JPH02240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、舞台、テレビスタジオ等で使用され
る大道具セツトを組立てる組立金具に関するもの
である。

従来技術 大道具セツトは、垂直角材と壁などのパネル材
との組合せで構成されるのが一般的であり、組
立、解体を行つて種々のセツトに繰返し使用され
る。

しかし、従来のセツトの組立はすべてくぎ打ち
で行われていたため、組立、解体に時間と手間が
かかることの他に、解体後にくぎ穴の跡が残ると
いう欠点があつた。特にテレビスタジオのセツト
の場合くぎ穴の跡が見えるのは好ましくない。

更に頻繁に行われるくぎ打ち、くぎ抜きのため
材料のいたみが激しく耐用年数が短いという問題
点があつた。

考案の目的 従つて、本考案の目的は、大道具セツトの組
立、解体を迅速かつ簡単に行うことができ、しか
も大道具材料を長持ちさせることができる大道具
セツト組立金具を得るにある。

考案の構成および効果 本考案は、この目的を達成するため矩形の底
壁、および４個の側壁により構成し、各側壁の頂
端縁の中央部に窪みを形成した垂直角材用の箱形
ブラケツトと、逆Ｕ字状の溝形部材、およびこの
溝形部材の頂壁に固着し、かつ前記窪みの幅より
僅やかに小さい幅を有する細長板状部材により構
成し、この細長板状部材の溝形部材の端部から突
出する突端部を下向きに曲げたパネル材用の取付
金具との組合せよりなることを特徴とする。

本考案によれば、大道具セツトの垂直角材の頂
部に箱形ブラケツトを予め取付け、パネル材の頂
部コーナーに取付金具を予め取付けておく。角材
とパネル材との組立は取付金具の細長板状部材の
下向きに曲げた突端部を箱形ブラケツトの側壁の
頂端縁の窪みに嵌合させるだけでよく、解体もこ
の嵌合を外すだけでよい。このように組立、解体
はくぎ打ち、くぎ抜き作業がないため迅速に行わ
れる。また、くぎ穴の跡も残らず、材料のいたみ
もなく、従つて耐用年数が長くなり経費の節減が
図れる。

実施例 次に、図面につき本考案の実施例を説明する。

本考案による大道具セツト組立金具は、第１図
に示すように、箱形ブラケツト１とこの箱形ブラ
ケツト１に組合せて使用する取付金具２とにより
構成する。

箱形ブラケツト１は矩形の底壁３と、４個の側
壁４とにより構成する。各側壁４の頂端縁の中央
部には窪み５を形成する。図示の実施例において
は、互いに隣接する側壁の頂端縁がなすコーナー
に二等辺三角形状のコーナー部材６を固着するこ
とによつて隣接のコーナー部材間に窪み５を生ず
るようにしている。これら窪み５は側壁の頂端縁
を切欠くことによつて形成することもできるが、
コーナー部材６を設けることは箱形ブラケツトを
補強することにもなり好適である。

箱形ブラケツト１の底壁３の四隅には木ねじを
挿入するためのねじ孔７を形成し、コーナー部材
６にはドライバーを挿入するための開口８をねじ
孔７に垂直方向に整列させて形成する。

このような箱形ブラケツト１に組合せて使用す
る取付金具２は、逆Ｕ字状の溝形部材９と、この
溝形部材の頂壁に固着した細長板状部材１０とに
より構成する。この細長板状部材１０の幅は、箱
形ブラケツト１の側壁の頂端縁に形成した窪み５
の幅よりも僅かに小さいものとする。またこの細
長板状部材１０の一方の端部は溝形部材９の端部
を越えて突出する突端部１１とし、溝形部材９の
端縁から、箱形ブラケツトの側壁の厚さに相当す
る距離だけ外方に離れた位置１２で、90゜または
90゜より僅かに小さい角度にわたり下向きに折り
曲げる。突端部１１の側端縁は先細になるようテ
ーパを付けると箱形ブラケツトとの組合せが容易
になる。溝形部材９の側壁には木ねじ挿入用のね
じ孔１３を設ける。

第２図に示すように、箱形ブラケツト１は木ね
じ１４により大道具の垂直角材の頂部に取付け、
取付金具２はやはり木ねじ１４により大道具の壁
面をなすパネル材１６の頂部コーナーに取付け
る。

このように予め組立金具を取付けてある大道具
の材料の組立ては、箱形ブラケツト１の側壁４の
頂端縁の窪み５に取付金具２のフツク状の突端部
１１をパネル材の重量を利用して引掛けるだけで
よい。

このとき、溝形部材９の端縁と突端部１１の内
面との間の間〓に箱形ブラケツト１の側壁４が嵌
合した状態となり、溝形部材９の端縁は側壁４の
外面に衝合するとともに、突端部１１の折り曲げ
位置１２の内面領域は窪み５の底面に圧着し、突
端部１１の位置１２の側端縁は窪み５の側面、即
ち図示の実施例ではコーナー部材６の端部により
側方移動を制限される。従つて角材１５に対する
パネル材１６の３軸方向の移動が確実に阻止さ
れ、大道具セツトは迅速かつ強固に組立てられる
ことになる。

また大道具セツトの解体は、パネル材１６を持
ち上げて角材１５の箱形ブラケツト１とパネル材
１６の取付金具２との嵌合を外すだけでよい。

このように本考案によれば、大道具セツトの組
立、解体にくぎ打ち、くぎ抜きの作業が不要とな
り、大道具材料にくぎ穴の跡も残らず、また材料
の耐用年数も増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による大道具セツト組立金具
の実施例の分離した状態を示す斜視図、第２図
は、第１図の組立金具を使用した大道具セツトの
組立状態を示す斜視図である。 １……箱形ブラケツト、２……取付金具、３…
…底壁、４……側壁、５……窪み、６……コーナ
ー部材、７，１３……ねじ穴、８……開口、９…
…溝形部材、１０……細長板状部材、１１……突
端部、１２……折り曲げ位置、１４……木ねじ、
１５……角材、１６……パネル材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 矩形の底壁、および４個の側壁により構成し、
   各側壁の頂端縁の中央部に窪みを形成した垂直角
   材用の箱形ブラケツトと、 逆Ｕ字状の溝形部材、およびこの溝形部材の頂
   壁に固着し、かつ前記窪みの幅より僅かに小さい
   幅を有する細長板状部材により構成し、この細長
   板状部材の溝形部材の端部から突出する突端部を
   下向きに曲げたパネル材用の取付金具と、 の組合せよりなることを特徴とする大道具セツト
   組立金具。