JPH07228611A - ポリマーエマルジョン - Google Patents

ポリマーエマルジョン

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JPH07228611A
JPH07228611A JP6039340A JP3934094A JPH07228611A JP H07228611 A JPH07228611 A JP H07228611A JP 6039340 A JP6039340 A JP 6039340A JP 3934094 A JP3934094 A JP 3934094A JP H07228611 A JPH07228611 A JP H07228611A
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JP
Japan
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polymer particles
emulsion
polymer
weight
polymerization
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Application number
JP6039340A
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English (en)
Inventor
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Minori Kondou
みのり 近藤
Satoshi Ishikawa
悟司 石川
Toru Masukawa
亨 増川
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters
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    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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    • C08F285/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to preformed graft polymers
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    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S525/00Synthetic resins or natural rubbers -- part of the class 520 series
    • Y10S525/902Core-shell

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固形分濃度を高くしても、重合安定性・貯蔵
安定性が良好で、低粘度特性が維持され、取扱いが容易
で施工性が良好なポリマーエマルジョンの提供。重合安
定性、貯蔵安定性、施工性が良好で、製造・スペース・
輸送・エネルギー・作業等各効率の高いポリマーエマル
ジョンの提供。耐水性皮膜を形成することができるポリ
マーエマルジョンの提供。滑り性の付与効果や光学的特
性の向上効果に優れたポリマーエマルジョンの提供。樹
脂フィルムの改質剤として良好なポリマーエマルジョン
の提供。 【構成】 ポリマー粒子の重量平均粒子径(Dw)が
0.05〜2μmの範囲にあり、かつ、1.3×Dw
より大きい大径側ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子
の5重量%以下であり、0.8×Dwより小さい小径
側ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子の2重量%以上
20重量%以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリマーエマルジョンに
関し、更に詳しくは、分散質であるポリマー粒子が特定
の粒子径分布を有するポリマーエマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレン−ブタジエン系ラテ
ックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、
クロロプレン系ラテックス、アクリル系エマルジョン、
酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン系エマルジョン、
ジビニルベンゼン系エマルジョンなどのポリマーエマル
ジョンが工業化されており、各種の用途、例えば繊維加
工剤、紙用コーティング剤、接着剤、塗料、有機顔料な
どの用途に供されている。また、樹脂フィルムにおける
耐ブロッキング性や表面の滑り性を向上させるための樹
脂フィルム用改質剤として、架橋ポリマー粒子が分散さ
れてなるエマルジョンが知られている。
【0003】そして、このような用途にポリマーエマル
ジョンを使用する場合においては、ポリマー粒子の分散
媒である水を加熱等の操作によって蒸発除去し、これに
よって、ポリマーによる接着性、皮膜特性、粒子形態に
基づく諸特性を発現させる。このため、ポリマー粒子の
割合が高くて分散媒の割合が低いエマルジョンほど、す
なわち、固形分の割合が高いポリマーエマルジョンほど
エネルギー効率や作業効率の観点から好ましいといえ
る。また、ポリマーエマルジョンを製造し、貯蔵し、輸
送する際における製造効率、スペース効率、輸送効率な
どの観点からも、固形分の割合が高いポリマーエマルジ
ョンが有利である。
【0004】しかしながら、ポリマー粒子の割合が高く
なると、ポリマー粒子同士の接触の機会が増加して凝集
しやすくなり、重合安定性(製造安定性)や貯蔵安定性
が損なわれるという問題がある。そして、例えば樹脂フ
ィルム用改質剤として用いられるエマルジョンのよう
に、架橋ポリマー粒子が分散されてなるエマルジョンに
あっては、当該架橋ポリマー粒子を合成する際に粒子同
士の凝集が特に生じやすい。また、分散媒の割合が過少
となるために、エマルジョンの粘度が高くなって取扱い
が困難となり、施工性が損なわれるという問題もある。
【0005】このような理由から、ポリマーエマルジョ
ンにおいて高固形分化を図ることは極めて困難であり、
現在工業化されているエマルジョンにおいて、その固形
分濃度は通常50重量%以下とされ、特に、架橋ポリマ
ー粒子のエマルジョンにあっては、重合反応時の凝集を
避けるために固形分濃度をかなり低く設定しなければな
らない。
【0006】一方、樹脂フィルムの滑剤や白色性付与の
ための有機顔料など、粒子形態に基づく特性を利用する
場合において、フィルム表面に付与される滑り性や粒子
の光学的特性を向上させるなどの観点から、粒子径分布
がある程度広いものが実用上好ましい場合がある。例え
ば、粒子径分布が狭い粒子(粒子径が均一な系)を用い
る場合には、フィルム内部およびフィルム表面において
特定の波長光のみが散乱されるため、透過光および反射
光が着色するという光学特性上の問題がある。一般に、
粒子径分布がある程度広い場合には、種々の波長の光が
散乱されるために着色の問題は生じない。一方、粒子径
の大きすぎるものが混在する粒子を用いる場合には、フ
ィルムの表面平滑性が損なわれるため好ましくない。
【0007】そこで、ポリマーエマルジョンを構成する
ポリマー粒子の粒子径分布を広いものとするための手段
として、粒子径の異なる2種類以上のポリマー粒子を混
合する手段が行われているが、このような手段は煩雑で
あるうえ、光学特性上の着色の問題を完全に解決するこ
とはできない。粒子径の異なる2種以上のポリマー粒子
を混合すると、粒子径が均一な系よりはフィルムに添加
した場合の光の散乱はある程度改善されるものの、まだ
十分ではない。また、重合で直接高固形分のスラリーが
得られないため、混合後に濃縮するという工程が新たに
必要となり好ましくない。
【0008】また、例えばエマルジョンを強攪拌した
り、電解質を添加したり、冷凍した後に解凍するなどし
てポリマー粒子の一部を凝集させる手段も知られている
が、このような手段は、ポリマーが粘着性であることが
必要であり、また、コロイド的分散安定性が良好なポリ
マーエマルジョンには適用できず、粒子径分布の広いポ
リマーエマルジョンを得ることができない。
【0009】また、重合反応の途中で乳化剤を添加する
ことにより、新粒子を発生させながら重合する方法も行
われているが、多量の乳化剤を添加する必要があり、そ
して、このようなエマルジョンにより形成された皮膜は
耐水性に劣るものとなる。
【0010】また、粒子径の異なる2種類以上のシード
粒子の存在下にシード重合を行うことも検討されている
が、シード粒子における粒子径の差は、シード重合によ
って各粒子が肥大化されるに伴って小さくなってしまう
ことが知られており〔J.Polymer Sci.,
20 225(1956)参照〕、この手段によって
も、粒子径分布の広いポリマーエマルジョンを得ること
ができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基いてなされたものである。本発明の第1の目
的は、固形分濃度を高くしてもポリマー粒子の凝集が生
じにくく、重合安定性や貯蔵安定性が良好であるポリマ
ーエマルジョンを提供することにある。本発明の第2の
目的は、固形分濃度を高くしてもエマルジョンの好適な
粘性(低粘度特性)が維持され、取扱いが容易で施工性
が良好なポリマーエマルジョンを提供することにある。
本発明の第3の目的は、重合安定性、貯蔵安定性および
施工性が良好であるとともに、固形分濃度を高く設定で
きることによって、製造効率、スペース効率、輸送効
率、エネルギー効率、作業効率の高いポリマーエマルジ
ョンを提供することにある。本発明の第4の目的は、耐
水性に優れた皮膜を形成することができるポリマーエマ
ルジョンを提供することにある。本発明の第5の目的
は、粒子形態に基づく特性を利用する場合において、滑
り性の付与効果や光学的特性の向上効果に優れたポリマ
ーエマルジョンを提供することにある。本発明の第6の
目的は、樹脂フィルムにおけるブロッキング防止剤・表
面の滑剤として良好な品質を有するポリマーエマルジョ
ンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のポリマーエマル
ジョンは、ポリマー粒子の重量平均粒子径(Dw)が
0.05〜2μmの範囲にあり、かつ、ポリマー粒子の
粒子径分布が下記の条件および条件を満たすことを
特徴とする。 条件:1.3×Dwより大きい粒子径を有する大径側
ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子の5重量%以下で
あること。 条件:0.8×Dwより小さい粒子径を有する小径側
ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子の2重量%以上2
0重量%以下であること。
【0013】また、本発明のポリマーエマルジョンにお
いては、シードポリマー粒子1重量部を含む水性分散体
に、5重量%以上の割合で架橋性モノマーを含む重合性
モノマーを1〜49重量部を添加し、シードポリマー粒
子に重合性モノマーを吸収させて重合することにより得
られるものであることが好ましい。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリマーエマルジョンは、分散質であるポリマー
粒子が特定の粒子径分布を有する点に特徴を有する。
【0015】本発明を構成するポリマー粒子の重量平均
粒子径(Dw)としては0.05〜2μmの範囲とさ
れ、好ましくは0.1〜1μm、更に好ましくは0.2
〜0.8μmの範囲とされる。重量平均粒子径が0.0
5μm未満である場合には、エマルジョンの粘度が高く
なりやすいので取扱いが困難となり施工性に劣るものと
なる。また、多量の乳化剤が必要となるため、このよう
なエマルジョンにより形成された皮膜は耐水性に劣るも
のとなる。一方、重量平均粒子径が2μmを超える場合
には、ポリマー粒子が沈降しやすくなるので好ましくな
い。
【0016】本発明において、重量平均粒子径の1.3
倍(1.3×Dw)を超える粒子径を有するポリマー粒
子(大径側ポリマー粒子)の割合は、全ポリマー粒子の
5重量%以下とされ、好ましくは1重量%以下とされ
る。このように、大径側ポリマー粒子が殆ど含有されて
いないことにより、ポリマー粒子による優れた皮膜特性
(皮膜の均一性)が発揮される。大径側ポリマー粒子の
割合が5重量%を超える場合には、皮膜特性が損なわれ
て皮膜の光沢性や表面平滑性に劣るものとなる。また、
大径側ポリマー粒子の割合が5重量%を超えるエマルジ
ョンを樹脂フィルムの改質剤として用いた場合には、フ
ィルム表面における平滑性が不良となり、そのため、フ
ィルムに傷が発生したり、粉落ち現象が生じたりする、
などの問題がある。
【0017】また、本発明において、重量平均粒子径の
0.8倍(0.8×Dw)未満の粒子径を有するポリマ
ー粒子(小径側ポリマー粒子)の割合は、全ポリマー粒
子の2〜20重量%とされ、好ましくは5〜10重量%
とされる。小径側ポリマー粒子の割合が2重量%以上で
あることにより、ポリマー粒子の粒子径分布が広いもの
となって固形分濃度を高くすることができる。すなわ
ち、粒子径分布が広い系においては、大径側ポリマー粒
子同士の隙間に中程度の粒子径を有するポリマー粒子が
入り込み、更にそれら粒子同士の隙間に小径側ポリマー
粒子が入り込むため、高固形分化を達成することができ
るものと考えられる。小径側ポリマー粒子の割合が2重
量%未満である場合には、ポリマー粒子の粒子径分布が
実質的に単分散となるため、固形分濃度を高くすること
が困難となる。一方、小径側ポリマー粒子の割合が20
重量%を超える場合には、粘度が高くなりすぎて高固形
分化を図ることができなくなり、また、樹脂フィルム用
の改質剤として用いた場合において、当該樹脂フィルム
の耐ブロッキング性を十分に向上させることができな
い。
【0018】更に、本発明においては、重量平均粒子径
の0.9倍乃至1.1倍(0.9×Dw〜1.1×D
w)の粒子径を有するポリマー粒子の割合が、全ポリマ
ー粒子の90重量%以下であることが好ましく、更に好
ましくは80重量%以下とされる。斯かる粒子径範囲の
ポリマー粒子の割合が90重量%以下であることによ
り、ポリマー粒子の粒子径分布が広いものとなって固形
分濃度を高くすることができる。この割合が90重量%
を超える場合には、ポリマー粒子の粒子径分布が実質的
に単分散となるため、固形分濃度を高くすることが困難
となる。
【0019】本発明において、ポリマー粒子を構成する
ポリマー材料としては特に限定されるものではなく、公
知の重合性モノマーの重合反応により得られるポリマー
材料を挙げることができる。
【0020】斯かる重合性モノマーとしては、通常の乳
化重合に供されるモノマーを挙げることができ、例えば
スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレ
ン、フルオロスチレン、ビニルピリジン等の芳香族ビニ
ル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル化合物;ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート、
N,N' −ジメチルアミノエチルアクリレート等のアク
リル酸エステル;ブチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、
N,N' −ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメ
タクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸等のモノまたはジカルボン酸、およ
びジカルボン酸の酸無水物;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド等のアミド系化合物;ブタジエン、イソプレン
等の共役二重結合化合物;酢酸ビニル等のビニルエステ
ル化合物;4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィ
ン化合物などを例示することができる。これらの重合性
モノマーは、単独で、あるいは2種以上を混合して用い
ることもできる。
【0021】また、ポリマー材料としては、架橋性モノ
マーを含む重合性モノマーの重合反応により得られる架
橋ポリマー材料であってもよい。
【0022】斯かる架橋性モノマーとしては、ジビニル
ベンゼンに代表される非共役ジビニル化合物、あるいは
トリメチロールプロパントリメタクリレートに代表され
る多価アクリレート化合物などの、2個以上の共重合性
二重結合を有する化合物を好ましく用いることができ
る。
【0023】ここで、多価アクリレート化合物の例とし
ては、次の化合物を挙げることができる。 〔ジアクリレート化合物〕ポリエチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、2,2' −ビス(4−アクリ
ロキシプロピロキシフェニル) プロパン、2,2' −ビ
ス(4−アクリロキシジエトキシフェニル) プロパン。
【0024】〔トリアクリレート化合物〕トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート。
【0025】〔テトラアクリレート化合物〕テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート。
【0026】〔ジメタクリレート化合物〕エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチ
レングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、
2,2' −ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン。
【0027】〔トリメタクリレート化合物〕トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタ
ントリメタクリレート。
【0028】〔テトラメタクリレート化合物〕テトラメ
チロールメタンテトラメタクリレート。
【0029】以上の化合物うち、特にジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレートまたはトリメ
チロールプロパントリメタクリレートを用いることが好
ましい。また、これらの架橋性モノマーは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0030】本発明のポリマーエマルジョンを製造する
場合には、シード乳化重合法、すなわち、シードポリマ
ー粒子を含む水性分散体に重合性モノマーを添加し、シ
ードポリマー粒子に重合性モノマーを吸収させて乳化重
合する方法を好ましく適用することができる。
【0031】ここで、シードポリマー粒子としては、平
均粒子径が0.01〜0.5μmの粒子であれば特に限
定されるものではない。シードポリマー粒子を構成する
ポリマー材料としては、例えばスチレン系、アクリル
系、スチレン/ブタジエン系、ジビニルベンゼン系、ポ
リエステル系、酢酸ビニル系などのポリマーを挙げるこ
とができる。
【0032】このシード乳化重合法において、重合性モ
ノマーの添加方法としては、 重合性モノマーの全部
を予め反応器に仕込む方法、 重合性モノマーの一部
を予め反応器に仕込み、次いで、残部を連続的または間
欠的に添加する方法、 重合性モノマーの全部を連続
的または間欠的に添加する方法の何れの方法を用いても
よい。
【0033】また、このシード乳化重合法において、シ
ードポリマー粒子の添加方法としては、 シードポリ
マー粒子の一部を予め反応器に仕込み、次いで、残部を
連続的または間欠的に添加する方法、 シードポリマ
ー粒子の全部を連続的または間欠的に添加する方法の何
れか方法を用いることができる。
【0034】好ましい方法の一例を示せば、シードポリ
マー粒子の一部および重合開始剤が仕込まれている反応
器に、シードポリマー粒子の残部および重合性モノマー
を連続的または間欠的に添加しながら重合する方法を挙
げることができる。このような方法において、シードポ
リマー粒子の使用量(全使用量、並びに、予め仕込まれ
る一部の量と添加される残部の量との比)を調整するこ
とにより、ポリマー粒子の重量平均粒子径(Dw)およ
び粒子径分布をコントロールすることができる。
【0035】また、架橋ポリマー粒子が分散されてなる
ポリマーエマルジョンを製造する場合には、当該架橋ポ
リマー粒子を合成時における粒子同士の凝集を抑制して
重合安定性を図る必要がある。このため、架橋ポリマー
粒子が分散されてなるエマルジョンを製造する場合に
は、シードポリマー粒子1重量部を含む水性分散体に、
5重量%以上の割合で架橋性モノマーを含む重合性モノ
マーを1〜49重量部を添加し、シードポリマー粒子に
重合性モノマーを吸収させて重合するシード乳化重合法
を好ましく適用することができる。
【0036】上記のようなシード乳化重合法を適用して
製造される本発明のエマルジョンは、重合安定性、貯蔵
安定性および施工性に特に優れ、固形分濃度を高く設定
することができる。その理由を以下に説明する。
【0037】乳化重合法においては、重合初期に微小粒
子が多量に発生し、これが凝集・融合することにより、
目的とするポリマー粒子のもととなる核粒子を生成す
る。そして、この核粒子がモノマーを吸収しながら重合
が進行して粒子を肥大化させるものとされている。とこ
ろが、通常の乳化重合法では、モノマー組成における架
橋性モノマーの割合が数重量%程度以上になると、その
架橋のために前記核粒子が融合できないほか、当該核粒
子におけるモノマー吸収能力が小さくなり、その後のモ
ノマー吸収による肥大化生長が十分達成できない。この
ため、重合系に微小粒子が多量に存在することになって
コロイド化学的な安定性が損なわれ、重合安定性が劣る
ことになる。これに対して、上記のようなシード乳化重
合法を適用すれば、架橋性モノマーの量には殆ど無関係
に安定に重合することが可能となる。これにより、乳化
重合法では困難とされていた粒子径(重量平均粒子径:
0.05〜2μm)の架橋ポリマー粒子が分散されてな
る、重合安定性、貯蔵安定性および施工性に優れたエマ
ルジョンを容易に製造することができる。
【0038】ここで、シードポリマー粒子としては上記
に例示したものを挙げることができ、更に、本発明のエ
マルジョンを構成するポリマー粒子(特定の重量平均粒
子径および特定の粒子径分布を有するポリマー粒子)を
シードポリマー粒子として用いることもできる。シード
ポリマー粒子は、架橋ポリマー粒子であってもよいが、
重合安定性の観点からは架橋されていない粒子であるこ
とが好ましい。
【0039】上記のシード乳化重合法において、重合性
モノマーの使用量としては、シードポリマー粒子1重量
部に対して1〜49重量部であることが好ましい。この
使用量が1重量部未満である場合には、シードポリマー
粒子の比率が大きすぎ、得られる架橋ポリマー粒子の機
械的強度および耐熱性が不十分となる傾向がある。一
方、重合性モノマーの使用量が49重量部を超える場合
には、シードポリマー粒子のモノマー吸収能力が不足し
てシードポリマー粒子に吸収されないモノマー量が増え
るために重合安定性が損なわれやすい。
【0040】上記のシード乳化重合法において、重合性
モノマー中における架橋性モノマーの含有割合として
は、5重量%以上であることが好ましく、更に好ましく
は10重量%以上とされる。架橋性ビニルモノマーの含
有割合が5重量%未満である場合には、架橋性ポリマー
に要求される機械的特性、耐熱性、耐ブロッキング性等
が十分に発揮されないことがある。
【0041】本発明のポリマーエマルジョンを使用する
場合における使用形態としては、 ポリマー粒子の分散液(エマルジョン)の形態での
使用、 エマルジョンの形態で添加し、その後、分散媒を除
去する方法での使用、 エマルジョンからポリマー粒子を回収し、ポリマー
粒子の形態での使用 などを挙げることができる。
【0042】本発明のポリマーエマルジョンの用途とし
ては、例えば繊維加工剤、コーティング剤、接着剤、塗
料、有機顔料、バインダー樹脂材料、顔料、充填剤など
を挙げることができる。また、本発明のポリマーエマル
ジョンは、樹脂フィルム用の改質剤(ブロッキング防止
剤・表面の易滑剤)として特に良好な品質を有するもの
である。このような用途に特に好適に用いられる理由と
しては、大径側ポリマー粒子の割合が極めて少なく、小
粒径側において特徴ある粒子径分布を採用することによ
り、粗大粒子に起因するフィルム同士の擦過傷の発生が
防止され、かつ大小さまざまな凹凸が導入されることに
より良好な摩擦特性が付与されるためである。
【0043】ここで、樹脂フィルムとしては、ポリオレ
フィン系樹脂からなるものを挙げることができ、具体的
には、 エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の
α−オレフィンの単独重合体、 これらのα−オレフ
ィンを2種以上組み合わせて共重合されたα−オレフィ
ン同士の共重合体、 α−オレフィンと、これと共重
合可能な共重合性単量体(例えば酢酸ビニル、マレイン
酸等)との共重合体、並びに これらの混合物よりな
るものを例示することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および
「重量%」を示す。
【0045】〔合成例1〕ジビニルベンゼン(純度55
%の市販品:エチルビニルベンゼン40%および不純物
5%を含有)35部と、スチレン55部と、アクリル酸
10部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30
部と、イオン交換水900部と、過硫酸ナトリウム1部
とを容量10リットルの反応容器に仕込み、攪拌しなが
ら、80℃で1時間重合を行うことによりポリマー粒子
を得た。得られたポリマー微子における平均粒子径を、
コールターサブミクロン粒子アナライザー「コールター
モデル N4型」で測定したところ0.028μmであ
った。以下、このポリマー粒子をポリマー粒子(a)と
いう。
【0046】〔合成例2〕スチレン100部と、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部と、過硫酸ナトリ
ウム1部と、t−ドデシルメルカプタン1部とを容量1
0リットルの反応容器に仕込み、攪拌しながら、75℃
で5時間重合を行うことによりポリマー粒子を得た。得
られたポリマー微子における平均粒子径を、コールター
サブミクロン粒子アナライザー「コールターモデル N
4型」で測定したところ0.11μmであった。以下、
このポリマー粒子をポリマー粒子(b)という。
【0047】〔実施例1〕ポリマー粒子(a)0.5部
(固形分換算)と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.1部と、過硫酸カリウム0.6部と、イオン交
換水100部とを容量10リットルの窒素置換された反
応容器に仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら75℃に
昇温させた。次いで、スチレン94部と、メタクリル酸
6部と、イオン交換水30部と、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.1部と、ポリマー粒子(a)1.
2部(固形分換算)とからなるモノマー混合物(乳化
物)を一定の供給速度で4時間かけて連続的に添加し
た。なお、モノマー混合物の半量および全量を添加した
時点における重合転化率を測定したところ、それぞれ8
6%および92%であった。モノマー混合物の全量を添
加した後、75℃で更に3時間重合を行ったところ、良
好な重合安定性を示しながら重合が完結し(最終的な重
合転化率は99%であった)、本発明のエマルジョン
〔1〕が得られた。このエマルジョン〔1〕を300メ
ッシュの金網で濾過したところ、金網上に残留した凝固
物の量は、固形分全体に対して0.001重量%以下で
あった。
【0048】次に、このエマルジョン〔1〕を構成する
ポリマー粒子の粒子径分布を測定した。なお、粒子径分
布は、透過型電子顕微鏡を用いて撮影された顕微鏡写真
上における5,000個以上のポリマー粒子について測
定し、重量に換算することにより求めたものである(以
下の実施例および比較例において同じ)。この結果、ポ
リマー粒子の重量平均粒子径(Dw)が0.12μm、
重量平均粒子径の1.3倍(1.3×Dw=0.156
μm)を超える粒子径を有する大径側ポリマー粒子は存
在せず、重量平均粒子径の0.8倍(0.8×Dw=
0.096μm)未満の粒子径を有する小径側ポリマー
粒子の割合が6.3重量%、重量平均粒子径の0.9倍
乃至1.1倍(0.9×Dw〜1.1×Dw=0.10
8〜0.132μm)の粒子径を有するポリマー粒子の
割合が63.1重量%であり、広い粒子径分布を有する
ものであることが確認された。
【0049】次いで、本実施例によるエマルジョン
〔1〕をロータリーエバポレーターによって濃縮したと
ころ、固形分濃度が60重量%のときにおいても初期の
良好な流動性が維持されていた。
【0050】以上の結果を後記表1に示す。また、本実
施例のエマルジョン〔1〕における粒子分散状態を示す
透過型電子顕微鏡による電子顕微鏡写真(倍率50,0
00倍)を図1に示す。
【0051】〔実施例2〕予め反応容器に仕込んだポリ
マー粒子(a)の添加量を0.1部(固形分換算)に変
更し、重合反応時に連続して添加されるモノマー混合物
中におけるポリマー粒子(a)の使用量を1.7部に変
更したこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、重
合安定性に優れた本発明のエマルジョン〔2〕を得た。
エマルジョン〔2〕を構成するポリマー粒子の重量平均
粒子径、粒子径分布、固形分濃度が60重量%のときに
おける流動性の良否についての結果を後記表1に併せて
示す。
【0052】〔実施例3〕予め反応容器に仕込んだポリ
マー粒子(a)の添加量を0.04部(固形分換算)に
変更し、重合反応時に連続して添加されるモノマー混合
物中におけるポリマー粒子(a)の使用量を0.08部
に変更したこと以外は実施例1と同様にして重合を行
い、重合安定性に優れた本発明のエマルジョン〔3〕を
得た。エマルジョン〔3〕を構成するポリマー粒子の重
量平均粒子径、粒子径分布、固形分濃度が60重量%の
ときにおける流動性の良否についての結果を後記表1に
併せて示す。
【0053】〔実施例4〕反応容器に予め仕込んだシー
ド粒子をポリマー粒子(b)の0.7部に代え、重合反
応時に連続して添加されるモノマー混合物中におけるシ
ード粒子をポリマー粒子(b)の3.2部に代えたこと
以外は実施例1と同様にして重合を行い、重合安定性に
優れた本発明のエマルジョン〔4〕を得た。エマルジョ
ン〔4〕を構成するポリマー粒子の重量平均粒子径、粒
子径分布、固形分濃度が60重量%のときにおける流動
性の良否についての結果を後記表1に併せて示す。
【0054】〔実施例5〕実施例1で得られたエマルジ
ョン〔1〕12.5部(固形分換算)と、スチレン40
部と、ジビニルベンゼン(純度55%の市販品:エチル
ビニルベンゼン40%および不純物5%を含有)60部
と、イオン交換水400部と、過硫酸アンモニウム0.
5部とをからなる混合物を、40℃で2時間攪拌するこ
とにより、シード粒子(エマルジョン〔1〕を構成する
ポリマー粒子)中にモノマーを吸収させた。次いで、8
0℃で5時間重合を行い、重合安定性に優れた本発明の
エマルジョン〔5〕を得た。エマルジョン〔5〕を構成
するポリマー粒子の重量平均粒子径、粒子径分布、固形
分濃度が60重量%のときにおける流動性の良否につい
ての結果を後記表1に併せて示す。
【0055】〔比較例1〕重合反応時に連続して添加さ
れるモノマー混合物からポリマー粒子(a)を除いたこ
と以外は実施例1と同様にして重合を行い、重合安定性
に優れた比較用のエマルジョン〔6〕を得た。比較用の
エマルジョン〔6〕を構成するポリマー粒子の重量平均
粒子径、粒子径分布、固形分濃度が60重量%のときに
おける流動性の良否についての結果を後記表1に併せて
示す。表1に示すように、比較用のエマルジョン〔6〕
を固形分濃度60重量%まで濃縮したところ、粘度が急
に上昇してエマルジョン全体がゲル化した。
【0056】〔比較例2〕エマルジョン〔1〕に代え
て、比較用エマルジョン〔6〕12.5部(固形分換
算)をシード粒子として用いたこと以外は実施例5と同
様にして重合を行ったところ、重合を開始してから3時
間後にコロイド状態が不安定となり、4時間後にはゲル
化してしまった。なお、この段階におけるポリマー粒子
の重量平均粒子径および粒子径分布についての結果を後
記表1に併せて示す。
【0057】
【表1】
【0058】<実験例1>ポリプロピレン(メルトイン
デックス:2g/10分)100部と、ステアリン酸カ
ルシウム0.03部と、本発明のエマルジョン〔1〕〜
〔5〕および比較用エマルジョン〔6〕の各々0.5部
(固形分換算)とを混合し、この混合物を溶融押出しし
てペレット化した。それぞれのペレット状混合物を押出
機を用いてシート状フィルムを成形し、更に、縦方向5
倍、横方向10倍に延伸させることにより、厚さ20μ
mの延伸フィルム(フィルム1〜6)を作製した。
【0059】以上のようにして作製したポリプロピレン
フィルムの各々について、透明性、耐ブロッキング性お
よび滑り性についての評価を行った。なお、評価方法
(物性の測定)は下記の方法によるものである。 (1)透明性 ASTM D−1003に準拠してヘイズ(%)を測定
した。 (2)耐ブロッキング性 2枚のフィルム片(80×120mm)を上端で20m
mずらして重ね合わせ(オーバーラップ面:80×10
0mm)、70g/cm2 の荷重を与えながら、50℃
の雰囲気中で24時間放置した後、引張試験機を用いて
剪断剥離強度(g/cm2 )を測定した。 (3)滑り性 ASTM D−1894に準拠して動摩擦係数を測定し
た。以上の結果を後記表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】〔実施例6〕重合反応時に連続して添加さ
れるモノマー混合物中のモノマーとして、スチレン94
部およびメタクリル酸6部に代えて、ブチルアクリレー
ト75部と、スチレン19部と、メタクリル酸6部とを
用いたこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、重
合安定性に優れた本発明のエマルジョン〔8〕を得た。
このエマルジョン〔8〕を構成するポリマー粒子につい
て、重量平均粒子径および粒子径分布を測定したとこ
ろ、エマルジョン〔1〕を構成するポリマー粒子とほぼ
同様であり、広い粒子径分布を有するものであることが
確認された。
【0062】〔比較例3〕重合反応時に連続して添加さ
れるモノマー混合物中のモノマーとして、スチレン94
部およびメタクリル酸6部に代えて、ブチルアクリレー
ト75部と、スチレン19部と、メタクリル酸6部とを
用いたこと以外は比較例1と同様にして重合を行い、重
合安定性に優れた比較用のエマルジョン
〔9〕を得た。
このエマルジョン
〔9〕を構成するポリマー粒子につい
て、重量平均粒子径および粒子径分布を測定したとこ
ろ、エマルジョン〔6〕を構成するポリマー粒子とほぼ
同様であった。
【0063】<実験例2>実施例6で得られたエマルジ
ョン〔8〕および比較例3で得られたエマルジョン
〔9〕の各々について、皮膜の耐水性を評価するために
下記の実験を行った。エマルジョンのpHをアンモニア
で8に調整した後、ガラス板上に0.5mmの厚みで塗
布し、室温にて乾燥することにより成膜させ、更に80
℃で15分間加熱処理して試験片を作製した。
【0064】得られた試験片の各々を、室温で24時間
にわたり水中に浸漬し、塗膜の状態(白化する程度)を
目視により観察した。その結果、本発明のエマルジョン
〔8〕による試験片については白化現象が認められなか
った。これに対して、比較用のエマルジョン
〔9〕によ
る試験片については白化現象が認められた。このことか
ら、ポリマー組成が同一であっても、粒子径分布によっ
て白化の程度が異なること、そして、ポリマー粒子の粒
子径分布が広い本発明のエマルジョン〔8〕によれば、
耐水性(耐水白化性)に優れた皮膜を形成することがで
きることが理解される。
【0065】
【発明の効果】
(1)本発明のポリマーエマルジョンは、固形分濃度を
高くしてもポリマー粒子の凝集が生じにくく、好適な粘
性が維持されるので、重合安定性、貯蔵安定性および施
工性に優れている。また、固形分濃度を高く設定するこ
とができるので、製造効率、スペース効率、輸送効率、
エネルギー効率、作業効率の向上を図ることができる。 (2)本発明のエマルジョンによれば、耐水性に優れた
皮膜を形成することができる。 (3)本発明のエマルジョンを樹脂フィルムの改質剤と
して用いた場合には、当該樹脂フィルムに優れたブロッ
キング防止効果および滑り性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のエマルジョンにおける粒子分散状態を
示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増川 亨 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 伊藤 信幸 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー粒子の重量平均粒子径(Dw)
    が0.05〜2μmの範囲にあり、かつ、ポリマー粒子
    の粒子径分布が下記の条件および条件を満たすこと
    を特徴とするポリマーエマルジョン。 条件:1.3×Dwより大きい粒子径を有する大径側
    ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子の5重量%以下で
    あること。 条件:0.8×Dwより小さい粒子径を有する小径側
    ポリマー粒子の割合が全ポリマー粒子の2重量%以上2
    0重量%以下であること。
  2. 【請求項2】 シードポリマー粒子1重量部を含む水性
    分散体に、5重量%以上の割合で架橋性モノマーを含む
    重合性モノマーを1〜49重量部を添加し、シードポリ
    マー粒子に重合性モノマーを吸収させて重合することに
    より得られることを特徴とする請求項1に記載のポリマ
    ーエマルジョン。
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