
   切替駆動装置。 ３ 案内手段は、内側プレートからキヤリジブロ
   ツクにねじ止めしたガイドローラーセツトネジに
   ガイドフレームに開口したガイド窓縁に摺接転動
   する走行ガイドローラーを遊嵌させて成る特許請
   求の範囲第２項記載のスクリーン印刷機における
   スキージ、ドクターの上下動反転切替駆動装置。 ４ カイドホルダー夫々の上下部に外側方へ突設
   した上下ガイドをキヤリジブロツク面に形成した
   縦長の縦ガイド部に嵌合すると共に、ガイドホル
   ダーの前部がわ或いは後部がわに前記横ガイド部
   を形成しておき、上下ガイドが縦ガイド部の上下
   端に衝接することで反転停止アームの揺動が停止
   されるようにした特許請求の範囲第１項乃至第３
   項のいずれか記載のスクリーン印刷機におけるス
   キージ、ドクターの上下動反転切替駆動装置。 ５ 連絡プレートの両端は、ガイドホルダー夫々
   の上下部に外側方へ突設してある上下ガイド夫々
   に摺動自在に嵌合されている特許請求の範囲第１
   項乃至第４項のいずれか記載のスクリーン印刷機
   におけるスキージ、ドクターの上下動反転切替駆
   動装置。