JPH02209901A - マイクロ波処理によるリグノセルロース材料溶液の製造方法 - Google Patents

マイクロ波処理によるリグノセルロース材料溶液の製造方法

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JPH02209901A
JPH02209901A JP2975789A JP2975789A JPH02209901A JP H02209901 A JPH02209901 A JP H02209901A JP 2975789 A JP2975789 A JP 2975789A JP 2975789 A JP2975789 A JP 2975789A JP H02209901 A JPH02209901 A JP H02209901A
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phenol
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temperature
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Nobuo Shiraishi
信夫 白石
Naohiko Tsujimoto
辻本 直彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイクロ波処理を含むリグノセルロース材料
溶液の製造方法に関するものである。更に詳しく述べる
ならば、本発明は、種々の樹脂材料、または液体燃料の
原料として有用な、或は成分分別用などに有用なリグノ
セルロース材料溶液をマイクロ波処理を応用して製造す
る方法に関す〔従来の技術〕 森林から生産される諸資源は、再生可能なものであって
、その有効な循環利用が現在強く望まれている。例えば
、バルプ工業や木材工業のような木材を原料とする工業
においては、それから発生する木質系廃棄物の有効な利
用方法の確立が急がれており、また、稲わらやもみがら
のようなリグノセルロース物質を含有する農業廃棄物の
有効利用方法についても、早急の開発が待ち望まれてい
る。
木材などを包含するリグノセルロース材料の有効利用法
としては、例えば、特開昭57−2360号、右よび特
公昭63−1992号などにリグノセルロース分子中の
水酸基の一部分に、少なくとも1種の置換基を導入して
得られる化学修飾リグノセルロース材料を有機溶媒に溶
解し、この溶液を種々の樹脂材料用原料として利用する
方法が開示されている。
また、特開昭60−206883号および60−104
513号公報には、リグノセルロース材料をフェノール
化合物−ホルムアルデヒド樹脂系接着剤として利用する
方法、およびこれをI&維化する方法が開示されている
更に、特開昭61−215676号、および61−21
5675号公報には、リグノセルロース材料を多価アル
コール、又はビスフェノール化合物からなる溶剤に溶解
し、この溶液とポリウレタン系、エポキシ系、或はその
他の樹脂材料とともに用いて成形物、発泡体、或は接着
剤を製造する方法などが開示されている。
更に、特開昭61−261358号公報には、前処理な
しの木材を、触媒を用いることなしでフェノール化合物
、又i′1ビスフェノール化合物からなる溶剤に直接溶
解する方法が開示されており、特開昭62−79230
号公報には、前処理なしの木材を、アルコール化合物、
多価アルコール化合物、オキシエーテル化合物、環状エ
ーテル化合物、またはケトン化合物からなる溶剤に触媒
を用いることなく直接溶解する方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来の技術において、リグノセルロース材
料を所定の溶剤に溶解する前に、そのエステル化、或い
はエーテル化などの化学修飾を必要とする方法は、この
前処理によってその製造プロセスが複雑化し、またその
コスト上昇を避けることができないなどの問題点がある
。従って、できるだけ化学修飾などのような前処理工程
を必要としない溶解方法が好ましいとされている。この
ような化学修飾を必要としないリグノセルロース材料溶
解方法として、リグノセルロース材料を、フェノール化
合物のように高分子化の可能な化合物からなる溶媒に溶
解することが検討された。例えば、この無化学修飾溶解
法において、フェノール100重量部に対しリグノセル
ロース材料10〜1000重量部を混合し、この混合物
を耐圧反応容器中で、加圧下に200〜300℃の温度
で処理して、リグノセルロース材料のフェノール溶液を
得ることができる。しかし、この方法において、溶解反
応が高温高圧を必要とするため耐圧反応容器の使用が必
要となり、従って、工業的溶液生産においては高価な溶
解設備が必要となり、かつ運転コストも高いという問題
点かある。更に、リグノセルロース材料のフェノール化
反応が発熱反応であるため工業的規模の溶解工程におい
ては、反応系の温度制御が困難になったり、反応系中に
温度差を生じて原料の一部が炭化するなどの不均一反応
を生じやすく、更に、反応コントロールにより運転コス
トが上昇するなどの問題点がある。
そこで、溶解反応の均一化を達成するために前述のよう
な溶解触媒の使用が検討された。その結果、リグノセル
ロース材料をフェノール化合物溶媒に、有機酸触媒の存
在下に、比較的温和な反応条件、例えば150℃程度の
反応温度、および常圧下で溶解する方法が開発され、こ
れにより、発熱反応に起因する暴走反応の発生を防止す
ることが可能になった。
しかしながら、リグノセルロース材料を、有機化合物、
特に、反応性有機化合物により溶解する方法において、
所要時間、反応温度、および溶解コストなどに関し、−
層の改善が強く望まれている。
本発明は、従来方法の上記のような問題点を解消し、比
較的低い温度、および圧力下において短時間内に溶解が
可能であり、かつ、溶解コストが比較的低く、工程制御
の容易な、リグノセルロース材料溶液の製造方法を提供
しようとするものである。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明のリグノセルロース材料溶液の製造方法は、リグ
ノセルロース材料と、フェノール化合物、並びに脂肪族
、および脂環式多価アルコール化合物から選ばれた少な
くとも1種を含む溶剤とを含む混合物に対し、マイクロ
波照射処理を施す工程を含むことを特徴とするものであ
る。
上記のようなリグノセルロース材料溶液の製造方法にお
いて、リグノセルロース材料−溶剤混合物は、更に、無
機酸化合物、有機酸化合物およびルイス酸化合物から選
ばれた少なくとも1種からなる溶解触媒を含有していて
もよい。
上記フェノール化合物、並びに脂肪酸および脂環式多価
アルコール化合物は、その分子内に永久双極子構造を有
することを特徴とするものである。
本発明方法において、リグノセルロース材料と、フェノ
ール化合物並びに脂肪族、および脂環式多価アルコール
化合物から選ばれた少なくとも1種を含む溶剤との混合
物に対し、溶解触媒の存在、又は不存在において、マイ
クロ波照射処理を施し、それによって、リグノセルロー
ス材料の可溶性を増進し、この混合物に更に熱処理など
の溶解処理を施してリグノセルロース材料溶液を得るこ
とができる。
本発明方法に用いられるマイクロ波とは、波長1m以下
の電波であって、我が国においては2450MHzと、
915Mtlzの周波数を有する工程が使用可能である
。2450MHzとは、電場が1秒間に2450 X 
106回変化することを意味し、これに伴って電場内に
ある永久双極子を持つ分子、例えば水、フェノールやア
ルコール分子は激しく振動回転することになる。そのさ
い、分子があまりにも急激な電場の回転に対応できない
ために付与されたエネルギーの一部分が熱の形に変換さ
れることもあり、従って、これらの分子や官能基の急速
な運動が、熱を発生し、この熱が、処理系中の物質をそ
の内外から効果的に加熱する結果となる。この点が外部
加熱と異なる点で、熱の伝導は外部加熱に比べ極めて円
滑に進む。しかも、マイクロ波は上述のように1秒間に
例えば2450 X 10’回も電場を変化させ、永久
双極子をもつ分子や官能基はそれに対応して回転・振動
するので、これらの振動より、リグノセルロースなど物
質中の各種の分子間、分子内水素結合や共有結合の一部
が切断され溶解しやすくなるのである。このように、マ
イクロ波照射は単なる加熱手段に止まらず、リグノセル
ロース材料分子を変性する効果も併せ有しているのであ
る。
リグノセルロース材料を、場合によっては水を含有する
フェノールや多価アルコールの存在下で適切なマイクロ
波照射によって処理する場合、その結果として、まず考
えられるのはリグニンの低分子化である。マイクロ波照
射により、リグノセルロース材料を含む処理系が加熱さ
れるが、その加熱により、処理系の温度は数分で200
〜230℃に達するという急速加熱になりうる。もし、
処理系中に少1でも水が存在すると、ヘミセルロース分
子に結合しているアセチル基が分離して酢酸が生成する
。また他の木材分解生成物として生成する酸の水素イオ
ンも多少加わって、処理系は弱酸性になる。このような
弱酸性条件では、それだけでも、200℃前後の温度に
なるとリグニンのβ−0−H結合や、α−0−H結合が
開裂することが知られている(オートヒドリシス)。そ
れに加えて、処理系中に多量のフェノール化合物や多価
アルコール化合物が存在すると、上記の温度条件では同
時にフェノリシスやアルコリシス反応を盛んに生起させ
る。フェノリシスやアルコリシス反応は、リグニンの低
分子化と共にリグニン側鎖へのフェノールや多価アルコ
ールの結合ももたらし、オートヒドリシスによるリグニ
ン縮合を抑制すると共に、リグニン分子の反応性を高め
ることとなる。
その結果、水のみの存在下におけるマイクロ波照射によ
っても、リグニンはメタノールや含水ジオキサンに可溶
となることが知られているので、本発明方法によるマイ
クロ波照射処理によって、リグニンは当然フェノール類
や多価アルコール類にも可溶となる。
他方、ヘミセルロースは、オートヒドリシスによって容
易に単糖、およびオリゴ糖に低分子化され、水、フェノ
ール類、多価アルコール類などに溶出するようになる。
更にセルロースは、たとえば水共存下で処理系の温度を
200℃、さらには230℃にも上昇させた場合、水や
酢酸、その他の系内に生成する酸のプロトンの作用を受
けているはずである(オートヒドリシス)。事実その作
用の結果、セルロースについである程度の重合度の低下
が認められている。
ただし、その結晶領域の存在割合は、照射前後ではっき
りした差を示さない。これまで、この事実が強調されす
ぎたきらいがあり、セルロースを固形残渣成分として製
紙原料に用いようとする試みすらあったが、この試みは
必ずしも成功していない。むしろ、下記に示すように、
セルロースもかなり劣化していることが明らかにされつ
つある。
すなわち、木材チップを水の存在の下で、封管中で約5
分までの時間マイクロ波照射し、温度を230℃までの
範囲であげて、直ちに放置、徐冷するというだけでの処
理で、固形のリグノセルロース中でβ−セルロースが生
成し、T−セルロースが減少してゼロに近づくことが知
られている。ここで、β−セルロースとは、もともと木
材中に存在しないものであるが、加熱処理により高分子
のセルロース(α−セルロース)の分子鎖の一部が部分
的に切断され、18%のコ性ソーダ水溶液に溶けるまで
に低分子化(重合度200以下)したセルロース(但し
水には溶けない)である。また、T−セルロースとは1
8%苛性ソーダにも、水にも溶ける多糖であってβ−セ
ルロースがさらに低分子化シタクルコースオリゴマーと
ヘミセルロースカラなるものである。そのβ−セルロー
スの生成量は、マイクロ波照射による昇温180℃では
0.25%にすぎないが、190℃では9.10%とな
り、220℃では20.0%まで増加する。このことは
、マイクロ波照射処理により、セルロースの低分子化が
、木材の爆砕の場合よりもかなり強く起こることを示し
ている。この作用機構として、前述のように、マイクロ
波照射が、リグノセルロース材料分子の官能基(永久双
極子)をも振動・回転せしめるものであり、その結果、
リグニンやヘミセルロースとセルロースとの間の水素結
合、セルロース分子間、および分子内の水素結合や、共
有結合の一部を切断させうるちのであることが指摘され
ている。
他方、木材などのリグノセルロース材料と共に存在する
混合成分として、水辺外に、フェノール化合物や多価ア
ルコール化合物が存在する場合には、マイクロ波照射に
よるセルロース分子内、および分子間の水素結合が、そ
れら極性有機溶剤、とくに高沸点溶剤分子との水素結合
に置き換えられ、それによって溶媒和が進むことも考え
られる。
上記のように、マイクロ波照射によってリグノセルロー
ス構成成分の低分子化と、それに伴う可溶性化、および
リグノセルロース構成成分分子間および成分分子内にお
ける水素結合の開裂と溶媒和・可溶性化が進められるの
で、必要に応じ水を含んだフェノール化合物、又は多価
アルコール化合物の存在下で、十分量のマイクロ波照射
することにより、木材などリグノセルロース材料が可溶
化され、あるいは、そののち、さらに加熱ないし触媒存
在下での溶解処理を行うことにより溶解されるのである
本発明方法において、リグノセルロース材料溶液の原料
として用いられるリグノセルロース材料は、古紙、木粉
、木材繊維、木材チップ、単板クズ、合板切りクズ、お
よびそれらを粉砕したもの、さらにはワラやモミガラな
どの植物wi維素などから選ぶことができる。
本発明方法に用いられるフェノール化合物としては、フ
ェノール、o−、rn−1およびp−クレゾール、3.
5−.2.3−1および2.6−キシレノール、o−+
m−1およびp−プロピルフェノール、0−・m−1お
よびp−ブチルフェノール、o−、m−1およびp−セ
カンダリ−ブチルフェノール、o−、m−1およびp−
ターシャリ−ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、
フェニルフェノール、オクチルフェノール、ナフトール
等の一価のフェノール化合物;カテコール、レゾルシノ
ール、キノール、ビスフェノールA1ビスフエノールB
1ビスフエノールF等の二価のフェノール化合物;ピロ
ガロール、クロログルシン、トリヒドロベンゼン、没食
子酸などの三価のフェノール化合物などを包含する。
また、本発明方法に用いられる多価アルコール化合物と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1.4−ブタンジオール、1
.5−ベンタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、
1・2−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール
、1・7−へブタンジオール、1.8−オクタンジオー
ノペ 1゜9−ノナンジオール、1.10−デカンジオ
ール、ピナコール、シクロペンタント2−ジオー/ペシ
クロヘキサン1.2−ジオール、シクロヘキサン1.4
−ジオール、ポリオキシプロピレングリコール、および
ポリオキシプロピレン−ポリオキジエチレングリコール
などの脂肪族および脂環式二価アルコール、並びにグリ
セリン等の三価アルコール、及びポリエチレングリコー
ル(例、ポリエチレングリコール600)などの多価ア
ルコール重合体が包含される。
これらフェノール化合物および多価アルコール化合物は
、それぞれ単独で用いられてもよいが、2種以上のフェ
ノール化合物および多価アルコール化合物の混合物とし
て用いられてもよく、あるいは、本発明の目的を損わな
い限り、他の適当な溶媒との混合物として用いることも
出来る。
可溶lヒ反応混合物中の各成分の割合は、使用する溶剤
の種類、可溶化条件によって適宜選択されるが、通常、
重量比で木材などリグノセルロース材料10部を溶剤1
〜100部に混合することが、好ましい。
さらに混合物中に水または低級アルコールなど適当な溶
媒を添加共存させ、均一な混合物として可溶化反応を促
進することも可能である。
また、リグノセルロース材料−溶媒混合物中に触媒を共
存させることにより、マイクロ波照射処理による可溶化
反応および溶解反応を促進することができる。
溶解触媒は、無機酸化合物、有機酸化合物、およびルイ
ス酸化合物から選ばれた少なくとも1種を含むものであ
る。
無機酸化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、および臭
化水素酸などの通常の鉱酸が用いられ、有機酸化合物と
しては、蟻酸、酢酸、シニウ酸、酒石酸、および安息香
酸などのカルボン酸類、並びにフェノールスルホンL 
p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸類、およ
びフェノールスルフィン酸などのスルフィン酸類、並び
に尿酸類を包含する。また、ルイス酸化合物としては、
塩化アルミニウム、塩化チタニウムおよび三弗化ホウ素
などの化合物、並びにそれらの錯体などを例示すること
ができる。
これら触媒の添加率は、通常、リグノセルロース材料1
00部に対して、0.1〜20部の割合である。
尚これらの触媒、マイクロ波照射処理前に添加される。
しかし、マイクロ波照射処理後に添加しても溶解反応促
進効果が認められる。
本発明方法において、リグノセルロース材料−溶剤混合
物に対し、例えば下記のようなマイクロ波照射処理を施
す。すなわち、上記の混合物を、例えばA  3−L2
型耐圧ガラス管(耐圧ガラス工業@製)にとり、減圧し
て、充分脱気を行い、封管したのち、マイクロ波オーブ
ン(例えば東芝TMB3210型マイクロ波オーブン)
中に管を底面から15@傾けた状態で装着し、これにマ
イクロ波を照射し加熱を施す。この場合、マイクロ波の
周波数と出力は、それぞれ2450±50MHzおよび
2.4kWであり、11の水を過剰のマイクロ波エネル
ギーのスカベンジャーとして用いる。そのさい、耐圧ガ
ラス管の内部温度を赤外温度計(三栄6T16型サーモ
スポットなど)で測定し、温度のモニターを行う。この
様な条件下では耐圧ガラス管中の温度は、照射開始後5
〜10分以内に230℃に上昇するが、スイッチ開閉の
調整を行い、210〜230℃の範囲で、出来るだけ2
30℃となるように調温を行って、この温度に保持する
時間を20分以下として、可溶化を進める。230℃で
の保持時間が短い場合(例えば10分以下)、溶液状物
までの可溶化はできないが、しかし触媒存在下、100
〜200℃の温度に加熱して反応を行ったり、あるいは
、内容物をステンレス製耐圧管に移し、200〜300
℃で1〜60分の加熱を施し、それによって可溶化を完
成させることもできる。
以上の可溶化操作は、特別なマイクロ波照射装置を用い
て連続的に行うことも可能である。
この様にして得られるリグノセルロース溶液は、溶剤と
して用いた水、フェノール類、あるいは多価アルコール
類を蒸溜などの方法により減少ないし除去することがで
き、濃度を調節することも出来る。
以上のようにして所望のリグノセルロース溶液を、短時
間の処理で、簡便に得ることが出来る。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明する。
ただし以下の実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。
実施例1〜4 10%含水フェノール12gと、ポプラ木粉2gとをA
  3  L2型耐圧ガラス管(耐圧ガラス工業側製)
に秤り取って混合し、減圧下で充分脱気し、封管したの
ち、防爆仕様のマイクロ波照射オーブン(東芝TMB3
210型)中に、その耐圧管を底面から15°傾けて装
着し、これにマイクロ波照射を施して加熱した。マイク
ロ波の周波数と出力は、それぞれ2450±50MHz
および2.4kWテあり、また、I!!の水をオーブン
内に併置して、これを過剰のマイクロ波エネルギーのス
カベンジャーとして用いた。マイクロ波照射に伴い、耐
圧ガラス管の内部温度が上昇したが、その温度をモニタ
ーするために、赤外線温度計(三栄6T16型サーモス
ポット)を用いた。耐圧ガラス管の内部温度は数分で2
30℃に達するが、マイクロ波照射のON、OFF制御
をすることによって、これを220±10℃の温度に0
.5.10、あるいは20分保持した。反応生成物を放
冷後、1.4−ジオキサン約50m1を加え、フラスコ
内壁に付着した溶液化生成物を含めてできるだけ溶解す
るよう反応生成物を攪拌しながら約1時間放置した。次
いで、この混合物をメンブランフィルタ−用吸引濾過装
置及び、ガラス濾紙(TOYOGAloo (1−粒子
保持)〕を用いて濾過を行ったのち、不溶解残渣を濾葉
し、これをジオキサンで洗浄した。その後、不溶解残渣
を60℃で送風乾燥したのち、105℃で乾燥、秤量を
行い、不溶解残渣量を計算した。第1表のような結果が
得られた。
第1表 第2表 実施例5〜7 10%含水フェノールの量を、5,10あるいは15g
とし、またポプラ木粉量を5gとし、これらの混合物を
230℃に達したのち、その温度付近での保持時間を1
0分とする以外は実施例1〜4と同様の操作を行い、溶
解処理によっても溶解しない不溶解残渣の量を求めたと
ころ、第2表のような結果が得られた。
第1および2表において、残渣量が20%近辺の値以下
にまで低下している場合には、はぼ液状といいうる生成
物が得られる。
実施例8 実施例1と同様の操作によりマイクロ波照射処理を受け
たフェノール−水−木材混合物を放冷後、これにフェノ
ールの重量に対し5%のフェノールスルホン酸を触媒と
して加え、この混合物を150℃に保持された油浴中に
移し、この温度で15分間反応させた。放冷後、この反
応混合物に1.4−ジオキサン約50−を加え、フラス
コ内壁に付着した溶液化生成物を含めて、出来るだけ完
全に溶解除去するように攪拌しながら約1時間放置し、
次いでメンブランフィルタ−用吸引濾過装置及びガラス
濾紙[:TOYOGAloo (1μ粒子保持)〕を用
いて濾過を行った。次に、不溶解残渣を濾葉し、これを
ジオキサンで洗浄し、その後、60℃で送風乾燥したの
ち、105℃で更に乾燥し、秤量を行い、不溶解残渣量
を求めた。その値は7.2であった。残余の生成物は、
はぼ完全な液状を呈していた。
実施例9 実施例1と同様の操作によりマイクロ波照射処理を受け
たフェノール−水−木材混合物を50mf!容ステンレ
ス製耐圧管に移し、これを250℃で20分間処理した
。放冷後、反応混合物に1.4−ジオキサン約50−を
加え、フラスコ内壁に付着した溶液化生成物を含めて、
出来るだけ完全に溶解除去するように攪拌しながら約1
時間放置し、次いでこの反応混合物をメンブランフィル
タ−用吸引濾過装置及びガラス濾紙(:TOYOGAl
oo (14粒子保持)〕を用いて濾過し、不溶解残渣
を濾葉し、それをジオキサンで洗浄し、60℃で送風乾
燥したのち、105℃で更に乾燥し、秤量し、不溶解残
渣量を求めた。その値は4.6%であった。残余の反応
生成物はほぼ完全な溶液状を呈していた。
実施例10 実施例1と同様の操作を行った。但し、10%含水フェ
ノール12gとポプラ木粉2gと更に触媒としてフェノ
ールスルホン酸をフェノール重量に対して5%用いた。
また、マイクロ波照射処理を20分間施した。反応混合
物中の不溶解残渣を測定した結果、その値は1.6%で
あって大巾な減少が認められた。残余の反応生成物はほ
ぼ完全な溶液状を呈している。
〔発明の効果〕
本発明方法において、リグノセルロース材料と溶剤との
混合物に対し、酸からなる溶解触媒の存在において、或
は不存在において、マイクロ波照射処理を施すことによ
り、容易にリグノセルロース材料の溶液を得ることがで
きる。このような本発明方法の利点は下記の通りである
1、反応混合物の昇温が容易で、短時間(例えば数分〜
数十分)に所望の可溶化処理を達成することができる。
2、 マイクロ波照射処理に要する装置は容易に人手設
置することができ、また連続処理も可能である。
3、可溶化効果が極めて高く、リグノセルロース材料の
溶液を高収率で製造することができる。
4、工業的実用化が容易である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、リグノセルロース材料と、 フェノール化合物、並びに脂肪族および脂環式多価アル
    コール化合物から選ばれた少なくとも1種を含む溶剤と
    、 を含む混合物に対し、 マイクロ波照射処理を施す工程 を含む、リグノセルロース材料溶液の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008064429A1 (en) * 2006-12-01 2008-06-05 Cellencor, Inc Treatment of cellulosic material for ethanol production
JP2011084493A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Kyoto Univ 紫外線吸収剤
JP2014024850A (ja) * 2008-07-28 2014-02-06 Kyoto Univ 植物材料から糖成分を製造する方法
JP2014524259A (ja) * 2011-08-24 2014-09-22 バイオケムテック・ソチエタ・ペル・アチオニ 酸触媒を最小限にしか使用しないリグノセルロースバイオマスの酸加水分解

Cited By (4)

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