JPH0223469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、乗用車輛のドア外側面に取付けられ
ているドアミラーに関する。

（従来技術） 近年、フエンダミラーに代つてドアミラーが標
準装備される傾向にあり、このドアミラーはドア
外側面に取付けられていて車体より外側へ大きく
突出しているため、固定式のものよりも、その外
端が後方に回動する折畳み式のものが好まれてい
る。これはドアミラーが突出したままであると、
洗車及び狭幅車庫への収納等が困難になるためで
ある。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来のドアミラーは手動折畳み式で
あるため、洗車時等のオペレータが降車する場合
は、その折畳み作業に煩雑さを感じないが、車庫
入れ時、道路幅の狭い場所での対向車を回避する
時等には、オペレータが降車でき難いので、その
折畳み作業は煩雑でやり易く、折畳み構造の機能
は十分に活用することができない。また、フエン
ダミラーがなくなつたため、自動車の両側前端、
特に助手席前方の指標がなく、車庫入れ時に前方
障害物に当り易くなつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、このような従来装置の問題点に鑑
み、ミラー取付体のアームに縦軸を介してミラー
を取付け、このミラーの横幅方向略中央部を回転
中心として、ミラーをそのドア側端部が前外方へ
移動するように回動することにより、自動車の左
右両側及びその前方もミラーで視認できるように
したドアミラーを提供することを目的とする。

この目的を達成するための本考案の特徴とする
ところは、ドア２の外側面に外側方突出状のアー
ム９を有する取付体４を取付け、前方幅よりも横
幅が広いミラー５を前記アーム９に縦軸８を介し
て回転自在に支持し、この縦軸８を回転駆動する
モータ１４を取付体４内に設けたドアミラーであ
つて、前記ミラー５は横幅方向略中央部が縦軸８
による回転中心に設定されていて、そのドア２側
端部が回転中心の前方へ移動自在である点にあ
る。

（作用） 取付体４内のモータ１４を駆動すると、その動
力はアーム９内の助手伝達手段１６を介してアー
ム９に支持された縦軸８が駆動され、この縦軸８
と一体のミラー５が縦軸廻りに回動し、ドア外側
面からの突出量を少なくしたり、鏡面の角度を変
更したりする。ミラー５を後方視状態から回動し
て、ドア２側端部をドア２側から前外方へ移動す
ると、ドア２側端部はミラー５の回転中心の前方
まで移動し、自動車の左右両側及びその前方を写
し、左右障害物との間隔等を視認可能となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１〜３図に示す第１実施例において、１は乗
用自動車で、その左右前部ドア２の外側面にドア
ミラー３が装着されており、このドアミラー３は
ドア２に固定の取付体４と、この取付体４に縦軸
廻り回動自在に支持されたミラー５とを有する。

ミラー５は前後幅よりも横幅が広い略横長の長
方体形状で、ボツクス６内に鏡部材７がはめ込ま
れ、左右方向及び上下方向の角度を調整自在とな
つており、ボツクス６には上下突出状の縦軸８が
固定されている。

取付体４はドア２にネジ止めされるもので、内
部が空洞であつて、外側方へ突出した上下１対の
アーム９Ａ，９Ｂを有し、軸受１０，１１を介し
て縦軸８を縦軸廻り回動自在に支持している。

下側のアーム９Ａ内には縦軸８の下端にキー着
されたスプロケツト１２と、これに掛けられたチ
エーン１３とが配置されており、このチエーン１
３は取付体４の中央部分に配置されたモータ１４
のスプロケツト１５に掛けられている。

前記スプロケツト１２，１５及びチエーン１３
によつて、モータ１４の駆動力を縦軸８へ伝達す
る動力伝達手段１６が形成されており、モータ１
４は自動車１内の運転席近くに設けられたスイツ
チ（図示せず）によつて遠隔操作される。

左右のドアミラー３は１個のスイツチで互いに
逆方向へ同時に回動されるが、又は２個のスイツ
チにより別個に操作され、例えば第１図に示すよ
うにドア２に対して直角に位置する状態を基準姿
勢とした場合、右ドアミラー３の如く90゜回動し
てドア２からの突出量を少なくし、洗車時に障害
とならないように、また、対向車又は車庫側壁等
の障害物と接触しないようにすることができる。
また、２個のスイツチで左右ドアミラー３を別個
に駆動する場合は、後方確認のための鏡部材７の
角度調整ができ、且つ左ドアミラー３の如く90゜
以上回動して前向きに傾斜させることにより、道
路幅が狭い時に左前方の走行可能性の判断に供す
ることができる。

尚、前記構成では、ミラー５は360゜回動可能で
あるが、180゜までとしておいて、回動後にスイツ
チを戻すことにより、回動した角度だけ正確に逆
転して元の基準姿勢に戻るようにすることが好ま
しい。左右ミラー５は横幅方向略中央部が縦軸８
に設けられていて回動中心となつており、従つて
後方視状態から回動すると、ドア２側端部は外側
前方、即ち回転中心の前方へ移動し、取付体４に
妨害されることなく自動車の左右側部前方を写し
出す。第３図に示す１７はミラーカバーを示し、
鏡部材７を覆うようにボツクス６に嵌合され、鏡
面の凍結を防止したり、自動洗車時に鏡部材７が
動くのを防止したりするときに使用する。

第４図に示す第２実施例において、取付体４は
１本のアーム９Ａのみを有し、ミラー５は下側に
のみ縦軸８が突設され、アーム９Ａに２個の軸受
１０，１０を介して回動自在に支持され、２個の
軸受１０間に動力伝達手段１６のスプロケツト１
２が配置されている。このドアミラー３は機能が
第１実施例と同様であり、構造及び製作が簡単と
なつている。

前記各実施例のドアミラー３は鏡部材７の角度
調整を手動で行なうものを示したが、電動式のも
のにも適用できる。

即ち、第５図に示すように、下側（又は上側）
の縦軸８を筒軸で形成し、ボツクス６内に納めら
れた鏡部材７角度調整用のモータを駆動するため
の電線２０を縦軸８内に通し、この電線２０をア
ーム９Ａ内から自動車内に引き入れれば良い。
尚、鏡部材角度調整機構は従来のものと同一であ
るので、図示は省略する。但し、鏡部材の左右角
度調整機構は省略することができる。

（効果） 以上詳述した本考案によれば、ミラー５は横幅
方向略中央部が縦軸８による回転中心に設定され
ていて、そのドア２側端部が回転中心の前方へ移
動自在であるので、ドアミラーは本来の機能を有
する上に、ミラー５のドア２側端部を回転中心の
前方へ移動することにより、自動車の左右側部及
びその前方を写し出すことができ、車庫入れ時、
狭幅路走行時等に自動車の左右側部及びその前方
の障害物を視認することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の第１実施例を示し、第１
図は全体平面図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は全体斜視図、第４図は第２実施例を
示す断面図、第５図は電動ミラーの場合の実施例
を示す要部断面図である。 ２……ドアー、３……ドアミラー、４……取付
体、５……ミラー、８……縦軸、９……アーム、
１４……モータ、１６……動力伝達手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア２の外側面に外側方突出状のアーム９を有
   する取付体４を取付け、前後幅よりも狭幅が広い
   ミラー５を前記アーム９に縦軸８を介して回転自
   在に支持し、この縦軸８を回転駆動するモータ１
   ４を取付体４内に設けたドアミラーであつて、 前記ミラー５は横幅方向略中央部が縦軸８によ
   る回転中心に設定されていて、そのドア２側端部
   が回転中心の前方へ移動自在であることを特徴と
   するドアミラー。