JP2014524259A - 酸触媒を最小限にしか使用しないリグノセルロースバイオマスの酸加水分解 - Google Patents

酸触媒を最小限にしか使用しないリグノセルロースバイオマスの酸加水分解 Download PDF

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Abstract

本明細書は、穏やかに前処理した野菜又はリグノセルロースバイオマスの固有の特徴、すなわち自然に発生した塩の存在を用いて、オリゴ糖溶液から、酸をほとんど又は全く添加することなく単糖類流を生成する方法を記載する。これは、酸をほとんど又は全く添加することなくオリゴ糖溶液のpHを低下させることと、続いて、pHが低下したバイオマスを、バイオマスの成分を加水分解するのに十分な時間だけ80℃よりも高い高温に暴露することとによって達成される。

Description

本発明は、酸触媒を最小限にしか使用しないリグノセルロースバイオマスの酸加水分解に関する。
バイオマス及びセルロースの酸加水分解が当該技術分野において公知である。これは、均一又は不均一な方法の両方で実施される。
通常、前処理したリグノセルロース材料(例えば自己加水分解、熱水洗浄又は水蒸気爆砕)からのオリゴ糖流から単糖類流を得る方法は、オリゴ糖のモノマーへの後加水分解(post hydrolysis)中に単糖類の分解産物への変換を制限しようとする(非特許文献1、非特許文献2)。
キシロオリゴ糖(XOs)加水分解のオプションである、加水分解としても知られる後加水分解は、酸によって触媒される(非特許文献3)か、又は酵素によって触媒されるプロセスである(非特許文献1)(非特許文献4)。
希酸化学的後加水分解における単糖類の回収に影響を与える主な要因は、触媒の濃度、反応時間及び温度である。酸プロセスが、軟材(非特許文献5)、硬材(非特許文献6)及び草本材料(非特許文献7)から得られる加水分解物に適用されてきた。報告されている主な触媒は、硫酸(非特許文献8、非特許文献5)であるが、(リン酸、塩酸、ギ酸のような)他の触媒を用いることがでる。完全に最適化された後加水分解条件下では、糖回収は、オリゴ糖の定量的酸加水分解に一般的に用いられる標準的な希釈酸加水分解(121℃、4%HSO及び60分)に比して、100%に近づけることができる(非特許文献1、非特許文献8;非特許文献6、非特許文献7、非特許文献5)。オリゴ糖の酸加水分解中、分解反応は、多くの化合物、特に、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、フルフラール、ギ酸及びレブリン酸の形成につながり、これは、更なる生物変換工程を阻害し、プロセスの糖収量が低下する可能性がある(非特許文献8)。
さらに、酸触媒には通常、非糖化合物の濃度が、経済的及び環境的な持続可能性に相容れない値まで上昇することが伴う。
非特許文献9には、水流が最初に室温でカチオン交換体に接触するときの不均一系が記載されており、そこでは、タンパク質、フェノール類、鉱物及び他の触媒ファウリング成分が除去される。材料は次に、130℃で同じ触媒の充填層の上を通り、105分の空時で88%の加水分解を提供する。
非特許文献9のプロセスは、130℃よりも高い温度で触媒が劣化し、触媒のファウリングも130℃を超える温度の上昇に伴って増加するため、温度が制限される。
代替的には、オリゴ糖の後加水分解は、酵素によって触媒することができる。前処理から得られるオリゴ糖には複合ヘミセルロース構造が依然として存在するため、完全な加水分解には複数の酵素活性の作用が通常は必要とされ(例えばエンドキシラナーゼ、エキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、並びに、アセチルキシランエステラーゼ、α−グルクロニダーゼ、α−アラビノフラノシダーゼ及びフェルロイルエステラーゼのような補助的な活性)、したがって、潜在的にプロセスを非経済的なものにする(非特許文献10、非特許文献8)。その上、加水分解物中に潜在的に存在する毒性化合物/阻害化合物が、酵素活性を大幅に低下させる可能性がある(非特許文献4)。これらの全ての側面にもかかわらず、酵素による後加水分解は、単糖類の分解反応を最小限に抑えるという利点を呈する。
したがって、僅かな分解産物しか生成しない均一酸触媒による加水分解が必要とされている。
Duarte 他, 2004年 Girio 他, 2010年 Boussaid 他, 2001年 Carvalheiro 他, 2008年 Shevchenko 他, 2000年 Garrote 他, 2001年 Garrote 他, 2001年 Duarte 他, 2009年 Kim 他(Youngmi Kim, Rick Hendrickson, Nathan Mosier, and Michael R. Ladisch, "Plug-Flow Reactor for Continuous Hydrolysis of Glucans and Xylans from Pretreated Corn Fiber", Energy & Fuels 2005年, 19巻, 2189〜2200頁) Vazquez 他, 2002年
本明細書は、前処理したリグノセルロースバイオマス由来の液体リグノセルロースバイオマス供給流中に存在するオリゴ糖を加水分解する方法であって、
A.液体リグノセルロースバイオマス供給流へのHイオンの数を十分な量だけ増やすことによって液体リグノセルロースバイオマス供給流からの酸性流を形成する工程であって、酸性流のpHが、Hイオンを添加する前の液体リグノセルロースバイオマス供給流のpHよりも少なくとも0.5pH単位低いようにし、液体リグノセルロースバイオマス供給流に添加されるHイオンの総量の80%未満が酸由来のものである、酸性流を形成する工程と、
B.酸性流の温度を80℃よりも高い加水分解温度まで上昇させることによって酸性流を加水分解する工程と
を含む方法を開示する。
本明細書はさらに、Hイオンの少なくとも一部が、イオン交換剤を用いた脱カチオン化によるものであり、酸性流の少なくとも一部をイオン交換剤から分離し、その後で、酸性流の分離された部分を加水分解することを開示する。本明細書はさらに、液体バイオマス供給流に添加されるHイオンの総量の90%未満が酸に由来することも開示する。
本明細書はさらに、酸性流のpHが少なくとも2.5未満であることを開示する。本明細書はさらに、Hイオンの少なくとも一部が、加水分解前及び/又は加水分解行程中に液体リグノセルロースバイオマス供給流若しくは前記酸性流のいずれか又は両方に添加される酸に由来することも開示する。
塩を前記方法に加えてもよく、Hイオンを液体リグノセルロースバイオマス供給流に添加する前に、塩の少なくとも一部を液体リグノセルロースバイオマス供給流に添加してもよい。
酸性流の温度を、1秒〜4時間の範囲内の時間だけ、加水分解温度の範囲に維持することができ、加水分解温度は80℃〜200℃の範囲内であってもよい。
本明細書は、液体リグノセルロースバイオマス供給流及び/又は酸性流の濃度、したがって、液体リグノセルロースバイオマス供給流はキシロオリゴマーの濃縮物を含み、液体リグノセルロースバイオマス供給流中のキシロオリゴマーの濃度を脱カチオン化前に上昇できること、及び、酸性流中のキシロオリゴマーの濃度を加水分解前に上昇できることも開示する。
本明細書は、プロトン濃度をインサイチュ増加してもよく、
A.液体バイオマス供給流のpHがHイオンを添加する前の液体バイオマス供給流のpHよりも少なくとも0.5pH単位低くなるのに十分な量だけ、液体バイオマス供給流へのHイオンの数を増やす工程と、
B.80℃よりも高い加水分解温度で液体バイオマス供給流を加水分解する工程と
を含み、
C.水中で液体バイオマス供給流に対して解離可能なHイオンを含まない化合物、及び反応を触媒する化合物、又は、それ自体が、液体バイオマス供給流中に既に存在する成分と反応してHイオンの少なくとも一部を形成する化合物を添加することによって、数が増えたHイオンの少なくとも一部を形成する方法も開示する。
プロセスの第1の実施形態の模式図である。 プロセスの第2の実施形態の模式図である。 プロセスの第3の実施形態の模式図である。 プロセスの第4の実施形態の模式図である。
本明細書は、リグノセルロースバイオマスの成分を、従来の酸とほとんど又は全く接触させないことによって、リグノセルロースバイオマス流の酸加水分解を行う方法を開示する。従来の酸は、プロトン(H)を供与し、塩基と反応して塩を形成する酸である。従来の酸は、実際の従来の酸である、水と反応してHClを形成するAlClのような、他の何かと反応してプロトンを生成することによって酸性環境を作り出す酸ではない。したがって、塩化アルミニウムは、ルイス酸として知られており、本明細書においては従来の酸とはみなされない。
本方法は、リグノセルロースバイオマスの前処理から得られる供給流に有用である。本方法は、例えばオレンジの果皮、リンゴの皮のような果物において見られるようなペクチンの加水分解にも有用である。
本方法は、重合糖を含有する任意の流れに対して作用すると考えられている。例えば、イヌリンはフルクトースの重合体である。好ましくは、この溶液は非酸性塩を含むが、塩を流れに添加してもよい。
前処理した植物バイオマスが好ましい供給原料である。植物バイオマス中の3つの主要な構成要素は、デンプン以外に、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンであり、これらは一般的に、総称としてリグノセルロースと称される。多糖含有バイオマスは、デンプン及びリグノセルロースバイオマスの両方を含む総称である。したがって、幾つかのタイプの供給原料は、植物バイオマス、多糖含有バイオマス、及びリグノセルロースバイオマスとすることができる。明確化のために言うと、本明細書では、リグノセルロースバイオマスは、デンプンを含有していても含有していなくてもよい。
本方法は、前処理したリグノセルロース供給原料を主な目的とする。
供給原料は、デンプンを含まないか、デンプンを実質的に含まないか、又はデンプン含量がゼロであるものとすることができる。デンプンは、存在する場合には、乾燥含量の75質量%未満とすることができる。デンプンの存在がセルロースの加水分解に影響を与えるとは考えられないため、好ましいデンプンの範囲はない。デンプンの量の範囲は、存在する場合には、乾燥含量の0〜75質量%、乾燥含量の0〜50質量%、乾燥含量の0〜30質量%、及び乾燥含量の0〜25質量%である。
前処理は多くの場合に、含有リグノセルロースの構造に酵素のような触媒がより近づきやすくなり、同時に、酢酸、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラールのような有害な阻害性副生成物の濃度が実質的に低いままであることを確実にするために用いられる。
幾つかの前処理戦略が存在するが、その多くがまだ発明されていない可能性がある。現在の戦略は、リグノセルロース材料を110℃〜250℃の温度に1分〜60分間晒すことを示唆する。例えば、現在の典型的なプロセスは、
熱水抽出、
水蒸気爆砕、
反応阻害物質を後に除去することを伴うほぼあらゆる前処理
である。
熱水前処理が選択される場合、以下の条件が好ましい。
前処理温度:110℃〜250℃、好ましくは120℃〜240℃、より好ましくは130℃〜230℃、より好ましくは140℃〜220℃、より好ましくは150℃〜210℃、より好ましくは160℃〜200℃、更により好ましくは170℃〜200℃、又は最も好ましくは180℃〜200℃。
前処理時間:1分〜60分、好ましくは2分〜55分、より好ましくは3分〜50分、より好ましくは4分〜45分、より好ましくは5分〜40分、より好ましくは5分〜35分、より好ましくは5分〜30分、より好ましくは5分〜25分、より好ましくは5分〜20分、及び最も好ましくは5分〜15分。
前処理後の乾物含量は、好ましくは少なくとも20%(w/w)である。
本発明による多糖含有バイオマスは、例えばデンプン、並びに精製デンプン、セルロース及びヘミセルロースの形態の重合糖を含有する任意の物質を含む。しかし、前述したように、デンプンは必ずしも主要な成分ではない。
後述するように、開示の方法は、酸性環境の存在下でリグノセルロースバイオマスを加水分解するという原理で作用する。酸性環境の存在下でのリグノセルロースバイオマスの加水分解は、文献において複数のタイプのリグノセルロースバイオマスに関して実験的に確立されている。統一概念は、酸性環境において高温で加水分解することができる形態の重合糖の存在である。したがって、実施例はリグノセルロースバイオマスの開示される種に対するものであるが、開示される方法が、酸性環境(低pH)において加水分解可能であることが分かっている重合糖を含有する他のリグノセルロースバイオマスに対して作用することができない理由は科学的には分かっていない。
本発明による加水分解のためのリグノセルロースバイオマスの関連するタイプとしては、例えば、トウモロコシ茎葉、バガス、例えばコメ、コムギ、ライムギ、オーツ麦、オオムギ、ナタネ、モロコシからのわらのような穀粒や、例えばビート、ジャガイモのような塊茎のような農作物由来のバイオマスが挙げられる。
リグノセルロースバイオマス供給原料は好ましくは、通常、イネ科牧草類と呼ばれる科からのものである。正式名称は、顕花植物のクラスユリ綱(単子葉植物)の中のイネ科又は禾本科として知られる科である。この科の植物は通常、イネ科牧草類と呼ばれ、竹も含まれる。約600の属、及びおよそ9000〜10000以上の種のイネ科牧草類が存在する(Kew Index of World Grass Species)。
イネ科は、世界中で育つ主食の穀粒及び穀類作物、芝生及び飼草並びに竹を含む。イネ科は一般的に、稈と呼ばれる中空の茎を有し、これらは、稈に沿って葉が生じる地点である節と呼ばれる点で間隔を置いて塞がっている(中実である)。禾本の葉は通常、互生、対生(1つの平面で)又はまれに螺旋状であり、平行脈である。それぞれの葉は、或る距離で茎を抱え込む下部葉鞘と、葉縁が通常は全縁の葉身とに分化する。多くのイネ科牧草類の葉の葉身は、シリカ植物化石で堅くなっており、これが、草食動物を遠ざける助けとなる。幾つかのイネ科牧草類(例えば、刀状の葉をもつ草(sword grass))において、これによって、葉身の縁が、ヒトの皮膚を切るほど十分に鋭くなる。葉舌と呼ばれる膜状付属体又は毛のふさは、葉鞘と葉身との間の接合部にあり、水又は昆虫が葉鞘に入り込むのを防ぐ。
葉身は、葉身の基部において成長し、伸長した茎の先端から成長するのではない。この低い成長点は、草食動物に対応して進化したものであり、植物に著しい損傷を与えることなく、規則的にイネ科牧草類を草食するか又は刈ることが可能になる。
イネ科の花は、特徴的には小穂に配置され、各小穂は、1つ又は複数の小花を有する(小穂は、円錐花序又は穂状花序にさらに分類される)。小穂は、基部の頴と呼ばれる2つ(又は場合によってはより少ない)の包葉と、それに続く1つ又は複数の小花とからなる。小花は、外花頴(外側のもの)及び内花頴(内側)と呼ばれる2つの包葉で囲まれた花からなる。花は、通常、雌雄同花であり(雌雄同株であるトウモロコシは例外である)、受粉は、ほとんど常に風媒である。花被は、鱗被と呼ばれる2つの芽鱗に変形し、これらが伸縮して外花頴及び内花頴を広げ、これらは一般的に、変形萼片と解釈される。
イネ科の果実は、(トウモロコシの穀粒のように)種皮が果皮に融合し、したがって果皮から分けることができない頴果である。
本方法において作用するイネ科牧草類には、3つの全般的な成長習性の分類、すなわち束型(群生とも呼ばれる)と、葡萄枝型と、根茎型とが存在する。
イネ科牧草類の成功は、部分的にそれらの形態及び成長プロセスに、並びに部分的にそれらの生理的多様性にある。ほとんどのイネ科牧草類は、炭素固定のためにC3光合成経路及びC4光合成経路を用いる2つの生理的な群に分けられる。C4植物は、分化した葉のクランツ構造と連結された光合成経路を有し、この構造が、特に暑い気候及び低い二酸化炭素の雰囲気にそれらを適合させる。
C3植物は「寒地型牧草」と称され、C4植物は「暖地型牧草」とみなされる。イネ科牧草類は、一年生又は多年生のいずれかであり得る。一年生の寒地型牧草の例は、コムギ、ライムギ、一年生ブルーグラス(一年生メドウグラス、ポア・アニュア(Poa annua)及びオーツ麦)である。多年生の寒地型牧草の例は、オーチャードグラス(カモガヤ、ダクティリス・グロメラータ(Dactylis glomerata))、ウシノケグサ(フェストゥーカ属(Festuca spp))、ケンタッキーブルーグラス及びペレニアルライグラス(ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne))である。一年生暖地型牧草の例は、トウモロコシ、スーダングラス及びパールミレットである。多年生暖地型牧草の例は、ビッグブルーステム、インディアングラス、バミューダグラス及びスイッチグラスである。
本方法で作用すると考えられているイネ科牧草類の1つの分類には、12個の亜科が認識されている。これらは、1)2つの属(アノモクロア(Anomochloa)、ストレプトケタ(Streptochaeta))を含む広葉禾本の小さい系統であるアノモクロオイデ(anomochlooideae)、2)ファルス(Pharus)及びレプタスピス(Leptaspis)を含む3つの属を含む禾本の小さい系統であるファロイデ(Pharoideae)、3)アフリカの属であるプエリア(Puelia)を含む小さい系統であるプエリオイデ(Puelioideae)、4)コムギ、オオムギ、オーツ麦、スズメノチャヒキ(ブロナス(Bronnus))及びリードグラス(カラマグロスティス(Calamagrostis))を含むプーイデ(Pooideae)、5)竹を含むバンブソイデ(Bambusoideae)、6)コメ及びワイルドライスを含むエールハルトイデ(Ehrhartoideae)、7)ジャイアントリード及びコモンリードを含むアルンディノイデ(Arundinoideae)、8)場合によってはパニコイデ(Panicoideae)に含まれる11の属の小さい亜科であるセントテコイデ(Centothecoideae)、9)カゼクサ(エラグロスティス(Eragrostis)、およそ350種、テフを含む)、ドロップシード(スポロボラス(Sporobolus)、160あまりの種)、シコクビエ(Eleusine coracana(L.)Gaertn.)及びミューレンベルギアリンドハイメリ(ミューレンベルギア(Muhlenbergia)、およそ175種)を含むクロリドイデ(Chloridoideae)、10)パニックグラス、トウモロコシ、モロコシ、サトウキビ、ほとんどのキビ、フォニオ及びウシクサを含むパニコイデ、11)ミクライロイデ(Micrairoideae)、12)約500種のイネ科牧草類の属であり、両半球の温度領域の原産であるポア(Poa)とともにパンパスグラスを含むダントニオディエ(Danthoniodieae)である。
食用の種子のために育てられる農業用イネ科牧草類は、禾穀類と呼ばれる。3つの一般的な禾穀類は、コメ、コムギ及びトウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))である。全ての作物のうちで、70%がイネ科牧草類である。
サトウキビは、砂糖製造の主要な供給源である。イネ科牧草類は、建設のために用いられることが多い。竹で作製された足場は、鋼鉄足場を破壊し得る台風のような力の風に耐えることが可能である。より大きい竹及びアルンド・ドナックスは、材木と同様に用いることができる丈夫な稈を有し、根は、芝土の家の芝土を安定化する。アルンド・ドナックスは、木管楽器のリードを作製するために用いられ、竹は、多数の器具のために用いられる。
したがって、好ましいリグノセルロースバイオマスは、イネ科牧草類からなる群から選択される。換言すると、好ましいリグノセルロースバイオマスは、イネ科又は禾本科に属する植物からなる群から選択される。ほとんどの場合、デンプンは抽出されていない。したがって、別の好ましいリグノセルロースバイオマスは、デンプンが抽出されていないイネ科牧草類からなる群から選択されるリグノセルロースバイオマスである。換言すると、好ましいリグノセルロースバイオマスは、そのデンプンが抽出されていない、イネ科又は禾本科に属する植物からなる群から選択される。抽出するというのは取り除くこととは異なる。トウモロコシ植物は穂及び茎葉を有する。穂を取り除くことによって、主なデンプン構成要素が取り除かれるが、デンプンは抽出されない。デンプンの抽出とは、切断又は切り刻む以外の化学的又は物理的なプロセスによってセルロースデンプン組成物からデンプンを分離することである。
リグノセルロースバイオマスは、前処理の前に、バイオマスの20%(w/w)が好ましくは26mm〜70mmの範囲となる小片に切断してもよい。前処理された物質は、この方法に入る前に、20%を超える乾物含量を有することが好ましい。バイオマスから炭水化物を遊離させる他に、前処理の方法は、バイオマスを消毒し、部分的に溶解し、同時に、リグニン画分から塩化カリウムを洗い流す。
リグノセルロースバイオマスの前処理された供給流は通常、総可溶性化合物の20%〜40%の糖を含有し、一方で、非糖化合物の10%〜20%は無機塩類である。これらの無機塩類は、多くの場合、カルシウムカチオン及びマグネシウムカチオンの塩である。他のカチオンも存在し得るが、カチオンの存在は本方法に有利である。
液体バイオマス供給流は、水、単糖類及びオリゴ糖を含む糖、液体バイオマス供給流中でアニオン及びカチオンに解離する塩、任意選択的にフェノール、フルフラール、油、並びに酢酸を含む。供給流は特に、オリゴマーであるキシロオリゴマーと、キシロースを含有する重合体とを含有する。
理想的には、液体バイオマス供給流中の糖全体の濃度は、0.1g/L〜300g/Lの範囲であるべきであり、50g/L〜290g/Lがより好ましく、75g/L〜280g/Lが更により好ましく、100〜250g/Lが最も好ましい。このことは、前処理後にそれらの自然な濃度から糖を濃縮することを示唆する。
意図される本方法は、少なくとも2つの化学的工程を含む。第1の工程は、液体バイオマス供給流から酸性流を形成することである。これは、液体バイオマス供給流に対するHイオンの量を増大させて酸性流を形成することによって達成される。所望のpHが得られた後で、次の工程は、酸性流の温度を加水分解反応のための加水分解温度に上昇させることによって酸性流中のオリゴ糖を加水分解し、加水分解流を形成することである。加水分解後、加水分解流は、更なる処理のために他のユニットによる工程に移動することができる。
図面を参照し、本方法の一実施形態である図1から始めると、1の符号が付されている第1の流れは液体バイオマス供給流である。2の符号が付されている流れは酸性流である。3の符号が付されている流れは加水分解流である。図2において4の符号が付されている流れは、脱カチオン化の前又は脱カチオン化中に流れに添加されるカチオンを含有する流れである。本方法への種々の入口地点は、複数の可能な入口地点を示す。5の符号が付されている流れ(図3)は、この方法の流れと接触すると変質されるか又は反応してHイオンを流れに放出する化合物を含有する。6の符号が付されている流れ(図4)は、この方法の流れと接触すると変質されるか又は反応してHイオンを流れに放出する化合物を含有する。図4の実施形態では、化合物は加水分解反応器に直接添加される。酸を流れ5及び/又は6に同様に添加してもよいことを指摘しておく。
容器10は脱カチオン化容器であり、構成要素11はイオン交換樹脂である。pHという文字は、pHを測定することができる好ましい位置を示す。20の符号が付されている容器は加水分解容器である。
酸性流の形成は、Hイオンの濃度を上昇させる任意の方法で行うことができるが、好ましい実施形態では、供給流の塩分を利用する。加水分解工程に必要な酸性度を得るために、カチオンとHイオンとを入れ替えると同時にカチオン交換によって供給流中の塩の含量を低減することができる。塩は、バイオマス中に自然発生し得るが、前処理プロセスの一部として、又は酸性流を形成する前若しくは酸性流を形成する間に添加することもできる。
実施例のセクションに示されているように、前処理後に供給流を濃縮することによって良好な結果が得られた。この濃縮は、水を除去することによって行うことができる。水の50%の除去によって、水ではない種の濃度が2倍に上昇する。種々の濃度上昇が許容可能であるが、供給流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも2倍の上昇が好ましく、供給流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも4倍の上昇がより好ましく、供給流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも6倍の上昇が最も好ましい。
酸性流も濃縮させることができる。種々の濃度上昇が許容可能であるが、酸性流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも2倍の上昇が好ましく、酸性流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも4倍の上昇がより好ましく、酸性流中のキシロオリゴマーの濃度の少なくとも6倍の上昇が最も好ましい。
脱カチオン化と呼ばれる、塩のカチオンの量を低減するプロセスは、カチオンとHイオンとを交換することによってカチオンを除去する。溶液中のカチオンをHイオンによって入れ替えることができる1つの方法は、イオン交換樹脂を用いることによるものである。カチオンは膜を用いて交換することもできる。例えば、デュポン社のナフィオン(登録商標)PFSA樹脂を、交換カラム内の樹脂として、又は溶液が通る膜として用いることができる。これらは、フッ化スルホニル(−SOF)形態の予めフッ素化された樹脂である。
脱カチオン化樹脂(イオン交換樹脂)又はイオン交換膜が用いられる場合、イオン交換媒体から酸性流の少なくとも一部を分離する付加的な工程が、分離される部分を加水分解温度に晒す前に必要であり得る。好ましくは、酸性流中のオリゴ糖を加水分解する前に全てのイオン交換媒体を酸性流から除去する。
自然に発生する塩の濃度はあまり重要ではないが、存在する塩の量が、イオン交換によって増大させることのできる(液体に添加される)Hイオンの量に影響を与えることを認識すべきである。Hイオンの量によって酸性流のpHも決まる。これらの塩は、上記で概要を述べた工程に従って濃縮させることができる。
供給流がカチオンを有する十分な塩を有しない場合、塩又はカチオンを、脱カチオン化前及び/若しくは脱カチオン化中、及び/若しくは脱カチオン化後、又はそれらの組み合わせを含め、酸性流を形成する前に供給流に別の方法で添加することができる。好ましくは、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムの塩を用いることができる。好ましくは、カチオンとして用いられる一価のカチオンを有する塩は、二価のイオンほどはイオン交換媒体に損傷を与えない。添加される塩に関連するイオンは、本方法において後に若しくは後続の方法に有利であるか、又は少なくとも問題を生じないように選択するべきである。例えば、炭酸カルシウムは、硫酸マグネシウムよりも好ましく、これは、硫黄が後の処理において問題を生じることが分かっているためである。図2は、これらの付加的な塩を添加することのできる地点の幾つかを開示している。
カチオンを除去したくないか又は少量のカチオンしか除去したくない場合、付加的なHイオンを流れに添加することができる。Hイオンの量は、酸の使用、電流、過酸化水素の添加、及び膜の使用、又は更にはHイオンのインサイチュ生成を含む任意の公知の手段によって増大させることができる。当然ながら、実行者は、カチオンを除去することなくHイオンの量を増大させたい場合は、イオン交換プロセスを用いないであろう。少量の酸の添加が図3に示されている。
イオンすなわちプロトンの量のインサイチュ増加は、水中で解離可能なHイオンを含まないが反応を触媒する化合物、又は、それ自体が、液体バイオマス供給流中に既に存在する成分と反応する化合物を添加することによって達成することができる。例えば、AlClはHイオンを含まない。しかし、AlClは、液体バイオマス供給流に添加されると、液体バイオマス供給流中の水と反応してAl(OH)及びHClを形成し、したがってHイオンを生成する。このように、Hイオンの量は、Hイオンを液体バイオマス供給流に添加することなく増大される。この実施形態が図4において示されており、流れ6を介して塩化アルミニウムが添加される。
脱カチオン化の場合、脱カチオン化された流れのpHは供給流のpHよりも低くなる。脱カチオン化によって達成することのできるpHは、供給液体中の最初のカチオン濃度、流れに添加されるカチオン、イオン樹脂交換能力、樹脂を通る比速度及び暴露温度に依存する。
したがって、脱カチオン化は、5℃〜60℃の範囲の温度で、液体バイオマス供給流のpHを少なくとも0.5単位、より好ましくは1.0単位、最も好ましくは1.25低下させるのに十分な時間だけ行う必要がある。
合理的な加水分解反応には、少なくとも3.0未満のpHの酸性流が最も効率的である。したがって、酸性流のpHは、3.0未満、より好ましくは2.5未満、より好ましくは2.0未満、より好ましくは1.5未満、及び更により好ましくは1.39未満であるべきである。最も好ましくは1.2未満であるが、1.0未満も好ましい。当業者は、pHが0を含まないが0に近い理論下限値を有することを知っており、したがって、上記の数字のそれぞれは、酸性流のpHの上限値として示すことができ、pHは、0.0を含まないが0.0よりも大きい。
所望のpHに達すると、酸性流は、酸性流の温度を、80℃よりも高く、好ましくは80℃〜200℃の範囲内の加水分解温度に上昇させることによって加水分解される(容器20)。他の範囲は、80℃〜180℃、100℃〜180℃、95℃〜180℃、120℃〜180℃であり、120℃〜170℃が最も好ましい。加水分解温度は、成分(オリゴ糖)を所望の程度まで加水分解するのに十分な時間だけ維持される。実施例のセクションに示されているように、加水分解時間は僅か1秒未満とすることができる。実施例のセクションに示されているように、いかなる酸も流れに添加することなく95%に近い加水分解収率を得ることが可能であり、分解産物を大幅に低減する。
酸という表現は、水中で解離して少なくとも部分的に可溶性になり、そのときに少なくとも1つのプロトン[H]を供与する化合物である均一系の酸を意味する。本方法に幾らかの酸を添加することができるが、添加される酸の量は、酸又は組み合わせの酸に由来するHイオンの量が、添加位置に関係なく、本方法に添加されるHイオンの総量の80%未満であるようなものであるべきである。水による解離に加えて、酸は塩基と反応して塩を形成する。本方法に添加されるHイオンの総量の80%未満が酸に由来することが好ましいが、90%未満が更により好ましく、95%未満が別の好ましいレベルであり、添加位置に関係なく、本方法に添加されるHイオンの量が酸に由来しないことが最も好ましい。
これらのレベルを達成する1つの方法は、Hイオンを、全てではないが、少なくとも部分的に、脱カチオン化及びインサイチュ生成から選択される群から添加することである。酸性流のpHが低くなるほど、加水分解に必要な温度が低くなり及び時間が短くなることが観察されている。pHは対数基準であるため、低いpHと低い温度及び短い時間との関係はリニアではないと考えられる。これまでの結果は、分解産物が最小限であるようにするために最小限に抑えるべきは、より高い加水分解温度(120℃超)における時間であることが示されている。
このように、従来のように加水分解工程において大量の酸を用いることが回避され、やや過酷な処理から完全に穏やかな処理への移行が可能となり、用いられる酸の消費を、カチオン樹脂を再生させるために必要な量に低減することができる(又は全く用いられない)。酸はこの場合、別個の流れにおいて回収され、その後は、より容易に廃棄される。
同時に、最終的に加水分解された流れはよりきれいな液体であり、ほぼ排他的に単糖類を含有し、塩の含量が少なく、糖の後続の化学的又は生物学的な変換を妨げかねない分解産物の量が少ない。
実験の原料は、155℃の水中に117分間浸すことによるアルンド・ドナックスの前処理に由来するものとした。第1の一連の実験では、固体を除去し、懸濁した固体をナノ濾過法によって除去した。
キシロオリゴマー(47g/L(47.3))及びグルコオリゴマー(18g/L(17.7))を含有する前処理した開始液体は、表1に示される組成を有し、3.94のpHを有するものであった。
第1のコントロールとして、前処理したが脱カチオン化されていない流れを150℃で60分間保持した。この自己加水分解処理後、この試料の組成は開始時の組成とほぼ同じであった。これは、前処理した流れが自己加水分解を受けておらず、触媒又は異なる条件が必要であることを示している。
バイオマス(表1の組成を参照のこと)の穏やかな前処理から得られた濾過された流れを、4BV/時(ベッド体積/時)の流量で、(Relite RPSから入手可能な)酸形態の400mlのカチオン樹脂を含むガラスカラムを用いて脱カチオン化した。
結果として生じる脱カチオン化された流れは、最初のカチオンの15%を含有しており(85%が除去された)、結果として生じるpHは0.96であった。その上、未知の可溶性の開始化合物の約23%が除去された。脱カチオン化によってこれまでに達成された最も低いpHは0.89であった。
121℃における加水分解試験をオートクレーブ内で行い、一方で150℃及び170℃における加水分解試験はParr社の反応器内で行った。
行った実験の全ての結果を以下の表において報告し、加水分解の効果を表2に対応するグラフに示す。
Figure 2014524259
Figure 2014524259
次の一連の実験は、ナノ濾過法を用いることなく、155℃の水中に72分間浸した麦稈供給流を用いて行った。
流れは、脱カチオン化前に水の50%を除去することによって、また脱カチオン化後に更に50質量%を除去することによって濃縮した。加水分解前のpHは0.93であった。この分析を表3に示す。
Figure 2014524259
次の一連の実験は、濃縮された流れに対するものとした。表4は、この表に示されているような流れの濃縮の効果を示している。表5は、加水分解変換をパーセントで示しており、開示された方法の有効性を証明している。
Figure 2014524259
Figure 2014524259

Claims (16)

  1. 前処理したリグノセルロースバイオマス由来の液体バイオマス供給流中に存在するオリゴ糖を加水分解する方法であって、
    A.前記液体バイオマス供給流へのHイオンの数を十分な量だけ増やすことによって前記液体バイオマス供給流からの酸性流を形成する工程であって、前記酸性流のpHが、前記Hイオンを添加する前の前記液体バイオマス供給流のpHよりも少なくとも0.5pH単位低いようにし、前記液体バイオマス供給流に添加されるHイオンの総量の80%未満が酸由来のものである、酸性流を形成する工程と、
    B.前記酸性流の温度を80℃よりも高い加水分解温度まで上昇させることによって前記酸性流を加水分解する工程と
    を含む方法。
  2. 前記Hイオンの少なくとも一部が、イオン交換剤を用いた脱カチオン化によるものであり、前記酸性流の少なくとも一部を前記イオン交換剤から分離し、その後で、前記酸性流の前記分離された部分を加水分解する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液体バイオマス供給流に添加されるHイオンの総量の90%未満が酸に由来する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酸性流の前記pHは少なくとも2.5未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記Hイオンの少なくとも一部が、加水分解前に前記液体バイオマス供給流若しくは前記酸性流のいずれか又は両方に添加される酸に由来する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記方法に添加されるHイオンの総量の25%未満が酸からのものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記Hイオンの少なくとも一部が、前記加水分解工程中に前記酸性流に添加される酸に由来する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 塩を前記方法に加える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記Hイオンを前記液体バイオマス供給流に添加する前に、前記塩の少なくとも一部を前記液体バイオマス供給流に添加する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記酸性流の温度を、1秒〜4時間の範囲内の時間だけ、前記加水分解温度の範囲に維持する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記加水分解温度は80℃〜200℃の範囲内である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記液体バイオマス供給流はキシロオリゴマーの濃縮物を含み、前記液体バイオマス供給流中の前記キシロオリゴマーの濃度を脱カチオン化前に上昇させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記酸性流はキシロオリゴマーの濃縮物を含み、前記酸性流中の前記キシロオリゴマーの濃度を加水分解前に上昇させる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前処理したバイオマス由来の液体リグノセルロースバイオマス供給流中に存在するオリゴ糖を加水分解する方法であって、
    A.前記液体リグノセルロースバイオマス供給流のpHが前記Hイオンを添加する前の前記液体リグノセルロースバイオマス供給流のpHよりも少なくとも0.5pH単位低くなるのに十分な量だけ、前記液体リグノセルロースバイオマス供給流へのHイオンの数を増やす工程と、
    B.80℃よりも高い加水分解温度で前記液体リグノセルロースバイオマス供給流を加水分解する工程と
    を含み、
    C.水中で前記液体リグノセルロースバイオマス供給流に対して解離可能なHイオンを含まない化合物、及び反応を触媒する化合物、又は、それ自体が、前記液体リグノセルロースバイオマス供給流中に既に存在する成分と反応して前記Hイオンの少なくとも一部を形成する化合物を添加することによって、前記数が増えたHイオンの少なくとも一部をインサイチュ形成する方法。
  15. 前記加水分解温度は80℃〜200℃の範囲内である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記液体リグノセルロースバイオマス供給流はキシロオリゴマーの濃縮物を含み、前記液体リグノセルロースバイオマス供給流中の前記キシロオリゴマーの濃度を加水分解前に上昇させる、請求項14または15に記載の方法。
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