JPH0224600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、倣い加工を行う工作機械用のテンプ
レート取付装置に関するものである。

（従来技術） 一般に、倣い旋盤などのようにテンプレートの
形状を倣つて被加工物を所定の形状に機械加工す
る工作機械において、上記テンプレートを交換し
て別形状の倣い加工を行う際に、このテンプレー
トを正確に取付けなければ精度良い加工を行うこ
とはできず、テンプレートの脱着調整に時間を要
して機械の稼働率を低下させる問題がある。

そこで、例えば、実開昭56−89441号に見られ
るように、ロツド状のテンプレートホルダーの外
周に複数枚のテンプレートを配設し、テンプレー
トホルダーを回転して所定のテンプレートを選択
するようにした技術が提案されている。

しかして、上記提案構造では、テンプレートホ
ルダーに対するテンプレートの取付位置の調整は
行わずに、テンプレートホルダーの工作機械に対
する支持部を移動調整してテンプレートの位置決
めを行い、加工精度を向上するようにしているの
で、テンプレートの交換そのものは容易であつて
も、その交換に伴う調整に時間を要し、稼働率の
低下をもたらす問題がある。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、テンプレートの交換
時における脱着、調整作業の簡素化を図り、工作
機械の稼働率を向上するようにした工作機械用テ
ンプレート取付装置を提供することを目的とする
ものである。

（考案の構成） 本考案のテンプレート取付装置は、倣い加工用
のテンプレートをＸ，Ｙ，Ｚ方向の当接面を有す
るテンプレートホルダーに保持し、このテンプレ
ートホルダーを凹部にＸ，Ｙ，Ｚ方向の基準面を
有する支持台の該凹部に位置決めして載置するよ
うにしてなり、テンプレートホルダーはテンプレ
ートの固定位置をＸ，Ｙ方向に調整する調整ねじ
を備えるとともに取付孔を有し、一方、支持台は
Ｘ方向とＹ方向のいずれにも交差する斜め方向に
揺動自在なクランプアームと、該クランプアーム
をその揺動方向に操作するクランプ操作機構とを
備え、上記クランプアームの先端部をテンプレー
トホルダーの取付孔に挿入してテンプレートホル
ダーを基準面に押圧して取付け、テンプレートの
取付位置の微調整は予めテンプレートホルダーへ
の取付時に行うようにしたことを特徴とするもの
である。

（考案の効果） 本考案によれば、テンプレートをＸ，Ｙ，Ｚ方
向の当接面を有するテンプレートホルダーに調整
ねじの調整によつてＸ，Ｙ方向の所定位置に取付
け、このテンプレートホルダーを工作機械に固定
されている支持台の凹部にそのＸ，Ｙ，Ｚ方向の
基準面に各当接面を当接して位置決めして載置
し、クランプ操作機構の操作によるクランプアー
ムの作用によつてテンプレートホルダーを支持台
の所定位置にクランプするようにしたことによ
り、簡易に正確な位置にテンプレートを取付ける
ことができ、テンプレートの交換が極めて容易に
行えるものであつて、機械の稼働率を向上して生
産性の改善が図れる。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。

第１図および第２図に示す工作機械１（旋盤）
において、ベツド２にはセンター３ａを有する主
軸３および押しセンター４が相対向して配設さ
れ、これによつて被加工物５を支持する一方、刃
物台６に装着された刃物７によつて被加工物５を
切削加工するものであり、この刃物台６に接続さ
れた接触子８がテンプレート取付装置９に取付け
られたテンプレート１０の形状に沿つて移動し、
このテンプレート形状に倣つて刃物台６が送り移
動し、被加工物５を所定の形状に切削加工するも
のである。

上記テンプレート取付装置９の構造を、第３図
および第４図に示す。倣い面１０ａを有する平板
状のテンプレート１０は、テンプレートホルダー
１１に位置決め調整されて取付けられる。ここ
で、テンプレート１０の倣い面１０ａの突出方向
をＸ方向、長さ方向をＹ方向、このＸ−Ｙ面に直
交する方向をＺ方向として説明する。

上記テンプレートホルダー１１は保持部１１ａ
に調整ねじ１２ａ，１２ｂが配設され、背面側の
調整ねじ１２ａによつてテンプレート１０のＸ方
向突出量が調整され、スペーサ１３，１３を介し
て両側の調整ねじ１２ｂによつて左右方向のＹ方
向位置が調整されて固定される。また、テンプレ
ートホルダー１１の板状の基部１１ｂにはＺ方向
に貫通する取付孔１４，１４が穿設され、この取
付孔１４はその下半部が拡大したテーパ状に形成
されている。そして、上記テンプレートホルダー
１１は、基部１１ｂの直交２側面によるＸ方向お
よびＹ方向の当接面１１ｘ，１１ｙを有するとと
もに、基部１１ｂの底面によるＺ方向の当接面１
１ｚを有している。

一方、上記テンプレートホルダー１１を保持す
る支持台１５は前記工作機械１のベツド２に固着
されるものであつて、上面に段状に凹部１５ａが
形成され、この凹部１５ａにテンプレートホルダ
ー１１が載置される。該凹部１５ａの直交２側面
には当接ピン１６が植設されて、テンプレートホ
ルダー１１のＸ方向およびＹ方向の基準面を形成
するとともに、凹部１５ａの底面がＺ方向の基準
面を構成し、テンプレートホルダー１１を各当接
面１１ｘ，１１ｙ，１１ｚと基準面との当接によ
つて位置決めするものである。

また、上記支持台１５にはテンプレートホルダ
ー１１をクランプする機構が付設されている。す
なわち、テンプレートホルダー１１の取付孔１４
と対応した位置に、下端が枢支ピン１７ａで揺動
自在に支持されたクランプアーム１７が設けら
れ、このクランプアーム１７の先端部は凹部１５
ａ内に突出した円錐台状のコーン形状に設けられ
ている。該クランプアーム１７の揺動方向は、上
記凹部１５ａの２側面の当接ピン１６によつて位
置決めされるＸ方向とＹ方向のいずれにも交差す
る方向であり、このクランプアーム１７には該ク
ランプアーム１７をその揺動方向に操作するクラ
ンプ操作機構１８が連係されている。

上記クランプアーム１７はテンプレート１０と
反対側の交点側に配設されたスプリング１９によ
り前方に付勢され、このクランプアーム１７のス
プリング１９と反対側には押圧ピン２０の一端が
当接し、この押圧ピン２０の他端はスチールボー
ル２１を介して摺動体２２に連係している。摺動
体２２は上記スチールボール２１に接触する傾斜
面２２ａを有し、その移動に伴つてスチールボー
ル２１を押圧してクランプアーム１７を揺動する
ものであり、この摺動体２２の下端に対してハン
ドル２３ａを備えたねじ部材２３が装着され、該
ねじ部材２３の回転操作に伴つて摺動体２２を摺
動するように設けられている。

よつて、上記構成によれば、工作機械１と別個
の場所において、テンプレートホルダー１１に対
してテンプレート１０を調整ねじ１２ａ，１２ｂ
の調整によつてＸ方向およびＹ方向の所定位置に
調節して取付けておき、このテンプレート１０を
保持したテンプレートホルダー１１を工作機械１
に固着されている支持台１５に対しその凹部１５
ａに載置した後、クランプ操作機構１８のハンド
ル２３ａによつてねじ部材２３を回転操作してク
ランプアーム１７を交点方向に揺動させる。この
クランプアーム１７の先端部によつて取付孔１４
をＸ方向およびＹ方向のいずれにも交差する方向
に押圧し、テンプレートホルダー１１を両側の当
接ピン１６に圧接して基準面に合致させてクラン
プする。その際、クランプアーム１７の先端部は
コーン状に形成され、取付孔１４の一部もテーパ
状に形成されていることから、テンプレートホル
ダー１１の装着が容易であり、また、両者の係合
点はテンプレートホルダー１１の底面１１ｚより
上方の位置となるとともに、テーパ角を大きくし
過ぎるとテンプレートホルダー１１が支持台１５
の凹部１５ａの底面から浮き上がることになる
が、テーパ角を小さくしてテンプレートホルダー
１１の自重により、上記クランプアーム１７の揺
動に伴つてテンプレートホルダー１１が浮き上る
ことがなく、Ｘ方向およびＹ方向の当接ピン１６
に確実に押圧力が作用する。

なお、上記実施例ではクランプアーム１７を揺
動操作するクランプ操作機構１８は押圧ピン２
０、スチールボール２１および摺動体２２などに
よつて構成しているが、この機構はその他公知の
揺動機構が採用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案テンプレート取付装置を備えた
工作機械の平面図、第２図は同側面図、第３図は
テンプレート取付装置の平面図、第４図は第３図
の−線に沿う断面図である。 １……工作機械、５……被加工物、９……テン
プレート取付装置、１０……テンプレート、１０
ａ……倣い面、１１……テンプレートホルダー、
１２ａ，１２ｂ……調整ねじ、１４……取付孔、
１５……支持台、１７……クランプアーム、１８
……クランプ操作機構、２３……ねじ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 倣い加工用のテンプレートの倣い面の突出方向
   をＸ方向、長さ方向をＹ方向、このＸ−Ｙ面に直
   交する方向をＺ方向として、前記テンプレートを
   保持するテンプレートホルダーは上記Ｘ方向、Ｙ
   方向およびＺ方向の当接面を有するとともに、テ
   ンプレートの保持位置をＸ方向およびＹ方向に調
   整する調整ねじを備え、さらに、Ｚ方向に貫通す
   る取付孔を有し、一方、上記テンプレートホルダ
   ーを保持する保持台は、工作機械に固着され、上
   面に形成された凹部に、該凹部の段状直交２側面
   によるＸ方向とＹ方向の基準面と、凹部の底面に
   よるＺ方向の基準面とを有し、該支持台の凹部に
   前記テンプレートホルダーが各当接面を各基準面
   に当接可能に載置され、また、上記支持台は前記
   Ｘ方向とＹ方向のいずれにも交差する斜め方向に
   揺動自在なクランプアームと、該クランプアーム
   をその揺動方向に操作するクランプ操作機構とを
   備え、上記クランプアームの先端部をテンプレー
   トホルダーの取付孔に挿入してテンプレートホル
   ダーを基準面に押圧して固定することを特徴とす
   る工作機械用テンプレート取付装置。