JPH0220497Y2 - - Google Patents
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- JPH0220497Y2 JPH0220497Y2 JP13023284U JP13023284U JPH0220497Y2 JP H0220497 Y2 JPH0220497 Y2 JP H0220497Y2 JP 13023284 U JP13023284 U JP 13023284U JP 13023284 U JP13023284 U JP 13023284U JP H0220497 Y2 JPH0220497 Y2 JP H0220497Y2
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- magnetic
- magnetic particles
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Landscapes
- Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、自動車等車両に搭載される磁粉式電
磁クラツチに関する。更に詳しくは、駆動部材と
被駆動部材との間のギヤツプに充填される磁粉を
収容するラビリンス部材を備える磁粉式電磁クラ
ツチに係る。
磁クラツチに関する。更に詳しくは、駆動部材と
被駆動部材との間のギヤツプに充填される磁粉を
収容するラビリンス部材を備える磁粉式電磁クラ
ツチに係る。
自動車等車両において、エンジンの回転をトラ
ンスミツシヨン側に伝達するために、磁粉式電磁
クラツチを設けることが知られている(例えば、
特願昭57−106445号)。
ンスミツシヨン側に伝達するために、磁粉式電磁
クラツチを設けることが知られている(例えば、
特願昭57−106445号)。
第8図はこの種の磁粉式電磁クラツチの従来構
造を示す。駆動部材としてのヨーク20は、円筒
状に形成されており、フライホイール14を介し
て伝達されるエンジンのクランクシヤフト10か
らの回転動力により中心線まわりに回転させられ
るようになつている。被駆動部材であるロータ3
4は、ヨーク20の内周位置に位置しており、ヨ
ーク20と同心で相対回転可能に配設されてい
る。ロータ34は断面略三角形状に形成されてお
り、半径方向内方から外方に向けて配設されてい
る。
造を示す。駆動部材としてのヨーク20は、円筒
状に形成されており、フライホイール14を介し
て伝達されるエンジンのクランクシヤフト10か
らの回転動力により中心線まわりに回転させられ
るようになつている。被駆動部材であるロータ3
4は、ヨーク20の内周位置に位置しており、ヨ
ーク20と同心で相対回転可能に配設されてい
る。ロータ34は断面略三角形状に形成されてお
り、半径方向内方から外方に向けて配設されてい
る。
また、ヨーク20内には励磁コイル22が備え
られている。この励磁コイル22の励磁により、
駆動部材であるヨーク20と被駆動部材であるロ
ータ34とにまたがつて磁束が生じる磁路が形成
されるようになつている。そして、この励磁コイ
ル22の励磁により磁束が生じると、ヨーク20
の内周摩擦面24とロータ34の外周摩擦面38
との間のギヤツプ40に磁粉44が充填され、こ
の磁粉相互間の摩擦力および電磁結合力によつて
ヨーク20の回転がロータ34に伝達されるよう
になつている。
られている。この励磁コイル22の励磁により、
駆動部材であるヨーク20と被駆動部材であるロ
ータ34とにまたがつて磁束が生じる磁路が形成
されるようになつている。そして、この励磁コイ
ル22の励磁により磁束が生じると、ヨーク20
の内周摩擦面24とロータ34の外周摩擦面38
との間のギヤツプ40に磁粉44が充填され、こ
の磁粉相互間の摩擦力および電磁結合力によつて
ヨーク20の回転がロータ34に伝達されるよう
になつている。
励磁コイル22の非励磁状態では、磁粉44は
フロントラビリンス部材80とリヤラビリンス部
材90により収容されるようになつている。フロ
ントラビリンス部材80は、3個の部材82,8
4,86からなつている。リヤラビリンス部材9
0は2個の部材92,94からなつている。フロ
ントラビリンス部材80の部材82とリヤラビリ
ンス部材90の部材92はヨーク20の両端位置
にそれぞれ固定的に取付けられている。フロント
ラビリンス部材80のその他の部材84,86の
端縁部は、断面略三角形状のロータ34の左側の
内周斜面34aに近接して位置している。同様
に、リヤラビリンス部材90のその他の部材92
の端縁部も、ロータ34の右側の内周斜面34b
に近接して位置している。
フロントラビリンス部材80とリヤラビリンス部
材90により収容されるようになつている。フロ
ントラビリンス部材80は、3個の部材82,8
4,86からなつている。リヤラビリンス部材9
0は2個の部材92,94からなつている。フロ
ントラビリンス部材80の部材82とリヤラビリ
ンス部材90の部材92はヨーク20の両端位置
にそれぞれ固定的に取付けられている。フロント
ラビリンス部材80のその他の部材84,86の
端縁部は、断面略三角形状のロータ34の左側の
内周斜面34aに近接して位置している。同様
に、リヤラビリンス部材90のその他の部材92
の端縁部も、ロータ34の右側の内周斜面34b
に近接して位置している。
このようにフロントラビリンス部材80および
リヤラビリンス部材90が配設されることによ
り、ロータ34の両側に、磁粉44が収容される
環状空間42,43が形成され、この環状空間4
2,43から磁粉44が半径方向内方に漏出する
のを防止している。
リヤラビリンス部材90が配設されることによ
り、ロータ34の両側に、磁粉44が収容される
環状空間42,43が形成され、この環状空間4
2,43から磁粉44が半径方向内方に漏出する
のを防止している。
なお、フロントラビリンス部材80およびリヤ
ラビリンス部材90は、従来普通には、アルミニ
ウム等の非透磁性の材料で形成されている。
ラビリンス部材90は、従来普通には、アルミニ
ウム等の非透磁性の材料で形成されている。
上述したような従来の磁粉式電磁クラツチで
は、環状空間42および43からの磁粉44の漏
出は、フロントラビリンス部材80の部材84,
86の端縁部をロータ34の左側の内周斜面34
aに近接して配設し、この間の隙を小さくするこ
とにより防止され、また、リヤラビリンス部材9
0の部材94の端縁部をロータ34の右側の内周
斜面34bに近接して配設し、この間の隙を小さ
くすることにより、防止されている。しかし、磁
粉式電磁クラツチが振動するときには、磁粉44
が前述の小さい隙から漏出するという問題が生じ
ることがある。この問題は、特に、磁粉式電磁ク
ラツチが軸方向に振動する場合に生じる。
は、環状空間42および43からの磁粉44の漏
出は、フロントラビリンス部材80の部材84,
86の端縁部をロータ34の左側の内周斜面34
aに近接して配設し、この間の隙を小さくするこ
とにより防止され、また、リヤラビリンス部材9
0の部材94の端縁部をロータ34の右側の内周
斜面34bに近接して配設し、この間の隙を小さ
くすることにより、防止されている。しかし、磁
粉式電磁クラツチが振動するときには、磁粉44
が前述の小さい隙から漏出するという問題が生じ
ることがある。この問題は、特に、磁粉式電磁ク
ラツチが軸方向に振動する場合に生じる。
すなわち、上述のフロントラビリンス部材80
およびリヤラビリンス部材90の配設形状の場合
には、磁粉式電磁クラツチが径方向に振動すると
きには、磁粉44は径方向に移動するのみで隙を
通ることが殆どないため、漏出することは少ない
が、軸方向に振動するときには、磁粉44は軸方
向に移動し、隙を通る移動となるため、漏出する
という問題を生じることがある。
およびリヤラビリンス部材90の配設形状の場合
には、磁粉式電磁クラツチが径方向に振動すると
きには、磁粉44は径方向に移動するのみで隙を
通ることが殆どないため、漏出することは少ない
が、軸方向に振動するときには、磁粉44は軸方
向に移動し、隙を通る移動となるため、漏出する
という問題を生じることがある。
なお、磁粉44が漏出する結果として、磁粉式
電磁クラツチの伝達トルク性能が低下するという
問題が生じる。また、寿命が低下し、動力伝達性
能が安定しないという問題も生じる。
電磁クラツチの伝達トルク性能が低下するという
問題が生じる。また、寿命が低下し、動力伝達性
能が安定しないという問題も生じる。
而して、本考案が解決しようとする問題点は、
フロントラビリンス部材あるいはリヤラビリンス
部材等のラビリンス部材により形成される環状空
間から磁粉が漏出するのを防止することにある。
フロントラビリンス部材あるいはリヤラビリンス
部材等のラビリンス部材により形成される環状空
間から磁粉が漏出するのを防止することにある。
本考案は、ラビリンス部材の端縁部と断面略三
角形の被駆動部材の内周斜面との間に隙が形成さ
れる場合でも、この隙を磁粉が通りにくくするこ
とにより、上述の問題点の解決を図ろうとするも
のである。
角形の被駆動部材の内周斜面との間に隙が形成さ
れる場合でも、この隙を磁粉が通りにくくするこ
とにより、上述の問題点の解決を図ろうとするも
のである。
具体的には、本考案は、上述したこの種の形式
の磁粉式電磁クラツチにおいて、ラビリンス部材
の端縁部が断面略三角形の被駆動部材の内周斜面
に沿つて配設され、この端縁部は透磁性が高く残
留磁気性を有する材料で形成される手段をとる。
の磁粉式電磁クラツチにおいて、ラビリンス部材
の端縁部が断面略三角形の被駆動部材の内周斜面
に沿つて配設され、この端縁部は透磁性が高く残
留磁気性を有する材料で形成される手段をとる。
上述の手段によれば、被駆動部材の内周斜面
と、この内周斜面に沿つて配設されるラビリンス
部材の端縁部との間にはわずかな隙が形成され、
この隙を磁粉が通ることが可能となつている。し
かし、ラビリンス部材の端縁部は透磁性が高く残
留磁気性を有する材料で形成されているため、励
磁コイルの励磁時にはラビリンス部材の端縁部を
磁束が通り、その結果、励磁コイルの非励磁状態
でもラビリンス部材の端縁部には残留磁気が存在
するようになり、この残留磁気によりラビリンス
部材の端縁部と被駆動部材の内周斜面との間には
磁気的関連が生じる。このため、被駆動部材の内
周斜面とラビリンス部材の端縁との間のわずかな
隙を通つて漏出しようとする磁粉は、残留磁気に
より保持され、漏出することが阻止される。
と、この内周斜面に沿つて配設されるラビリンス
部材の端縁部との間にはわずかな隙が形成され、
この隙を磁粉が通ることが可能となつている。し
かし、ラビリンス部材の端縁部は透磁性が高く残
留磁気性を有する材料で形成されているため、励
磁コイルの励磁時にはラビリンス部材の端縁部を
磁束が通り、その結果、励磁コイルの非励磁状態
でもラビリンス部材の端縁部には残留磁気が存在
するようになり、この残留磁気によりラビリンス
部材の端縁部と被駆動部材の内周斜面との間には
磁気的関連が生じる。このため、被駆動部材の内
周斜面とラビリンス部材の端縁との間のわずかな
隙を通つて漏出しようとする磁粉は、残留磁気に
より保持され、漏出することが阻止される。
なお、この残留磁気による磁粉の保持作用は磁
粉式電磁クラツチの軸方向および径方向のいずれ
の方向の振動に対しても有効に働く。
粉式電磁クラツチの軸方向および径方向のいずれ
の方向の振動に対しても有効に働く。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。なお、この実施例において、上述した従来構
造と同一または相当部分には同一符号を付して示
した。
る。なお、この実施例において、上述した従来構
造と同一または相当部分には同一符号を付して示
した。
第1図ないし第3図は本考案にかかる磁粉式電
磁クラツチの一実施例を示す。
磁クラツチの一実施例を示す。
第1図に示すものは自動車等車両に搭載される
磁粉式電磁クラツチであつて、図示しないエンジ
ンに固定されたクラツチハウジング内に組み込ま
れており、駆動軸(入力軸)としてのエンジンの
クランクシヤフト10の回転を被駆動軸たる出力
軸12に伝達したり遮断したりするものである。
出力軸12はトランスミツシヨンのインプツトシ
ヤフトとなつている。
磁粉式電磁クラツチであつて、図示しないエンジ
ンに固定されたクラツチハウジング内に組み込ま
れており、駆動軸(入力軸)としてのエンジンの
クランクシヤフト10の回転を被駆動軸たる出力
軸12に伝達したり遮断したりするものである。
出力軸12はトランスミツシヨンのインプツトシ
ヤフトとなつている。
クランクシヤフト10の端部には有底円筒状の
フライホイール14が固定されており、このフラ
イホイール14の外周部内面に第1ヨーク部材1
6および第2ヨーク部材18からなる駆動部材と
してのヨーク20が固定されている。ヨーク20
は厚肉円筒状を成し、内部に励磁コイル22を備
えていると共に、内周面には内周摩擦面24を形
成している。また、ヨーク20の前後両端位置に
はフロントラビリンス部材80とリヤラビリンス
部材90が取付けられている。リヤラビリンス部
材90の部材92には一体的に円筒状のベアリン
グケース30が設けられている。
フライホイール14が固定されており、このフラ
イホイール14の外周部内面に第1ヨーク部材1
6および第2ヨーク部材18からなる駆動部材と
してのヨーク20が固定されている。ヨーク20
は厚肉円筒状を成し、内部に励磁コイル22を備
えていると共に、内周面には内周摩擦面24を形
成している。また、ヨーク20の前後両端位置に
はフロントラビリンス部材80とリヤラビリンス
部材90が取付けられている。リヤラビリンス部
材90の部材92には一体的に円筒状のベアリン
グケース30が設けられている。
上記ベアリングケース30内にはボールベアリ
ング32が配設されており、このボールベアリン
グ32によつて被駆動部材としてのロータ34の
ボス部36が回転可能に支持されている。ロータ
34はヨーク20の内周位置でヨーク20と同心
かつ相対回転可能に設けられており、ロータ34
の外周摩擦面38が前述したヨーク20の内周摩
擦面24に微少なギヤツプ40を隔てて対面して
いる。そして、上記ヨーク20、両ラビリンス部
材80,90およびロータ34によつて、ほぼ閉
じられた環状空間42,43が形成され、この環
状空間42,43に所定量の磁粉44が封入され
ている。
ング32が配設されており、このボールベアリン
グ32によつて被駆動部材としてのロータ34の
ボス部36が回転可能に支持されている。ロータ
34はヨーク20の内周位置でヨーク20と同心
かつ相対回転可能に設けられており、ロータ34
の外周摩擦面38が前述したヨーク20の内周摩
擦面24に微少なギヤツプ40を隔てて対面して
いる。そして、上記ヨーク20、両ラビリンス部
材80,90およびロータ34によつて、ほぼ閉
じられた環状空間42,43が形成され、この環
状空間42,43に所定量の磁粉44が封入され
ている。
被駆動部材としてのロータ34は環状の部材で
あつて、断面が略三角形の形状を成している。こ
のロータ34の内周位置に2枚のプレート50,
52がボルト結合により固定されており、このプ
レート50,52は等角度間隔に配設された複数
のゴム製円柱状の弾性部材54を保持している。
一方、前記出力軸12の端部には、クラツチハブ
56がスプライン結合により軸方向に摺動可能か
つ軸まわりに相対回転不能に取付けられている。
あつて、断面が略三角形の形状を成している。こ
のロータ34の内周位置に2枚のプレート50,
52がボルト結合により固定されており、このプ
レート50,52は等角度間隔に配設された複数
のゴム製円柱状の弾性部材54を保持している。
一方、前記出力軸12の端部には、クラツチハブ
56がスプライン結合により軸方向に摺動可能か
つ軸まわりに相対回転不能に取付けられている。
クラツチハブ56は出力軸12の端部が嵌め入
れられた円管状のハブ部58とこのハブ部58の
外周面中間部から半径方向にフランジ形態で突出
する円板部60とを備え、その円板部60が2放
のプレート50と52との間に配置され、弾性部
材54を介してロータ34に連結されている。ロ
ータ34の回転はプレート50および52と弾性
部材54とを介してクラツチハブ56に伝達され
る。
れられた円管状のハブ部58とこのハブ部58の
外周面中間部から半径方向にフランジ形態で突出
する円板部60とを備え、その円板部60が2放
のプレート50と52との間に配置され、弾性部
材54を介してロータ34に連結されている。ロ
ータ34の回転はプレート50および52と弾性
部材54とを介してクラツチハブ56に伝達され
る。
環状空間42を形成するフロントラビリンス部
材80は、第2図に拡大して図示されているよう
に、3個の部材82,84,86から成つてい
る。これら3個の部材82,84,86はリベツ
ト100(第1図に図示)により一体的とされて
いる。部材82は第1ヨーク部材16の前部(第
2図および第1図で見て左方部)に取付けられて
いる。部材84および86はこの端縁部がロータ
34の左側の内周斜面34aに近接して配置され
ている。
材80は、第2図に拡大して図示されているよう
に、3個の部材82,84,86から成つてい
る。これら3個の部材82,84,86はリベツ
ト100(第1図に図示)により一体的とされて
いる。部材82は第1ヨーク部材16の前部(第
2図および第1図で見て左方部)に取付けられて
いる。部材84および86はこの端縁部がロータ
34の左側の内周斜面34aに近接して配置され
ている。
フロントラビリンス部材80の部材84には、
別部材の端縁部材88がリベツト102により取
付けられて部材84の端縁部が形成されている。
この端縁部材88はロータ34の左側の内周斜面
34aに沿つて配設されており、この端縁部材8
8とロータ34の内周斜面34aとの間にわずか
な隙104が形成されている。この端縁部材88
は透磁性が高く残留磁気性を有する材料で形成さ
れている。例えば、鋼材のS10,S45で形成され
る。なお、端縁部材88は別部材ではなく部材8
4と一体に形成してもよい。また、端縁部材88
は部材86にも同様に設けてもよい。
別部材の端縁部材88がリベツト102により取
付けられて部材84の端縁部が形成されている。
この端縁部材88はロータ34の左側の内周斜面
34aに沿つて配設されており、この端縁部材8
8とロータ34の内周斜面34aとの間にわずか
な隙104が形成されている。この端縁部材88
は透磁性が高く残留磁気性を有する材料で形成さ
れている。例えば、鋼材のS10,S45で形成され
る。なお、端縁部材88は別部材ではなく部材8
4と一体に形成してもよい。また、端縁部材88
は部材86にも同様に設けてもよい。
次に、環状空間43を形成するリヤラビリンス
部材90は、2個の部材92,94から成つてい
る。部材92が第2ヨーク部材18の後部(第1
図で見て右方部)に取付けられており、部材94
は部材92に取付けられている。部材94はその
端縁がロータ34の右側の内周斜面34bに近接
して配置されている。
部材90は、2個の部材92,94から成つてい
る。部材92が第2ヨーク部材18の後部(第1
図で見て右方部)に取付けられており、部材94
は部材92に取付けられている。部材94はその
端縁がロータ34の右側の内周斜面34bに近接
して配置されている。
リヤラビリンス部材90の部材94には、別部
材の端縁部材96が取付けられて部材94の端縁
部が形成されている。この端縁部材96は、前述
のフロントラビリンス部材80に配設された端縁
部材88と同様に配設されており、ロータ34の
右側の内周斜面34bに沿つて配設されている。
そして、この端縁部材96と内周斜面34bとの
間にはわずかな隙が形成されている。また、この
端縁部材96は、同様に、透磁性が高く残留磁気
性を有する材料、例えば、鋼材のS10,S45で形
成されている。なお、端縁部材96は別部材とし
てではなく部材94と一体に形成してもよい。
材の端縁部材96が取付けられて部材94の端縁
部が形成されている。この端縁部材96は、前述
のフロントラビリンス部材80に配設された端縁
部材88と同様に配設されており、ロータ34の
右側の内周斜面34bに沿つて配設されている。
そして、この端縁部材96と内周斜面34bとの
間にはわずかな隙が形成されている。また、この
端縁部材96は、同様に、透磁性が高く残留磁気
性を有する材料、例えば、鋼材のS10,S45で形
成されている。なお、端縁部材96は別部材とし
てではなく部材94と一体に形成してもよい。
なお、ベアリングケース30にはビス110よ
りベアリング押え板112が取付けられており、
このベアリング押え板112の外周面にスリツプ
リング68が固定されている。スリツプリング6
8は図示しないブラシと摺接されており、この摺
接によりブラシからスリツプリング68に電流が
伝達されるようになつている。そして、導電部材
70および導線72を経て励磁コイル22に電流
が供給されるようになつている。
りベアリング押え板112が取付けられており、
このベアリング押え板112の外周面にスリツプ
リング68が固定されている。スリツプリング6
8は図示しないブラシと摺接されており、この摺
接によりブラシからスリツプリング68に電流が
伝達されるようになつている。そして、導電部材
70および導線72を経て励磁コイル22に電流
が供給されるようになつている。
以上のように構成された磁粉式電磁クラツチ
は、励磁コイル22に励磁電流が流れると、駆動
部材であるヨーク20と被駆動部材であるロータ
34にまたがつて形成される磁路に磁束が生じ、
この磁束によりヨーク20の内周摩擦面24とロ
ータ34の外周摩擦面38との間のギヤツプ40
に磁粉44が充填され、その磁気的結合力および
摩擦力によりヨーク20の回転がロータ34に伝
達され、いわゆるクラツチの接続作用がなされ
る。
は、励磁コイル22に励磁電流が流れると、駆動
部材であるヨーク20と被駆動部材であるロータ
34にまたがつて形成される磁路に磁束が生じ、
この磁束によりヨーク20の内周摩擦面24とロ
ータ34の外周摩擦面38との間のギヤツプ40
に磁粉44が充填され、その磁気的結合力および
摩擦力によりヨーク20の回転がロータ34に伝
達され、いわゆるクラツチの接続作用がなされ
る。
第3図は、上述した励磁時における、フロント
ラビリンス部材80に配設された端縁部材88と
ロータ34の内周斜面34aを通る磁束線方向と
磁気極性を示す。端縁部材88は透磁性の材料で
形成されているため、磁束が通ることができ、励
磁コイル22の励磁により矢印で示すように磁束
線が通る。そして、このときにおける端縁部材8
8とロータ34の内周斜面34aとの磁気極性は
第3図にN,Sの符号で示したとおりとなる。す
なわち、隙104を形成する一方の面である端縁
部材88の表面がS極となり、他方の面であるロ
ータ34の内周斜面34aがN極となる。このた
め、この隙104を通つて漏出しようとする磁粉
44はこの隙104において磁気作用により保持
される。尤も、励磁時においては、磁粉44は殆
どヨーク20とロータ34と間のギヤツプ40に
充填されるため、隙104を通ろうとする磁粉4
4は少ない。
ラビリンス部材80に配設された端縁部材88と
ロータ34の内周斜面34aを通る磁束線方向と
磁気極性を示す。端縁部材88は透磁性の材料で
形成されているため、磁束が通ることができ、励
磁コイル22の励磁により矢印で示すように磁束
線が通る。そして、このときにおける端縁部材8
8とロータ34の内周斜面34aとの磁気極性は
第3図にN,Sの符号で示したとおりとなる。す
なわち、隙104を形成する一方の面である端縁
部材88の表面がS極となり、他方の面であるロ
ータ34の内周斜面34aがN極となる。このた
め、この隙104を通つて漏出しようとする磁粉
44はこの隙104において磁気作用により保持
される。尤も、励磁時においては、磁粉44は殆
どヨーク20とロータ34と間のギヤツプ40に
充填されるため、隙104を通ろうとする磁粉4
4は少ない。
非励磁状態では、磁粉44はフロントラビリン
ス部材80により形成される環状空間42に収容
され、軸方向振動等が生じると、隙104を通ろ
うとする磁粉44が多くなるが、端縁部材88は
残留磁気性を有する材料であることから、非励磁
時状態となつても第3図に示す極性の残留磁気状
態となり、隙104を通ろうとする磁粉44は残
留磁気により保持され、漏出することが阻止され
る。
ス部材80により形成される環状空間42に収容
され、軸方向振動等が生じると、隙104を通ろ
うとする磁粉44が多くなるが、端縁部材88は
残留磁気性を有する材料であることから、非励磁
時状態となつても第3図に示す極性の残留磁気状
態となり、隙104を通ろうとする磁粉44は残
留磁気により保持され、漏出することが阻止され
る。
以上はフロントラビリンス部材80に設けられ
た端縁部材88の作用であるが、リヤラビリンス
部材90に設けられた端縁部材96も同様の作用
をなし、環状空間43からの磁粉44の漏出を効
果的に阻止する。
た端縁部材88の作用であるが、リヤラビリンス
部材90に設けられた端縁部材96も同様の作用
をなし、環状空間43からの磁粉44の漏出を効
果的に阻止する。
第4図ないし第7図は、上述の実施例への選択
的追加構成を示す。この構成は隙104に浸入し
た磁粉44を戻すようにするものである。
的追加構成を示す。この構成は隙104に浸入し
た磁粉44を戻すようにするものである。
第5図は第4図の矢視を示すものであり、ロ
ータ34の内周斜面34aには、隙104に浸入
した磁粉44をロータ34の回転により逆方向に
戻す作用をなす溝部120が形成されている。
ータ34の内周斜面34aには、隙104に浸入
した磁粉44をロータ34の回転により逆方向に
戻す作用をなす溝部120が形成されている。
また、第6図は第4図の矢視を示すものであ
り、端縁部材88の表面には、同様に、隙104
に浸入した磁粉44を端縁部材20の回転により
逆方向に戻す作用をなす突条部124が形成され
ている。
り、端縁部材88の表面には、同様に、隙104
に浸入した磁粉44を端縁部材20の回転により
逆方向に戻す作用をなす突条部124が形成され
ている。
これら溝部120および突条部124は所定方
向に傾斜して形成されている。すなわち、第7図
に示す矢印方向に回転するとすれば、磁粉44の
受ける力Fの分力の一つである磁粉44を戻す方
向に作用する力F1が所定方向となるように傾斜
させて形成する。なお、分力F2は回転方向の分
力である。
向に傾斜して形成されている。すなわち、第7図
に示す矢印方向に回転するとすれば、磁粉44の
受ける力Fの分力の一つである磁粉44を戻す方
向に作用する力F1が所定方向となるように傾斜
させて形成する。なお、分力F2は回転方向の分
力である。
なお、溝部120および突条部124は、ロー
タ34の内周斜面34aか、端縁部材88のいず
れか一方に形成してもよく、また、両方に形成し
てもよい。
タ34の内周斜面34aか、端縁部材88のいず
れか一方に形成してもよく、また、両方に形成し
てもよい。
このようにロータ34の内周斜面34aおよび
端縁部材88に追加構成することにより、隙10
4に保持された磁粉44は、ロータ34または端
縁部材88の回転により環状空間42に押し戻さ
れるため、より確実に磁粉44の漏出を防止する
ことができる。
端縁部材88に追加構成することにより、隙10
4に保持された磁粉44は、ロータ34または端
縁部材88の回転により環状空間42に押し戻さ
れるため、より確実に磁粉44の漏出を防止する
ことができる。
以上詳述したように、本考案によれば、被駆動
部材の内周斜面に沿つて配設されるラビリンス部
材の端縁部が透磁性が高く残留磁気性を有する材
料で形成されることにより、励磁コイルの非励磁
状態においてもラビリンス部材の端縁部には残留
磁気が存在し、この残留磁気により被駆動部材の
内周斜面とラビリンス部材の端縁部との間のわず
かな隙を通つて漏出しようとする磁粉は保持され
る。このようにして、ラビリンス部材により形成
される環状空間から磁粉が漏出することが確実に
防止される。この結果、磁粉の漏出により生じる
伝達トルク性能の低下防止を図ることができると
共に、寿命を向上させ、動力伝達性能を安定化さ
せることができる。
部材の内周斜面に沿つて配設されるラビリンス部
材の端縁部が透磁性が高く残留磁気性を有する材
料で形成されることにより、励磁コイルの非励磁
状態においてもラビリンス部材の端縁部には残留
磁気が存在し、この残留磁気により被駆動部材の
内周斜面とラビリンス部材の端縁部との間のわず
かな隙を通つて漏出しようとする磁粉は保持され
る。このようにして、ラビリンス部材により形成
される環状空間から磁粉が漏出することが確実に
防止される。この結果、磁粉の漏出により生じる
伝達トルク性能の低下防止を図ることができると
共に、寿命を向上させ、動力伝達性能を安定化さ
せることができる。
第1図ないし第3図は本考案にかかる磁粉式電
磁クラツチの一実施例を示し、第1図は全体を示
す断面図、第2図はフロントラビリンス部材の拡
大図、第3図は励磁時における磁束線方向を示す
説明図である。第4図ないし第7図は上述の実施
例への選択的追加構成を示し、第4図はフロント
ラビリンス部材の端縁部材を示す断面図、第5図
は第4図の矢視図、第6図は第4図の矢視
図、第7図は磁粉の受ける作用力を示す説明図で
ある。第8図は従来の磁粉式電磁クラツチを示す
断面図である。 符号の説明、20……ヨーク(駆動部材)、2
2……励磁コイル、24……内周摩擦面、34…
…ロータ(被駆動部材)、34a,34b……内
周斜面、38……外周摩擦面、40……ギヤツ
プ、44……磁粉、80……フロントラビリンス
部材、88……端縁部材(端縁部)、90……リ
ヤラビリンス部材、96……端縁部材(端縁部)。
磁クラツチの一実施例を示し、第1図は全体を示
す断面図、第2図はフロントラビリンス部材の拡
大図、第3図は励磁時における磁束線方向を示す
説明図である。第4図ないし第7図は上述の実施
例への選択的追加構成を示し、第4図はフロント
ラビリンス部材の端縁部材を示す断面図、第5図
は第4図の矢視図、第6図は第4図の矢視
図、第7図は磁粉の受ける作用力を示す説明図で
ある。第8図は従来の磁粉式電磁クラツチを示す
断面図である。 符号の説明、20……ヨーク(駆動部材)、2
2……励磁コイル、24……内周摩擦面、34…
…ロータ(被駆動部材)、34a,34b……内
周斜面、38……外周摩擦面、40……ギヤツ
プ、44……磁粉、80……フロントラビリンス
部材、88……端縁部材(端縁部)、90……リ
ヤラビリンス部材、96……端縁部材(端縁部)。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 中心線まわりに回転させられる円筒状の駆動部
材と、この駆動部材の内周位置に位置し駆動部材
と同心で相対回転可能に設けられ半径方向外方に
向けて断面略三角形状の被駆動部材と、駆動部材
に設けられた励磁コイルと、駆動部材に取付けら
れ端縁部が断面略三角形状の被駆動部材の内周斜
面に近接して配設された磁粉を収容するラビリン
ス部材とを備え、駆動部材と被駆動部材にまたが
つて励磁コイルの励磁により磁束が生じる磁路が
形成され、励磁コイルの励磁により駆動部材の内
周摩擦面と被駆動部材の外周摩擦面との間のギヤ
ツプに磁粉が充填され、この磁粉相互間の摩擦力
および電磁的結合力によつて駆動部材の回転が被
駆動部材に伝達される形式の磁粉式電磁クラツチ
において、 前記ラビリンス部材の端縁部が断面略三角形状
の被駆動部材の内周斜面に沿つて配設され、この
端縁部は透磁性が高く残留磁気性を有する材料で
形成されていることを特徴とする磁粉式電磁クラ
ツチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13023284U JPS6144037U (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 磁粉式電磁クラツチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13023284U JPS6144037U (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 磁粉式電磁クラツチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6144037U JPS6144037U (ja) | 1986-03-24 |
JPH0220497Y2 true JPH0220497Y2 (ja) | 1990-06-05 |
Family
ID=30688848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13023284U Granted JPS6144037U (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 磁粉式電磁クラツチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6144037U (ja) |
-
1984
- 1984-08-28 JP JP13023284U patent/JPS6144037U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6144037U (ja) | 1986-03-24 |
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