以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(硬貨処理装置の全体構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による硬貨処理装置(釣銭機)100の全体構成について説明する。
図1に示す本発明の一実施形態による硬貨処理装置100は、上位機器であり入金確定などの操作を受け付けるPOS(point of sales system)レジスタ装置R(図2参照)および紙幣処理装置(図示せず)などに接続可能に構成され、スーパーマーケットや、コンビニエンスストアなどの店舗に設置されて、POSシステムの一部を構築する装置である。硬貨処理装置100は、顧客が自ら会計を行う使用状態(セルフ使用状態)または販売者(管理者)が会計などを行う使用状態で用いられる。なお、POSレジスタ装置Rは、硬貨処理装置100を駆動させるために、硬貨処理装置100に対して各種信号を送信するように構成されている。たとえば、POSレジスタ装置Rは、入金確定の処理を受け付けた場合、入金確定信号Q1(図2参照)を硬貨処理装置100に送信するように構成されている。
硬貨処理装置100は、箱状の筐体100aを備えている。筐体100aには、投入口101と、返金口102と、出金口103と、操作部104と、表示部105と、が設けられている。
また、図2に示すように、硬貨処理装置100は、投入口搬送部1と、検銭部1aと、入金切換ゲート1bと、一時保留部2と、収納切換ゲート2aと、振分部3と、収納庫4と、出金搬送部5と、出金切換ゲート5aと、記憶部6と、制御部7と、を備えている。
投入口搬送部1と、一時保留部2と、振分部3とを合わせた構成は、投入口101から入金された硬貨を収納庫4または返金口102まで搬送する入金搬送部10として機能するように構成されている。
収納庫4は、1円を収納する1円収納庫41と、50円を収納する50円収納庫42と、5円を収納する5円収納庫43と、100円を収納する100円収納庫44と、10円を収納する10円収納庫45と、500円を収納する500円収納庫46とを含んでいる。
また、硬貨処理装置100は、収納計数センサ81a、81b、81c、81d、81e、81fと、繰出計数センサ82a、82b、82c、82d、82e、82fと、排出計数センサ83a、83bと、残留検知センサ84a、84b、84cと、一時保留計数センサ85と、振分計数センサ86と、を備えている。
硬貨処理装置100は、入金処理、出金処理、精査処理および回収処理を行うように構成されている。
入金処理(動作)とは、入金搬送部10により、投入口101から入金された硬貨を収納庫4まで搬送して、収納庫4に収納する処理である。出金処理(動作)とは、収納庫4に収納されている硬貨を繰り出して、出金搬送部5により、硬貨処理装置100の外部に出金(排出)する処理である。精査処理(動作)とは、硬貨を収納庫4から繰り出して、出金搬送部5および入金搬送部10を介して、硬貨を収納庫4に収納し直す際に、収納計数センサ81a〜81fおよび繰出計数センサ82a〜82fにより、収納庫4に硬貨の収納枚数を確認する処理である。回収処理(動作)とは、収納庫4に収納されているすべての硬貨を繰り出して、出金搬送部5により、硬貨処理装置100の外部に出金する処理である。
ここで、本実施形態では、硬貨処理装置100の制御部7は、所定のエラー発生時に、復旧制御(復旧排出制御または復旧収納制御)を行うように構成されている。詳細には、硬貨処理装置100の制御部7は、所定のエラー発生時に、入金搬送部10および出金搬送部5にある硬貨を、返金口102および出金口103の少なくとも一方に排出する復旧排出制御、または、所定のエラー発生時に、入金搬送部10および出金搬送部5にある硬貨を、収納庫4に収納(搬送)する復旧収納制御を行うように構成されている。復旧排出制御および復旧収納制御の詳細については後述する。なお、エラーとは、計数した硬貨の枚数の不一致や、停電の発生、搬送経路上での硬貨の詰まりが生じた場合、外部からの衝撃を受けた場合などの硬貨処理装置100を急遽停止させる必要のある各種エラーである。また、所定のエラーとは、上記エラーに含まれる一部のエラーであり、搬送経路上に硬貨が取り残される(滞留)おそれがあり、予め設定されたエラーである。
(硬貨処理装置の各部の構成)
図1に示すように、投入口101は、硬貨を硬貨処理装置100の内部に入金するための入口部分である。投入口101は、複数枚の硬貨を同時に入金することが可能に構成されている。
返金口102は、少なくとも、返却用の硬貨を硬貨処理装置100の外部に排出するための出口部分である。返金口102は、筐体100aの外側に硬貨を排出する開口102aと、排出された硬貨を受け止めて溜め込むトレイ部102bとを含んでいる。
なお、返却用の硬貨とは、精算前に入金がキャンセルされた場合に、顧客に返すための硬貨であり、入金された硬貨そのものである。
出金口103は、少なくとも、釣銭用の硬貨を硬貨処理装置100の外部に排出するための出口部分である。すなわち、出金口103には、少なくとも、出金処理の際に硬貨が排出される。また、出金口103には、検銭部1aにおいて、正貨でないと判断された媒体、および、回収処理により収納庫4から排出された硬貨も排出される。出金口103は、筐体100aの外側に硬貨を排出する開口103aと、排出された硬貨を受け止めて溜め込むトレイ部103bとを含んでいる。
なお、釣銭用の硬貨とは、入金された金額から商品価格を差し引いた金額分の硬貨である。釣銭用の硬貨は、収納庫4から繰り出される。
図2に示すように、操作部104は、硬貨処理装置100に対する各種操作を受け付ける複数のボタンを有している。操作部104は、リセットボタン104aを含んでいる。リセットボタン104aは、所定のエラーが発生した場合に、所定の操作がされることにより(押圧されることにより)、復旧排出制御または復旧収納制御を開始させるためのトリガーとなるリセット信号Q2を制御部7に送信するように構成されている。表示部105は、各種エラーコードなどを表示するように構成されている。
投入口搬送部1は、投入口101から入金された硬貨を、一時保留部2または出金口103に搬送するように構成されている。一例ではあるが、投入口搬送部1は、硬貨を搬送する機構として、ベルト機構を有している。
検銭部(鑑別部)1aは、投入口搬送部1に設けられている。検銭部1aは、投入口101に入金された硬貨の金種、および、正貨(本実施形態では、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨)であるか否かを判断するように構成されている。また、検銭部1aは、硬貨の入金枚数を金種別に計数可能に構成されている。
入金切換ゲート1bは、検銭部1aよりも下流側で、投入口搬送部1の硬貨の出口部分に設けられている。入金切換ゲート1bは、投入口101から投入された媒体(硬貨)の搬送先経路を、一時保留部2または出金口103に切り換えるように構成されている。
詳細には、入金切換ゲート1bは、検銭部1aにおいて媒体が正貨でないと判断された場合には、媒体が出金口103に搬送(排出)されるように、搬送先経路を切り換えるように構成されている。一方、入金切換ゲート1bは、検銭部1aにおいて媒体が正貨であると判断された場合には、硬貨が一時保留部2に搬送されるように、搬送先経路を切り換えるように構成されている。
一時保留部2は、入金処理中の入金確定前(制御部7がPOSレジスタ装置Rから入金確定信号Q1を受信する前)に、一時的に、投入口101から入金された硬貨を保留するように構成されている。また、一時保留部2は、一時的に保留した硬貨を、振分部3または返金口102に搬送するように構成されている。一例ではあるが、一時保留部2は、硬貨を搬送する機構として、ベルト機構を有している。
なお、入金確定(収納確定)とは、投入口101から硬貨が入れられて(入金されて)、入金された硬貨を一時保留部2に保留している状態から、収納庫4に収納(搬送)することを、確定することを意味する。このため、制御部7がPOSレジスタ装置Rから入金確定信号Q1を受信した場合、硬貨処理装置100は、硬貨を返金することができなくなる。すなわち、入金確定により、入金された硬貨(一時保留部2に保留されている硬貨)は、返金口102から顧客にそのまま返却可能な硬貨(顧客側の硬貨)から、収納庫4に収納すべき硬貨(装置側の硬貨)となる。なお、入金確定後に、硬貨は、一時保留部2から振分部3を経由して収納庫4に収納される。
収納切換ゲート2aは、一時保留部2の硬貨の出口部分に設けられている。収納切換ゲート2aは、一時保留部2に一時的に保留された硬貨の搬送先経路を、振分部3または返金口102に切り換えるように構成されている。なお、収納切換ゲート2aは、POSレジスタ装置Rから入金確定信号Q1を硬貨処理装置100が受信した場合、一時保留部2に保留されている硬貨の搬送先経路を、振分部3(収納庫4側)に切り換える。
一時保留部2は、出金切換ゲート5aの切り換えにより、収納庫4から繰り出された硬貨を搬送する出金搬送部5から硬貨を受け取り可能に構成されている。
振分部3は、一時保留部2から搬送された硬貨を金種別に振り分けて収納庫4に収納(搬送)するように構成されている。一例ではあるが、振分部3は、硬貨を搬送する機構として、ベルト機構を有している。
詳細には、振分部3は、硬貨を搬送する途中において、硬貨を金種別に、1円収納庫41、50円収納庫42、5円収納庫43、100円収納庫44、10円収納庫45、および、500円収納庫46に振り分けるように構成されている。たとえば、振分部3は、金種ごとの硬貨の大きさの違いを利用して、搬送経路上で硬貨を分離させることにより、硬貨を金種別に振り分けるように構成されている。
1円収納庫41、50円収納庫42、5円収納庫43、100円収納庫44、10円収納庫45および500円収納庫46は、それぞれ、互いに異なる所定の単一金種の硬貨を収納するように構成されている。収納庫4(41〜46)の収納数は、各種センサを用いて制御部7により金種別に管理されている。また、1円収納庫41、50円収納庫42、5円収納庫43、100円収納庫44、10円収納庫45および500円収納庫46は、出金時などにおいて、硬貨を金種別に出金搬送部5に繰り出す(搬出する)ように構成されている。一例ではあるが、収納庫4(41〜46)は、それぞれ、硬貨を繰り出す機構として、ベルト機構を有している。
出金搬送部5は、収納庫4から繰り出された硬貨を、返金口102または一時保留部2に搬送するように構成されている。一例ではあるが、出金搬送部5は、硬貨を搬送する機構として、ベルト機構を有している。
出金切換ゲート5aは、出金搬送部5の硬貨の出口部分に設けられている。出金切換ゲート5aは、収納庫4から繰り出された硬貨の搬送先経路を、一時保留部2または出金口103に切り換えるように構成されている。
収納計数センサ81a〜81fは、振分部3の硬貨の出口部分で、かつ、1円収納庫41、50円収納庫42、5円収納庫43、100円収納庫44、10円収納庫45、および、500円収納庫46のそれぞれの硬貨の入口部分の近傍に設けられている。収納計数センサ81a〜81fは、収納庫4(41〜46)に振り分けられる硬貨の金種別の振分枚数を計数するように構成されている。
収納計数センサ81a〜81fは、振分枚数を計数できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
繰出計数センサ82a〜82fは、出金搬送部5の硬貨の入口部分で、かつ、1円収納庫41、50円収納庫42、5円収納庫43、100円収納庫44、10円収納庫45、および、500円収納庫46のそれぞれの硬貨の出口部分の近傍に設けられている。繰出計数センサ82a〜82fは、収納庫4(41〜46)からの硬貨の金種別の繰出枚数を計数するように構成されている。
繰出計数センサ82a〜82fは、硬貨の繰出枚数を計数できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
排出計数センサ83aは、一時保留部2と返金口102との間(収納切換ゲート2aと返金口102とを繋ぐ硬貨の搬送経路の途中)に設けられている。排出計数センサ83aは、一時保留部2から返金口102への硬貨の排出枚数を計数するように構成されている。
排出計数センサ83bは、投入口搬送部1と出金口103との間(入金切換ゲート1bと出金口103とを繋ぐ硬貨の搬送経路の途中)に設けられている。排出計数センサ83bは、投入口搬送部1から出金口103への硬貨の排出枚数を計数するように構成されている。
排出計数センサ83a、83bは、金種にかかわらず、単に、硬貨の通過を認識して硬貨の枚数を計数するセンサである。排出計数センサ83a、83bは、硬貨の排出枚数を計数できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
残留検知センサ84aは、返金口102に設けられている。残留検知センサ84aは、返金口102(トレイ部102b)に残留する硬貨の有無を検知するように構成されている。
残留検知センサ84bは、出金口103に設けられている。残留検知センサ84bは、出金口103(トレイ部103b)に残留する硬貨の有無を検知するように構成されている。
残留検知センサ84cは、一時保留部2に設けられている。残留検知センサ84cは、一時保留部2に残留する硬貨の有無を検知するように構成されている。
残留検知センサ84a〜84cは、単に、硬貨の有無を検知する機能を有しているだけで、金種および硬貨の枚数を判別することはできなくてもよい。残留検知センサ84a〜84cは、硬貨の有無を検知できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
一時保留計数センサ85は、投入口搬送部1と一時保留部2との間(投入口搬送部1と一時保留部2とを繋ぐ硬貨の搬送経路の途中)に設けられている。一時保留計数センサ85は、投入口搬送部1から一時保留部2への硬貨の搬送枚数を計数するように構成されている。
一時保留計数センサ85は、金種にかかわらず、単に、硬貨の通過を認識して硬貨の枚数を計数するセンサである。一時保留計数センサ85は、硬貨の搬送枚数を計数できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
振分計数センサ86は、一時保留部2と振分部3との間(一時保留部2と振分部3とを繋ぐ硬貨の搬送経路の途中)に設けられている。振分計数センサ86は、一時保留部2から振分部3への硬貨の搬送枚数を計数するように構成されている。
振分計数センサ86は、金種にかかわらず、単に、硬貨の通過を認識して硬貨の枚数を計数するセンサである。振分計数センサ86は、硬貨の搬送枚数を計数できるならば、透過型フォトセンサ、反射型フォトセンサ、コイル型センサなどのいかなる方式のセンサであってもよい。
記憶部6は、収納計数センサ81a〜81f、繰出計数センサ82a〜82f、排出計数センサ83a、83b、一時保留計数センサ85および振分計数センサ86によりそれぞれ計数される硬貨の枚数情報を記憶するように構成されている。
(制御部の構成)
図3に示す制御部7は、CPUおよびメモリを含み、硬貨処理装置100各部の駆動を制御するように構成されている。
制御部7は、所定エラー発生時の処理状態に応じて、復旧排出制御または復旧収納制御の動作を決定するように構成されている。具体的には、制御部7は、所定エラー発生時に行われている入金処理、出金処理、精査処理または回収処理の状態(状況)に応じて、所定の経路で硬貨を搬送するための構成を、所定の順番で駆動させて、硬貨を収納庫4に収納する復旧収納制御を行うか、硬貨を返金口102または出金口103に排出する復旧排出制御を行うように構成されている。
制御部7は、復旧排出制御または復旧収納制御を行う際に、硬貨の搬送先である下流側にある硬貨から順に搬送するように構成されている。詳細については、以下において、処理(入金処理、出金処理、精査処理)ごとに具体的に説明する。
なお、制御部7は、硬貨の搬送を開始してから所定時間経過後に、硬貨の搬送先とは逆側の上流側にある硬貨から順に搬送を停止するように構成されている。所定時間とは、硬貨の搬送を開始してから、搬送経路上に存在するすべての硬貨を排出または収納するのに通常必要される時間と、搬送経路の空確定のための余裕時間とを少なくとも含んでいる。
〈入金処理時に所定のエラーが発生した場合の制御〉
図4に示すように、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定前である場合、復旧排出制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定前である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の返金口102への切換および入金切換ゲート1bによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切換、一時保留部2の駆動、および、投入口搬送部1の駆動、を順に行うように構成されている。
図5に示すように、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定後である場合、復旧収納制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定後である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の振分部3への切換および入金切換ゲート1bによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切換、振分部3の駆動、一時保留部2の駆動、および、投入口搬送部1の駆動、を順に行うように構成されている。
〈出金処理時に所定のエラーが発生した場合の制御〉
制御部7は、出金処理を行う際に、収納庫4から出金搬送部5に硬貨を繰り出すように構成されている。そして、制御部7は、収納庫4からの硬貨の繰り出しが完了した後、出金搬送部5により、繰り出した硬貨を出金口103に排出するように構成されている。この際、出金切換ゲート5aは、出金搬送部5からの搬送先経路が出金口103となるように切り換えられている。
図6に示すように、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始前である場合、収納庫4から繰り出した硬貨を、出金搬送部5から入金搬送部10に搬送して収納庫4に収納し直す復旧収納制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始前である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の振分部3への切換および出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切換、振分部3の駆動、一時保留部2の駆動、および、出金搬送部5の駆動、を順に行うように構成されている。
図7に示すように、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始後である場合、収納庫4から繰り出した硬貨を、出金口103に排出する復旧排出制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部7は、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による搬送開始後である場合、出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の出金口103への切換、および、出金搬送部5の駆動、を順に行うように構成されている。
なお、回収処理を行っている際に所定のエラー発生した場合、制御部7は、出金処理中と同様に、復旧収納制御および復旧排出制御を行うように構成されている。
〈精査処理時に所定のエラーが発生した場合の制御〉
図2に示す制御部7は、精査処理中に所定のエラーが発生した場合、精査処理を中断して搬送経路(出金搬送部5、一時保留部2、振分部3)上にある硬貨を収納庫4に収納する復旧収納制御を行うように構成されている。
なお、精査処理とは、収納庫4に収納されている硬貨の収納枚数を確認するために、収納庫4から繰り出した硬貨の繰出枚数と、収納庫4に収納する収納枚数との一致を確認する処理である。収納庫4からの繰出枚数は、繰出計数センサ82a〜82fにより計数され、収納庫4への収納枚数は、収納計数センサ81a〜81fにより計数される。
具体的には、制御部7は、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の振分部3への切換および出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切換、振分部3の駆動、一時保留部2の駆動、および、出金搬送部5の駆動、を順(図6と同様の順番)に行うように構成されている。
〈その他の制御〉
制御部7は、収納計数センサ81a〜81fにより、収納庫4への硬貨の収納枚数を確認(管理)する制御を行うように構成されている。また、制御部7は、繰出計数センサ82a〜82fより、返金口102および出金口103への硬貨の排出枚数を確認(管理)する制御を行うように構成されている。また、制御部7は、排出計数センサ83a、83bにより、返金口102および出金口103への硬貨の排出枚数を確認(管理)する制御を行うように構成されている。また、制御部7は、一時保留計数センサ85により、投入口搬送部1から一時保留部2への硬貨の搬送枚数を確認(管理)するように構成されている。また、制御部7は、振分計数センサ86により、一時保留部2から振分部3への硬貨の搬送枚数を確認(管理)するように構成されている。なお、制御部7は、これらの硬貨の各種枚数を、記憶部6に記憶されている各種の枚数情報から把握する。また、制御部7は、少なくとも、復旧排出制御および復旧収納制御を行う際に、収納計数センサ81a〜81f、繰出計数センサ82a〜82f、排出計数センサ83a、83b、残留検知センサ84a〜84c、一時保留計数センサ85および振分計数センサ86などの各種センサにより硬貨の枚数や、硬貨の残留の有無を確認するように構成されている。
たとえば、制御部7は、残留検知センサ84cにより、一時保留部2に保留されている硬貨の有無を判断可能に構成されている。これにより、制御部7は、復旧収納制御および復旧排出制御を行った際に、搬送されずに一時保留部2に残されている硬貨の有無を判断することができる。
(復旧制御の処理フロー)
次に、図8〜図12を参照して、制御部7による復旧制御(復旧収納制御および復旧排出制御)の処理フローについて説明する。すなわち、停電などの所定のエラー発生時に、搬送途中の硬貨を収納庫4に収納する制御、および、搬送途中の硬貨を外部に排出する制御について説明する。なお、処理フローでは、スタート時において、復旧制御が必要な所定のエラー、または、復旧制御が不要なエラーが発生した状態であるとする。また、各構成の符号については図2を参照するものとする。
〈復旧モードセットの処理フロー〉
まず、図8に示すように、ステップS1において、制御部7により、通常エラーコードが更新される。すなわち、通常エラーコードが、発生したエラーに対応するエラーコードに更新される。そして、ステップS2に進む。
ステップS2において、制御部7により、通常エラーコードに紐付された復旧動作設定用エラーコードがあるか否かが判断される。すなわち、発生したエラーが、予め決められた復旧制御が必要なエラーであるか否かが判断される。通常エラーコードに紐付された復旧動作設定用エラーコードがある場合には、ステップS3に進み、復旧動作設定用エラーコードがない場合には、ステップS4に進む。
ステップS3において、制御部7により、通常エラーコードが復旧動作設定用エラーコードにセットされる。そして、ステップS4に進む。
ステップS4において、制御部7により、既に、復旧動作設定用エラーコードがセットされているか否かが判断される。すなわち、復旧制御が必要なエラーの発生以前に、復旧制御が必要な他のエラーが発生しており、以前の復旧動作設定用エラーコードが未だセットされているか否かが判断される。既に、復旧動作設定用エラーコードがセットされている場合には、ステップS6に進む。復旧動作設定用エラーコードがセットされていない場合には、ステップS5に進む。
ステップS5において、制御部7により、復旧動作設定用エラーコードに基づいて、復旧モードがセットされる。但し、ステップS3を経由せずに、ステップS5に進んだ場合(復旧動作設定用エラーコードが未だセットされていない場合)には、復旧モードがセットされない。そして、ステップS6に進む。
ステップS6において、制御部7により、リセット信号Q2が受信されたか否かが判断される。すなわち、ユーザによりリセットボタン104aが押されたか否かが判断される。リセット信号Q2が受信された場合には、ステップS7に進み、リセット信号Q2が受信されない場合には、ステップS6が繰り返される。
ステップS7において、制御部7により、復旧モードがセットされているか否かが判断される。復旧モードがセットされている場合には、ステップS10に進む。復旧モードがセットされていない場合には、ステップS8に進む。
ステップS8において、制御部7により、復旧制御が行われる。詳細については、図9〜図12に示すサブルーチンを用いて以下で説明する。そして、ステップS9に進む。
ステップS9において、制御部7により、正常に復旧制御が完了したか否かが判断される。正常に復旧制御が完了した場合には、ステップS10に進む。正常に復旧制御が完了しない場合には、ステップS1に戻る。なお、ステップS1に戻る場合、既にセットされている復旧動作設定用エラーコードが維持される。すなわち、ステップS1に戻り、ステップS4まで進んだ場合、ステップS5を経由することなくステップS6に進む。
ステップS10では、制御部7により、通常リセットが行われる。すなわち、アクチュエータなどの可動部分の動作確認などが行われる。そして、ステップS11に進む。
ステップS11では、復旧動作設定用エラーコードをクリアする。以上で、復旧モードセットの処理フローが完了する。
〈入金処理中の入金確定前の復旧制御(ステップS8のサブルーチン)〉
次に、図9を参照して、入金処理中の入金確定前の復旧排出制御の処理フローについて説明する。
まず、ステップS21において、制御部7により、入金切換ゲート1bによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切り換えと、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の返金口102への切り換えとが行われる。すなわち、返金口102への硬貨の搬送経路が確保される。
次に、ステップS22において、制御部7により、一時保留部2が駆動される。たとえば、一時保留部2が硬貨を搬送するためのベルト機構を備えるならば、ベルト機構が駆動される。
次に、ステップS23において、制御部7により、投入口搬送部1(一時保留部2の上流側の構成)が駆動される。
次に、ステップS24において、制御部7により、投入口搬送部1が駆動されてから所定時間経過後に、投入口搬送部1が停止される。
次に、ステップS25において、制御部7により、投入口搬送部1が停止されてから所定時間経過後に、一時保留部2が停止される。そして、ステップS9(図8参照)にリターンする。
〈入金処理中の入金確定後の復旧制御(ステップS8のサブルーチン)〉
次に、図10を参照して、入金処理中の入金確定後の復旧収納制御の処理フローについて説明する。
まず、ステップS31において、制御部7により、入金切換ゲート1bによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切り換えと、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路を振分部3への切り換えとが行われる。すなわち、収納庫4への硬貨の搬送経路が確保される。
次に、ステップS32において、制御部7により、振分部3が駆動される。
次に、ステップS33において、制御部7により、一時保留部2(振分部3の上流側の構成)が駆動される。
次に、ステップS34において、制御部7により、投入口搬送部1(一時保留部2の上流側の構成)が駆動される。
次に、ステップS35において、制御部7により、投入口搬送部1が駆動されてから所定時間経過後に、投入口搬送部1が停止される。
次に、ステップS36において、制御部7により、投入口搬送部1が停止されてから所定時間経過後に、一時保留部2が停止される。
次に、ステップS37において、制御部7により、一時保留部2が停止されてから所定時間経過後に、振分部3が停止される。そして、ステップS9(図8参照)にリターンする。
〈出金処理中の硬貨の搬送開始前の復旧制御(ステップS8のサブルーチン)〉
次に、図11を参照して、出金処理中の硬貨の搬送開始前の復旧制御の処理フローについて説明する。
まず、ステップS41において、制御部7により、出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切り換えと、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路を振分部3への切り換えとが行われる。すなわち、収納庫4への硬貨の搬送経路が確保される。
次に、ステップS42において、制御部7により、振分部3が駆動される。
次に、ステップS43において、制御部7により、一時保留部2(振分部3の上流側の構成)が駆動される。
次に、ステップS44において、制御部7により、出金搬送部5(一時保留部2の上流側の構成)が駆動される。
次に、ステップS45において、制御部7により、出金搬送部5が駆動されてから所定時間経過後に、出金搬送部5が停止される。
次に、ステップS46において、制御部7により、出金搬送部5が停止されてから所定時間経過後に、一時保留部2が停止される。
次に、ステップS47において、制御部7により、一時保留部2が停止されてから所定時間経過後に、振分部3が停止される。そして、ステップS9(図8参照)にリターンする。
なお、精査処理中に所定のエラーが発生した場合においても、同様の処理が行われる。説明は省略する。
〈出金処理中の硬貨の搬送開始後の復旧制御(ステップS8のサブルーチン)〉
次に、図12を参照して、出金処理中の硬貨の搬送開始後の復旧制御の処理フローについて説明する。
まず、ステップS51において、制御部7により、出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の出金口103への切り換えが行われる。すなわち、出金口103への硬貨の搬送経路が確保される。
次に、ステップS52において、制御部7により、出金搬送部5が駆動される。
次に、ステップS53において、制御部7により、出金搬送部5が駆動されてから所定時間経過後に、出金搬送部5が停止される。そして、ステップS9(図8参照)にリターンする。
なお、回収処理中に所定のエラーが発生した場合においても、同様の処理が行われる。説明は省略する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部7を設けることにより、所定のエラーが発生した場合に、制御部7による復旧排出制御により、搬送経路上に滞留した硬貨を、出金口103または返金口102に自動で排出することができる。または、所定のエラーが発生した場合に、制御部7による復旧収納制御により、搬送経路上に滞留した硬貨を、収納庫4に自動で収納することができる。これにより、硬貨処理装置100は、所定のエラーが発生した際に、装置を開くことなく搬送経路上に滞留した硬貨(媒体)を搬送経路上から除去することができるので、装置を開いて硬貨の搬送経路から硬貨を取り除く作業が必要となるケースを低減することができる。このため、装置の管理者の手間(作業負担)を軽減することができるとともに、装置を開く必要がないため、保安上の観点からも好ましい装置とすることができる。ここで、搬送経路とは、入金搬送部10および出金搬送部5を少なくとも含み、収納庫4を除き、硬貨処理装置100内で硬貨を搬送する経路を意味する。
本実施形態では、上記のように、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態に応じて復旧排出制御または復旧収納制御の動作を決定するように構成する。これにより、搬送経路上に滞留している硬貨が収納すべき硬貨であるか、排出すべき硬貨であるかを適切に判断することができる。すなわち、顧客に返却すべき硬貨を確実に返却(排出)することができるとともに、収納庫4に収納すべき硬貨を確実に収納することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定前である場合、復旧排出制御を行い、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定後である場合、復旧収納制御を行うように構成する。これにより、入金確定をトリガーとして処理動作(収納または排出)を切り分けることができるので、効率的に復旧排出制御および復旧収納制御を行うことができるとともに、入金搬送部10に滞留している硬貨が収納すべき硬貨であるか、排出すべき硬貨であるかをより適切に判断することができる。また、入金確定後には、収納庫4側に硬貨が搬送されて、収納庫4を経由しないと排出できない硬貨が存在する状態になっている可能性があるので、復旧収納制御により搬送経路上のすべての硬貨を一律に収納することができる。一方、入金確定前には、収納庫4側に搬送された硬貨が存在する状態にはなっていないので、復旧排出制御により搬送経路上のすべての硬貨を一律に排出することができる。すなわち、搬送経路上の硬貨のうち、一部の硬貨だけが排出され、その他の硬貨が収納されることがないように制御を行うことができる。
本実施形態では、上記のように、入金搬送部10に、入金処理中の入金確定前に、一時的に硬貨を保留する一時保留部2を設け、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定前である場合、一時保留部2に保留されている硬貨を返却口に排出する復旧排出制御を行い、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定後である場合、一時保留部2に保留されている硬貨を収納庫4に収納する復旧収納制御を行うように構成する。これにより、一時保留部2により搬送経路上に硬貨を保留する(溜め込む)ことができるので、入金確定がなされることなく、入金がキャンセルされた場合に、一時保留部2に保留した硬貨を即座に排出することができる。
本実施形態では、上記のように、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始前である場合、収納庫4から繰り出した硬貨を、出金搬送部5から入金搬送部10に搬送して収納庫4に収納し直す復旧収納制御を行い、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始後である場合、収納庫4から繰り出した硬貨を、出金口103に排出する復旧排出制御を行うように構成する。これにより、出金搬送部5による硬貨の搬送開始をトリガーとして処理動作(収納または排出)を切り分けることができるので、効率的に復旧排出制御および復旧収納制御を行うことができるとともに、収納庫4から繰り出されて搬送経路上に滞留している硬貨が、収納すべき硬貨であるか、排出すべき硬貨であるかをより適切に判断することができる。また、搬送開始後には、出金口103側に硬貨が搬送されて、収納庫4に戻すことができない硬貨が存在する状態になっている可能性があるので、復旧排出制御により搬送経路上のすべての硬貨を一律に排出することができる。一方、搬送開始前には、出金口103側に搬送された硬貨が存在する状態にはなっていないので、復旧収納制御により搬送経路上のすべての硬貨を一律に収納することができる。すなわち、一部の硬貨が排出され、その他の硬貨が収納されることがないように制御を行うことができる。
本実施形態では、上記のように、制御部7を、硬貨を収納庫4から繰り出して、出金搬送部5および入金搬送部10を介して、収納庫4に収納し直すことにより硬貨の収納枚数を確認する精査処理中に、所定のエラーが発生した場合、精査処理を中断して硬貨を収納庫4に収納する復旧収納制御を行うように構成する。これにより、精査処理中に所定のエラーが発生した場合でも、搬送経路上の硬貨を確実に収納庫4に収納することができる。この場合、精査処理は改めて行われる必要がある。
本実施形態では、上記のように、制御部7を、復旧排出制御または復旧収納制御を行う際に、硬貨の搬送先である下流側にある硬貨から順に搬送するように構成する。これにより、たとえば、出金搬送部5から入金搬送部10に硬貨を受け渡して、出金搬送部5にある硬貨を収納庫4に収納する場合に、硬貨を収納するために入金搬送部10を出金搬送部5よりも先に駆動させることができるので、入金搬送部10と出金搬送部5との間などの硬貨の受け渡し部分で硬貨の詰まりが発生するのを抑制することができる。また、下流側から硬貨の搬送を開始するので、上流側にある硬貨と下流側にある硬貨とが混ざるのを抑制することができる。
本実施形態では、上記のように、入金搬送部10に、入金処理中の入金確定前に、一時的に硬貨を保留する一時保留部2と、一時保留部2から搬送された硬貨を金種別に振り分けて収納庫4に収納する振分部3と、投入口101から入金された硬貨を一時保留部2または出金口103に搬送する投入口搬送部1とを設け、硬貨処理装置100に、一時保留部2に配置され、硬貨の搬送先経路を、振分部3または返金口102に切り換える収納切換ゲート2aをさらに設け、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定前である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の返金口102への切換、一時保留部2の駆動、および、投入口搬送部1の駆動、を順に行い、所定のエラー発生時の処理状態が入金処理中の入金確定後である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の振分部3への切換、振分部3の駆動、一時保留部2の駆動、および、投入口搬送部1の駆動、を順に行うように構成する。これにより、振分部3と一時保留部2との間で硬貨の詰まりが発生するのを抑制することができる。また、一時保留部2と投入口搬送部1との間で硬貨の詰まりが発生するのを抑制することができる。振分部3と一時保留部2と投入口搬送部1とに滞留する硬貨の枚数を、それぞれ把握することができる。また、はじめに、収納切換ゲート2aを切り換えることができるので、硬貨を動かす前に、搬送経路を確保することができる。
本実施形態では、上記のように、出金搬送部5に配置され、硬貨の搬送先経路を、出金口103または一時保留部2に切り換える出金切換ゲート5aと、設け、制御部7を、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による硬貨の搬送開始前である場合、収納切換ゲート2aによる硬貨の搬送先経路の振分部3への切換および出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の一時保留部2への切換、振分部3の駆動、一時保留部2の駆動、および、出金搬送部5の駆動、を順に行い、所定のエラー発生時の処理状態が出金処理中の出金搬送部5による搬送開始後である場合、出金切換ゲート5aによる硬貨の搬送先経路の出金口103への切換、および、出金搬送部5の駆動、を順に行うように構成する。これにより、出金搬送部5と一時保留部2との間で硬貨の詰まりが発生するのを抑制することができる。また、はじめに、出金切換ゲート5aおよび収納切換ゲート2aを切り換えることができるので、硬貨を動かす前に、搬送経路を確保することができる。
本実施形態では、上記のように、返金口102および出金口103への硬貨の排出枚数を計数する排出計数センサ83a、83bと、収納庫4への硬貨の収納枚数を計数する収納計数センサ81a〜81fとを設け、制御部7を、排出計数センサ83a、83bにより、返金口102および出金口103への硬貨の排出枚数を確認するとともに、収納計数センサ81a〜81fにより、収納庫4への硬貨の収納枚数を確認する制御を行うように構成する。これにより、排出計数センサ83a、83bおよび収納計数センサ81a〜81fにより、装置の硬貨の出入りを把握することができるので、復旧排出制御および復旧収納制御を行う際に、硬貨の枚数を正しく管理することができる。
本実施形態では、上記のように、所定のエラーが発生した場合に、操作されることにより、制御部7に復旧排出制御または復旧収納制御を開始させるためのトリガーとなるリセット信号Q2を送信する操作部104を設ける。これにより、操作部104を操作して、容易に、復旧排出制御または復旧収納制御を開始することができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記一実施形態では、硬貨処理装置が、一時保留部を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、硬貨処理装置が、一時保留部を備えていなくてもよい。
また、上記一実施形態では、所定のエラー発生時に、処理状態に応じて復旧排出制御および復旧収納制御のいずれを行うかを判断した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、所定のエラー発生時に、復旧排出制御および復旧収納制御の一方を一律に行うように構成してもよい。
また、上記一実施形態では、入金搬送部を、一時保留部、振分部および投入口搬送部から構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、入金搬送部を、一時保留部および振分部のみから構成してもよい。
また、上記一実施形態では、復旧排出制御および復旧収納制御において、上流側の構成から駆動を停止させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上流側の構成および下流側の構成を同時に停止してもよい。
また、上記一実施形態では、復旧排出制御および復旧収納制御において、下流側の構成から駆動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上流側の構成および下流側の構成を同時に駆動させてもよい。
また、上記一実施形態では、出金処理時に所定のエラーが発生した場合の復旧排出制御において、出金口に硬貨を排出した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、復旧排出制御において、返金口に硬貨を排出してもよい。
また、上記一実施形態では、硬貨処理装置が行う処理には、入金処理、出金処理、精査処理および回収処理の4種の処理がある例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、硬貨処理装置は、少なくとも、入金処理および出金処理を行えるように構成されているのであれば、精査処理および回収処理が行われるように構成されていなくてもよい。
また、上記一実施形態では、復旧制御において、入金処理時に入金確定した場合に、硬貨を収納する復旧収納制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、復旧制御において、入金処理時に入金確定したとしても、振分部側に硬貨が搬送されていないならば、硬貨を収納するのではなく、硬貨を排出してもよい。すなわち、復旧収納制御を行うのではなく、復旧排出制御を行ってもよい。
また、上記一実施形態では、復旧制御において、出金処理時に硬貨の搬送を開始した場合に、硬貨を排出する復旧排出制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、復旧制御において、出金処理時に硬貨の搬送を開始したとしても、繰り出した硬貨のすべてを一時保留部(収納庫側)に搬送可能であるならば(収納庫から繰り出したすべての硬貨が、収納庫と出金切換ゲートとの間にあるならば)、硬貨を排出するのではなく、硬貨を収納庫に収納してもよい。すなわち、復旧排出制御を行うのではなく、復旧収納制御を行ってもよい。
また、上記一実施形態では、制御部に復旧排出制御または復旧収納制御を開始させるためのトリガーとなるリセット信号を送信する構成である操作部を、ボタン(リセットボタン)により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、操作部をタッチパネルなどのボタン以外により構成してもよい。
また、上記一実施形態では、制御部がPOSレジスタ装置から入金確定信号を受信するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、制御部が硬貨処理装置の操作部から入金確定信号を受信するように構成してもよい。
また、上記一実施形態では、硬貨処理装置を、日本円の硬貨を収納可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、硬貨処理装置を、日本円以外の硬貨を収納可能に構成してもよい。
また、上記一実施形態では、説明の便宜上、制御部の硬貨処理装置に関する制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行う「フロー駆動型」のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理を、イベント単位で処理を実行する「イベント駆動型(イベントドリブン型)」の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。