JPH02240108A - ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

ポリマー粒子の製造方法

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JPH02240108A
JPH02240108A JP1062553A JP6255389A JPH02240108A JP H02240108 A JPH02240108 A JP H02240108A JP 1062553 A JP1062553 A JP 1062553A JP 6255389 A JP6255389 A JP 6255389A JP H02240108 A JPH02240108 A JP H02240108A
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澄 笠井
Fujio Sakurai
桜井 富士夫
Hiroshi Tadenuma
蓼沼 博
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は主として水系エマルジョンにおけるポリマー粒
子の製造方法、特にシード(種)粒子を用いるシード乳
化重合あるいはソープフリーシード重合によるポリマー
粒子の製造方法に関するものである。
[従来の技術〕 一般に、水系でのポリマーエマルジョンの合成は乳化重
合.ソープフリー重合.懸濁重合によって行われる。こ
れらの重合系で重合前に予めシードとしてポリマー粒子
を存在させるものをシード重合という。なお、シード重
合のなかには、一つの反応器のなかで引き続き次段の重
合を行ういわゆる多段重合をも含む。シード重合では、
シードによって重合中の粒子数がコントロールされるた
め、得られるポリマー粒子の粒子径を比較的自由に綱陣
できる利点があり広く利用されている。
しかしながら、シード重合において用いられるシードポ
リマー粒子は得られるポリマー粒子に比較して少量であ
ること、および多くの場合シードポリマー粒子は得られ
るポリマー粒子の内部に包埋されることから、最終的に
得られるポリマー粒子の物性に大きな影響を与えないと
信じられ、シードポリマー粒子に対して十分な検討がな
されていないのが現状であった。
ポリマーにおいて最も重要な物性因子である分子量ある
いは架橋度に関して、シードポリマー粒子のこれら物性
因子に与える影響について言及した技術資料は少ない。
一般のシード重合では、乳化重合またはソープフリー重
合で合成された通常の粒子をシードとして用いる。これ
らのシード粒子は、通常、重量平均分子量が数百万〜十
万程度、かつゲル含量が数十%〜0%の範囲にある。
これまで、シードとして低分子量のポリマー粒子を用い
たシード重合の例としては、特開昭54−97582号
および特開昭63−189413号がある。これらの技
術においては、共に低分子量のシード粒子を用いるが、
モノマーを一括で添加しこれをシード粒子に吸収させた
後に重合を行う、いわゆる一括重合方式で重合すること
を特徴としている。
一方、架橋度の高いシードポリマー粒子を用いたシード
重合の例としては、特開昭81−225208号.同8
1−22509号、同6B−72714号等がある。こ
れらの技術においては、架橋されたシード粒子を用いる
ため、シード粒子がモノマーに溶けて溶着しないために
重合時の安定性が良く、重合時に発生する凝集物が少な
いとされる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、シード重合でのシード粒子をポリマー
而で見直し、これまでのシード重合に比較して重合時の
安定性を大幅に向上させること、および重合におけるモ
ノマーの種類,組成あるいは添加剤の許容幅を大幅に拡
げることにある。
一般に、乳化重合ではその重合の機構上、モノマーの種
類.組成、安定化剤の種類,量等による制約が大きい。
具体的には、架橋度の高いモノマー組成での重合.水溶
性の高いモノマー組成での重合.安定化剤量の低いレベ
ルでの重合あるいは固形分濃度の高い重合は、いずれも
重合安定性が悪く事実上生産が困難であり、これを可能
とする重合方式の開発が望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、重量平均分子量が500〜to.oooの低
分子量ポリマー粒子を含むエマルジョンの存在下におい
て、重合性モノマーを、重合が実質的に開始された後に
連続的あるいは間欠的に添加しながら重合することを特
徴とする。
本発明によれば、従来の乳化重合法あるいは通常の分子
量のポリマーをシード粒子として用いるシード重合法に
比べ、格段に良い重合安定性が得られ、モノマーおよび
重合条件の選択の幅が大きく拡大することとなった。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の製造方法は、特定範囲の重量平均分子量を有す
る低分子量ポリマー粒子(以下、これを「低分子量シー
ド粒子」という)をシードとし、この低分子量シード粒
子の存在下において特定量の重合性モノマーを連続的あ
るいは間欠的に添加しながら重合する点に特徴を有する
一般のシード重合では、通常の分子量(重量平均分子量
が10万程度以上)のシードポリマー粒子の存在下にモ
ノマーを添加しつつ重合することが一般的であるが、こ
れではシードポリマー粒子の分子量が大きすぎるため、
本発明で目的とする重合安定性の改良が十分達成されな
い。
また、先の「従来の技術」の項で記載した低分子量のポ
リマー粒子をシードとして用いたシード重合の例では、
重合が実質的に開始される前に大部分のモノマーをシー
ドポリマー粒子に吸収させることが主要実施例となって
いる。これでは、シードポリマー粒子へのモノマー吸収
量のコントロールにおけるメリットがあるものの、本発
明で目的とする重合安定性の劇的な改良がやはり達成さ
れない。
本発明においては、重合が実質的に開始された後に大部
分のモノマーを添加しながら重合する点において、これ
らの先行技術と異なる。すなわち、本発明では全モノマ
ーのうち好ましくは70重瓜%以上、さらに好ましくは
80重量%以上、さらに好ましくは全量を、重合が実質
的に開始された後に添加する必要がある。
本発明において、重合が実質的に開始された後とは、重
合開始剤が添加されること、かつその重合開始剤のため
の重合開始条件(温度1雰囲気,撹拌等)を満たすこと
になった時点以降を意味する。
具体的には、シード重合で一般的な過硫酸塩を重合開始
剤として用いる場合には、重合容器が窒素置換され、重
合系が所定の温度まで昇湿され、さらに過硫酸塩が添加
された時点をいう。
本発明において、低分子量シード粒子の分子量は、重量
平均分子量にて500〜io.ooo、好ましくは70
0〜g.OQO 、更に好ましくはt.ooo〜6,0
00であることが必要である。
本発明において、ポリマー粒子について「重量平均分子
量」とは、当該ポリマー粒子の溶液の粘度1N定あるい
は粘度D1定値で校正されたゲルパーミエーションク口
マトグラフィ一〇PC (ポリスチレン換算)等の通常
の方法でilN定される重量平均分子量である。
低分子量シード粒子の重量平均分子量がto,000を
越えると、一般のシード重合でのシード粒子に近くなり
、重合安定性の大幅な改良が望めないほか、安定化剤の
少ない重合系.固形分濃度の高い重合系.架橋性モノマ
ーの多い重合系あるいは親水性モノマーの多い重合系で
の重合が困難となる。
また、低分子量シード粒子の重量平均分子量が500未
満のときには、その分子量が小さすぎ、上記と同様の問
題が生じる。
低分子量シード粒子の組成は、重合に用いるモノマーに
溶解または膨潤するものであれば特に制限されないが、
重合に用いるモノマーと同系統のものであることが好ま
しい。具体的には、ボリスチレン,ポリメチルメタクリ
レート.ボリn−プチルアクリレート,スチレン●ブタ
ジエン共重合体、その他のポリマー粒子が好ましく用い
られる。
低分子量シード粒子の粒子径と粒子径分布については特
に制限はないが、これによって最終的に得られる製品ポ
リマー粒子の粒子径および粒子径分布をコントロールす
ることが可能である。このため低分子量シード粒子の粒
子径と粒子径分布については、目標とする製品ポリマー
粒子の設計に合せてシード粒子と製品ポリマー粒子との
体積計算で設定するとよい。
かかる低分子量シード粒子を得る方法は特に制限される
ものではないが、例示するならば、メルカブタン系の分
子量調整剤を比較的多量に用いた乳化重合法またはソー
プフリー重合法によって合成することができる。これら
の方法によって、粒子径0.03〜2μmの範囲の低分
子量シード粒子が得られる。
本発明で用いられる低分子量シード粒子の使用割合(固
形分換算量)は、重合性モノマー100重量部に対し、
好まし《は0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜
25重量部、特に好ましくは2〜20重量部である。
低分子量シード粒子の使用割合が0.5重量部より少な
いと、本発明の実質的な効果が得られにくい。また、低
分子量シード粒子の使用割合が30重量部より大きいと
、重合安定性の面では特に問題がないが、製品ポリマー
粒子中での低分子量のシードポリマー成分が相対的に増
え、機械的強度,耐熱性等の製品性能上問題が生じる。
本発明において、重合開始前の重合系に重合性モノマー
の一部が存在してもよいが、その量は全重合性モノマー
に対し、好ましくは30重量%未満であり、さらに少な
いことが好ましい。
重合開始後におけるモノマーの添加は連続的また間欠的
に行われるが、その添加速度は重合の進行に伴って設定
されるべきであり、好ましくは重合の各時点において重
合系内の重合転化率を50%程度以上に維持されるもの
とする。
本発明においては、必要に応じて、重合の進行に伴って
添加する重合性モノマーの組成を連続的また多段階的に
変化させることも可能である。
また、重合性モノマーの添加所要時間は、好ましくは3
0分以上、更に好ましくは60分以上、特に好ましくは
120分以上である。
本発明で用いられる重合性モノマーは特に制限されず、
水系でラジカル重合が可能であればよい。
重合性モノマーの具体例としては、以下のものを例示す
ることができる。
芳香族ビニル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホ
ン酸、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、 脂肪族ジエン化合物;1.3−ブタジエン、イソブレン
、1.4−へキサジエン、 エチレン系不飽和カルボン酸エステル化合物;メチルア
クリレート、メチルメタクリレート、プチルアクリレー
ト、2−エチルへキシルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、ラウリルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、ハロゲン系不飽和化合物;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、臭化ビニル、 有機酸ビニル化合物;酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル
、 七ノまたはジカルボン酸系化合物;アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびこれ
らジカルボン酸の酸無水物またはモノアルキルエステル
、 モノアミド化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド
、 その他、インブレンスルホン酸、2−アクリルアミドー
2−メチルプロパンスルホン酸、N−メチロールメタク
リルアミド 等の各種官能基含有モノマーも使用することができる。
本発明の製造方法の利点は、従来の一般的なシード粒子
を用・いたシード重合法および低分子量シード粒子を用
いてモノマーを一括重合する重合法と比較して重合安定
性が格段に良いことである。
本発明の利点を発揮するタイプの重合系には次の(!)
〜(IV)のものがあり、本発明を良好に適用すること
ができる。
(1)安定化剤量の少ない重合系 界面活性剤.分散剤,保護コロイド等の安定化剤が少な
い重合系では、必然的に重合安定性が悪化し、重合時の
凝固物量が増大し、著しいときには重合系がゲル化する
こととなる。
本発明の重合法を用いると、これらの場合において重合
安定性の改善が顕著に得られる。具体的には、重合性モ
ノマー100重量部に対し界面活性剤0.1重量部以下
の重合系、あるいは界面活性剤の臨界ミセル形成濃度(
C.M,C,)以下の重合系であっても、高い重合安定
性を維持しながらシード重合を行うことができ、これら
の重合系は本発明の重合方法の効果が顕著な例として示
される。
(■)固形分濃度の高い重合系 一般に乳化重合で得られるポリマーエマルジッンの固形
分濃度は40〜50重量%程度である。
重合プロセスにおいて特別な工夫を施したり、あるいは
重合後にエマルジッンの濃縮を行うことにより、固形分
濃度が50〜60重量%程度の製品が得られるが、これ
らの製法の場合、ポリマー粒子の粒子径が大きくかつ粒
子径分布がブロードである、あるいは乳化剤量が多量に
必要である等の制約が大きい。
本発明の製造方法を用いると、比較的容易にかつ幅広い
適用範囲において、高い固形分濃度、具体的には55重
量%以上の固形分濃度の重合が可能となる。
(1)架橋性モノマー量の多い重合系 乳化重合あるいはソープフリー重合においては、その重
合機構は、重合初期に微小粒子が多量に発生するが、こ
れが凝集・融合して一定数の最終ポリマー粒子の元とな
る核粒子を生成する。以降この核粒子がモノマーを吸収
しながら重合が進行してポリマー粒子が肥大化するもの
とされている。
ところが、一般の乳化重合処方では、モノマー組成にお
ける架橋性モノマーの割合が数重量%程度以上となると
、その架橋のために前記核粒子が融合できないほか、モ
ノマー吸収能力が小さくなり、その後のモノマー吸収に
よる肥大化成長が十分達成できない。このために、重合
系には微少粒子が多量に生成することとなってコロイド
化学的な安定性が損われ、重合安定性が劣悪となる。
本発明の製造方法では、架橋性モノマーの量にはほとん
ど無関係に安定に重合することが可能である。これによ
り、従来困難であった、乳化重合の粒子径範囲(0.1
〜0.5μm)で架橋性モノマーが全重合性モノマーに
対して10〜100重量%を占める超高架橋度のポリマ
ーラテックスを容易に合成することができる。
なお、先に記した低分子量のシードポリマー粒子を用い
た一括重合によっても、部分的にはこの種の超高架橋度
のポリマーラテックスを合成可能である。しかし、本発
明のシード重合法は、前記一括重合法に比べ、重合安定
性がさらに良く、また重合の適用範囲が大きく、従来困
難とされていた重合条件下での重合を可能とした。
架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンに代表され
る非共役ジビニル化合物、あるいはトリメチロールプロ
パントリメタクリレート,トリメチロールブロバントリ
アクリレート等の多価アクリレート化合物など、2個以
上、好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物
を用いることができる。本発明に使用できる多価アクリ
レート化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。
ジアクリレート化合物 ポリエチレングリコールジアクリレート、1.3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1.6ーヘキサングリ
コールジアクリレート、ネオベンチルグリコールジアク
リレート、ボリブロピレングリコールジアクリレート、
2.2”−ビス(4一アクリロキシブ口ビ口キシフェニ
ル)プロパン、2.2゛−ビス(4−アクリロキシジエ
トキシフェニル)プロパン トリアクリレート化合物 トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレート テトラアクリレート化合物 テトラメチロールメタンテトラアクリレートジメタクリ
レート化合物 エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1
.4−ブチレングリコールジメタクリレート、1.6−
ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオベンチルグ
リコールジメタクリレート、ジブロビレングリコールジ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリ
レート、2.2−−ビス(4−メタクリ口キシジエトキ
シフェニル)プロパン トリメタクリレート化合物 トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート。
(IV)水溶性モノマー量の多い重合系前記(m)と同
じく、乳化重合,ソープフリー重合さらには懸濁重合で
は、水溶性モノマー量が全重合性モノマーに対し10重
量%を越えるようになると、一般的には重合系が不安定
になって重合安定性が劣悪となる。
本発明の製造方法では、10重量%を越える水溶性モノ
マー含量であっても、良好な重合安定性で重合を維持す
ることができる。
なお、ここで水溶性モノマーとは、25℃における水に
対する溶解度が5重量%以上であるラジカル重合性モノ
マーをいう。
このような水溶性モノマーを具体的に例示すると、アク
リル酸.メタクリル酸.イタコン酸,ヒドロキシアクリ
レート.ヒドロキシメタクリレート.アクリ口ニトリル
.メチルアクリレート.アク口レイン等である。
[実施例] 以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
以下の記載でr部」および「%」は重量部および重量%
を意味する。
(1)低分子量シード粒子の合成 スチレン               93部メタク
リル酸              7部t−ドデシル
メル力ブタン       10部ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム  0.1部過硫酸カリウム   
          0.5部水          
                 250部以上の物
質を窒素雰囲気のオートクレープに入れ、撹拌しながら
80℃で15時間重合を行った。
これにより、重合収率98%で平均粒子径04lOμm
の低分子量シード粒子(A)を得た。
このシード粒子(A)はトルエン溶解分99%、GPC
で測定した分子量(ボリスチレン換算)は重量平均分子
量(Mw) −5.500数平均分子量( M n )
 = 3.700であった。
次に、t−ドデシルメル力ブタンの量を、1部,5部.
25部および100部とした他はシード粒子(A)と全
く同様にしてシード粒子(B).(C).(D)および
(E)を得た。
これら低分子量シード粒子の粒子径,重量平均分子量お
よびトルエンゲル含量を第1表に示す。
(以下、余白) 第1表 (以下、余白) (2)低分子量シード粒子を用いたシード重合実施例1 シード粒子(A)(固形分換算)    10部ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム  0.7部過硫酸カ
リウム             0.3部水    
                      300
部容量10!のオートクレープに窒素雰囲気下において
上記物質を入れ、撹拌しながら75℃に昇温した後、次
のモノマー混合物を一定速度で6時間かけてゆっくり連
続添加した。
スチレン           80部ブタジエン  
        20部モノマー混合物の1/2を添加
した時点およびモノマー混合物の全量を添加した時点で
の重合転化率を測定したことろ、それぞれ87%および
92%であった。
モノマー混合物を全量添加した後、さらに3時間にわた
り75℃に保ったところ、優良な重合安定性で重合が完
結し、重合転化率は最終的に99%となった。
得られた重合体ラテックスを300メッシュの金網でろ
過したところ、金網上の凝固物量はラテックス固形・分
全体に対し0.001重量%以下であった。
実施例2,3、比較例1〜3 シード粒子としてシード粒子(A)の代りに(B)〜(
E)および市販のポリマーラテックス(日本合成ゴム■
製スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス# 054
1 .平均粒子径0.18μm, Mw54万,トルエ
ンゲル含量70%)のそれぞれを用いたほかは実施例1
と同様の実験を行い、5種の重合体ラテックスを得た。
これらの重合体ラテックスにおける重合転化率.平均粒
子径および凝固物量を第2表に示す。
比較例1においては、シードとして市販ポリマーラテッ
クスを用いており、シード粒子の分子量が本発明の範囲
外にあるため、重合が可能であるが、重合安定性がやや
悪く凝固物量が多かった。
また、比較例2および比較例3においては、シード粒子
は低分子量ではあるが、その分子量が本発明の範囲から
外れているため、重合安定性が十分でなく凝固物量が多
かった。
これに対し、実施例1,2.3は重合安定性が非常に良
く、凝固物の発生は皆無に近かった。
比較例4 シード粒子を用いないほかは実施例1と同様にして重合
を行った。この例では、シード粒子が存在しないために
粒子径のコントロールが困難となって大粒子となっただ
けでなく、重合安定性も劣るものとなった。
比較例5 シード粒子を用いるバッチ重合として、次の重合を行っ
た。
シード粒子(A)(固形分換算)    10部ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム  0.7部過硫酸カ
リウム             0.3g水    
                       30
0部スチレン               80部プ
タジエン               20部容量1
0lのオートクレープに窒素雰囲気下において上記の物
質を入れ、30℃で2時間撹拌を行ってシード粒子に十
分にモノマーを吸収させた。
その後、75℃に昇温しで重合を開始し、そのまま12
時間重合を行った。結果を第2表に示す。
比較例5では重合操作は可能であるが、重合安定性がや
や悪く、凝固物量が多いものであった。
比較例6 シード粒子を用いないバッチ重合としてシード粒子(A
)がないほかは比較例5と同様にして重合を行った。結
果を第2表に示す。
比較例6では重合安定性が悪く、凝固物量が多いもので
あった。
(3)界面活性剤濃度の低い系における重合実施例4〜
6,比較例7〜12 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量をo.og
@としたほかは実施例1〜3,比較例1〜6とそれぞれ
同様にして、界面活性剤濃度の低い条件での重合を行っ
た。
これを実施!PiI4〜6,比較例7〜12とする。
結果を第3表に示す。
なお、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミ
セル形成濃度(C,M.C,)は60℃においてO.0
42%であり、上記実験条件はC.M.C.の6396
に相当する。
比較例7は、シードとして市販ポリマーラテックスを用
いており、シード粒子の平均分子量が本発明の範囲外の
例である。比較例9は、シード粒子の分子量が本発明の
範囲外にあ7て過少の場合の例である。比較例10は、
シード粒子を使用せずにモノマーを連続的に添加して重
合した例である。比較例12は、やはりシード粒子を用
いずに、モノマーを一括添加して重合を行った例である
これらの比較例においては、いずれも重合安定性が劣悪
で、重合途中で系がゲル化した。
比較例8は、シード粒子の分子量が本発明の範囲外にあ
って過大の場合の例である。比較例11はモノマーを一
括添加して重合した場合の例である。これらの比較例に
おいては、いずれも重合は完結j5たものの凝固物量の
発生が多く、重合安定性が劣悪であった。
これに対し、実施例4〜6は重合安定性が極めて良く、
凝固物の発生は極めて少なかった。
(4)固形分濃度の高い系における重合実施例7〜9.
比較例13〜18 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2部,水を8
5部,モノマー組成を スチレン           55部ブタジエン  
        40部メタクリル酸        
  5部としたほかは、実施PR1〜3,比較f!41
〜6とそれぞれ同様にして固形分濃度の高い重合を行っ
た。
これを実施例7〜9,比較例13〜18とし、結果を第
4表に示す。
比較例13は、シードとして市販のポリマーラテックス
を用いており、シード粒子の分子mが極めて過大の例で
ある。比較例14は、シード粒子の分子量が本発明の範
囲外にあって過大の例である。比較例15は、シード粒
子の分子量が本発明の範囲外にあって過少の例である。
比較例16は、シード粒子を使用しないでモノマーを連
続的に添加した例である。比較例18は、シード粒子を
使用しないでモノマーを一括に添加した例である。
これらの比較例の場合には、いずれも重合完結まで重合
系を維持することができず、重合途中で系がゲル化した
比較例17は、モノマーを一括添加した例であり、この
場合には重合が完結したが、凝固物の発生が多量であっ
た。
これに対し、実施例7〜9においては、重合安定性が極
めて良好であって、凝固物の発生は極めて少な《、かつ
得られた重合体ラテックスにおける固形分濃度はいずれ
も55%以上と高いものであった。
(5)架橋性モノマー含量が多い モノマー組成での重合 実施例10〜12.比較例19〜24 モノマー組成を スチレン             85部ジビニルベ
ンゼン(有効成分換算) 15部、としたほかは、実施
Ml〜3.比較例1〜6とそれぞれ同様にして架橋性モ
ノマー含量が15%のモノマー組成での重合を行った。
これを実施例10〜12.比較例19〜24とし、結果
を第5表に示す。
比較例19は、シードとして市販のポリマーラテックス
を用いており、シード粒子の分子量が極めて過大の例で
ある。比較例20は、シード粒子の分子量が本発明の範
囲外にあって過大の例である。比較例21は、シード粒
子の分子量が本発明の範囲外にあって過少の例である。
比較例22は、シード粒子を使用しないでモノマーを連
続的に添加した例である。比較例24は、シード粒子を
使用しないでモノマーを一括に添加した例である。
これらの比較例の場合には、いずれも重合完結まで重合
系を維持することができず、重合初期にゲル化した。
比較例23はモノマーを一括添加した例であり、この場
合には重合が完結したが凝固物の発生が多量であった。
これに対し、実施例10〜12は重合安定性が極めて良
好であって、凝固物の発生は極めて少なかった。
実施例13〜15,比較例25〜30 モノマー組成を 市販ジビニルベンゼン    100部(有効成分55
%、残余はエチルビニルベンゼン)としたほかは、実施
例10〜12,比較例19〜24とそれぞれ同様にして
、架橋性モノマー含量が55%であるモノマー組成での
重合を行った。
これを実施例13〜15.比較f125〜30とし、結
果を第6表に示す。
比較例25は、シードとして市販のポリマーラテックス
を用いており、シード粒子の分子量が極めて過大の例で
ある。比較例26は、シード粒子の分子量が本発明の範
囲外にあって過大の例である。比較例27はシード粒子
の分子量が本発明の範囲外にあって過少の例である。比
較例28はシード粒子を使用しないでモノマーを連続的
に添加した例である。比較例29はモノマーを一括添加
した例である。比較例30はシード粒子を使用しないで
モノマーを一括に添加した例である。これらの比較例の
場合には、いずれも重合完結まで重合系を維持すること
ができず、重合途中で系がゲル化した。
これに対し、実施例13〜15は重合安定性が極めて良
好であって、凝固物の発生は極めて少なかった。
(6)水溶性モノマー含量の多い モノマー組成での重合 実施例16〜18.比較例31〜36 モノマー組成を スチレン             65部ヒドロキシ
エチルアクリレート   10部メタクリル酸    
        5部アクリロニトリル       
  20部としたほかは、実施例1〜3.比較例1〜6
とそれぞれ同様にして、水溶性モノマー含量が高いモノ
マー組成での重合を行った。これを実施例16〜18,
比較例31〜36とし、結果を第7表に示す。
比較例31は、シードとして市販のポリマーラテックス
を用いており、シード粒子の分子量が極めて過大の例で
ある。比較例32は、シード粒子の分子量が本発明の範
囲外にあって過大の例である。比較例33は、シード粒
子の分子量が本発明の範囲外にあって過少の岡である。
比較例34は、シード粒子を使用しないでモノマーを連
続的に添加した例である。比較例36は、シード粒子を
使用しないでモノマーを一括に添加した例である。
これらの比較例の場合にはいずれも重合完結まで重合系
を維持することができず、重合途中で系がゲル化した。
比較例35は、モノマーを一括添加した例であり、この
場合には重合が完結したが、凝固物の発生が多量であっ
た。
これに対し、実施例16〜18は重合安定性が極めて良
好であって、凝固物の発生は極めて少なかった。
〔発明の効果】
本発明が提供するシード重合による製造方法を用いると
、従来の通常のシード重合法と比べて、格段に重合安定
性の良い重合を行うことができる。
これによって凝固物の少ないポリマーエマルジョンが得
られ、エマルジョン製品としての品質而で改良されるだ
けでなく、製造面においても重合容器の汚れが少なく、
エマルジジンの濾過性が良いなど生産性が著しく改良さ
れる。
また、本発明の製造方法によって、界面活性剤などの安
定化剤含量が少ない重合,固形分濃度の高い重合.架橋
性モノマーの含有割合が高い重合あるいは水溶性モノマ
ーの含有割合が高い重合等、従来の重合法では困難であ
ったこれら重合が可能となり、水系の乳化重合またはソ
ープフリー重合の適用範囲を大きく拡大することが可能
となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量平均分子量が500〜10,000の低分子
    量ポリマー粒子を含むエマルジョンの存在下において、
    重合性モノマーを、重合が実質的に開始された後に連続
    的あるいは間欠的に添加しながら重合することを特徴と
    するポリマー粒子の製造方法。
  2. (2)請求項(1)において、重合時における界面活性
    剤の水中濃度が臨界ミセル形成濃度(C.M.C.)以
    下であるポリマー粒子の製造方法。
  3. (3)請求項(1)おいて、重合後の固形分濃度が55
    重量%以上であるポリマー粒子の製造方法。
  4. (4)請求項(1)において、全重合性モノマーに対す
    る架橋性モノマーの割合が10重量%以上であるポリマ
    ー粒子の製造方法。
  5. (5)請求項(1)において、全重合性モノマーに対す
    る水溶性モノマーの割合が10重量%以上であるポリマ
    ー粒子の製造方法。
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