JPH0440232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はサンプル片収納ケースに関し、詳しく
は、多数の方形枠を縦横に連設してあり、各方形
枠に透明または半透明の合成樹脂板、着色合成樹
脂板、その他の板状サンプル片を収納するケース
に関するものである。

〔従来の技術〕

着色合成樹脂板等の板状サンプル片を多数枚収
納するケースとしては、実公昭46−14342号に見
られるように、上部長枠杆及び下部長枠杆と、こ
れらに適宜間隔で設けられた仕切杆と、該仕切枠
の上部及び下部に設けられ、サンプル片の前面に
係合する上部係止杆及び下部係止杆とによつて多
数の方形枠を一列に連設してあり、上部係止杆の
内面に突起、下部長枠杆に段部、上部長枠杆の内
面には傾斜突起をそれぞれ形成したものが、従来
から提供されている。この従来品は、サンプル片
を上部長枠杆と上部係止杆の間から斜め下方に挿
入し、サンプル片の下端部が下部長枠杆に接近す
る位置に達してから、サンプル片を押圧変形させ
るようにしてその下端部を下部係止杆に押圧し、
この状態のままサンプル片を更に押込んでその下
端部を下部長枠杆の段部に対向させることによ
り、サンプル片を収納する。また、サンプル片を
取出すには、これを指で把持して押圧変形させな
がら傾斜突起の傾斜面に沿つて移動し、サンプル
片の下端部を下部長枠杆から外して後、それを抜
き取るようにするものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の従来品は、サンプル片を方形枠に着脱す
る際、方形枠内においてサンプル片を押圧変形さ
せ、その状態のまま更に押圧移動しなければなら
ないために、サンプル片を着脱するのが困難であ
つた。また、サンプル片を上部長枠杆と上部係止
杆との間から挿入し、それら間及び下部長枠杆と
下部係止杆との間で挟持するものであるために、
それらの間隔の大きさによつて収納するサンプル
片の厚さが制限され、多種の厚みのサンプル片を
収納することができず、しかも、多数の方形枠が
縦横に連設する収納ケースには実施することが不
可能であるという欠点があつた。

本考案は、上述のような従来の欠点を解消した
もので、方形枠の上面からサンプル片の一端部を
押さえ突部側の方形枠内に挿入し、その他端部側
を弾性片の方向に軽く押圧するだけで、サンプル
片を方形枠内に納められ、方形枠の下方からサン
プル片を軽く押圧するだけで取出せるようにする
ことによつて、サンプル片の着脱が容易であり、
しかも、多数の方形枠を縦横に連設する収納ケー
スにも実施できるようにしたものである。また、
方形枠内に納められたサンプル片は、支持部によ
り支持され、押え突部の下部と弾性片により挟持
されるように構成することによつて、サンプル片
の厚薄を問わず確実に収納できるサンプル片の収
納ケースを提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のサンプル片収納ケースは、サンプル片
を保持する多数の方形枠を連設したもので、各方
形枠の少なくとも二辺にサンプル片の支持部を形
成してある。また、各方形枠の一辺に上記支持部
より隔離した位置で内方に突出する押え突部を設
け、これに対向する他辺には弾性片を設けてあ
る。この弾性片は上記押え突部の方向に弾発性を
有し、かつその先端部が内方に傾斜させてあるこ
とを特徴としている。

〔考案の作用〕

本考案に係るサンプル片収納ケースは、多数連
設してある方形枠に着色合成樹脂板等のサンプル
片を保持させて収納するものである。サンプル片
を収納するには、方形枠の上面からサンプル片の
一端部を押え突部側の方形枠内に挿入し、次い
で、その他端部を下面側に、即ち弾性片の方向に
軽く押圧する。そうすると、弾性片はその弾力性
に抗して上記押え突部と反対側にやや折曲し、サ
ンプル片が方形枠内に挿着され、同時に弾性片は
押え突部に復元する。方形枠内においてサンプル
片は、少なくともその二辺の下縁が支持部で支持
されると共に、サンプル片の一端部と他端部が押
え突部の下部と弾性片とにより挟持される。ま
た、サンプル片を方形枠から取出すときは、方形
枠の下面側から上面側にサンプル片を軽く押圧す
る。そうすると、弾性片は押え突部と反対側にや
や折曲し、サンプル片の弾性片側が方形枠の上面
に外れ、同時に弾性片が復元する。その後で、方
形枠の上面側からサンプル片を抜き取るものであ
る。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添附の図面において説明
する。

第１図は一部の方形枠にサンプル片を収納した
状態の斜視図、第２図は一部分の拡大斜視図、第
３図は第２図−線に沿う断面図、第４図は第
２図−線に沿う断面図、第５図はサンプル片
を方形枠に着脱するときの説明図である。

本考案のサンプル片収納ケースは、合成樹脂等
からなり、第１図に示す如く、板状のサンプル片
１を保持する多数の方形枠２を縦横に連設してあ
る。各方形枠２は長方形で、サンプル片２を挿着
できる大きさになつており、第２図乃至第４図に
示す如く、各方形枠２の少なくとも二辺にサンプ
ル片２の支持部３を形成してある。この支持部３
は、方形枠２内にサンプル片１が挿着されたとき
に、その二辺の下縁を支持するもので、対向する
二辺の下面側に段部を形成したものを例示してあ
る。また、各方形枠２の一辺に上記支持部３より
隔離した位置で内方に突出する押え突部４を設け
てある。押え突部４は、前記支持部３が下面側に
形成してあるに対し、上面側に突設してある。即
ち、押え突部４と支持部３の間に少なくともサン
プル片１の厚み分だけの間隔が存在し、方形枠２
内にサンプル片１を挿着したとき、その一端部側
の上縁が押え突部４の下部に接触するもので、前
記支持部３が形成されていない別の一辺に押え突
部４を突設したものを例示してある。この押え突
部４を設けた一辺に対向する他辺には弾性片５を
設けてある。弾性片５は、上記押え突部４の方向
に弾発性を有し、サンプル片１を着脱するときに
折曲並びに復元する。また、弾性片５の先端部６
が内方に傾斜しており、方形枠２内のサンプル片
１を押え突部４側に押圧するようになつているも
のである。

なお、多数の方形枠２を縦横に連設した収納ケ
ース７の各隅部には、連結用孔８と連結用突起９
とをそれぞれ設けてあり、複数の収納ケース７を
折りたたみ、並びに展開自在に連結することがで
きるようになつているものを例示してある。

本考案は、上述したものに限定されない。図示
していないが、支持部を相隣接する二辺または方
形枠の内側全体に形成してもよいし、段部に変え
て突起、その他のものであつてもよい。また、支
持部と押え突部とを同一辺に設けてもよいし、押
え突部や弾性片の形状も問わない。

上述のような本考案のサンプル片収納ケース
は、第１図に示す如く、各方形枠２にサンプル片
１を保持させて収納するものである。サンプル片
１を収納するときは、第５図に示すように、方形
枠２の上面からサンプル片１の一端部を押え突部
４側の方形枠２内に挿入し（矢印Ａ）、サンプル
片１の他端部を弾性片５に係止させるようにな
し、次いで該他端部を下面側に、即ち、弾性片５
の方向に軽く押圧する（矢印Ｂ）。そうすると、
弾性片５が上記押え突部４と反対側にやや折曲
し、サンプル片１が方形枠２内に挿着される。同
時に弾性片５は押え突部４側に復元し、方形枠２
内のサンプル片１を押え突部４側に押圧する。こ
のサンプル片１は、その二辺の下縁が支持部３で
支持されると共に、その一端部は押え突部４の下
部により、その他端部は弾性片５によつて挟持さ
れ、不用意に抜き出ようとするときは、押え突部
４の下部と弾性片５の先端部内側に接触する。ま
た、サンプル片１を方形枠２から取出す際は、方
形枠２の下面側から上面側にサンプル片１を指先
で軽く押圧する（矢印Ｃ）。そうすると、弾性片
５の先端部６が押え突部４と反対側にやや折曲
し、サンプル片１の弾性片５側が方形枠２の上面
に外れるので、サンプル片１を方形枠２の上面側
から抜き取ればよい。

〔考案の効果〕

以上のような本考案によれば、方形枠の上面か
らサンプル片の一端部を押え突部側の方形枠内に
挿入し、その他端部を弾性片の方向に軽く押圧す
るだけで、サンプル片が方形枠内に納められ、方
形枠の下面から上面側にサンプル片を軽く押圧す
ることによつて、サンプル片が方形枠の上面に外
れるので、サンプル片の方形枠への着脱が極めて
容易であり、その着脱を方形枠の上下面から行え
るので、多数の方形枠を縦横に連設する収納ケー
スにも実施することができる。また、方形枠に挿
着されたサンプル片は、少なくともその二辺の下
縁が支持部で支持されると共に、サンプル片の一
端部と他端部が押え突部の下部と弾性片とによつ
て挟持され、抜き出ようとするときは、押え突部
の下部と弾性片の先端部内側に接触するので、サ
ンプル片が方形枠から不用意に脱落することがな
く、その厚薄を問わず確実に収納できるサンプル
片収納ケースである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るサンプル片収納ケースの一
実施例を示し、第１図は一部の方形枠にサンプル
片を収納した状態の斜視図、第２図は一部分の拡
大斜視図、第３図は第２図−線に沿う断面
図、第４図は第２図−線に沿う断面図、第５
図はサンプル片を方形枠に着脱するときの説明図
である。 図中１はサンプル片、２は方形枠、３は支持
部、４は押え突部、５は弾性片、６は弾性片の先
端部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンプル片を保持する多数の方形枠を連設した
   収納ケースの各方形枠の少なくとも二辺にサンプ
   ル片の支持部を形成し、各方形枠の一辺に上記支
   持部より隔離した位置で内方に突出する押え突部
   を設けると共に、これに対向する他辺には上記押
   え突部の方向に弾発性を有し、かつ先端部が内方
   に傾斜する弾性片を設けたことを特徴とするサン
   プル片収納ケース。