JP2955996B2 - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JP2955996B2
JP2955996B2 JP4880791A JP4880791A JP2955996B2 JP 2955996 B2 JP2955996 B2 JP 2955996B2 JP 4880791 A JP4880791 A JP 4880791A JP 4880791 A JP4880791 A JP 4880791A JP 2955996 B2 JP2955996 B2 JP 2955996B2
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torque limiter
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magnetic
shaft
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隆史 三ッ橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石の磁気回路中に
形成された空隙に磁性粉体を封入して入力側の回転を永
久磁石で磁化された磁性粉体を介し出力側へ伝達し、磁
性粉体を剪断する負荷が出力側に作用したときに回転ト
ルクの伝達が遮断されるトルクリミッタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトルクリミッタとして
は、例えば実開昭58−187625号公報に開示され
ているものが知られている。このトルクリミッタは、ス
テンレススチール等の非磁性材からなる回転軸を備えて
おり、この回転軸には、一対の磁性板で挟持された永久
磁石が嵌合固定されている。そして、これら磁性板と永
久磁石とは、回転軸上に軸受を介し嵌合されたケースと
サイドカバーとで外部との間を遮断されており、磁性板
とケースとの間に形成された環状空隙内には、磁性粉体
が封入されている。このように構成されていることによ
り、回転軸が回転すると、永久磁石で磁化された磁性粉
体を介して磁気結合されたケースが回転し、回転中、ケ
ースに所定以上の大きさの負荷が加わると、永久磁石で
磁化された磁性粉体が剪断されるので、回転軸が空転し
てケースが停止状態になる。
【0003】しかしながら、このような従来のトルクリ
ミッタは、上記のように回転軸上に軸受を介してケース
とサイドカバーとを支持させた構造であり、さらにこれ
らのケースとサイドカバーとの軸方向への移動をスナッ
プリングで規制したものであるために、組立工数が多く
かかり、製作費が嵩むばかりでなく、軽量、小形なトル
クリミッタを安価に提供できないという問題がある。
【0004】そこで、このような問題点を解決したトル
クリミッタとして実開昭63−104729号公報に開
示されているトルクリミッタが提案されている。このト
ルクリミッタにおいては、樹脂材製回転軸上に永久磁石
が嵌合固定されており、同じくこの回転軸上には、永久
磁石の両端面に当接する円筒状のボスを有する一対の樹
脂材製サイドカバーが、外周部間を円筒状のケースで連
結されて回動自在に嵌合されており、永久磁石とケース
との間には磁性粉体が封入されている。このように構成
されていることにより、前記トルクリミッタと同様に作
動し、前記トルクリミッタよりも組立工数が少なく、か
つ軽量小形なトルクリミッタを安価に提供することがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のトルクリミッタにおいては、回転軸が長くな
ると製作が難しくなる。また、実開昭58−18762
5号公報のトルクリミッタは、軸線方向に着磁された環
状永久磁石の両側に、内極部材となる一対の磁性板が永
久磁石を挟持するように一体に形成されており、トルク
リミッタを回転軸へ容易に装着するために、これら磁性
板や永久磁石を合成樹脂材で中空状に形成されたスリー
ブシャフトに圧入嵌合して固定すると、スリーブシャフ
トの内径面が弾性変形し、回転軸に嵌合できなくなって
しまうという問題がある。本発明はこのような点に鑑み
なされたもので、環状の永久磁石やこれを保持する内極
部材が装着されるスリーブシャフトの内径面における弾
性変形を防止し、 このスリーブシャフト内への回転軸に
容易に装着できるトルクリミッタを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明に係るトルクリミッタは、一対のサイド
カバーで支持された円筒状ケースの内周面とこのケース
の中心部を貫通する回転軸との間に、内極部材と永久磁
石およびこの永久磁石で磁化された磁性粉体が配設され
たトルクリミッタにおいて、回転軸を合成樹脂材により
中空状に形成されたスリーブシャフトとするとともに、
このスリーブシャフトに一体的に設けた一対の鍔部と前
記内極部材とを軸線方向において凹凸係合させることに
より一体的に連結したものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、スリーブシャフトが回転する
と、永久磁石で磁化された磁性粉体を介して磁気結合さ
れた円筒状ケースとサイドカバーとが一体的に回転す
る。この回転中に、ケース側に所定以上の大きさの過負
荷が加わると、永久磁石で磁化された磁性粉体が剪断さ
れるので、スリーブシャフトが空転してケース側が停止
状態になる。
【0008】
【実施例】図1ないし図5は本発明に係るトルクリミッ
タを複写機の紙送り装置に実施した例を示し、図1はそ
の正面図図2は図1のII−II断面図、図3は図2
のIII視側面図、図4は図2のIV−IV断面図、図
5は図2のV−V断面図である。
【0009】図において、全体を符号1で示すトルクリ
ミッタは、合成樹脂材により円筒状に形成されたスリー
ブシャフト2を備えており、このスリーブシャフト2
は、複写機の紙送り装置内に設けられた回転軸3に嵌合
されている。また、このスリーブシャフト2は、回転軸
3を貫通するノックピン4を切欠き部2aと係合させる
ことにより、回転軸3に対し回り止めされている。スリ
ーブシャフト2上には、軸線方向に着磁された環状の永
久磁石5が、その軸線方向の両側に固着した一対の環状
磁性板6により挟持されることにより固定されている。
なお、この永久磁石5とスリーブシャフト2とは遊嵌状
態となっている。内極部材としての磁性板6,6の軸線
方向の外側には、合成樹脂材で環状に形成された一対の
スペーサ7,2bが、磁性板6に隣接して配置されてい
る。
【0010】これらの樹脂材製スペーサ7,2bのうち
の一方のスペーサ7は、前記スリーブシャフト2とは別
体に形成されてスリーブシャフト2に嵌装されて固定さ
れている。また、他方のスペーサ2bはスリーブシャフ
ト2に鍔状をなして一体形成されている。そして、こ
れらのスペーサ7,2bの前記磁性板6,6との対向面
に軸線方向に突出するように形成された突起7a,2c
は、各磁性板6に設けた貫通孔6aにそれぞれ凹凸係合
されており、スペーサ7,2bと磁性板6とが一体的に
回転するように連結されている。8は前記永久磁石5の
外周面に嵌着された非磁性材製のカラーである。
【0011】さらに、各スペーサ7,2bに軸線方向に
おいて隣接する外側には、合成樹脂材により環状に形成
されたサイドカバー9,10がスリーブシャフト2に回
転自在に嵌合されて配設されており、これらサイドカバ
ー9,10の外周部は、磁性材により円筒状に形成され
たケース11で連結されている。9a,10aはサイド
カバー9,10に設けられた突起であり、11aはケー
ス11に設けられた切欠き部であって、カバー9,10
とケース11とは、これら突起9a,10aと切欠き部
11aとを係合させたのち図3に示すかしめ片9bをか
しめることによって連結されている。さらに一方のケー
ス11には、従動側と駆動連結されたギア12が突起1
0bと孔12aとの係合によって固定されている。そし
て、ケース11の内周面と磁極板6の外周面との間に形
成された環状空隙には、磁性粉体13が封入されてお
り、永久磁石5で磁化されるように構成されている。
【0012】以上のように構成されたトルクリミッタ
の動作を説明する。永久磁石5の磁束が永久磁石5→磁
性板6→磁性粉体13→ケース11→磁性粉体13→磁
性板6を磁気回路として流れ、磁性粉体13を磁性板6
とケース11内で鎖状に磁化連結しているので、複写機
のモータが回転すると、この回転が回転軸3→トルクリ
ミッタ1→ギア12という経路でギア12に伝達される
ので、カセット内のコピー用紙が本体内へ送られる。こ
こで、コピー用紙が2枚送りされたり紙が詰まったりし
てギア12側の負荷が所定の負荷よりも大きくなると、
この過負荷によりギア12側が制動されトルクリミッタ
1内の磁性粉体13が剪断されるので、サイドカバー1
0と一体のギア12が停止状態になる。
【0013】図6および図7は本発明の他の実施例を示
し、図6は図1に対応して示すトルクリミッタの上半部
破断側面図、図7は図6のVII−VII断面図であ
る。これらの図において前記実施例と同構成の部材には
これと同符号を付してその説明を省略する。本実施例の
トルクリミッタ20においては、交互に極性を異にする
複数個の永久磁石21が、鍔付き円筒状に形成された内
磁部材としての磁性管22に支持されて円周方向等間
隔で放射状に配設されている。磁性管22の凹凸状に形
成された軸線方向の両端面は、環状に形成されたスペー
サ23と、スリーブシャフト24と一体形成されたス
ペーサ24aとの凹部と係合されている。このように構
成されていることにより、前記実施例と同様に作用す
る。
【0014】なお、前記各実施例では、一対のスペーサ
2b,7、24a,23の一方のみをスリーブシャフト
3,24と一体形成した例を示したが、インサート成形
により両方のスペーサをスリーブシャフトと一体形成し
てもよい。
【0015】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように本発明
に係るトルクリミッタによれば、一対のサイドカバーで
支持された円筒状ケースの内周面とこのケースの中心部
を貫通する回転軸との間に、内極部材と永久磁石および
磁性粉体が配設されたトルクリミッタにおいて、回転軸
を合成樹脂材により中空状に形成されたスリーブシャフ
トとし、このスリーブシャフトに一体的に設けた一対の
鍔部と前記内極部材とを軸線方向において凹凸係合させ
ることにより一体的に連結しているから、スリーブシャ
フトの内径面が弾性変形することがないので、トルクリ
ミッタを回転軸に容易に装着することができ、作業性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トルクリミッタの正面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 図2のIII視側面図である。
【図4】 図2のIV−IV断面図である。
【図5】 図2のV−V断面図である。
【図6】 第2実施例として上半部を破断して示すトル
クリミッタの側面図である。
【図7】 図6のVII−VII断面図である。
【符号の説明】
1…トルクリミッタ、2…スリーブシャフト、2b…ス
ペーサ(鍔部)、2c…突起、5…永久磁石、6…磁性
板、6a…貫通孔、7…スペーサ(鍔部)、9…サイド
カバー、9d…10…サイドカバー、11…ケース、1
3…磁性粉体、20…トルクリミッタ、21…永久磁
石、22…磁性管、23…スペーサ、24…スリーブシ
ャフト、24a…スペーサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のサイドカバーで支持された円筒状
    ケースの内周面とこのケースの中心部を貫通する回転軸
    との間に、内極部材と永久磁石およびこの永久磁石で磁
    化された磁性粉体が配設されたトルクリミッタにおい
    て、 前記回転軸を合成樹脂材により中空状に形成されたスリ
    ーブシャフトとするとともに、このスリーブシャフトに一体的に設けた一対の鍔部と前
    記内極部材とを軸線方向において凹凸係合させることに
    より一体的に連結した ことを特徴とするトルクリミッ
    タ。
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