JPH0223896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、トラクタシヨベルのような産業用
車両の油圧式トランスミツシヨンを変速操作する
ための装置に関する。

従来の技術 従来の装置としては、その操作レバーの相異に
よつてつぎの３つのタイプのものが知られてい
る。第１のタイプは、前後進と速度段の切換操作
のためにそれぞれ別の２つのレバーを用いるもの
である。第２のタイプは、１つのレバーを用い
て、レバーをその支持端を中心に傾動させること
によつて前後進の切換をし、レバーをその長手方
向軸のまわりを回転させることによつて速度段の
切換をするようにしたものである。第３のタイプ
は第２のタイプのものと同様に１つのレバーを用
いるものであるが、レバーを支持端を中心に傾動
させることによつて前後進と速度段の切換えをす
るようにしたもので、その傾動範囲において中立
位置を挟んでその前方に前進の各速度段があり、
その後方に後進の各速度段がある。

考案が解決しようとする問題点 トラクタシヨベルなどでは、その車両の性格上
レバーの機敏な操作をできることが必要である。

たとえば掘削作業時には操作レバーは前進１速
の位置にあり、掘削作業を終了して車両を後退さ
せるときには、操作レバーは後進１速の位置を通
り越して後進２速の位置に移される。

操作レバーを前進１速より後進２速に切換える
ために、上記３つのタイプのものは、それぞれつ
ぎの動作を必要とする。第１のタイプでは、前後
進用レバーを前進位置から後進位置に移し、速度
段レバーを１速より２速に移す。第２のタイプで
は、レバーをまず傾動して前進位置から後退位置
に移し、ついで回転させて１速より２速に切換え
る。第３のタイプでは、レバーをまず前進１速よ
り中立位置を通り越して後進１速に移し、ついで
後進１速より後進２速に移す。このように、各タ
イプのものは、いずれも前進１速より後進２速へ
の切替えのために２つの動作を必要とし、その変
速操作を機敏に行うという点で完らずしも満足の
ゆくものではなかつた。

この考案は、産業用車両において、上記問題点
を解消し、前進１速より後進２速への切換操作、
またはこれの逆の切換操作を１つの動作によつて
なしうる油圧式トランスミツシヨン操作装置を提
供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による産業用車両の油圧式トランスミ
ツシヨン操作装置は、前後進切換用回転形スイツ
チのスイツチ本体から縦向きにのびた操作軸の先
端に、速度段切換用回転形スイツチのスイツチ本
体が横向きに取付けられ、このスイツチ本体より
横向きにのびた操作軸の先端に操作レバが取付け
られ、操作レバーは、これが取付けられた操作軸
の回転中心に対するレバー押動用偏心部を有して
いるものである。

実施例 図面を参照してこの考案の実施例について説明
する。

産業用車両の油圧式トランスミツシヨン操作装
置は、前後進切換用回転形スイツチ１のスイツチ
本体２から縦向きにのびた操作軸３の先端に、速
度段切換用回転形スイツチ４のスイツチ本体５が
横向きに取付けられ、このスイツチ本体５より横
向きにのびた操作軸６の先端に操作レバー７が取
付けられ、操作レバー７は、これが取付けられた
操作軸６の回転中心に対するレバー押動用偏心部
８を有しているものである。

前後進切換用および速度段切換用回転形スイツ
チ１，４はいずれも、詳しい内部構造を示さない
が、接点が半径方向のカムにより作動するカムス
イツチである。

前後進切換用回転形スイツチ１のスイツチ本体
２は、運転席の適当なところに、Ｌ形状ブラケツ
ト９によつて上向きに支持されている。同スイツ
チ１は、その操作軸３の軸端がわより見て同操作
軸３が反転計方向に回転する方向の順に、前進位
置、中立位置および後進位置の３つの位置を有し
ている。同操作軸３の上端部には水平軸１０が固
定されており、その上に速度段切換用回転形スイ
ツチ４が支持されている。同スイツチ４は、その
操作軸６の軸端がわより見て同操作軸６が時計方
向に回転する方向の順に１速から４速までの４つ
の位置を有している。また速度段切換用回転形ス
イツチ４には図示しないロツク機構が設備されて
おり、このロツク機構によつて操作軸６をこれが
退入する方向に押動させなければ、２速より３速
への切換操作を行なうことができないようになつ
ている。操作レバー７の偏心部８は、方形平板状
のもので、操作レバー７が取付けられた操作軸６
にこれの回転中心と同心となるように固定された
円柱状本体１１の外周面長手方向にそつて上方突
出状に一体的に設けられている。

いま、図示の状態のように、前後進切換用回転
形スイツチ１は前進位置にあり、速度段切換用回
転形スイツチ４は一速の位置にあるものとする。
この状態より、操作レバー７の偏心部８の頂部付
近を平面より見て反時計方向の向きに押すと、操
作レバー７が前後進切換用回転形スイツチ１の操
作軸３の回転中心を中心として同操作軸３ととも
に平面より見て反時計方向に回転させられ、これ
と同時に操作レバー７がこれが取付けられた操作
軸６の軸心を中心としてその端部がわより見て時
計方向に回転させられる。その結果、前後進切換
用回転形スイツチ１は前進位置より後進位置に切
換えられ、速度段切換用回転形スイツチ４は１速
の位置より２速の位置に切換えられる。詰まり
は、操作レバー７を一方向に押すだけの１つの動
作によつて前進１速より後進２速に切換えられた
ことになる。この逆の操作により、後進２速より
前進１速に切換えられることは言うまでもない。

考案の効果 この考案によれば、１つの動作により、前進１
速より後進２速に、またその逆に切換えることが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す斜視図である。 １……前後進切換用回転形スイツチ、２……ス
イツチ本体、３……操作軸、４……速度段切換用
回転形スイツチ、５……スイツチ本体、６……操
作軸、７……操作レバー、８……偏心部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後進切換用回転形スイツチ１のスイツチ本体
   ２から縦向きにのびた操作軸３の先端に、速度段
   切換用回転形スイツチ４のスイツチ本体５が横向
   きに取付けられ、このスイツチ本体５より横向き
   にのびた操作軸６の先端に操作レバー７が取付け
   られ、操作レバー７は、これが取付けられた操作
   軸６の回転中心に対するレバー押動用偏心部８を
   有している、産業用車両の油圧式トランスミツシ
   ヨン操作装置。