JPH06226711A - リグノセルロース物質の液化溶液の製造法 - Google Patents

リグノセルロース物質の液化溶液の製造法

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JPH06226711A
JPH06226711A JP32816191A JP32816191A JPH06226711A JP H06226711 A JPH06226711 A JP H06226711A JP 32816191 A JP32816191 A JP 32816191A JP 32816191 A JP32816191 A JP 32816191A JP H06226711 A JPH06226711 A JP H06226711A
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polyester polyol
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lignocellulose
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Nobuo Shiraishi
信夫 白石
Kinichi Shirakawa
欣一 白川
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Rengo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】無処理木材即ちリグノセルロース物質を常圧
下、比較的低い温度で液化溶解する手段を開発するこ
と。 【構成】リグノセルロース物質を酸触媒及びポリエステ
ルポリオールの存在下で加熱すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材などリグノセルロ
ース物質を直接ポリカプロラクトンポリオール等のポリ
エステルポリオールに液化、溶解することにより、生分
解性または生物崩壊性などを有する種々の樹脂原料とし
て有用な木材液化溶液を、効率よく製造する方法に関す
るものである。この木材液化溶液は接着剤、成形材料、
発泡体、塗料、充填材料等の幅広い分野で樹脂原料とし
ての利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】木材を含むリグノセルロース物質の利用
の一環として、水酸基の一部に少なくとも1種の置換基
を導入することによって、化学修飾した木材(化学修飾
木材)等化学修飾リグノセルロース物質を有機溶剤に液
化溶解し、得られた木材液化溶液を種々の樹脂原料とし
て利用することが提案されている(特公昭63−199
2号)。
【0003】しかしこの場合には、溶媒に用いた化合物
は高分子反応性を有するものとは言えず、成形物を調製
したり、あるいは樹脂化のためには液化溶解に用いた溶
媒を揮散させたり、第3物質を更に溶解させて用いる必
要があった。
【0004】次いで化学修飾木材を液化乃至溶解する溶
剤として、フェノール類が見出され、フェノール類−ホ
ルムアルデヒド系樹脂を得る技術が開発され、更にその
液化溶解の際にフェノリシスを併起させ、液化溶解条件
を緩やかなものとすると共に、溶液特性の優れたフェノ
ール類、ホルムアルデヒド樹脂系の接着剤とする技術、
繊維化する技術、発泡体とする技術が開発され特許出願
がなされている(特公昭63−67564号、特開昭6
0−206883号、特公平2−6851号、特開昭6
1−171744号等)。
【0005】引き続き化学修飾木材を多価アルコール類
に液化溶解させる技術が見出され、液化溶解により得ら
れた樹脂液より、ポリウレタン系、エポキシ系、その他
の樹脂の成形物、発泡体、あるいは接着剤を製造する技
術が開発され、特許出願がなされている(特開昭61−
171701号、特開昭61−171763号、特開昭
61−215675〜9号)。
【0006】他方化学修飾木材の化学修飾の度合いと液
化溶解性に関する検討から、化学修飾を全く行わない無
処理木材などリグノセルロース物質を、フェノール類ま
たはビスフェノール類の存在下で、200〜260℃の
高温、加圧下で加熱することにより容易に液化溶解させ
得ることが見出された(特開昭61−261358
号)。
【0007】引き続き同様に無処理の木材などリグノセ
ルロース物質を多価アルコール類、ケトン類に液化溶解
しうることも知られた(特開昭62−79230号)。
【0008】また木材などのリグノセルロース物質に、
塩素化などハロゲンによる前処理を施し、次にフェノー
ル化合物などの液化溶解剤を含む処理液中で、200〜
260℃の高温で液化溶解処理することにより、リグノ
セルロース物質液化溶液を効率よく、安価に製造しうる
ことも提案されている(特開昭63−17961号)。
【0009】そしてこれら木材を化学修飾することなし
に、フェノール類や多価アルコール類、ポリエチレング
リコールなどに高温で加熱し、液化溶解して得た溶液か
ら接着剤や発泡体を調製する技術も見出されてきている
(特開平1−45440号、特開平1−158021
号、特開平1−158022号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、無処
理木材を液化溶解するに際しては、200〜260℃、
好ましくは250〜260℃という高温度での加熱処理
を要し、かつ液化溶解を耐圧装置で行う必要があり、反
応時圧力も多くの場合に30〜50気圧にするといった
問題点を持っている。
【0011】一方近年、地球環境保全が大きな問題とな
ってきており、工業用原材料物質なども生分解性または
生物崩壊性が要求されている。生分解性プラスチックと
しては、(1)エネルギー貯蔵物質として菌体中に生合
成される3−ヒドロキシブチレートなど微生物由来の生
分解性プラスチック、(2)セルロース、澱粉のごとき
天然物由来の生分解性プラスチック、および(3)ポリ
カプロラクトンなど合成高分子由来の生分解性高分子の
大別して3種がある。
【0012】木材などのリグノセルロース物質の液化物
は上記(2)により生分解性が期待されるが、一層の生
分解性の効率を期待するためには、使用する液化溶媒も
生分解性を有することが有利になる。(3)に示したよ
うにポリカプロラクトンに代表されるポリエステルポリ
オールは生分解性を有することが知られている(例えば
土肥義治編著:生分解性高分子材料 工業調査会 P.26
3〜280,1990)。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、生分解
性を有する木材などリグノセルロース物質とポリカプロ
ラクトンポリオールなどのポリエステルポリオールを出
発原料として、酸触媒共存下、常圧でより低い温度で無
処理木材を液化溶解させることにより、生分解性あるい
は生物崩壊性を有する地球環境に優しい樹脂原料である
木材などリグノセルロース物質の液化溶解物の製造法を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は木材などのリグ
ノセルロース物質を、酸触媒の存在下、ポリカプロラク
トンポリオールなどのポリエステルポリオール、または
分子量の比較的小さい脂肪族多価アルコール、ポリエー
テルポリオールおよびポリエステルポリオールの少なく
とも1種を比較的分子量の大きいポリエステルポリオー
ルと併用する混合物の存在下で、100〜200℃未満
という低い温度で、常圧下にて加熱することにより、木
材などリグノセルロース物質の溶液状物ないしペースト
状物が得られるという新しい事実に基づいて完成された
ものである。本発明で得られる木材などリグノセルロー
ス物質液状化物は、種々の生分解性樹脂原料となりうる
液化溶解系であり、多くの利用応用の可能性を有してい
るものである。
【0015】
【発明の作用並びに構成】本発明において出発原料とし
て用いるリグノセルロース物質は、木粉、木材繊維、木
材チップや単板くずなどの木材を粉砕したもの、および
ワラやモミガラ等の植物繊維素、GP、TMP(サーモ
メカニカルパルプ)、古紙等の紙、パルプ類など各種の
ものが含まれ、従来この種分野において使用されてきた
ものがいずれも使用される。この際の木材の種類として
は各種のものが広く包含され、代表例としては例えば、
マカンバ、シトカスプルース、スギ、アカマツ、ポプ
ラ、ラワン等が例示できる。また粉砕物の粒度は充分に
液化、溶解しうる程度で良い。
【0016】本発明で用いるポリエステルポリオール
は、2価以上のアルコールであり、またその分子量は通
常100〜1000好ましくは200〜500程度のも
のである。具体例としては例えばアジピン酸などを主成
分とする汎用ポリエステルポリオール、ポリカプロラク
トンポリオール、芳香族ポリエステルポリオールなど多
くのものが包含され、特にポリカプロラクトンポリオー
ル、汎用ポリエステルポリオールが好ましい。
【0017】またこのポリエステルポリオールとして3
価以上即ち3官能以上の官能基を有するポリエステルポ
リオールを使用すると、得られる液化溶液に更に次の様
な特性が賦与される。即ち得られる液化溶液は特に反応
性の高い樹脂原料として極めて好適であり、たとえば発
泡体製造などに極めて好適なものとなる。更に詳しくは
3官能以上のポリエステルポリオールを出発原料とする
と、水酸基を3個以上含むという点で反応性が高くな
り、木材の樹種の相違による影響も少なくなり、発泡体
などを作る際も架橋反応により良好な製品が得られるな
ど多くの利用および応用の可能性を更に有することとな
る。3官能以上の官能基を有するポリエステルポリオー
ルとしては、たとえばグリセリン骨格を有するポリカプ
ロラクトンポリオール等を好ましいものとして例示出来
る。
【0018】液化溶解に際しては、上記のポリエステル
ポリオールを各々単独で用いても良く、また、比較的分
子量の小さい脂肪族多価アルコール、ポリエーテルポリ
オールおよびポリエステルポリオールの少なくとも一種
を併用する混合溶媒も使用出来る。この際の比較的分子
量の小さいとは、通常300以下の分子量のものをい
い、このような比較的低分子量のものであれば、脂肪族
多価アルコール(ポリエステルポリオールは除く)やポ
リエーテルポリオールと併用することが出来る。またポ
リエステルポリオール自体としても比較的低分子量のも
のとこれより分子量の大きいものとを併用することが出
来る。これ等併用により液化時間が短縮し、リグニン等
の再重合に起因すると考えられる残渣率の再上昇を抑制
するという作用が更に発揮される。尚、この際ポリエス
テルポリオールとして比較的分子量の小さいもの同志、
あるいはこれよりも高分子のもの同志を併用しても勿論
かまわないが、この場合には上記分子量の小さいものと
大きいものとの併用による効果はあまり期待出来ない。
【0019】比較的分子量の小さい多価アルコール及び
ポリエーテルポリオールとしては分子量300以下のも
のであって、次の様なものが好ましく使用される。即ち
多価アルコールは、2価以上のアルコールであり、脂肪
族多価アルコール(アルキレンポリオール)、ポリエー
テルタイプのポリオールを含み、例えばエチレングリコ
ール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,
6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、エポキサイド付加ポリエーテルポリオール、
変性ポリエーテルポリオール(グラフトポリオール;ポ
リ尿素分散ポリオール;アミン変性ポリオール)、ポリ
テトラメチレンエーテルグリコール等多くのものが包含
され、特にポリエチレングリコール、グリセリン、エチ
レングリコールが好ましい。この際上記脂肪族多価アル
コール及びポリエーテルポリオールの分子量が500以
上即ち比較的高分子量となれば、残渣率が高くなり、あ
まり好ましくない。
【0020】更に溶液の粘度を低めたり、液化溶解を助
長する目的で、液化溶解時に最初から、あるいはその途
中で水あるいは1価アルコール、アセトン、酢酸エチル
等の有機溶媒の1種または2種以上を添加共存させるこ
とも可能である。これらの有機溶剤は、通常ポリエステ
ルポリオール100重量部に対して1〜10、好ましく
は5〜6重量部程度添加される。この際の1価アルコー
ルとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−ブチルアルコール等が例示出来る。
【0021】本発明においては通常ポリエステルポリオ
ール100重量部に対して、木材などのリグノセルロー
ス物質を10〜1000重量部の割合で加えることが好
ましい。10重量部未満でも液化物を得ることは可能で
あるが、樹脂化を目的とする場合などでは、特に好適と
はいいがたい。また、あまり多量加えると液化が不充分
となる傾向がある。
【0022】尚、本発明でいう液化溶解反応とは木材な
どのリグノセルロース物質がポリエステルポリオールと
反応して、固相から液相へ少なくとも80%以上が液化
することを言う。
【0023】本発明においてはこの反応は特に酸触媒の
存在下で常圧で行うものである。酸触媒としては、無機
酸、有機酸、更にはルイス酸でも良く、例えば硫酸、塩
酸、トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、塩化
アルミニウム、塩化亜鉛や三フッ化ホウ素などが好まし
いものとして例示される。その使用量は溶媒100重量
部対し、通常1〜20重量部である。
【0024】反応温度は100〜200℃、好ましくは
100〜200℃未満、特に好ましくは150〜160
℃である。液化反応中、適宜撹拌を行うことが好まし
い。この撹拌により、懸濁液にトルクを付加して、液化
溶解の能率を高めることが出来る。液化溶解は15分〜
数時間で達成される。
【0025】このようにして得られた木材などリグノセ
ルロース物質の液状化物中の木材などリグノセルロース
物質の濃度は、その溶液の利用目的によって異なるが、
重量比で最大約90%までの範囲である。
【0026】溶解のための装置としては、この反応を実
施できる装置であれば良く、通常耐酸性の高い内壁と還
流装置を備えたものを使用することが望ましく、特に液
化溶解の初期には反応系物質全体が良く混和し、その後
期には充分な撹拌が可能な装置や、反応期間を通じてそ
のような混和と撹拌が効率的に行われ得るような装置を
用いると、液化溶解を助長し、反応条件を緩和すること
ができるので望ましい。
【0027】本発明においては、またリグノセルロース
物質に、予め前処理を施してから、本反応に供すること
もできる。この前処理により、更に容易に液化溶解せし
めることができる。この前処理は特開昭63−1796
1号に開示のハロゲンによる前処理がいずれも有効に適
用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来不可能と考えられ
ていた無処理木材などのリグノセルロース物質のポリエ
ステルポリオールへの液化溶液を、酸触媒存在下で10
0〜200℃、特に150〜160℃という中温で常圧
下加熱するだけで、液化溶解し、木材の液化収率90数
%を含む高い収率で液状物が得られる。このことは実に
驚くべき新事実であり、本発明者により始めて見出され
たものである。
【0029】さらに本発明の出発原料である木材などの
リグノセルロース物質とポリカプロラクトンポリオール
などのポリエステルポリオールは、一般的には生分解性
高分子と考えられているものであり、本発明によって得
られるリグノセルロース液状物は生分解性材料として、
成形材料、接着剤、発泡材料など多くの工業的利用が期
待される。
【0030】更に本発明に於いて3官能以上の官能基を
有するポリエステルポリオールを用いると、得られる液
化溶液は反応性が高くなり、木材の種類の相違による影
響なく、たとえば発泡体などを製造すると特性の優れた
発泡体をより容易に製造することが出来る。
【0031】このように本発明の方法は生分解性高分子
材料として有用であり、しかも極めて容易に液化溶液を
得ることができるものであり、工業化に適し極めて実用
的であり、木材などのリグノセルロース原料の有効利用
に極めて有用である。
【0032】
【実施例】
【実施例1】乾燥マカンバ木粉(20〜80メッシュ)
3gを、予めその全量に対し3重量%量の硫酸を均一に
混合したポリカプロラクトンポリオールとしてダイセル
化学工業(株)製「プラクセル303」9gと共に、還流
コンデンサーを備えたガラスフラスコに投入し、150
℃の油浴中に静置し、30分間撹拌して反応させた。反
応終了後、油浴から引き上げ冷却し、1、4−ジオキサ
ン150mlを加えて希釈した。次いでガラス繊維瀘紙
(TOYO 「GA100」)を用いて、上記の希釈反
応液を瀘過し、液化物と不溶解残渣とを分離した。不溶
解残渣は更に1、4−ジオキサンを用いて数回洗浄し、
予備乾燥の後105℃で4時間乾燥し、秤量して不溶解
残渣率を求めた。得られた不溶解残渣は9.5%であっ
た。
【0033】
【実施例2〜16】実施例1においてその条件を表1に
示す所定条件として液化溶解を行った。結果を表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、溶解時間(反応
時間)を変化しても不溶解残渣率はいずれも著しく低
く、脂肪族多価アルコールなど他のポリオールに比べ良
好な結果が得られた。また溶解時間が長くなると、木材
成分の再縮合に起因すると考えられる不溶解残渣が再び
高くなる場合が多いが、実施例4に示されるように、不
溶解残渣の再上昇が抑制されている。さらに樹種を変え
ても液化溶解は可能であり、p−フェノールスルホン酸
のような有機酸も触媒として効果が認められる。
【0036】
【実施例17】乾燥マカンバ木粉(20〜80メッシ
ュ)3gを、予めその全量に対し3重量%量の硫酸を均
一に混合したポリエステルポリオール(ダイセル化学工
業(株)製「プラクセル303」)とグリセリンとの9:
1重量比の混合液9gと共に、還流コンデンサーを備え
たガラスフラスコに投入し、150℃の油浴中に静置
し、60分間撹拌して反応させた。反応終了後、油浴か
ら引き上げ冷却し、1、4−ジオキサン150mlを加え
て希釈した。次いでガラス繊維瀘紙(TOYO 「GA
100」)を用いて上記の希釈反応液を瀘過し、液化物
と不溶解残渣とを分離した。不溶解残渣は更に1、4−
ジオキサンを用いて数回洗浄し、予備乾燥の後105℃
で4時間乾燥し、秤量して不溶解残渣率を求めた。得ら
れた不溶解残渣は4.3%であった。この結果を表1に
示す。
【0037】
【実施例18〜20】表1の実施例17に示す所定の条
件と類似の条件下で同様に木材の液化溶解を行った。結
果を表1に示す。この結果に示されるように、ポリエス
テルポリオールにグリセリンなど低分子量多価アルコー
ルを併用すると容易に液化溶解が行われ、実施例6に比
較して実施例17〜19の残渣率は低下する。
【0038】
【実施例21】乾燥マカンバ木粉(20〜80メッシ
ュ)3gを、予めその全量に対し3重量%量の硫酸を均
一に混合したアジピン酸系ポリエステルポリオール(武
田薬品工業(株)製「U−340」)9gと共に、還流コ
ンデンサーを備えたガラスフラスコに投入し、150℃
の油浴中に静置し、60分間撹拌して反応させた。反応
終了後、油浴から引き上げ冷却し、1、4−ジオキサン
150mlを加えて希釈した。次いでガラス繊維瀘紙(T
OYO 「GA100」)を用いて上記の希釈反応液を
瀘過し、液化物と不溶解残渣とを分離した。不溶解残渣
は更に1、4−ジオキサンを用いて数回洗浄し、予備乾
燥の後105℃で4時間乾燥し、秤量して不溶解残渣率
を求めた。得られた不溶解残渣は7.5%であった。こ
の結果を表1に示す。
【0039】
【実施例22〜24】表1の実施例18に示す所定の条
件と類似の条件下で木材の液化溶解を行った。結果を表
1に示す。この結果に示されるようにアジピン酸ポリエ
ステルポリオールでも木材の液化溶解は容易に行われる
ことが判明した。
【0040】
【比較例1】実施例1において触媒だけを加えず、その
他は実施例1と同様に処理した。結果を表1に併記す
る。その結果得られた木材の不溶解残渣率は97.8%
であり、この温度で触媒を加えないで処理する場合には
木材の液化溶解は全く進まないことが判明した。
【0041】但し表1の*印については以下の通りであ
る。 *1 触媒の添加量は対ポリエステルポリオールへの重
量添加率(%)で示す。 *2 ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール:
ダイセル化学工業(株)「プラクセル303(3官能)」 *3 アジピン酸系ポリエステルポリオール:武田薬品
工業(株)「U−340」
【表1】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リグノセルロース物質を酸触媒およびポリ
    エステルポリオールの存在下で、加熱することを特徴と
    するリグノセルロース物質の液化溶液の製造法。
  2. 【請求項2】ポリエステルポリオールがポリカプロラク
    トンポリオールである請求項1に記載の液化溶液の製造
    法。
  3. 【請求項3】分子量の比較的大きいポリエステルポリオ
    ールと、分子量の比較的小さい脂肪族多価アルコール、
    ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオール
    の少なくとも1種を併用する混合溶媒である請求項1に
    記載の製造法。
  4. 【請求項4】ポリエステルポリオールが3官能以上の官
    能基を有する多価アルコール(ポリオール)である請求
    項1〜3のいずれかに記載の製造法。
JP32816191A 1991-11-15 1991-11-15 リグノセルロース物質の液化溶液の製造法 Pending JPH06226711A (ja)

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