JPH0221261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、病院の診察カードなどを保管する
カード保管具、詳しくは台板と複数のカード保持
体とから成るカード保管具に関する。

（従来の技術） 従来この種カード保管具は、例えば実開昭59−
118576号公報に記載され、かつ第４及び第５図に
示すごとく、両側に溝ａ，ａを形成した支柱ｂ
と、該支柱ｂの各溝ａに支持される複数のカード
保持体ｃとから構成され、この各カード保持体ｃ
は、前記支柱ｂの各溝ａな挿入される平板部ｄを
備え、該平板部ｄの上縁に前記溝ａの外部前方に
突出する折曲片ｅを形成すると共に、前記平板部
ｄの下縁に前記溝ａの外部前方に突出する折曲部
ｆを設け、かつ該折曲部ｆに連続して下方に延び
るカード保持部ｇを形成している。

斯くして前記各カード保持体ｃを前記支柱ｂに
支持するにあたつては、該支柱ｂの各溝ａにカー
ド保持体ｃの平板部ｄを挿入し、後続するカード
保持体ｃをさらに前記各溝ａに挿入させて、この
後続カード保持体ｃの折曲部ｆを前記既設保持体
ｃの折曲片ｅに当接させることにより、前記各カ
ード保持体ｃ，ｃ間にカードｈの挿入空間を確保
し、この空間からカードｈを内部に挿入して前記
カード保持体ｃのカード保持部ｇに支持させるご
とくしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが前記従来のカード保管具では、前記カ
ード保持体ｃを前記支柱ｂの溝ａに挿入支持させ
るごとくしている関係上、前記支柱ｂに溝ａを形
成する必要がある上、前記カード保持体ｃに前記
溝ａに挿入するための平板部ｄを形成する必要が
あり、しかも隣接する各カード保持体ｃ，ｃ間に
カード挿入空間を確保するために、各カード保持
体ｃに前記折曲片ｅ及び折曲部ｆをそれぞれ形成
する必要があつて、前記支柱ｂ及びカード保持体
ｃが非常に構造複雑となつて、製作コストが高く
なるなどの問題があつたし、又、各カード保持板
ｃ，ｃを前記各支柱ｂ，ｃに支持するには、前記
溝ａの一側からカード保持板ｃ……を順次挿入し
て行なる必要があり、支持に際しての作業性にも
問題があつたのである。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、カード保持体に形成する複数の台板への係
止片と、カード保持体を構成する脚片の弾性復元
力との組合わせを利用して台板に対しがた付いた
り外れたりすることなく確実かつ強固に支持で
き、その上、構造簡単で製作コストを低廉にで
き、かつ各カード保持体の台板への支持も順序に
とらわれることなく簡単に行なうことのできるカ
ード保管具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のカード保管具は、台板と複数のカード
保持体とから構成するのであり、前記各カード保
持体は、カード保持片と、該カード保持片の横方
向両側部から背面側に延びる１対の脚片と、前記
カード保持片の上縁部から背面側に突出する第１
係止片とを備え、前記各脚片を横方向に弾性変位
可能とし、かつ、その先端部に前記台板に接当す
る接当部と、前記先端側から前記脚片の延長方向
に突出する１対の第２係止片をそれぞれ設ける一
方、前記台板に、前記第１係止片が係合する第１
係合孔を縦方向に複数個形成すると共に、前記第
１係合孔の横方向両側で、かつ、前記各脚片の外
側間隔より狭い間隔として、前記第２係止片が弾
性的に係合する係合縁をもつた１対の第２係合孔
を縦方向に複数個形成して、前記第１係止片を第
１係合孔に係合し、かつ、接当部を前記台板に接
当させた前記カード保持体を前記台板に弾性的に
保持させた。

（作用） しかして前記カード保持体を前記台板に支持す
るにあたつては、前記カード保持片に形成した第
１係止片を前記台板の第１係合孔に係合させ、か
つ前記各脚片を内方側に弾性変形させながら、該
各脚片に設けた第２及び第３係止片を前記台板の
第２及び第３係合孔にそれぞれ係合させて、前記
各脚片の当接部を前記台板に接当させた状態で前
記各係止片の前記各係合孔への弾性的な係合によ
り、前記カード保持体を前記台板に確実かつ強固
に支持することができ、それでいて、前記カード
保持片の支持も順序にとらわれることなく簡単に
行なえるようにしたのである。

（実施例） 以下本考案にかかるカード保管具を図面の実施
例によつて説明する。

第１及び第２図は本考案にかかるカード保管具
を示し、このカード保管具は、カード保持体１と
台板１０とから構成される。

前記カード保持体１は、矩形状をなす薄肉平板
状のカード保持片２と、該カード保持片２の横方
向両側縁部から背面方向に一体に延び、前記カー
ド保持片２を前記台板１０に対し傾斜状に支持す
る横方向に弾性変位可能な１対の第１及び第２脚
片３，４とから成り、前記カード保持片２の上縁
中央部には、該保持片２の背面側に突出する第１
係止片５を一体に設け、また前記各脚片３，４の
先端部には、前記台板１０に接当する接当部３
ａ，４ａと、前記先端部から前記脚片３，４の延
長方向に突出する１対の第２係止片６，７をそれ
ぞれ一体に形成するのである。

前記第１係止片５には、先端部に上方に向かう
係止部５ａを形成し、前記係止片５を後で詳述す
る台板１０の第１係合孔１１に挿入したとき、前
記係止部５ａを前記係合孔１１の上縁部に係止さ
せるごとくしており、また前記第２係止片６，７
には、それぞれ先端部に外側方に延びる係止部６
ａ，７ａを形成し、前記各係止片６，７を後で詳
述する台板１０の第２係合孔１２，１３に挿入し
たとき、前記各係止片６，７に付与される弾性力
により、前記各係止片６ａ，７ａを前記各係止孔
１２，１３の外側係合縁部１２ａ，１３ａに係止
させ、これら各係止部５ａ，６ａ，７ａの前記各
係合孔１１，１２，１３への係止により、前記カ
ード保持体１を前記台板１０に支持するごとくし
ている。

また前記各脚片３，４は、前記台板１０に当接
する後端面を垂直状となし、前面側に前記カード
保持片２を傾斜状に一体に形成して、前記各脚片
３，４の後端面を前記台板１０に当接させて支持
したとき、前記カード保持片２が傾斜体勢に支持
されるごとくしている。

さらに前記カード保持片２の前面で下縁両側に
は、上方に向かつて起上するカード８の引掛片９
を一体形成し、カード８の保管時に、該カード８
を前記保持片２の前面に傾斜状に持たせかけた状
態で前記引掛片９に係止させるごとくしている。

また前記カード保持片２の下縁中央部には、切
欠孔２ａを形成して、前記カード８を前記引掛片
９に保管するとき、又は前記引掛片９からカード
８を取出すとき、前記切欠孔２ａに指を挿入して
前記カード８の着脱を行い易いようにしている。

また前記カード保持体１を支持する前記台板１
０の幅方向中央部には、前記カード保持片２の上
縁部に設けた第１係止片５を係合すべく、矩形状
をなす第１係合孔１１を形成すると共に、該第１
係合孔１１の横方向両側で、かつ、前記各脚片
３，４の外側間隔より狭い間隔として前記第２係
止片６，７が弾性的に係合する係合縁１２ａ，１
３ａをもつた矩形をなす１対の第２係合孔１２，
１３を形成するのであり、これら第１及び第２係
合孔１１，１２，１３を一組として、複数個を前
記台板１０の上下方向に所定間隔をあけて列状に
形成し、これら各組の係合孔に前記カード保持体
１の複数個を支持させるごとくなすのである。

図の実施例においては、前記各脚片３，４に第
２係止片６，７を形成するにあたつて、この各係
止片６，７を互いに上下方向に変位させて形成し
ており、つまり一方の第２係止片６を前記第１脚
片３の上端部に形成し、かつ他方の第２係止片７
を前記第２脚片４の下端部に形成しており、斯く
することにより第３図に示す如く前記台板１０に
前記第１及び第２係合孔１１，１２，１３を横方
向に複数列並設したものを用いて、該各台板１０
にそれぞれ前記カード保持体１を支持するとき、
台板１０に支持された隣接カード保持体１，１間
において、該各保持体１，１のそれぞれ対向する
各係止片６，７が干渉することなく、該各係止片
６，７が互いに齟齬するごとくなし、隣合う保持
体１，１を互いに密接させて、外観良好に配置可
能としている。

本考案にかかるカード保管具は以上のごとく構
成したもので、前記カード保持体１を台板１０に
支持するにあたつては、先ずカード保持片２に設
けた第１係止片５を、前記台板１０の中央部に形
成した第１係合孔１１に挿入係止させ、この後前
記カード保持片２に設けた第１及び第２脚片３，
４をそれぞれ内方側に弾性変形させながら、該各
脚片３，４の先端部に設けた第２係止片６，７
を、前記台板１０の両側位置に形成した第２係合
孔１２，１３に挿入するものであり、すると前記
第１及び第２脚片３，４の弾性力が前記第２及び
第３係止片６，７に付与され、前記各第２係止片
６，７は、前記当接部３ａ，４ａが台板１０に当
接し、カード保持体１の脚片延長方向前方への移
動が阻止された状態で、前記第２係合孔１２，１
３の係合縁１２ａ，１３ａに弾性的に係止される
ことになり、この結果、カード保持体１へのカー
ドの出入れを行なう場合に、カード保持体１に手
やカードなどが当たつたり引掛かつたりして外力
が作用することがあつても、カード保持体１が前
記台板１０に対し不用意にがた付いたり外れたり
することはなく、確実かつ強固に支持できるので
ある。

また、予め前記第１係止片５を第１係合孔１１
に係合させてカード保持体１の台板縦方向への移
動を規制した後、前記第１係止片５と第１係合孔
１１との係合部分を支点として揺動させることに
より、第２係止片６，７を第２係合孔１２，１３
の挿入高さ位置に符号させることができるので、
前記各脚片３，４を弾性変形した状態での第２係
止片６，７の第２係合孔１２，１３への挿入操作
も容に行なえるのである。

しかして前記のごとく台板１０に支持されたカ
ード保持体１に、カード８を保管するときには、
前記保持体１のカード保持片２に沿つて前記カー
ド８を差し込み、該カード８を前記保持片２の下
端部に形成した引掛片９に係止させるのであり、
また前記カード８を取出すときには、該カード８
を前記保持片２に沿つて上方に持ち上げ、前記引
掛片９から離脱させることにより外部に取出すの
である。

（考案の効果） 以上説明したごとく本考案にかかるカード保管
具は、台板と複数のカード保持体とから成り、前
記各カード保持体は、カード保持片と、該カード
保持片の横方向両側部から背面側に延びる１対の
脚片と、前記カード保持片の上縁部から背面側に
突出する第１係止片とを備え、前記各脚片を横方
向に弾性変位可能とし、かつ、その先端部に前記
台板に接当する接当部と、前記先端部から前記脚
片の延長方向に突出する１対の第２係止片をそれ
ぞれ設ける一方、前記台板に、前記第１係止片が
係合する第１係合孔を縦方向に複数個形成すると
共に、該第１係合孔の横方向両側で、かつ、前記
各脚片の外側間隔より狭い間隔として、前記第２
係止片が弾性的に係合する係合縁をもつた１対の
第２係合孔を縦方向に複数個形成して、前記第１
係止片を第１係合孔に係合し、かつ、接当部を前
記台板に接当させた前記カード保持体を前記台板
に弾性的に保持させたから、前記第１係止片の第
１係合孔への係合と、前記接当部の前記台板への
接当と、前記脚片の弾性復元力を利用した第２係
止片の第２係合孔への係合との組合わせにより、
前記カード保持体を前記台板にがた付いたり外れ
たりすることなく確実かつ強固に弾性支持させる
ことができ、それでいて、カード保持体の台板へ
の支持作業も容易に行なえ、その上、これら各カ
ード保持体を順序にとらわれることなく支持でき
ると共に、台板はもとより、各カード保持体の構
造が極めて簡単となつて、製造コストを低廉なら
しめ得るに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるカード保管具の分解斜
面図、第２図は同保管具の縦断側面図、第３図は
別の実施例を示す説明図、第４及び第５図は従来
のカード保管具を示す図面である。 １……カード保持体、２……カード保持片、３
………脚片、４……脚片、５……第１係止片、
６，７……第２係止片、１０……台板、１１……
第１係合孔、１２，１３……第２係合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台板１０と複数のカード保持体１……とから成
   るカード保管具であつて、前記各カード保持体１
   ……は、カード保持片２と、該カード保持片２の
   横方向両側部から背面側に延びる１対の脚片３，
   ４と、前記カード保持片２の上縁部から背面側に
   突出する第１係止片５とを備え、前記各脚片３，
   ４を横方向に弾性変位可能とし、かつ、その先端
   部に前記台板１０に接当する接当部３ａと、前記
   先端部から前記脚片３，４の延長方向に突出する
   １対の第２係止片６，７をそれぞれ設ける一方、
   前記台板１０に、前記第１係止片５が係合する第
   １係合孔１１を縦方向に複数個形成すると共に、
   該第１係合孔１１の横方向両側で、かつ、前記各
   脚片３，４の外側間隔より狭い間隔として、前記
   第２係止片６，７が弾性的に係合する係合縁１２
   ａ，１３ａをもつた１対の第２係合孔１２，１３
   を縦方向に複数個形成して、前記第１係止片５を
   第１係合孔１１に係合し、かつ、接当部３ａ，４
   ａを前記台板１０に接当させた前記カード保持体
   １を前記台板１０に弾性的に保持させたことを特
   徴とするカード保管具。