JPH0222432B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は銀行の窓口係員即ちテラーが顧客の現
金支払要求に応じてその顧客に手渡すための紙幣
をテラーに投出する紙幣支払装置に関するもので
あり、更に詳しくいえば、このようなテラー用紙
幣支払装置における紙幣投出機構の制御方法に関
するものである。

(ロ) 従来技術 一般に、テラー用現金支払装置、特に紙幣支払
装置は各金種に対応した複数の紙幣カートリツジ
を持ち、顧客の支払要求に応じてテラーがキーボ
ードにより入力した要求金額がホスト・コンピユ
ータにおいて残高照合等に関してチエツクされ、
そしてその支払いが可能であればホスト・コンピ
ユータから支払命令が与えられて各紙幣カートリ
ツジからその支払金額に応じた金種の紙幣が順次
送出され、その給送路の途中に設けられた一時保
留部に溜められる。支払金額に相当するすべての
紙幣がその一時保留部に入れられるとそれらは一
括して取出し口へ給送されそして取出し口のゲー
トが自動的に開いてテラーにより取出され顧客に
手渡される。ところが或るカートリツジ内に十分
な量の紙幣が収納されていなかつたために送出動
作の途中でそれ以上の紙幣を送出し得なくなつた
時即ち紙幣切れが生じた時、紙幣支払装置の動作
は停止してそれ以後送出動作を抑止すると共にそ
の紙幣切れを生じたカートリツジにおける紙幣の
補充を促す表示が行なわれる。それによつてテー
ラー又は担当係員が紙幣の補充を行なうが、その
際一時保留部に溜められていた金額不足の紙幣は
一括して回収箱に転送される。そして紙幣の補充
が終了すると、前記送出動作が始めからやり直さ
れる。

又、特開昭55―140964号に開示されているよう
に、前述のような紙幣切れが生じた場合、手払い
指示ランプを点滅させると共に手払い金額を表示
せ、テラーはその表示された金額の紙幣を放出さ
れた紙幣とともに顧客に手渡していた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 前述のように従来の紙幣支払装置では、紙幣の
送出動作中にカートリツジで紙幣切れが生じた場
合それまでの送出動作はすべて取消され、不足紙
幣の補充後、始めからその送出動作がやり直され
るので顧客を窓口に長い間待たせることになり好
ましいことではなかつた。

又、前述のように、表示された手払い金額の紙
幣を放出紙幣と共に顧客に手渡すよにしても、テ
ラーが手払い指示ランプの点滅および手払い金額
の表示をうつかり見落した場合、放出紙幣のみを
顧客に手渡すという心配があつた。

従つて、本発明の目的は、紙幣の送出動作中に
カートリツジで紙幣切れが生じても他のカートリ
ツジからの送出動作を続行させ、このようにして
取出口に送出された紙幣に関しては手払いによる
紙幣の追加が必要であることをテラーに気づかせ
るための方法を提供することである。

(ニ) 問題点を解決するための手段及び作用 本発明では、紙幣切れが生ずることなく正常に
紙幣投出動作が行われ時には、投出紙幣の取出機
構におけるゲートが自動的に開いてテラーが容易
に投出紙幣を取出せる装置において、紙幣切れが
生じた場合、その金種の投出動作を停止させると
共にその他の指定された金種の投出動作を続行さ
せ、それが終了しても上記ゲートが自動的に開か
ないようにする。それによつて、テラーが紙幣切
れを確実に気付くことを可能にし、テラーが手操
作でそのゲートを開いて投出紙幣を取出し、不足
分を手払いでもつて補充して顧客に手渡すことが
できるようにする。

(ホ) 実施例 第１図は本発明を実施しうる紙幣支払装置を含
むバイキング・システムを示すブロツク図であ
る。銀行の本店に設置されたホスト・コンピユタ
ー１はその銀行に口座を持つた顧客の預金台帳を
貯蔵しており、支店に設置されたコントローラ２
及び通信回線３を介してキーボード４から送られ
た或る顧客のための現金支払要求に応答してその
顧客の預金残高等をチエツクし、支払可能であれ
ば支払命令をコントローラ２に送る。コントロー
ラ２は支払われるべき金額に応じて金種及びその
枚数をデイスプレイ５上に表示する。テラーは顧
客の希望に従つてそれら金種及び枚数の組合せを
変更することができる。このようにして決定され
た各金種及びそれぞれの枚数がコマンドによつて
コントローラ２から紙幣支払装置６及び硬貨支払
装置７に知らされる。それら支払装置はコマンド
で指定された量の現金を投出することができるの
でテラーはその投出された現金を改めて数え直す
ことなくそのまま顧客に手渡すことができる。

第２図は上記紙幣支払装置６における紙幣の給
送径路を概念的に示している。紙幣支払装置６は
４個の紙幣カートリツジを有し、各カートリツジ
はそれぞれ任意の金種の紙幣を所定枚数（2000
枚）まで収納することができる。例えば、カート
リツジ８には万円札、カートリツジ９には五千円
札、カートリツジ１０，１１にはそれぞれ千円
札、五百円札が収納される。又、五百円札のカー
トリツジの代りに支払頻度の高い千円又は万円札
のカートリツジを加えてもよく。各金種のカート
リツジの組合せは任意に設定できる。各カートリ
ツジには紙幣送出機構１２に設けられ、それぞれ
指定された枚数の紙幣を送出するように動作す
る。各カートリツジから送出された紙幣はベルト
又はローラーの給送路１４を通つて一時保留部１
５に溜められる。支払われるべき紙幣がすべてカ
ートリツジから送出され且つ給送路１２上に設け
られたセンサ１６によつて２枚重ねの紙幣、破損
紙幣等のエラー状態が検出されなかつた場合、一
時保留部１５における紙幣は一括して取出し口１
７に送られる。上記のエラー状態が検出された場
合には一時保留部１５の紙幣はすべて回収箱１８
へ転送されそして再びその取引のための紙幣投出
動作が繰り返される。又、各カートリツジに対応
して紙幣切れ検出装置１３が設けられ、それら検
出装置において紙幣切れが検出されるとその対応
するカートリツジにおける送出動作は直ちに停止
する。

第３図は取出し口１７の構造を示す。ゲート３
１は第３図では開いた状態で示されているが、通
常は垂直方向に立つている状態即ち閉じた状態に
あり、紙幣が一時保留部から取出し口の紙幣受取
り板３２上に置かれる時モータ（図示されてな
い）によつてベルト３３が駆動されシヤフト３４
を反時計方向に回転してゲート３１を図示の状態
に開く。そこでテラーはそれら紙幣を手で取出し
て顧客に手渡すことができる。ゲート３１はベル
ト３３から駆動力が解かれるスプリング３５によ
つて閉じた状態に戻される。又、紙幣が取出し口
まで給送されたにもかかわらず、ベルト３３が駆
動されなかつた場合でも、テラーはスプリング３
５に抗して手でゲート３１を開いて紙幣を取出し
てもよく、或いは押しボタン等（図示されてな
い）を操作してベルト３３を駆動させることによ
りゲートを開かせ紙幣を取出してもよい。

本発明は上述のような紙幣支払装置において実
施し得るものである。

今、紙幣支払装置６がコントローラ２からのコ
マンドによつて例えば10万円を万円札で７枚、五
千円札で２枚、千円札で18枚、五百円札で４枚投
出するよう要求されたと仮定する。そこで紙幣支
払装置６はまず万円札用のカートリツジ８から７
枚の紙幣を一時保留部１３へ送出させ、続いて五
千円札用のカートリツジ９から２枚の紙幣を一時
保留部１３へ送出させる。更に、千円札用のカー
トリツジ１０からの18枚の紙幣の送出が開始され
るが、例えば15枚が送出された時に紙幣切れが生
じた場合、紙幣支払装置はそれを検出するとカー
トリツジ１０からの送出動作を停止し、カートリ
ツジ１０で紙幣切れが生じたことを示すランプを
点燈することによつてテラーにその紙幣切れを表
示する。しかし紙幣送出動作は終了することなく
次の五百円札用のカートリツジ１１から４枚の紙
幣を一時保留部１３へ送出させる。このようにし
てすべてのカートリツジに関する放出が終了する
と、一時保留所１３へ溜められた紙幣が一括して
取出し口１５へ投出されるがカートリツジ１０に
おける紙幣切れが検出されたのでゲートは開かな
い。又、紙幣支払装置５は実際に送出された紙幣
の金種及び枚数を表わす情報即ちカートリツジ８
から７枚、カートリツジ９から２枚、カートリツ
ジ１０から15枚、カートリツジ１１から４枚の紙
幣送出が行なわれたことを示す信号をコントロー
ラ２に送る。コントローラ２は支払われるべき金
種及びその枚数と実際に送出された金種及びその
枚数とを比較チエツクし、３枚の千円札の送出不
足を検知するとデイスプレイ５にその不足金種及
び枚数を表示させるためのコマンドを与える。そ
こでテラーは自らの手でゲートを開いてそこに投
出されている紙幣を取出すと共にデイスプレイ５
上に表示された不足分の紙幣を手持ち金庫から取
出しそれらを加え合わせて顧客を手渡せばよい。

上述の動作は、紙幣支払装置６におけるマイク
ロプロセツサによつて制御されるが、第４図はこ
の動作ステツプを示す一般的に示した流れ図であ
る。

(ヘ) 効果 本発明によれば、紙幣切れが生じた時取出し口
のゲートが自動的に開かないテラーは紙幣切れを
容易に気付くことができ、従つて投出された金額
不足の紙幣をそのまま顧客に手渡すという誤りを
未然に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するための紙幣支払装置
を含むバイキング・システムのブロツク図、第２
図は紙幣支払装置の紙幣給送機構を概略的に示す
図、第３図は本発明を実施した紙幣支払装置の取
出し口の機構を示す投影図、第４図は本発明の投
出制御方式を示す流れ図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各金種に対応して紙幣を収納した複数のカー
   トリツジと、前記カートリツジから紙幣を送出す
   るよう動作する紙幣送出機構と、前記紙幣送出機
   構により送出された紙幣を受取る紙幣受取り部お
   よび該紙幣受取り部における紙幣の操作者による
   取出しを妨げる閉鎖位置にスプリングで偏倚され
   たゲートを有する紙幣取出機構と、前記紙幣送出
   機構の動作の終了に応答して前記スプリングの偏
   倚に抗して前記ゲートを開放位置に駆動するよう
   動作するゲート駆動機構と、前記紙幣送出機構お
   よびゲート駆動機構の動作を制御するプロセツサ
   とより成る紙幣支払装置において、 前記プロセツサは、前記カトリツジの１つで紙
   幣切れが検出されたとき、 (イ) 当該カートリツジからの紙幣送出動作を停止
   すると共に他のカートリツジからの紙幣送出動
   作を続行するよう前記紙幣送出機構を動作さ
   せ、 (ロ) 前記ゲート駆動機構の動作を抑止することを
   特徴とする紙幣の投出を制御する方法。