JPH0220840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一面側にコレクタ放熱金属面を露出
させたトランジスタを、電気絶縁シートを間に挟
んで前記コレクタ放熱金属面が金属放熱板の一面
側に対面するように、該放熱板に押えるトランジ
スタ押え装置に関する。

従来技術 従来のこの種のトランジスタ押え装置として
は、第１図に示すような構造のものが知られてい
る。第１図において、１は例えばアルミニユウム
等の熱伝導性の良好な金属材料で構成された放熱
板、２はトランジスタ、３はプリント回路基板で
ある。前記トランジスタ２は一面側にコレクタ放
熱金属面２１を露出させ、他の残りの部分を樹脂
モールドした構造となつている。この種のトラン
ジスタ２はコレクタ放熱金属面２１があることか
ら、放熱特性が良好で大出力を取り出すのに好適
なものであるが、その放熱特性を更に向上させる
ため、図示する如く、コレクタ放熱金属面２１側
を、例えばシリコンシート等の耐熱性のある電気
絶縁シート４を間に挟んで、放熱板１の内面１０
１に対面させる。この場合、放熱板１に対するコ
レクタ放熱金属面２１の密着性が高い程、両者間
の熱結合度及び熱伝導度が高くなり、放熱特性が
向上する。そこで、コレクタ放熱金属面２１のあ
る一側面とは反対側の面２２側に押え板５を対接
させ、該押え板５をネジ等の結合具６によつて締
め付け、その締付力によつてトランジスタ２のコ
レクタ放熱金属面２１を放熱板１の内面１０１側
に密着させてあつた。

上記の構造では、放熱板１がトランジスタ２に
対して一種のアンテナ的な作用をなし、外部から
のノイズを拾う欠点がある。この欠点を解消する
手段として、放熱板１を接地する必要がある。そ
の接地構造として、従来はリード線７を用い、該
リード線７の一端を回路基板３上の接地パターン
３１に半田つけすると共に、他端を放熱板１に取
付けたラグ端子８等に半田付けすることにより、
放熱板１を接地する構造を取つていた。

従来技術の欠点 しかしながら、かかる接地構造では作業工数が
非常に多くなり、組立が面倒になる。しかも放熱
板１とプリント回路基板３とは別々の工程で製作
されるものであつて、放熱板１を組付ける段階で
は、プリント回路基板３に対する部品実装は既に
完了しているのであり、この段階でリード線７を
用いて放熱板１を回路基板３上の接地パターン３
１に接続する従来構造では、新たに半田付け作業
等が必要になり、組立作業が非常に煩わしくな
る。

本考案の目的 そこで本考案は上述する従来の欠
点を解消し、放熱板に対するトランジスタの押え
と、放熱板の接地とを同時に行なうことができ、
従つて、組立が非常に簡単であり、しかも放熱性
にも優れたトランジスタ押え装置を提供すること
を目的とする。

本考案の構成 上記目的を達成するため、本考案は、放熱板、
トランジスタ、回路基板、金属接地金具及び金属
押え板を含むトランジスタ押え装置であつて、 前記放熱板は、トランジスタ受面及びこの受面
に連続して折り曲げられた面板を有しており、 前記トランジスタは、一面側にコレクタ放熱金
属面を露出させてあつて、前記コレクタ放熱金属
面が、電気絶縁シートを挟んで、前記放熱板の受
面に対面するように配置されており、 前記回路基板は、一面上に接地パターンを有
し、前記放熱板の前記面板に対向するように配置
されており、 前記金属接地板は、前記トランジスタの前記コ
レクタ放熱金属面側とは反対側の面に対向して配
置され、一端部が前記回路基板に形成された孔内
に挿入されて前記接地パターンに半田付け固定さ
れており、 前記金属押え板は、一端側が前記接地板上に重
なり、他端側が前記放熱板によつて受けられるよ
うに配置されていて、前記放熱板との間に配置さ
れる結合具により、前記接地板の上から前記トラ
ンジスタに対して前記放熱板側に密着させる密着
力が加わるように取付けられていることを特徴と
する。

実施例 第２図は本考案に係るトランジスタ押え装置の
正面部分断面図である。図において、第１図と同
一の参照符号は同一性ある構成部分を示してい
る。この実施例では、回路基板３上のトランジス
タ２の実装位置付近に、適当な金属板材で成る接
地板９を、トランジスタ２のコレクタ放熱金属面
２１とは反対側の面２２に対向する如く立設して
ある。接地板９は、第３図に示すように、その下
端部に段付突起９１を突設し、該突起９１を回路
基板３に装着して接地パターン３１に半田付け固
定してある。この半田付け作業は回路基板３に対
するトランジスタ２等の部品実装と同時に行なう
ことができる。また接地板９の両側端及び上端に
はトランジスタ２の面２２の平面積に合せて折曲
げた折曲げ片９２〜９４を形成してあり、これら
折曲げ片９２〜９４によつてトランジスタ２の側
面の一部を覆うようになつている。

そして、この接地板９の上にアルミニユウーム
等の金属板材で成る押え板５を対接させ、該押え
板５を放熱板１のトランジスタ押え面１０１を貫
通させたネジ等の結合具６によつて締付けること
により、接地板９の上からトランジスタ２に対し
て放熱板１の面１０１に密着させる密着力を加え
て組立てる。放熱板１のトランジスタ押え面１０
１から略直角方向に折曲げられた面板１０２に
は、第４図に示すように、孔１０３を設けてあ
り、該孔１０３内に押え板５の一端部に設けた段
付突起５１を嵌合させて組立ててある。

上述のような構造であると、放熱板１に対する
トランジスタ２の押え完了と同時に、放熱板１が
金属で成る押え板５一接地板９を通して接地され
るので、従来と異なつて、改めて接地処理を施す
必要がない。しかも、前記接地板９は他の実装部
品と同時に回路基板３上に実装できる。このため
全体の組立作業が非常に簡単になる。

また、接地板９及び押え板５により、トランジ
スタ２のもう一つの面２２側にも放熱経路が形成
されるので、放熱性も向上する。

更にこの実施例では、放熱板１と押え板５との
間に、前記孔１０３と押え板５の突起５１との嵌
合構造による押え板５の回転防止機構が形成され
るから、放熱板１に対する押え板５の取付作業が
簡単になる。

本考案の効果 以上述べたように、本考案は、放熱板、トラン
ジスタ、回路基板、金属接地金具及び金属押え板
を含むトランジスタ押え装置であつて、放熱板
は、トランジスタ受面及びこの受面に連続して折
り曲げられた面板を有しており、トランジスタ
は、一面側にコレクタ放熱金属面を露出させてあ
つて、コレクタ放熱金属面が、電気絶縁シートを
挟んで、放熱板の受面に対面するように配置され
ており、回路基板は、一面上に接地パターンを有
し、放熱板の面板に対向するように配置されてお
り、金属接地板は、トランジスタのコレクタ放熱
金属面側とは反対側の面に対向して配置され、一
端部が回路基板に形成された孔内に挿入されて接
地パターンに半田付け固定されており、金属押え
板は、一端側が接地板上に重なり、他端側が放熱
板によつて受けられるように配置されていて、放
熱板との間に配置される結合具により、接地板の
上からトランジスタに対して放熱板側に密着させ
る密着力が加わるように取付けられているので、
放熱板に対するトランジスタの押えと、放熱板の
接地とを同時に行なうことができ、従つて、組立
が非常に簡単であり、しかも放熱性にも優れたト
ランジスタ押え装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランジスタ押え装置の部分断
面図、第２図は本考案に係るトランジスタ押え装
置の部分断面図、第３図は同じく接地板の斜視
図、第４図は放熱板と押え板との組立構造を示す
図である。 １……放熱板、２……トランジスタ、３……回
路基板、５……押え板、９……接地板、２１……
コレクタ放熱金属面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 放熱板、トランジスタ、回路基板、金属接地金
   具及び金属押え板を含むトランジスタ押え装置で
   あつて、 前記放熱板は、トランジスタ受面及びこの受面
   に連続して折り曲げられた面板を有しており、 前記トランジスタは、一面側にコレクタ放熱金
   属面を露出させてあつて、前記コレクタ放熱金属
   面が、電気絶縁シートを挟んで、前記放熱板の受
   面に対面するように配置されており、 前記回路基板は、一面上に接地パターンを有
   し、前記放熱板の前記面板に対向するように配置
   されており、 前記金属接地板は、前記トランジスタの前記コ
   レクタ放熱金属面側とは反対側の面に対向して配
   置され、一端部が前記回路基板に形成された孔内
   に挿入されて前記接地パターンに半田付け固定さ
   れており、 前記金属押え板は、一端側が前記接地板上に重
   なり、他端側が前記放熱板によつて受けられるよ
   うに配置されていて、前記放熱板との間に配置さ
   れる結合具により、前記接地板の上から前記トラ
   ンジスタに対して前記放熱板側に密着させる密着
   力が加わるように取付けられていることを特徴と
   するトランジスタ押え装置。