JPH02220944A - 多重織エアーバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエアーバッグに関する。より詳しくはその中空
部が袋織によって形成されているエアーバッグに関する
。

〔従来の技術〕

自動車の衝突事故に伴う人身障害の防止のためにエアー
バッグ装置の使用が推奨されている。エアーバッグ装置
は自動車の衝突を検知するセンサー、センサーからの信
号に基づいてバッグを膨脂させるガス発生器および衝突
時にガスによって膨脂して乗員の衝撃を吸収するエアー
バッグから構成される。

従来公知のエアーバッグとして、ナイロン６６等の合成
繊維フィラメントから成る織物を所定の排気を少くする
ため、例えばクロロプレン等のコーティングを縫製前又
は縫製後に施したものが知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来公知のエアーバッグは前述のように縫製によって作
られている。エアーバッグはその使用時に急激に膨脂さ
せられるので、その際に加わる圧力に耐えるように縫製
することを要し、したがって縫製に多大な工数が必要と
なり、そのことがエアーバッグの製造コストが増大する
一因となる。

したがって縫製する個所がないか、縫製する個所が縮少
されたエアーバッグであれば製造コスト上有利であり、
且つエアーバッグの信転性向上に役立つ。

かかる観点から本発明の出願人は昭和６３年８月６日出
願の「袋織エアバッグ」　（特願昭６３−１９５３１１
号）で、２組の経糸群から袋状に製織されたエアーバッ
グであって、その２組の経糸群が前記エアーバッグの周
辺部において経糸と緯糸の織組織によって一体に接合さ
れ、且つ少（とも１個のガス発生器取付用開口部が設け
られていることを特徴とする袋織エアーバッグを提案し
た。

一方エアーバッグの作動時に、エアーバッグに気体が急
激に流入したままでは人体のリバウンド現象を生ずるの
で好ましくない、そこで従来のコーティングによって完
全に不透気性にされた布帛を用いて作られたエアーバッ
グでは、エアーバッグに排気用孔を設け、エアーバッグ
膨張後にエアーバッグ内の気体が排気用孔から流出する
ようにしてリバウンド現象を解消している。しかしこの
エアーバッグでは完全に不通気性の布帛を得るために通
常織物に全面コーティングしているために重量が重く、
且つ織物が堅いため展開性が悪く、展開時に人体に障害
を与える等問題点を有する。

かかる観点から本発明の出願人は昭和６３年８月３日出
願の「エアーバッグ」（特願昭６３−１９２８２９号）
で少くとも２枚の織物を袋状に接合して成り、且つ取付
用開口部を有するエアーバッグにおいて、該エアーバッ
グの接合部分および開口部がエアーバッグの急激膨張時
に破断しない強度に前記接合部分および開口部の近傍を
コーティングすると共に、前記接合部分および開口部の
近傍を除く織物表面の一部分を膨張後のエアーバッグ中
の気体の排気がエアーバッグ全体として所定の速度で行
われる面積比率でコーティングすることを特徴とするエ
アーバッグを提案した。

前記本発明と同一の出願人に係る２つの提案はそれぞれ
優れた特徴を有するが、前者（特願昭６３−１９５３１
１号によって出願された袋織エアーバッグ）は袋織にす
ることによってエアーバッグの縫製工数を大幅に削減す
ることができるがリバウンド対策のために部分コーティ
ング等の処置を必要とする。一方後者（特願昭６３−１
９２８２９号によって出願されたエアーバッグ）は２枚
の織物を袋状に接合するために、縫製等の作業を必要と
する。

したがって、縫製をする個所がないか、縫製する個所が
縮少されたエアーバッグであって、且つコーティングな
しにリバウンド対策がとられ、それによって軽量且つ展
開性が良く、したがって展開時に人体に障害を与えるこ
とが少く、さらに製造コストを安くすることができるエ
アーバッグは現在出現していない。

本発明はかかる既存のエアーバッグの有する問題点を解
決して、軽量且つ展開性が良く、したがって展開時に人
体に障害を与えることが少く、さらに製造コストを安く
することができるエアーバッグを提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の目的は人体側に二枚重ねの織物を配置形成した
袋部を有し、且つその袋部の周縁が接結一重組織帯で形
成されている少くとも三重袋織組織の多重織エアーバッ
グによって達成される。

本発明の多重織エアーバッグでは袋部の周縁が接結一重
組織帯で形成されているので、袋部形成のために縫製等
の接合処理を必要としない。一方袋部の人体側に二枚重
ねの織物が配置されるように製織されているのでコーテ
ィング処理をしな（ても人体側の透気性を低（すること
ができ、エアーバッグ膨張時の排気の大部分がハンドル
側の織物から排出されることになるので、コーティング
処理なしでリバウンド対策が達成されたエアーバッグに
することができる。

本発明のエアーバッグにおいて、袋部の形状は作られる
エアーバッグの用途から定められるものであり、任意の
形状にすることができる。又周辺の接結一重組織帯の形
状および幅も又作られるエアーバッグの用途、エアーバ
ッグに用いられる糸種、糸の太さおよび密度等の構成要
件によって異り、実験によって定めればよい。

本発明のエアーバッグに用いられる糸としては各種の糸
を用いることができる。しかしエアーバッグは高強度を
要するので、ナイロン６６、ナイロン６、ポリエステル
繊維、アラミド繊維等合成繊維を用いるとよい、用いる
糸の太さは２１０　ｄ〜１２６０　ｄ　、通常は８４０
ｄが用いられる。

以下本発明のエアーバッグの好ましい例を示す添付図面
を参照して本発明を詳述する。なお以下の説明において
は、ドライバーシート用エアーバッグ、すなわち袋部の
形状が円形であるエアーバッグについて説明するが、前
述のように本発明は袋部の形状によって限定されるもの
ではない。

本発明によるエアーバッグの一例を第１図に示す。第１
図（Ａ）は平面図、第１図（Ｂ）は第１図（Ａ）の線１
　（Ｂ）　−Ｉ　（Ｂ）による断面図であって、説明の
便宜上エアーバッグの袋部が膨らまされた状態で示しで
ある。第１図に示す本発明のエアーバッグ１はドライバ
ーシート用エアーバッグであって、実質的に円形である
袋部２を有し、袋部２の周縁は接結一重組織部３で形成
されている。袋部２の人体側は２枚の織物片２ａ、２ｂ
が重ねて配置され、一方袋部２のハンドル側は１枚の織
物片２Ｃで形成されている。この３枚の織物片２ａ。

２ｂ、２ｃの周縁は接結一重組織部３で一体に接合され
ている。より具体的には各織物片２ａ。

２ｂ、２ｃを構成するそれぞれの経糸、緯糸を一体に一
重組織に織込むことによって３枚の織物片２ａ、２ｂ、
２ｃの周縁を接合している。

このようにして得られたドライバーシート用エアーバッ
グ１は第２図に１′で示すようにハンドル側の織物片２
ｃのほり中央にインフレータ取付用開口部４を設け、且
つ開口部４を利用してハンドルに取付けて用いられる。

その際第３図に１″で示すように、開口部４を利用して
エアーバッグ１′を裏返して接結一重組織部３を袋部２
の内側にして用いてもよい。

このようにして得た本発明のエアーバッグでは、袋部２
の人体側に２枚の織物片２ａ、２ｂが配置されているの
で透気性が抑制され、その結果、エアーバッグの膨張時
のガスの排気は主としてハンドル側の織物片２Ｃ側で行
われる。ことにより、エアーバッグにコーティングを施
さなくてもリバウンド現象を有効に除去することができ
る。

次に本発明のエアーバッグの製造方法の一例を第４図お
よび第５図を参照して説明する。

第４図に示したエアーバッグ用袋織地５の場合には、３
枚のエアーバッグ１が経糸方向に間隔をあけて配置され
ている。製織に際しては第５図により明らかに示すよう
に接結一重組織部３の外側区域に三重袋織部６を設け、
その上で両耳部７ａ。

７ｂを接結一重組織にするとよい。このようにすること
により一体になった耳部を形成することによる取扱い性
の向上および三重袋織部６を設けることによって、高密
度の接結一重組織の占める面積を許容される範囲で少く
することができ、製織性向上に役立つ。

〔実施例〕

以下実施例により本発明のエアーバッグを説明する。

一バッグ用袋織地を製織した。

筬羽×引込本数　　１９羽×６本人れ 切込み密度　　　　２７本／吋 設計密度（本／吋） 組織　生機　仕上 袋織部２，６　　　平　　　２７ｘ２７　２８．５ｘ２
Ｂ、５一重組織部 ３．７ａ、７ｂ　　　　　綾　　　　８１ｘ８１　８５
．５ｘ８５．５通し幅　　　　　　１０５ｃｍ 仕上幅　　　　　　　９２ａｎ 織密度が高密度であるのでドルニエ織機を用いジャカー
ド（打出？ＩＯ−７）を使用し、且つ経糸には無撚有糊
の糸を用いて２０Ｏｒ、ｐ、ｍの回転数で製織した。又
袋織部２．６は平織にしたのに対し、一重組織部での打
ち込み不足を防ぐために一重組織部では１１２組織にし
た。得られたエアーバッグ袋織地５からエアーバッグ１
を接結一重組織部３の外側に沿って切断することにより
得、さらに第２図に示すように、インフレータ取付用開
口部４を設け、この開口部４の周辺部のみに補強のため
にコーティングを施した（図示せず）。このエアーバッ
グを第３図に示すように、開口部４を利用して裏返しす
ることによりドライバーシート用エアーバッグを得た。

得られたドライバーシート用エアーバッグの人体側（織
地片２ａ　、２ｂ側）とハンドル側（織地片２ｃ）の通
気度をフラジール法で測定したところ人体側で３　ｃｃ
　／　ｃ＋ｆｌ　／　ｓｅｃ　、ハンドル側で３０ｃｃ
／ｃｊ／ｓｅｃであった。このエアーバッグをドライバ
ーシートに装着して実用試験を行ったところ展開性が良
く、且つリバウンド現象もなく、実験用人体ダミーに損
傷を与えることなく有効に作動した。

〔発明の効果〕

本発明のエアーバッグは前述のように構成されているの
で、縫製等の接合処理、リバウンド対策用のコーティン
グ処理を施さなくても軽量且つ展開性が良く、したがっ
て展開時に人体に障害を与えることの少いエアーバッグ
を提供することができる。さらに縫製等の接合処理やコ
ーティング処理を施す必要がないのでエアーバッグの製
造コストを低下するのに役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるエアーバッグの一例を示す図であ
って第１図（Ａ）は平面図、第１図（Ｂ）・は第１図（
Ａ）の線Ｉ　（Ｂ）−１（Ｂ）による断面図であり、第
２図は第１図のエアーバッグにインフレーク取付用開口
部を設けたエアーバッグの断面図であり、第３図は第２
図に示すエアーバッグを裏返したエアーバッグを示す断
面図であり、第４図は第１図に示すエアーバッグを製織
する際のエアーバッグ用袋織地の一例を示す平面図であ
り、第５図は第４図の線Ｖ−■による断面図である。 ｉ、ｉ’、ｔ”・・・エアーバッグ、 ２・・・袋織部 ２ａ、２ｂ、２ｃ・・・袋織部を構成する織地片、３・
・・接結一重組織帯、 ４・・・インフレータ取付用開口部、 ５・・・エアーバッグ用袋織地、 ６・・・接結一重組織部、 ７ａ、７ｂ・・・耳部。 一 １（Ｂ） （Ａ） （Ｂ） 第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 人体側に二枚重ねの織物を配置形成した袋部を有し、且
   つ該袋部の周縁が接結一重組織帯で形成されている少く
   とも三重袋織組織の多重織エアーバッグ。