JPH0221624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、倒立の状態で使用される場合で
も、スプリング交換のメンテナンス向上を図つた
サブタンク式クツシヨンに関する。

リヤークツシヨンユニツトは、一般に自動二輪
車の後車輪等を緩衝方式で支持する緩衝器であ
り、第１図に示す如き正立型の場合、シリンダ１
内を摺動し、かつ減衰力発生機構を備えたピスト
ンのロツド２をシリンダ１上方に引き出し、ピス
トンロツド２側に設けられたばね受３と、シリン
ダ１外周に設けられたばね受４との間にスプリン
グ５を介在して構成され、車輪の上下方向に生じ
る衝撃が緩和される仕組みとなつている。また第
２図に示される如く、同上リヤークツシヨンユニ
ツトを倒立の状態で使用する場合もある。正立型
の場合、サブタンク６は車体側に、下部ジヨイン
ト７は車軸に取付けられるため、予め連結パイプ
８を長めにしなければならず、そのため通常作動
時においては連結パイプ８の曲げや捩れでフリク
シヨンに悪影響を与えたり、またパイプの耐久性
にも問題があつた。その点、倒立型の場合、サブ
タンク６ａも上部ジヨイント７ａも車体側に取付
けられるため、通常作動時に連結パイプ８ａの曲
げや捩れ等を生じず、正立型に比較して該パイプ
の耐久性が良く、同パイプの捩れ等によるフリク
シヨンもなく、またばね下重量を軽く出来る等の
長所がある。ところで、レースやオフロード等に
おいてその走行条件に合つたスプリングに交換す
る必要があり、その交換時間は短時間であること
が望ましい。正立型の場合、下部ジヨイント７は
車輪等に取付けたまま上部ジヨイント９のみ外し
てスプリング交換が出来るが、倒立型の場合はリ
ヤークツシヨンユニツト全体を車体から取外さな
ければスプリング交換が出来ないという問題があ
つた。

この考案は上記問題の解消を目的とするサブタ
ンク式クツシヨンを提案するもので、前記シリン
ダ上端部側壁にシリンダの半径方向から上方向ま
で揺動自在にその基端部を嵌合されたヒンジジヨ
イント金具と、同側壁に貫通されて上記ヒンジジ
ヨイント金具を軸支するボルトと、シリンダ内油
室に連通してシリンダ上端部側壁と上記ボルトお
よびヒンジジヨイント金具内に順次穿設された油
路とを設け、該油路に連結パイプを介してサブタ
ンク内油室が連通される構成となしたことを要旨
とする。

以下、この考案の一実施態様を添付図面に基づ
いて説明する。

第３図はこの考案の一実施態様に係るリヤーク
ツシヨンユニツトを示す一部破断正面図、第４図
は第３図における−線よりみた拡大縦断面図
である。１０はシリンダ、１１は該シリンダ１０
下方に引き出されたピストンロツドであり、該ピ
ストンロツド１１下端部にはストツパーラバー１
２、ロツクナツト１３、スプリングシートストツ
パー１４が順次外嵌配設され、その下端に下部ジ
ヨイント１５が螺着されている。上記シリンダ１
０外周にはスプリングアジヤスター１６が外嵌さ
れ、ストツパーリング１７にて固定され、該スプ
リングアジヤスター１６と上記スプリングシート
ストツパー１４との間にはスプリング１８が介在
されている。なお、１９は上部ジヨイントであ
る。上記シリンダ１０上端部側壁にはシリンダの
半径方向Ａから上方向Ｂまで揺動自在にヒンジジ
ヨイント金具２０の基端部が嵌合され、該ヒンジ
ジヨイント金具２０を軸支するボルト２１が同側
壁の一方より挿入貫通され、同側壁の他方に突出
した先端部にナツト２２を螺着して固定されてい
る。また、シリンダ１０内油室ａに連通してシリ
ンダ１０上端部側壁に油路ｂが、ボルト２１に油
路ｃが、ヒンジジヨイント金具２０に油路ｄが順
次接続して穿設されている。該油路ｄは連結パイ
プ２３内油路ｅを介してサブタンク２４内油室と
連通されている。なお、２５はＯ−リング、２６
はシリンダ１０のヒンジジヨイント金具２０と摺
接する面の数箇所に設けられ、かつ鋼球とスプリ
ングより構成される回り止め機構である。

上記構成よりなるリヤークツシヨンユニツトに
おいて、スプリング交換をするときは、まずサブ
タンク２４を連結パイプ２３およびヒンジジヨイ
ント金具２０とともにシリンダの半径方向Ａから
ボルト２１を支点として上方向Ｂまで揺動せしめ
る。しかる後、ストツパーリング１７を外してス
プリングアジヤスター１６を上方に移動せしめシ
リンダ１０外周より外す。更にスプリング１８も
同様に外して走行条件に合つた所定のスプリング
と交換する。以下、反対の操作でスプリング１
８、スプリングアジヤスター１６、ストツパーリ
ング１７を元の位置に取付けた後、サブタンク２
４を連結パイプ２３およびヒンジジヨイント金具
２０とともに上記と反対方向に揺動せしめ元の状
態に戻す。以上の如く、スプリング交換は非常に
簡単である。

この考案によれば上記の如く、リヤークツシヨ
ンユニツトを倒立の状態で使用した場合のスプリ
ング交換は非常に簡単であり、従来のリヤークツ
シヨンユニツト全体を車体から取外していた方法
に比較してスプリング交換時間は大きく短縮化さ
れ、倒立の利点を十分発揮せしめる。また、構造
上においては簡単な改良を加えただけであり、既
設のリヤークツシヨンユニツトにも適用可能であ
る等、効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は正立型リヤークツシヨンユニツトを示
す概略図、第２図は倒立型リヤークツシヨンユニ
ツトを示す概略図、第３図はこの考案のリヤーク
ツシヨンユニツトを示す一部破断正面図、第４図
は第３図における−線よりみた拡大縦断面図
である。 １０……シリンダ、１１……ピストンロツド、
１４……スプリングシートストツパー、１５……
下部ジヨイント、１６……スプリングアジヤスタ
ー、１７……ストツパーリング、１８……スプリ
ング、１９……上部ジヨイント、２０……ヒンジ
ジヨイント金具、２１……ナツト、２３……連結
パイプ、２４……サブタンク、２５……Ｏ−リン
グ、２６……回り止め機構、ａ……シリンダ内油
室、ｂ，ｃ，ｄ，ｅ……油路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ内を摺動し、かつ減衰力発生機構を備
   えたピストンのロツドを、該シリンダ下方に引き
   出し、ピストンロツド側に固設されたばね受と、
   シリンダ外周に設けられたばね受との間にスプリ
   ングを介在してなるリヤークツシヨンユニツトに
   おいて、シリンダ上端部側壁にシリンダの半径方
   向から上方向まで揺動自在にその基端部を嵌合さ
   れたヒンジジヨイント金具と、同側壁に貫通され
   て上記ヒンジジヨイント金具を軸支するボルト
   と、シリンダ内油室に連通してシリンダ上端部側
   壁と上記ボルトおよびヒンジジヨイント金具内に
   順次穿設された油路とを設け、該油路に連結パイ
   プを介してサブタンク内油室が連通される構成と
   なしたことを特徴とするサブタンク式クツシヨ
   ン。