JPS5832035Y2 - ストラツトガタシヨツクアブソ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のマツクファーソン式懸架装置に使用
されるストラット型ショックアブソーバの改良に関する
。

′一般に、この種のスト
ラット型ショックアブソーバは、シリンダ内に対して摺
動自在に挿入したピストンから延びるピストンロッドの
上端を車体側へとゴムブツシュを介して連結し、かつ、
シリンダを囲繞するアウターシェルの下端なるナックル
スピンドルに車輪を支架すると共に、前記ナックルスピ
ンドルの下端をリンク部材で車体側に連結し、このよう
にしてマツクファーソン式の懸架装置として使用される
。

そのため、このようなストラット型ショックアブソーバ
にあっては、これを車体側に装架した場合に極めて大き
な曲げモーメントが作用し、この曲げモーメントをシリ
ンダとピストンの摺動面およびシリンダとアウターシェ
ルの上部に亙って嵌着したベアリングとピストンロッド
の摺動面とで受けるため、前記リンク部材を介して車体
側に連結されたナックルスピンドルとアウターシェルの
結合部分に曲げ応力が集中することになる。

そこで、従来は、この部分に作用する最大曲げ応力を基
準にしてそれに見合うようにアウターシェルを一様な肉
厚のチューブ部材で形成していたが、これでは不必要な
部分の過剰な肉厚強度とそれによる重量増加を伴い、自
動車用部品として燃費を考慮するとき省エネルギー向き
でないと共に、自動車のばね下重量は軽い方が接地性に
関して有利であり、かつ軽量の方が緩衝器の追従性の面
でも有利となって減衰力特性上も好ましいにも拘らず逆
行するものとなっており、またアウターシェルの剛性が
過度に高いものとなっているためピストンロッドの撓み
に対しシリンダとベアリングがそれに相応してなじみ性
よく撓むことができず、その結果、ピストンロッドとベ
アリング間およびシリンダとピストン間のそれぞれの摺
動抵抗が大きくなって円滑な作動を阻害すると共に、ピ
ストンロッドに対するベアリングの片当りによる偏摩耗
を生ずる慣れがあることから、前記ピストンロッドとベ
アリングおよび゛シリンダとピストン間のクリアランス
（勿論ピストンに嵌着したシールはシリンダの内壁に接
しさせておく）を大きくとる必要があり、これがひいて
は車両のホイールアライメントの狂いとなってあられれ
るという欠点をもつ。

したがって、本考案の目的は、アウターシェルに対して
合理的な曲げ強度をもたせると同時に適剰肉厚相当分の
重量の軽減を図ることにより、近年殊に注目される様に
なってきた低燃費による省エネルギ一対策の一助とする
と共に、ばね下重量の軽減による接地性並びに減衰力特
性の安定向上を図り得られ、かつ適正な撓み剛性による
摺動抵抗の低減された改良されたこの種のストラット型
ショックアブソーバを提供することである。

以下、本考案の実施の一例を添附図面にもとづいて説明
するに、アウターシェル１はその下端にナックルスピン
ドル２を備え、このアウターシェル１内にシリンダ３が
配設されていて両者の間にタンク室４を形成している。

ピストン５は、前記シリンダ３内に対して摺動自在に挿
入され、このピストン５から延びるピストンロッド６が
前記アウターシェル１とシリンダ３の上端に互って嵌挿
したベアリング７およびその上部に位置してアウターシ
ェル１に嵌着したオイルシール８を貫通して外部に突出
する。

前記ピストン５はその外周に装着したシール９でシリン
ダ３内を上下の作動室１０．１１に区画し、かつ、その
作動に当って内部に組込んだ減衰力発生用のバルブ（図
示せず）により減衰抵抗を受ける。

また、前記ピストンロッド６の途中にはストッパ１２が
取り付けられており、このストッパ１２が最伸長動作時
にベアリング７の下面に当接してピストン５とベアリン
グ７間の最少嵌合長を確保する。

なお、図中１３はアウターシェル１に取付けたスプリン
グ受である。

そして、これはピストンロッド６の上端を車体側に対し
ゴムブツシュを介して連結すると共に、ナックルスピン
ドル２に車輪を支架し、かつ、スプリング受１３と車体
との間に懸架スプリング１４を、また、ナックルスピン
ドル２と車体間にはノンク部材をそれぞれ介装して車体
側に装架される。

以上は、マツクファーソン式の懸架装置として既に公知
のことであり、したがってこれだけでは先に述べたよう
な種々の欠点をもつ。

そこで、本考案にあっては、車体への装架にあたってア
ウターシェル１におけるナックルスピンドル２の結合部
分に最大曲げモーメントが作用し、しかも、この点から
上方に向うにしたがって曲げモーメントは減少するから
肉厚一定の場合の各部の発生曲げ応力も順次に小さくな
るという点に着目し、このアウターシェル１におけるナ
ックルスピンドル２との結合部分の肉厚を前記最大曲げ
モーメントに見合う最小限必要な厚さに構成すると共に
、それから上の部分を同じく必要な曲げ応力分布に近似
させて漸次薄肉になるようテーパ状に形成し併せて軽量
柔構造としたのである。

これにより、本考案のものによれば、アウターシェル１
におけるナックルスピンドル２の結合部分に曲げ応力が
集中することなく、全体に互って均等に曲げ応力が分布
し、不必要な部分の過剰な強度と重量増加とを取除き得
るので軽量化（従来品と比べて重量比で１５〜２７％程
度の軽量化）を図り得られ、従って、重量軽減による燃
費の向上に役立ち、省エネルギ一対策に寄与することが
でき、経済的に有利なものであると共に、併せて自動車
用懸架装置本来の作用効果についても、車両のばね下重
量として軽量であるので、路面突起による突上げに対す
る緩衝器の追従性が良好で接地性に優れ、かつ緩衝器の
減衰力特性上も安定し向上するものである。

更にまた、アウターシェル１の撓み剛性の適正化された
所謂柔構造であるので横荷重によるピストンロッド６の
撓みに対しシリンダ３とベアリング７とがよくこれに相
応して撓みピストンロッドの片当りによる偏摩耗も防止
し得ると共に、摺動部相互のなじみ性の良好な摺動状態
を維持して円滑な摺動作動を保証するため、これらシリ
ンダ３とピストン５およびピストンロッド６とベアリン
グ７間のクリアランスを必要最小限に小さくすることが
でき、かくして、車両のホイールアライメントの狂いを
も少なく抑えることが可能になるのである。

尚、本考案においてアウターシェル１の外周面がテーパ
ー状にされている場合には、スプリング受１３を上方か
ら挿入するだけで下方への抜出しを防止して係止できる
ので、溶接等の格別な固定手段を不要になし得て組立性
も良くなる等の付帯的効果も奏し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案によるストラット型ショックアブソーバ
の一実施例を示す縦断正面図である。 １・・・・・・アウターシェル、２・・・・・・ナック
ルスピンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウターシェルの肉厚をナックルスピンドル部において
   のみストラット型ショックアブソーバに作用する最大曲
   げモーメントに対応した最小限必要な応力を生ずる厚さ
   にすると共に、当該ナックルスピンドルの部分から上方
   に向いストラット型ショックアブソーバにおける必要な
   曲げ応力分布に近似させて漸次薄肉となるよう構威し軽
   量柔構造化してなることを特徴とするストラット型ショ
   ックアブソーバ。