JPH034565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案はマクフアーソンストラツト式サスペン
シヨンに関し、特に、車体の横方向の一方の側部
に配置されたシヨツクアブソーバのシエルと他方
の側部に配置されたシヨツクアブソーバのシエル
とをスタビライザバーで接続してなるサスペンシ
ヨンに関する。

（従来技術） マクフアーソンストラツト式サスペンシヨンで
は、シヨツクアブソーバは、通常、背面視におい
て上方の端部が下方の端部よりも車体の横方向の
内方に位置するように傾斜しているので、車両の
重量がシヨツクアブソーバに横力として働き、シ
ヨツクアブソーバのピストンは片当りの状態で移
動する。そのため、ピストンの移動に伴なつて生
ずる摩擦力が大きい。

（考案が解決しようとする問題点） ピストンおよびシール部にナイロン、ポリテト
ラフルオロエチレンその他の低摩擦材を使用して
ピストン移動時の摩擦力を下げたり、シヨツクア
ブソーバを取り巻いて配置されるコイルばねの軸
線をシヨツクアブソーバの軸線に対して傾斜さ
せ、これにより横力を減らしたりなどの対策が採
られている。しかし、これらの対策によつても、
摩擦力の低減は不十分である。

ところで、マクフアーソンストラツト式サスペ
ンシヨンとして、車体の横方向の一方の側部に配
置されたシヨツクアブソーバのシエルを他方の側
部に配置されたシヨツクアブソーバのシエルとを
スタビライザバーで接続してなるものがある。本
考案はこのサスペンシヨンにおいて、ピストン移
動時の片当りによる摩擦力を低減することを目的
とする。

（問題を解決するための手段） 本考案は、車体の横方向の一方の側部に配置さ
れたシヨツクアブソーバのシエルと他方の側部に
配置されたシヨツクアブソーバのシエルとをスタ
ビライザバーで接続してなり、前記シヨツクアブ
ソーバが背面視において上方の端部が下方の端部
よりも車体の横方向の内方に位置するように傾斜
したサスペンシヨンであつて、前記スタビライザ
バーを介して前記両シエルに上向きの力を与える
ように前記車体とスタビライザバーとの間に設け
られたばねを備える。

（実施例） サスペンシヨン１０は、第１図ないし第３図に
示すように、車体１２の横方向の一方の側部に配
置されたシヨツクアブソーバ１４のシエルと、他
方の側部に配置されたシヨツクアブソーバ１６の
シエルとをスタビライザバー１８で接続して構成
されている。

両シヨツクアブソーバ１４，１６は外側のシエ
ルと内側のシリンダとを備える、いわゆるツイン
チユーブタイプの外、単一のシエルのみからな
る、いわゆるモノチユーブタイプのそれ自体公知
のものである。両シヨツクアブソーバは、車体１
２の前後方向に伸びる中心線を含む垂直面に対し
て対称に配置されるので、以下の説明はシヨツク
アブソーバ１４について行う。

シヨツクアブソーバ１４は、シエル２０の下方
の端部でサスペンシヨンアーム２２に接続され、
シエル２０から突出しているピストンロツド２４
の上方の端部で車体１２に接続される。その結
果、シヨツクアブソーバ１４は、背面視において
上方の端部が下方の端部よりも車体の横方向の内
方に位置する。シヨツクアブソーバ１４にステア
リングナツクル２６が取り付けられ、タイヤ２８
を支持する。シエル２０およびピストンロツド２
４にそれぞれ設けられたばね受け３０、３２によ
りコイルばね３４が保持されている。

シヨツクアブソーバ１４に車体１２の重量が横
力として働くと、ピストンロツド２４はロツドガ
イド３６を支点としてこじられ、第２図に示すよ
うに、ピストンロツド２４からロツドガイド３６
へ、またピストンロツドに連なるピストン３８か
らシエル２０へ、互いに反対方向へ向く力f₁，f₂
が発生し、ピストン３８の片当りの原因となつて
いる。

スタビライザバー１８は横方向へ伸びる中央部
分４０と、この中央部分の両端から車体の前後方
向へ伸びる一対の側部分４１，４２とを備えたも
ので全体にコの字状に形成され、中央部分４０の
２箇所でブラケツト４４により車体に、軸線の回
りをねじり可能に取り付けられる。一対の側部分
４１，４２は、図示の実施例では、中央部分４０
から後方へ向けて伸びており、各側部分の後方の
端部にボールジヨイント４６を介してスタビライ
ザリンク４８が接続されている。スタビライザリ
ング４８は上方へ向けて伸び、その上方の端部は
ボールジヨイント５０を介して、シヨツクアブソ
ーバのシエル２０に設けられたブラケツト５２に
接続されている。

ブラケツト５２は、後述するように、ここに働
くばね力の成分により、車体の重量がシヨツクア
ブソーバのロツドガイド３６に及ぼす力f₁を相殺
ないし低減するような位置に設けられる。図示の
実施例では、ブラケツト５２はシヨツクアブソー
バ１４のシエル２０から横方向の内方へ向けて突
出されている。

ばね５４は、スタビライザバー１８を介して両
シヨツクアブソーバのシエル２０に上向きの力を
与えるように、車体１２とスタビライザバー１８
との間に設けられる。

第１図ないし第３図に示す実施例では、ばね５
４はコイルばねであつて、シヨツクアブソーバ１
４よりも車体の横方向の内方に配置され、その軸
線をシヨツクアブソーバ１４の軸線に対して傾
け、ばね５４の反力の、横方向の外方へ向く成分
が生ずる構成となつている。ばね５４はスタビラ
イザバー１８の各側部と車体とにわたつて掛け渡
された引つ張りばねであり、各側部を上向きに偏
倚させ、スタビライザリング４８を介してシヨツ
クアブソーバのブラケツト５２に上向きの力を及
ぼす。

シヨツクアブソーバ１４の軸線とスタビライザ
リング４８の軸線とは角度θで交差しているの
で、（sinθ×上向き力）の大きさの横力がブラケ
ツト５２に発生し、ロツドガイド３６に働く力f₁
を相殺ないし、低減する。

第４図に示す実施例では、スタビライザバー１
８の中央部４０から前方へ向けてブラケツト５６
が突出されている。ブラケツト５６と車体１２と
の間に引つ張りばね５８が配設され、スタビライ
ザリンク４８を介してシヨツクアブソーバのブラ
ケツトに上向きの力を及ぼす。

第５図に示す実施例では、スタビライザバー１
８の中央部４０に後方へ向けて板ばね６０が固着
され、板ばね６０の後方の端部はボールジヨイン
ト６２を介して車体１２に接続されている。板ば
ね６０は上に向けて凸状に形成され、スタビライ
ザバーの側部４１，４２を上向きに偏倚させ、ス
タビライザリンク４８を介してシヨツクアブソー
バのブラケツトに上向きの力を及ぼす。

（考案の効果） 本考案によれば、背面視において上方の端部が
下方の端部よりも車体の横方向の内方に位置する
ように傾斜したシヨツクアブソーバに、スタビラ
イザバーを介してばねによる上向きの力を常時及
ぼしているので、自重によりシヨツクアブソーバ
のロツドガイドに発生する力を相殺ないし低減で
きる。その結果、ピストンの片当りが少なくなつ
て摩擦力を低減でき、乗心地を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサスペンシヨンを車体の
中央から右方向へ見た側面図、第２図は要部の背
面図で一部を断面で示し、第３図はサスペンシヨ
ンの斜視図、第４図および第５図はスタビライザ
バーに設けられるばねの例を示す斜視図である。 １０…サスペンシヨン、１２…車体、１４，１
６…シヨツクアブソーバ、１８…スタビライザバ
ー、２０…シエル、２２…サスペンシヨンアー
ム、２４…ピストンロツド、３６…ロツドガイ
ド、３８…ピストン、８…スタビライザリンク、
５４，５８，６０…ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の横方向の一方の側部に配置されたシヨツ
   クアブソーバのシエルと他方の側部に配置された
   シヨツクアブソーバのシエルとをスタビライザバ
   ーで接続してなり、前記シヨツクアブソーバが背
   面視において上方の端部が下方の端部よりも車体
   の横方向の内方に位置するように傾斜したサスペ
   ンシヨンであつて、前記スタビライザバーを介し
   て前記両シエルに上向きの力を与えるように前記
   車体とスタビライザバーとの間に設けられたばね
   を備える、マクフアーソンストラツト式サスペン
   シヨン。