JPH0711484Y2 - チップ部品の接続固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はチップ部品の接続固定装置に係り、さらに詳
しくはチップダイオードなどの電気的チップ部品を他の
導体にハンダ付けすることなく圧接させることで確実に
接続して取着する装置に関する。

［従来の技術」 この種のチップ部品の接続固定装置としては従来例えば
実開昭58−12971号公報に記載されているものがある。

この従来の技術はチップ部片の電気的被膜に直接に弾接
する通電金具を前記部片の両端に弾力的に嵌着するとと
もに、前記通電金具を介して前記チップ部片を印刷基板
の所要個所にハンダ付けして実装するようにしたことを
特徴とするチップ素子の取付金具である。

［考案が解決しようとする課題］ 前記した従来の技術はチップ部片の電気的被膜部に挟持
した通電金具を介して印刷基板の導電パターンにチップ
の部片をハンダ付けして接続固定するものであるので、
ハンダ付けという高温加熱工程が必要であり、熱に弱い
チップ部片には採用できず、接続作業の自動化もし辛い
し、ハンダ付け位置は位置決め治具を用いないと正確に
は定まらず、ハンダ付不良による誤接事故も起きかねな
い。

また印刷基板の面上にチップ部片が載置固定された状態
で使用されるため、基板上にチップ部品が出しゃばって
突出状態にあるので、機器の扁平化が阻害されるし、チ
ップ部片に対する通気孔がないので放熱効果に乏しいと
いう問題点があった。

この考案は前記した各問題点を除去するために、ハンダ
付けを行なうことなくチップ部品をその電極片により絶
縁基体の孔（穴）の両側に突設した対向弾片の両側に配
置した小幅導電板の対向折曲片間にきつく圧入すること
で接続固定可能にすると共に、絶縁基体に対するチップ
部品の実装位置を厳重に規制し、かつ基体の面上からチ
ップ部品を突出させないようにすることと放熱を良くす
ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記したこの考案の目的は、プラスチック成形した絶縁
基体に孔（穴）を形成し、この孔（穴）を挟んで前記絶
縁基体に対向弾片を突設するとともに、これら各対向弾
片の両側に配置された対をなす小幅導電板の対向辺に前
記対向弾片に沿う折曲片とストッパ部とを形成してこれ
らの折曲片を上記対向弾片に沿わせて対向配置し、かつ
前記各折曲片間にチップダイオードなどのチップ部品を
その一対の電極片の外面できつく圧入することで、これ
ら電極片を前記小幅導電板に電気的に接続して取付ける
ことで達成される。

さらに前記折曲片にチップ部品の電極片に係合する切起
し爪を形成してもよい。

［作用］ チップ部品をその電極片により絶縁基体の孔（穴）の両
側に突設した対向弾片に沿わせて配置した小幅導電板の
対向折曲片間に前記対向弾片と対向折曲片との弾力に抗
してきつく圧入することでこれら各片の弾力復帰力の相
乗作用で厳重に接続固定することができ、ハンダ付けが
不要となると共に、孔（穴）内にチップ部品を実装した
ことで、この実装水平方向位置が精確に定まると共に、
実装深さは小幅導電板の対向折曲片下部のストッパ部で
厳密に規制される。

またチップ部品の下部は大気中にさらされていることと
チップ部品の周囲の僅かなスキマによる気流が生じるこ
ととで通気性がよく、したがってチップ部片に対すも放
熱が良好である。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

先ずこの考案の基本構成は、プラスチック成形した絶縁
基体１に第１図および第４図に示すような孔（穴）２を
形成するとともに、この孔（穴）２を挟んで前記絶縁基
体１上に第１図および第２図に示すように銅や真鍮など
の良導体金属帯板で作ったバスバーと称する小幅導電板
3,3を第２図に示すように配置する。

すなわち前記孔（穴）２を挟んで前記絶縁基体１に対向
弾片2a,2aを第２図および第４図に示すように突設する
とともに、これら各対向弾片2a,2aの両側に配置された
対をなす小幅導電板3,3の対向辺に前記対向弾片2a,2aに
沿う折曲片4,4とストッパ部4a,4aとを形成してこれらの
折曲片4,4を上記対向弾片2a,2aに沿わせて第２図および
第３図に示すように対向配置する。

そして前記各折曲片4,4間にチップダイオードなどのチ
ップ部品５をその一対の電極片6,6の外面で第５図およ
び第６図に示すようにきつく圧入することで、これら電
極片6,6を前記小幅導電板3,3に電気的に接続して上記チ
ップ部品５を絶縁基体１に取付けたものである。

なお第１図および第２図中符号1aで示す部分は小幅導電
板３の位置決めをするためのリブである。

第７図および第８図に示すものはそれぞれ前記折曲片４
の他の例を示すもので折曲片４の上下のほぼ中央に切起
し爪4Aを設けたものであって、この切起し爪4Aの有する
若干の弾力によりこの下向きの切起し爪4Aの下端でチッ
プ部品５の電極片６の突縁部上面を係止してチップ部品
５の上向きの抜去を阻止することができるように構成し
た例を示すものである。

なお上記第７図および第８図に示す例においては前記実
施例と同一符号部分はそれぞれ同効部分を示すものであ
る。

なお上記各実施例において、チップ部品５の周囲と孔２
との間に僅かでも間隙を設ければ通風性がより一層向上
し放熱性もよくなる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように構成されているので、以
下に記載する効果を奏する。

請求項１のチップ部品の接続固定装置においては、チッ
プ部品をその電極片により絶縁基体の孔（穴）の両側に
突設した対向弾片に沿わせて配置した小幅導電板の対向
折曲片間に前記対向弾片と対向折曲片との弾力に抗して
きつく圧入することでこれら各片の弾力復帰力の相乗作
用で厳重に接続固定することができ、ハンダ付けが不要
となると共に、孔（穴）内にチップ部品を実装したこと
で、この実装水平方向位置が精確に定まると共に、実装
深さは小幅導電板の対向折曲片下部のストッパ部で厳密
に規制される。

またチップ部品の下部は大気中にさらされていることと
チップ部品の周囲の僅かなスキマにより気流が生じるこ
ととで通気性がよく、したがってチップ部片に対する放
熱が良好である。

そしてチップ部品はその電極片により絶縁基体の孔
（穴）に対向配置した小幅導電板の対向折曲片間にきつ
く圧入することで、電極片を小幅導電板に接続した状態
でチップ部品を絶縁基体にいわゆる「カッセトポン」式
にワンタッチで取着でき、電装製品の組立性が格段に向
するとともに、組立の自動化が容易である。

また特にこの考案ではチップ部品を基体の孔（穴）内に
実装したので、基体の表面からチップ部品が出しゃばら
ず機器の扁平化が計れるし、チップ部品の放熱も良好に
なされる効果を有する。

請求項２によれば、折曲片４の切起し爪4Aによりチップ
部品５の抜き止めがなされるから、より一層安定性が向
上する。

【図面の簡単な説明】 図はいずれもこの考案の１実施例を示すもので、第１図
は各部品要素を分離した状態の斜視図、第２図は絶縁基
体の孔（穴）における対向弾片に折曲片を対向配置した
状態の斜視図、第３図は同上にチップ部品を取付けた状
態の平面図、第４図は絶縁基体に折曲片を対向配置した
状態の断面図、第５図は同上にチップ部品を取付ける途
中の状態の断面図、第６図は同上のチップ部品を取付け
た状態の断面図、第７図および第８図はそれぞれ折曲片
の他の例を示す要部の断面図である。 １…絶縁基体、４…折曲片 ２…孔（穴）、4a…ストッパ部 2a…対向弾片、５…チップ部品 ３…小幅導電板、６…電極片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチック成形した絶縁基体１に孔
   （穴）２を形成し、この孔（穴）２を挟んで前記絶縁基
   体１に対向弾片2a,2aを突設するとともに、これら各対
   向弾片2a,2aの両側に配置された対をなす小幅導電板3,3
   の対向辺に前記対向弾片2a,2aに沿う折曲片4,4とストッ
   パ部4a,4aとを形成してこれらの折曲片4,4を上記対向弾
   片2a,2aに沿わせて対向配置し、かつ前記各折曲片4,4間
   にチップダイオードなどのチップ部品５をその一対の電
   極片6,6の外面できつく圧入することで、これら電極片
   6,6を前記小幅導電板3,3に電気的に接続して取付けてな
   るチップ部品の接続固定装置。
2. 【請求項２】折曲片４にチップ部品５に係合する切起し
   爪4Aを突設してなる請求項１記載のチップ部品の接続固
   定装置。