JPH0222435Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はコンクリート壁体構築用の型枠パネ
ルに係り、主として間仕切り、外壁等のコンクリ
ート壁体を構築する際に型枠として使用し、構築
部材を少なくし、且つ構築を容易にすべく形成し
たコンクリート壁体構築用の型枠パネルに関する
ものである。

［考案の技術的背景とその問題点］ 従来、コンクリート壁体の構築は、パネルを並
列して型枠を形成し、パネル相互間に多数のセパ
レーターを張架し、そして形成した型枠の倒壊を
防止すべく外側から多くの角材やパイプ等で補強
する必要があつた。

このため、コンクリート壁体を構築するに際し
ては、多くの資材が必要となり、従つて、作業工
数も増加せざるを得ず、熟練した作業が要請され
ることともなり、構築コストもいきおい高いもの
となるざるを得なかつた。

［考案の目的］ そこでこの考案は、上述した点に鑑み外壁等の
コンクリート壁体を構築する型枠として使用する
際に、構築部材を少なくし、且つ構築を短時間で
容易に行なえるようにすべく案出されたものであ
る。

［考案の概要］ この考案の要旨とする処は、木材にてなる方形
の面板の裏面全周に亘つて角パイプ状の周囲補強
枠を取付けてパネルを形成し、前記周囲補強枠に
おけるパネルの内側に位置した側面には、該周囲
補強枠の長手方向全周に、断面Ｖ字形の拡開部を
前記面板中央部側に向けた締付け連結溝を形成し
たことに存するものである。

［考案の実施例］ 以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
すると次の通りである。

すなわち、図に示す符号１は木材にてなる長方
形の面板であり、例えば板厚12cm程度のベニヤ板
等にて形成されている。

そして、この面板１の裏面２全周に亘つて周囲
補強枠３を取付けてパネルＰを形成するものであ
る。すなわち、このパネルＰの周囲補強枠３は、
第２図及び第３図に示すように、四角パイプの断
面における一辺４端から前記面板１の板厚分だけ
面板押え板５を立設した断面略Ｌ字状の角パイプ
を、面板１と同様の長方形で且つ前記一辺４が面
板１に当接すべく枠組みして形成する。そして、
その時に前記面板押え板５がパネルＰの外側に位
置するように前記周囲補強枠３を形成しておき、
面板押え板５によつて形成された方形内に面板１
を嵌め込み前記一辺４に面板１を当接させる。

又、面板押え板５内に面板１を嵌め込んだ後
は、例えばネジ（図示せず）や接着剤の如きもの
で面板１を周囲補強枠３に固定する。そして、長
方形に枠組みされた周囲補強枠３の内側、つま
り、面板１中央部側に向いた側面６には、周囲補
強枠３を形成する角パイプの長手方向に、断面Ｖ
字形の拡開部を前記面板１中央側に向けた締付け
連結溝８を長方形成全周に亘つて形成し、更に、
この長方形の長辺にあたる角パイプ同士には適数
本の角パイプを横架固定して内部補強枠９を形成
しパネルＰを構成するものである。

このとき、第６図では、木ネジＮを使用して面
板１を止着せしめる周囲補強枠３を示してあり、
この周囲補強枠３は、一辺４のネジ止着部分が面
板１がわに湾出するように形成すると共に、面板
押え板５の一辺４がわ基部を周囲補強枠３がわに
湾曲させてある。こうすることで、端部が板面に
対して直角に切断されていない面板１や、或い
は、衝撃を受けたり水分を含む等して端部が変形
した面板１等でも、木ネジＮで確実に止着させる
ことができる。尚、この図面中、符号２３は補強
溝を示し、この補強溝２３を周囲補強枠３の外周
面に形成することにより、周囲補強枠３自体の強
度を更に強化できるものである。又、第７図で示
す如く、周囲補強枠９の端部に当接する位置の周
囲補強枠３の外周面に略半円形状のセパレーター
連結溝２４を形成することで、この考案型枠パネ
ルの周囲補強枠３同士を所定の締付け連結具１４
等で連結溝した際に、隣接するセパレーター連結
溝２４で構成される孔にセパレーター１０の連繋
ボルト１５を通して相対峙する型枠パネル同士を
固定できるものとなる。

次に、これが組立てを説明すると、第４図に示
すように、パネルＰの他に、セパレーター１０、
パイプ１１、パイプ保持具１２、押えナツト１
３、そして、パネルＰ連結用の締付け連結具１４
を適宜用意する。しかして、セパレーター１０
は、棒状の連繋ボルト１５の両端のネジ部１６
に、それぞれ截頭円錐体にてなるコーン１７を、
その底面がそれぞれ外側を向き且つ中心にネジ部
１６が貫通して底面から突出した状態で固定した
形状のものを使用する。

又、前記締付け連結具１４は、平面形状が略コ
字状で、このコ字状の両開放端内側に、頂点を対
峙させた状態で三角形の挟持爪１８をそれぞれ形
成し、挟持爪１８を離隔接近自在とすべくコ字状
の中間部分を摺動伸縮可能とし、この摺動伸縮す
る部分に、挟持爪１８同士を所定間隔において接
近させる方向に押圧しながら固定すべく楔状の固
定具１９を差し込むようにし、挟持爪１８から前
記コ字状の中間部分までの距離を前記パネルＰに
おける前記締付け面７と周囲補強枠３における面
板１のの反対側に位置する面２０との距離より若
干短い構造のものを使用する。

そこで、先ず最初に、パネルＰを２枚、長辺側
の周囲補強枠３同士が隣接するように横列状に配
し、その時点で、この周囲補強枠３のそれぞれの
締付け連結溝８に締付け連結具１４の挟持爪１８
をおのおの掛止めさせるようにして楔状の固定具
１９を差し込むことにより周囲補強枠３同士を締
付け挟持すれば、挟持爪１８から前記コ字状の中
間部分までの距離を前記締付け面７と面２０との
距離より若干短い構造としてあるので、締付け連
結具１４を締付けることにより、挟持爪１８の三
角形の一面と締付け面７との作用によつて前記コ
字状の中間部分に前記面２０を共に押付けるもの
である。その結果、前記パネルＰ同士は締付け連
結されると同時に周囲補強枠３の面位置を容易に
合せることができ、これを順次行なつてゆけば複
数枚のパネルＰが横列状に面位置を合せて連続的
に連結される。

そして、次にこれらの連結溝されたパネルＰ群
を２組用意し対嵯させて立設し、前記面板１にセ
パレーター１０のネジ部１６が貫通可能な孔２１
を適宜対応させて開穿しておき、この孔２１にセ
パレーター１０のネジ部１６をそれぞれ貫通させ
ると共に面板１にコーン１７の底面を当接させる
ことによりパネルＰ群同士の間隔を設定し、補強
用としてパイプ１１を２本横に掛け渡し、パイプ
保持具１２及び押えナツト１３によつてセパレー
ター１０に固定すると共にパネルＰ群同士を所定
幅に対峙立設させて固定する。

しかして、第５図に示すように、コンクリート
２２をパネルＰ群同士の間に打設し養生凝固さ
せ、然る後にパネルＰを取外す際にも押えナツト
１３を外してパイプ保持具１２及びパイプ１１を
取外すと共に、前記固定具１９を抜き取つて締付
け連結具１４を取外せばパネルＰは容易に取外す
ことができ、このパネルＰを再び別の場所で再利
用することができる。

［考案の効果］ 従つて、パネルＰの形成の際に、前述の如き断
面形状の周囲補強枠３をパイプとして形成してお
き、これを適宜切断して枠状に接続し面板１を嵌
め込めばパネルＰは容易に形成することができ、
量産にも適しているものであり、また、強度的に
も優れ、組立て取外しも非常に簡単で、熟練者を
必要とせず誰にでも素早く組立てることができ、
更に、取外したパネルＰは面板１を取替えれば再
使用が可能でありコンクリート壁体の構築コスト
を大幅に削減することができるものである。

すなわち、木材にてなる方形の面板１の裏面全
周に亘つて角パイプ状の周囲補強枠３を取付けて
パネルＰを形成したことにより、周囲補強枠３の
形成が量産に適し、しかも強度的にも優れている
から特別にバタ材や角材等で補強する必要がな
く、又、形状も方形であるから連結してゆけばあ
らゆる所に使用が可能であり、しかも面板１が木
材にてなるからセパレーター１０のネジ部１６を
貫通させる孔２１を適宜容易に開穿することがで
きると共に、孔２１のみを取替えれば再び新品同
様に使用することができる。

そして、前記周囲補強枠３におけるパネルＰの
内側に位置した側面６には、該周囲補強枠３の長
手方向全周に、断面Ｖ字形の拡開部を前記面板１
中央部側に向けた締付け連結溝８を形成したこと
により、前述の如き締付け連結具１４等を使用す
れば面板１側へ傾斜した締付け面７と前記挟持爪
１８とにより容容易に締付け連結することがで
き、組立てが非常に簡単となり熟練を必要とせず
誰でもパネルＰを素早く組立てることができ、取
外しも容易であると共に再利用も可能であるから
コンクリート壁体の構築コストを大幅に削減する
ことができる。

以上説明したように、この考案によれば、量産
に非常に適すると共に、強度的にも優れ、しかも
組立て取外しが熟練者を必要とせず誰にでも容易
に行なうことができ、再利用も可能であり、コン
クリート壁体の構築コストを大幅に削減すること
ができること等実用上有益な効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面中第１図乃至第５図はこの考案の一実施例
を示すもので、第１図は一部省略正面図、第２図
は第１図におけるＡ−Ａ矢視線断面図、第３図は
第１図におけるＢ−Ｂ矢視線断面図、第４図は組
立て状態を示す要部分解斜視図、第５図はコンク
リート打設時の側断面図であり、第６図及び第７
図は他の実施例を示すもので、第６図は要部端面
図、第７図は正面図である。 Ｐ……パネル、Ｎ……木ネジ、１……面板、２
……裏面、３……周囲補強枠、４……一辺、５…
…面板押え板、６……側面、７……締付け面、８
……締付け連結溝、９……内部補強枠、１０……
セパレーター、１１……パイプ、１２……パイプ
保持具、１３……押えナツト、１４……締付け連
結具、１５……連繋ボルト、１６……ネジ部、１
７……コーン、１８……挟持爪、１９……固定
具、２０……面、２１……孔、２２……コンクリ
ート、２３……補強溝、２４……セパレーター連
結溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 木材にてなる方形の面板の裏面全周に亘つて角
   パイプ状の周囲補強枠を取付けてパネルを形成
   し、前記周囲補強枠におけるパネルの内側に位置
   した側面には、該周囲補強枠の長手方向全周に、
   断面Ｖ字形の拡開部を前記面板中央部側に向けた
   締付け連結溝を形成したことを特徴とするコンク
   リート壁体構築用の型枠パネル。