JPH0221463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、搬送対象物を損傷させずに搬送位
置決めする場合等に好適な搬送装置に関するもの
である。

〔従来技術およびその問題点〕

例えば、プリント基板に部品を装着する部品取
付け装置においては、プリント基板の搬送を行う
必要があるため、プリント基板搬送装置が用いら
れるが、この種の搬送装置では、プリント基板
（以下基板と略す）の正確な位置決めが必要であ
る。本出願人のもとで開発した部品取付け装置
（特願昭59−100307）においても、プリント基板
搬送装置を用いているが、この搬送装置は、ベル
トコンベヤにより基板を所定位置に搬送し、サー
ボモータ、ボールねじで駆動するサイドチヤツク
により、ベルトコンベヤ上にある基板を搬送位置
決めするものであるため、サイドチヤツクによる
基板の移動の際に、基板がベルトコンベヤ上をす
べり、基板を傷つけるおそれがある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決するために、基台
と、この基台上に設けられた無端式の搬送用周回
部材および搬送用周回部材をクラツチを介して駆
動する第１の駆動装置からなり搬送すべき物体を
所定位置まで搬送する第１の搬送機構と、前記搬
送すべき物体を着脱自在に挾持して前記搬送用周
回部材と平行に移動自在にかつ互いに近接離間自
在に設けられた複数のチヤツクおよびこれら複数
のチヤツクを前記搬送用周回部材と平行に移動さ
せる第２の駆動装置を有し、前記第１の搬送機構
によつて所定位置まで搬送された物体を別の位置
まで前記複数のチヤツクにより挾持拘束して搬送
する第２の搬送機構とを備え、前記第１の搬送機
構の搬送用周回部材によつて物体が所定位置まで
搬送されたとき、前記第１の搬送機構のクラツチ
が断とされて、前記搬送用周回部材が拘束なく周
回自在となるようにされている。

〔作用〕

物体が第１の搬送機構の搬送用周回部材により
所定位置まで搬送されると、クラツチが断とな
り、第２の搬送機構が物体を複数のチヤツクによ
り挾持拘束して物体の別の位置まで搬送する際に
は、物体を載せている搬送用周回部材が拘束なし
に物体とともにフリーに動き、物体との間にすべ
りが生じない。したがつて物体を傷つけることが
ない。

〔実施例〕

以下本考案をプリント基板搬送位置決め用の搬
送装置に適用した実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は全体平面図、第２図〜第４図は要部を
拡大して示すもので、搬送装置の基台１の上部に
基板物体２の左右端縁を案内する平行な２本のガ
イドレール３が設けられ、これらのガイドレール
３に沿つてベルトコンベヤ４、すなわち無端式の
搬送用周回部材が設けられ、ベルトコンベヤ４
は、インダクシヨンモータ５、ブレーキ６、クラ
ツチ７、プーリ軸８等からなる第１の駆動装置９
により周回駆動され、基板２をロータリソレノイ
ド１０に取り付けられたストツパ１１に当るまで
搬送する。上記ベルトコンベヤ４にはゴムベルト
が用いられている。上記ベルトコンベヤ４、第１
の駆動装置９は第１の搬送機構１２を構成する。

また基台１にはベルトコンベヤ４に沿う第２の
搬送機構１３が設けられている。この第２の搬送
機構１３の詳細を説明すると、基台１上にベルト
コンベヤ４と平行に設けた２本のスライドシヤフ
ト１４に、連結棒１５で連結した２個の移動台１
６を摺動可能に取り付け、一方の移動台１６に
は、ボールねじナツト１７を固定して、このボー
ルねじナツト１７にスライドシヤフト１４と平行
なボールねじ１９を螺合し、ボールねじ１９の端
部をサーボモータ２０に連結し、前記連結棒１５
にサイドチヤツクホルダ２１を連結棒長手方向に
移動調節可能に取り付け、サイドチヤツクホルダ
２１には、案内軸２２を介してサイドチヤツク２
３をベルトコンベヤ４と平行に移動自在に取り付
け、かつ、このサイドチヤツク２３を作動させる
サイドチヤツクシリンダ２４を取り付け、さら
に、位置決めピン２５を取り付けている。また、
連結棒１５の端部には、アーム２６が固定され、
このアーム２６の一端を押して連結棒１５および
サイドチヤツクホルダ２１を上下方向に揺動回動
させる揺動シリンダ２７が移動台１６に設けられ
ている。

なお、一方のガイドレール３はガイドレール３
と直交する方向に設けたボールねじ２８に螺合す
るボールねじナツト２９に取り付けられ、基板２
の幅に合わせて移動調節可能とされている。

なお、移動台１６と、サイドチヤツクホルダ２
１と、案内軸２２と、サイドチヤツクシリンダ２
４等とにより第１の駆動機構が構成されている。
また、サーボモータ２０と、ボールねじ１９と、
ボールねじナツト１７等とにより第２の駆動機構
が構成されている。また、第１の駆動機構と、第
２の駆動機構とにより第２の駆動装置が構成され
ている。

上述の搬送装置の動作を説明すると、クラツチ
７を続とした状態でモータ５を起動し、ベルトコ
ンベヤ４により基板２をストツパ１１の位置まで
搬送し、基板２がストツパ１１位置に達するとク
ラツチ７を切り、ブレーキ６をかけて、ベルトコ
ンベヤ４の周回を止め、基板２を停止させる。

ついで、移動シリンダ２７を作動させ、サイド
チヤツクホルダ２１を連結棒１５とともに回動さ
せて、サイドチヤツクホルダ２１に取り付けられ
た位置決めピン２５を下降させ、基板２の位置決
めを行う。この時サイドチヤツク２３も同じく下
降して第４図イ、第４図ロの如く基板２の高さの
位置となつており、続いてサイドチヤツクシリン
ダ２４を作動させて、左右のサイドチヤツク２３
を互いに接近する方向に移動させ、基板２を挾持
する。

以上の動作が完了した後、クラツチ７を断とし
たままブレーキ６を解除して、ベルトコンベヤ４
が拘束なしに自由に周回できる状態にする。

この状態でサーボモータ２０、ボールねじ１９
により移動台１６を移動させて、位置決めピン２
５、および、サイドチヤツク２３により位置決め
挾持された基板２を教示位置に移動させる。この
実施例の搬送装置は、基板２に多数の部品を取り
付ける作業を行う図示せぬ部品取付け装置の一部
として用いられたもので、前記教示位置は、基板
２における部品取付け位置に対応して、いくつか
の教示位置からなり、基板２が各教示位置に停止
するごとに各部品の取り付けを行う。この基板２
の位置決め搬送の際には、ベルトコンベヤ４がフ
リーになつているので、ベルトコンベヤ４が基板
２とともに動いて、相互のすべりがなく、基板２
を傷つけることがない。

最終教示位置での動作が完了すると、サイドチ
ヤツクシリンダ２４によりサイドチヤツク２３が
解放され、揺動シリンダ２７によりサイドチヤツ
ク２３、位置決めピン２５が上昇して基板２から
離れる。この状態でクラツチ７を入れ、モータ５
を駆動してベルトコンベヤ４を周回させ、基板２
を搬出する。なお、この時次の基板がベルトコン
ベヤ４により搬入される。

なお、第２図において２で示す基板は、この搬
送装置が取り扱うことのできる最大寸法のもの、
２で示す基板は最小寸法のものを示す。

実施例はプリント基板搬送用としてのものであ
るが、搬送対象物が特定のものに限定されないこ
とはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、基台と、
この基台上に設けられた無端式の搬送用周回部材
および搬送用周回部材をクラツチを介して駆動す
る第１の駆動装置からなり搬送すべき物体を所定
位置まで搬送する第１の搬送機構と、前記搬送す
べき物体を着脱自在に挾持して前記搬送用周回部
材と平行に移動自在にかつ互いに近接離間自在に
設けられた複数のチヤツクおよびこれら複数のチ
ヤツクを前記搬送用周回部材と平行に移動させる
第２の駆動装置を有し、前記第１の搬送機構によ
つて所定位置まで搬送された物体を別の位置まで
前記複数のチヤツクにより挾持拘束して搬送する
第２の搬送機構とを備え、前記第１の搬送機構の
搬送用周回部材によつて物体が所定位置まで搬送
されたとき、前記第１の搬送機構のクラツチが断
とされて、前記搬送用周回部材が拘束なく周回自
在となるようにされているので、第１の搬送機構
の搬送用周回部材により物体を所定位置まで搬送
した後、クラツチを切つて搬送用周回部材をフリ
ーの状態にして、第２の搬送機構により物体を複
数のチヤツクで挾持拘束して別の位置まで搬送す
ることができ、これにより物体を傷つけることな
く搬送位置決めすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す搬送装置の平
面図、第２図は第１図における要部の拡大図、第
３図は第２図における矢視図、第４図イは第２
図におけるイ−イ断面図、第４図ロは第２図
における移動台部分のロ矢視図である。 １……基台、２……基板（物体）、４……ベル
トコンベヤ（搬送用周回部材）、５……インダク
シヨンモータ、６……ブレーキ、７……クラツ
チ、９……第１の駆動装置、１２……第１の搬送
機構、１３……第２の搬送機構、１４……スライ
ドシヤフト、１６……移動台、１９……ボールね
じ、２３……サイドチヤツク、２５……位置決め
ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基台と、この基台上に設けられた無端式の搬
   送用周回部材およびこの搬送用周回部材をクラ
   ツチを介して駆動する第１の駆動装置からなり
   搬送すべき物体を所定位置まで搬送する第１の
   搬送機構と、前記搬送すべき物体を着脱自在に
   挾持して前記搬送用周回部材と平行に移動自在
   にかつ互いに近接離間自在に設けられた複数の
   チヤツクおよびこれら複数のチヤツクを前記搬
   送用周回部材と平行に移動させる第２の駆動装
   置を有し、前記第１の搬送機構によつて所定位
   置まで搬送された物体を別の位置まで前記複数
   のチヤツクにより挾持拘束して搬送する第２の
   搬送機構とを備え、前記第１の搬送機構の搬送
   用周回部材によつて物体が所定位置まで搬送さ
   れたとき、前記第１の搬送機構のクラツチが断
   とされて、前記搬送用周回部材が拘束なく周回
   自在となるようにされたことを特徴とする搬送
   装置。 (2) 前記搬送用周回部材がゴムベルトであること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の搬送装置。 (3) 前記第２の搬送機構は、互いに離間状態に連
   結され前記基台上に前記搬送用周回部材と平行
   に移動自在に設けられた複数の移動台と、これ
   ら複数の移動台にそれぞれこれら複数の移動台
   の移動方向に第１の駆動機構により移動自在に
   取り付けられ前記搬送すべき物体をこの物体の
   側方から挾持する前記複数のチヤツクと、サー
   ボモータとこのサーボモータにより回転駆動さ
   れるボールねじとこのボールねじと螺合するボ
   ールねじナツトを備えて前記ボールねじに沿つ
   て前記複数の移動台を移動させる第２の駆動機
   構と前記第１の駆動機構とにより前記複数のチ
   ヤツクを移動自在にかつ互いに近接離間自在に
   する前記第２の駆動装置と、前記移動台に取り
   付けられ前記物体の位置決めを行う位置決めピ
   ンとからなることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の搬送装置。