JPH09210096A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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JPH09210096A
JPH09210096A JP8037394A JP3739496A JPH09210096A JP H09210096 A JPH09210096 A JP H09210096A JP 8037394 A JP8037394 A JP 8037394A JP 3739496 A JP3739496 A JP 3739496A JP H09210096 A JPH09210096 A JP H09210096A
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JP
Japan
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armature
rotor
magnetic
electromagnetic clutch
friction surface
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JP8037394A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kurosu
義弘 黒須
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Ogura Clutch Co Ltd
Original Assignee
Ogura Clutch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連結初期の回転伝達を内側アーマチュアで行
なうと、内側アーマチュアの摩擦面は平均半径が小さく
連結初期に必要な動摩擦トルクが得られず、クラッチ連
結時のショックを解決する緩衝連結を実現することが難
しい。 【解決手段】 内側アーマチュア18が対向するロータ
6の円板部62bに環状溝63bを形成して、この環状
溝63b内に非磁性材料を充てんした。磁気回路を流れ
る磁束Φは、環状溝63bにおいて磁束Φ1と磁束Φ2
に分流されるので、外側アーマチュア17がロータ6に
磁気吸着された後に、内側アーマチュア18がロータ6
に磁気吸着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ばね荷重の値が
異なるダンパゴムによりリング状に分割されたアーマチ
ュアをアーマチュアハブに支持した電磁クラッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁クラッチは、アーマチュアを
リング状に分割して、外側アーマチュアをばね荷重が高
い値に設定されたダンパゴムによりアーマチュアハブに
支持するとともに、内側アーマチュアをばね荷重が低い
値に設定されたダンパゴムによりアーマチュアハブに支
持した構造からなり、内側アーマチュアをロータに磁気
吸着した後に外側アーマチュアをロータに磁気吸着する
ことにより緩衝連結するようにしている(特開昭57−
179429号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】連結初期の回転伝達を
内側アーマチュアで行なうと、内側アーマチュアの摩擦
面は平均半径が小さく連結初期に必要な動摩擦トルクが
得られず、実連結時間が長くなってもクラッチ連結時の
ショックを解決する緩衝連結を実現することが困難であ
った。また、摩擦面の平均半径が大きい外側アーマチュ
アにより連結初期の動摩擦トルクを得る構造にするため
には、この外側アーマチュアをアーマチュアハブに支持
するダンパゴムのばね荷重を低い値に設定しなければな
らない。しかしながらこのような構造にすると、外側ア
ーマチュアの解放時間が遅くなり摩擦面が著しく摩耗し
てしまうなど、実用上の問題を生じる。この発明は、連
結初期の動摩擦トルクが十分に得られ安定した緩衝連結
が可能な電磁クラッチを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1発明の電磁クラッチ
は、ばね荷重が高い値に設定された複数の外側弾性部材
とばね荷重が低い値に設定された複数の内側弾性部材と
が配設されたアーマチュアハブと、前記外側弾性部材に
連結された外側アーマチュアと前記内側弾性部材に連結
された内側アーマチュアと、前記外側アーマチュアの摩
擦面と対向する磁束迂回率が高い値に設定された外側磁
気抵抗部と前記内側アーマチュアの摩擦面と対向する磁
束迂回率が低い値に設定された内側磁気抵抗部とが磁路
に形成されたロータと、このロータから前記外側アーマ
チュアと前記内側アーマチュアに流れる前記磁束を発生
する電磁コイルとを備え、前記外側アーマチュアが前記
ロータに磁気吸着された後に前記内側アーマチュアが前
記ロータに磁気吸着されることを特徴とする。
【0005】このような構造からなる電磁クラッチは、
電磁コイルに通電することにより発生する磁束が、外側
磁気抵抗部でロータの磁路から外側アーマチュアに迂回
され、この外側アーマチュアからロータの磁路に戻る。
また内側磁気抵抗部で、磁束の一部が内側アーマチュア
に迂回されてからロータの磁路に戻るとともに、この内
側磁気抵抗部が設けられたロータの磁路にも磁束の一部
が流れる。即ち、内側磁気抵抗部において、内側アーマ
チュアに流れる磁束Φ1とロータの磁路をそのまま半径
方向内側へ向かって流れる磁束Φ2との分流分岐点が設
けられている。したがって、磁束が流れやすくなった
分、ロータの磁路から外側アーマチュアに迂回される磁
束(磁束Φ1と磁束Φ2の和)による外側アーマチュア
の磁気吸引力が大きくなり、この外側アーマチュアによ
る動摩擦トルクも大きくなるので、連結初期の動摩擦ト
ルクが十分に得られ安定した緩衝連結が可能な電磁クラ
ッチを提供することができる。また、磁気吸引力が大き
くなり外側アーマチュアをアーマチュアハブに支持する
外側弾性部材のばね荷重も大きく設定することができる
ので、外側アーマチュアの解放時間の遅れも防止され
る。
【0006】第2発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、外側アーマチュアの摩擦面とこの
摩擦面と対向するロータの摩擦面のうちいずれか一方に
は摩擦板が固着されていることを特徴とする。このよう
な構造からなる電磁クラッチは、外側アーマチュアの摩
擦面とロータの摩擦面との摩擦係合力が、内側アーマチ
ュアの摩擦面とロータの摩擦面との摩擦係合力より高い
値に設定されるので、第1発明の電磁クラッチ以上に実
用上優れた電磁クラッチを提供することができる。
【0007】第3発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、前記ロータは、断面がL字状で環
状な内側磁路部材と、この内側磁路部材の外側に間隔を
おいて嵌合された円筒状の外側磁路部材と、前記内側磁
路部材の円板部の外周面と前記外側磁路部材の内周面と
の間に充てんされこれら部材を一体に固定した非磁性材
料からなる前記外側磁気抵抗部と、前記内側磁路部材の
円板部に形成され前記摩擦面側に開口する環状溝内に充
てんされて固定された非磁性材料からなる前記内側磁気
抵抗部とが設けられていることを特徴とする。
【0008】このような構造からなる電磁クラッチは、
ロータの磁路を全周面にわたって完全に遮断する外側磁
気抵抗部と、ロータの磁路断面積に対する占める割合い
により磁束迂回率が設定される内側磁気抵抗部とを設け
たので、ロータの磁路から外側アーマチュアへの磁束の
迂回が良好になるとともに、外側アーマチュアの作動に
対して内側アーマチュアの作動を遅らせるタイムラグの
設定が簡単にできる。
【0009】第4発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、前記ロータは、断面がコ字状で環
状な磁路部材からなり、円板部の同一円周上に間隔をお
いて形成された複数の円弧状長穴からなる前記外側磁気
抵抗部と、前記円板部に形成され前記摩擦面側に開口す
る環状溝内に充てんされて固定された非磁性材料からな
る前記内側磁気抵抗部とが設けられていることを特徴と
する。
【0010】このような構造からなる電磁クラッチは、
第3発明の電磁クラッチに比べてロータの磁路から外側
アーマチュアへの磁束迂回効率が低下するが、外側磁気
抵抗部はプレス加工により簡単に製造できる。
【0011】第5発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、前記アーマチュアハブのフランジ
部に形成された偶数個のダンパ収納部には、前記外側弾
性部材である外側ダンパゴムと前記内側弾性部材である
内側ダンパゴムとが円周方向で隣り合うように収納され
ており、前記外側ダンパゴムに固着されて前記ダンパ収
納部の貫通穴から突出した連結ピンの先端を前記外側ア
ーマチュアに固定するとともに、前記内側ダンパゴムに
固着されて前記ダンパ収納部の貫通穴から突出した連結
ピンの先端を前記内側アーマチュアに固定したことを特
徴とする。
【0012】このような構造からなる電磁クラッチは、
ダンパゴムを円周方向に分割して配設することができる
ので、アーマチュアハブのフランジ部に全周にわたって
ダンパゴムを配設した構造の電磁クラッチに比べて軽量
な電磁クラッチとすることができる。また、ダンパゴム
の使用量が少なく経済的である。
【0013】第6発明の電磁クラッチは、第5発明の電
磁クラッチにおいて、前記外側アーマチュアの内周面に
形成された奇数個の突出部と前記内側アーマチュアの外
周面に形成された奇数個の突出部とを円周方向に間隔を
おいて噛み合わせることにより、偶数個の前記連結ピン
を前記フランジ部の同一円周上に配設したことを特徴と
する。このような構造からなる電磁クラッチは軽量小形
で安価な電磁クラッチを提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の電磁クラッチの一実施
例を、図1から図6に示された図面により詳細に説明す
る。図1は電磁クラッチの平面図であり、図2は図1の
電磁クラッチの断面図、図3は図2のB−B線方向から
見たアーマチュアの平面図、図4は図2のB−B線方向
から見たロータの平面図、図5は図1のA−A線断面を
拡大して示した断面図、図6は電圧−電流波形を示した
図である。なお、図面に示した電磁クラッチ1は、カー
エアコン用コンプレッサ2に装着されエンジン側のクラ
ンクプーリの回転をコンプレッサ2に伝達する装置であ
る。
【0015】電磁クラッチ1は、コンプレッサ2の回転
軸3に装着されたアーマチュア組立体4と、コンプレッ
サ2のハウジングに形成された円筒状の突出部2aに軸
受5を介して回転自在に支持されたロータ6と、このロ
ータ6の環状溝6a内に挿入され背面がコンプレッサ2
のハウジングに固定されたコイル組立体7とが構成され
ている。
【0016】アーマチュア組立体4は、回転軸3にスプ
ライン嵌合されたボス部8aと半径方向外側に延びた円
板状のフランジ部8bとが形成されたアーマチュアハブ
8と、このアーマチュアハブ8のフランジ部8bに重ね
られ複数のリベット9により一体に固定されたアーマチ
ュア支持部材10とを備え、アーマチュアハブ8のボス
部8aに嵌合されて固定された当て板11の貫通穴から
ねじ12を挿入して回転軸3のねじ穴に締め込むことに
より、これら部材8・10は回転軸3に装着されてい
る。なお、アーマチュア支持部材10は、アーマチュア
ハブ8のフランジ部8bを半径方向に延長することによ
り、フランジ部8bとして構成することもできる。
【0017】実施例のアーマチュア支持部材10は、ア
ルミ合金や合成樹脂などの非磁性材料にて形成され肉厚
な環状部分には、反ロータ6側に開口した6個のダンパ
収納部が設けられている。ダンパ収納部は、円周方向を
3等分する位置に形成された大径な凹部10aと、この
凹部10aに対して60度位相をずらした円周方向を3
等分する位置に形成された小径な凹部10bとからな
り、各凹部10a・10bの底部には貫通穴10c・1
0dが形成されている。また各凹部10aには、ばね荷
重が高い値に設定された外側弾性部材としてのダンパゴ
ム13が圧入嵌合され、各凹部10bには、ダンパゴム
13に比べて外径寸法と肉厚寸法が共に小さく、ばね荷
重が低い値に設定された内側弾性部材としてのダンパゴ
ム14が圧入嵌合されている。そして、これらダンパゴ
ム13・14の中心に挿入されて固着された連結ピン1
5・16の先端が、各貫通穴10c・10dからロータ
6側へ突出している。なお、アーマチュアハブ8のフラ
ンジ部8bに固定される非磁性材製の円板に複数のカッ
プ状のダンパカバーを固着することにより、このダンパ
カバーを実施例のダンパ収納部10a・10bとするこ
とができる。
【0018】各連結ピン15・16の中心は、ダンパ収
納部10a・10bの中心と重なり合い、かつアーマチ
ュア支持部材10の同一円周上に重なり合うように構成
されている。そして、連結ピン15の先端は外側アーマ
チュア17の段状の貫通穴17a内でかしめ加工され、
連結ピン16の先端は内側アーマチュア18の段状の貫
通穴18a内でかしめ加工されている。
【0019】またこのかしめ加工により、各ダンパゴム
13・14の中心側がロータ6側へ引張られた状態で、
各アーマチュア17・18がアーマチュア支持部材10
に当接されるので、各ダンパゴム13・14には初期の
ばね荷重が付与される。そのばね荷重は、外側アーマチ
ュア17が内側アーマチュア18より自重が大きいの
で、ダンパゴム13の初期のばね荷重をダンパゴム14
の初期のばね荷重より高い値に設定している。また、同
じ撓み量に対するばね荷重の増大率も、ダンパゴム14
よりダンパゴム13の方が大きく設定されている。
【0020】図3の平面図のように、外側アーマチュア
17には、内周面を3等分する位置で半径方向内側に半
円状に突出した突出部17bと、これとは60度位相を
ずらした同内周面を3等分する位置で半径方向外側に半
円状に落ち入った切欠き部17cとが形成されている。
そして、各突出部17bには貫通穴17aが形成されて
いる。また、この外側アーマチュア17と同中心となる
内側アーマチュア18には、外周面を3等分する位置で
半径方向外側に半円状に突出した突出部18bと、これ
とは60度位相をずらした同外周面を3等分する位置で
半径方向内側に半円状に落ち入った切欠き部18cとが
形成されている。そして、各突出部18bには貫通穴1
8aが形成されている。また、外側アーマチュア17の
突出部17bが内側アーマチュア18の切欠き部18c
内に挿入され、内側アーマチュア18の突出部18bが
外側アーマチュア17の切欠き部17c内に挿入され、
突出部17bと突出部18bは、円周方向に間隔をおい
て噛み合い貫通穴17aと貫通穴18aを同一円周上に
設けた構造である。
【0021】外側アーマチュア17の内周面と内側アー
マチュア18の外周面との間には、図2に符号Gで示し
たエアギャップより大きな幅の環状な空間Sが形成され
ている。なお、図2のエアギャップGは、便宜上その寸
法を大きく示しているが0.5mm程度のわずかな寸法に
設計され、空間Sは、2mm程度の寸法に設計される。
【0022】ロータ6は、各アーマチュア17・18の
摩擦面と軸線方向にエアギャップGをおいて対向する摩
擦面が形成されている。またこのロータ6は、断面がL
字状で環状な内側磁路部材6bと、この内側磁路部材6
bの外側に間隔をおいて嵌合された円筒状の外側磁路部
材6cとの2部材により形成され、これら部材6b・6
cは、銅やアルミ合金などの非磁性金属材料を環状な空
間に充てんして固化、または塑性結合することにより一
体に結合されている。そして、非磁性金属材料を、ロー
タ6の磁路に設けられた外側磁気抵抗部19としてい
る。
【0023】ロータ6の内側磁路部材6bは、図5に拡
大して示したように、軸受5の外輪が圧入嵌合されかし
め片6dで抜け止めされた円筒部61bとこの円筒部6
1bの端部から半径方向に延びた円板部62bとからな
り、内側アーマチュア18の摩擦面と対向する円板部6
2bの摩擦面には、この摩擦面側に開口する環状溝63
bが形成されている。環状溝63bには、銅やアルミ合
金などの非磁性金属材料が充てんされ固化、または塑性
結合されており、この非磁性金属材料を、ロータ6の磁
路に設けられた内側磁気抵抗部20としている。
【0024】ロータ6の外側磁路部材6cは、外周面に
ポリV溝からなるプーリ溝6eが転造加工により一体に
形成されている。また、外側アーマチュア17の摩擦面
と対向する摩擦面の最外周部には環状溝61cが形成さ
れ、この環状溝61cに、端面が摩擦面よりわずかに突
出するように高摩擦係数の摩擦板21が固着されてい
る。
【0025】このような構造からなるロータ6の環状溝
6a内に挿入されたコイル組立体7は、多条に巻かれた
電磁コイル22が収納され絶縁樹脂で固定されたフィー
ルドコア23と、このフィールドコア23の背面に溶着
され図示せぬねじでコンプレッサ2のハウジングに固定
された取付け板24とが設けられている。
【0026】以上のような構造からなる電磁クラッチ1
は、電磁コイル22への通電を断った無励磁状態では、
図2のように外側アーマチュア17と内側アーマチュア
18とがダンパゴム13とダンパゴム14の初期のばね
荷重によりアーマチュア支持部材10の側面に当接され
静止保持されている。また電磁コイル22に通電して励
磁状態にすると、外側アーマチュア17と内側アーマチ
ュア18は、ダンパゴム13・14のばね荷重に抗して
ロータ6に磁気吸着されるので、図示せぬクランクプー
リとベルトで連結されたロータ6の回転がコンプレッサ
2の回転軸3に伝達されコンプレッサ2が駆動される。
【0027】図5に示したように、電磁コイル22に通
電することにより発生する磁束Φは、フィールドコア2
3→ロータ6の外側磁路部材6c→エアギャップG→外
側アーマチュア17→エアギャップG→ロータ6の円板
部62b→エアギャップG→内側アーマチュア18→エ
アギャップG→ロータ6の円筒部61b→フィールドコ
ア23を流れるダブルフラックス型の磁気回路を流れる
とともに、外側アーマチュア17→エアギャップG→ロ
ータ6の円板部62b→ロータ6の円筒部61bを流れ
るシングルフラックス型の磁気回路を流れる。
【0028】即ち、内側磁気抵抗部20における磁束Φ
の内側アーマチュア18への磁束迂回率を低い値に設定
しているので、その内側磁気抵抗部20が設けられたロ
ータ6の円板部(磁路)62bにおいて、磁束Φは磁束
Φ1と磁束Φ2に分流される。また、連結初期の磁気回
路の磁気抵抗は小さく、外側アーマチュア17は、ロー
タ6の摩擦面に瞬時に磁気吸着される。
【0029】また更には、磁気吸着された外側アーマチ
ュア17とロータ6は、摩擦板21を介在して摩擦係合
されるので、連結初期の動摩擦トルクが大きく、コンプ
レッサ2の負荷が大きくても回転軸3の回転数をロータ
6の回転数に近似して行くことができる。なお、前記摩
擦係合はスリップ回転による摩擦係合となり、外側アー
マチュア17とロータ6の摩擦面が発熱し易いが、摩擦
板21をロータ6の摩擦面に固着したので、各摩擦面が
著しく摩耗したり焼き付いたりするようなことはない。
【0030】このような状態からタイムラグを経過した
後、内側アーマチュア18がロータ6の摩擦面に磁気吸
着されるので、連結動作が完了してロータ6と回転軸3
が同期して一体に回転する。なお、このような電磁クラ
ッチ1の電気制御は、特開昭57−179429号公報
に提案された電気制御でもよいが、図6に示したように
実施例の制御回路は、時間T1において電磁コイル22
に最大電圧を印加して電流を立ち上げ、外側アーマチュ
ア17がロータ6の摩擦面に磁気吸着された瞬時(時間
T2)における磁気回路のインダクタンスの急増による
電流の変化を確認した後は、外側アーマチュア17とロ
ータ6の摩擦面との設定されたスリップ時間(時間T
3)まで電流を次第に立ち上げる。そして、内側アーマ
チュア18がロータ6の摩擦面に磁気吸着されたときの
電流の変化を確認した後は、電磁コイル22に最大電圧
を印加するようになっている。
【0031】次に、この発明の他の実施例として、図7
に示されたロータ25の平面図を説明する。このロータ
25は、電磁クラッチ1のロータ6に環状な外側磁気抵
抗部19を設けたが、これに代わり同一円周上に間隔を
おいてプレス加工された複数(6個)の円弧状長穴26
からなる外側磁気抵抗部が設けられている。なお、この
長穴26内には、銅やアルミ合金などの非磁性金属材料
が充てんされる場合もある。またこのロータ25の他の
構造は、すでに説明したロータ6の構造と同じであるか
ら、同じ符号を付けることにより重複する説明は省略す
る。
【0032】このような構造のロータ25を備えた電磁
クラッチも、電磁クラッチ1と同じような連結動作をす
ることができる。
【0033】
【発明の効果】第1発明の電磁クラッチは、ロータの磁
路に磁束の分流分岐点を設けることにより、ばね荷重が
高い値に設定された外側弾性部材でアーマチュアハブに
支持された外側アーマチュアを、ばね荷重が低い値に設
定された内側弾性部材でアーマチュアハブに支持された
内側アーマチュアより先に、ロータの摩擦面に磁気吸着
することができたので、スリップ回転による外側アーマ
チュアとロータの摩擦面との動摩擦トルクを十分に得る
ことができ、コンプレッサなどの回転軸を加速した後に
内側アーマチュアをロータの摩擦面に磁気吸着すること
ができる。したがって、実用上好ましい緩衝連結が可能
な電磁クラッチを提供することができる。
【0034】しかも、内側アーマチュアの自重に比べて
大きな自重からなる外側アーマチュアは、ばね荷重(特
に初期のばね荷重)が高い値に設定された外側弾性部材
によりアーマチュアハブに支持したので、その外側アー
マチュアの解放時間が遅くなることはなく、摩擦面が著
しく摩耗して経年的にエアギャップが非常に大きくなる
などの性能面での問題も生じないから、実用上優れた電
磁クラッチを提供することができる。
【0035】第2発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、摩擦板を介在した状態で外側アー
マチュアをロータの摩擦面に磁気吸着するようにしたの
で、連結初期の動摩擦トルクの立ち上がりが良好にな
り、内側アーマチュアがロータの摩擦面に磁気吸着され
た際の負荷側に与える衝撃を小さくすることができる。
【0036】第3発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、磁束がロータの外側磁気抵抗部で
外側アーマチュアに十分に迂回されるとともに、ロータ
の内側磁気抵抗部により内側アーマチュアへの磁束の迂
回率は設定されるので、磁気回路の設計が容易にでき
る。
【0037】第4発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、ロータの外側磁気抵抗部を同一円
周上にプレス加工された複数個の円弧状長穴で構成した
ので、ロータの製造が容易となり電磁クラッチを安価に
提供することができる。
【0038】第5発明の電磁クラッチは、第1発明の電
磁クラッチにおいて、外側弾性部材と内側弾性部材をア
ーマチュアハブのフランジ部の円周方向に分割して配設
されたダンパゴムとしたので、軽量な電磁クラッチを安
価に提供することができる。
【0039】第6発明の電磁クラッチは、第5発明の電
磁クラッチにおいて、ダンパゴムとアーマチュアを連結
する連結ピンを、アーマチュアハブのフランジ部の同一
円周上に配設したので、軽量小形な電磁クラッチを安価
に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である電磁クラッチの平面
図である。
【図2】図1の電磁クラッチの断面図である。
【図3】図2のB−B線方向から見たアーマチュアの平
面図である。
【図4】図2のB−B線方向から見たロータの平面図で
ある。
【図5】図1のA−A線断面を拡大して示した断面図で
ある。
【図5】図1のA−A線断面を拡大して示した断面図で
ある。
【図6】電圧−電流波形を示した図である。
【図7】この発明の他の実施例である電磁クラッチに配
設されるロータの平面図である。
【符号の説明】
4…アーマチュア組立体、6…ロータ、7…コイル組立
体、8…アーマチュアハブ、10…アーマチュア支持部
材、13…外側弾性部材としてのダンパゴム、14…内
側弾性部材としてのダンパゴム、15…連結ピン、16
…連結ピン、17…外側アーマチュア、18…内側アー
マチュア、19…外側磁気抵抗部、20…内側磁気抵抗
部、21…摩擦板、22…電磁コイル、23…フィール
ドコア、25…ロータ、26…円弧状長穴、Φ…磁束。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である電磁クラッチの平面
図である。
【図2】図1の電磁クラッチの断面図である。
【図3】図2のB−B線方向から見たアーマチュアの平
面図である。
【図4】図2のB−B線方向から見たロータの平面図で
ある。
【図5】図1のA−A線断面を拡大して示した断面図で
ある。
【図6】電圧−電流波形を示した図である。
【図7】この発明の他の実施例である電磁クラッチに配
設されるロータの平面図である。
【符号の説明】 4 アーマチュア組立体 6 ロータ 7 コイル組立体 8 アーマチュアハブ 10 アーマチュア支持部材 13 外側弾性部材としてのダンパゴム 14 内側弾性部材としてのダンパゴム 15 連結ピン 16 連結ピン 17 外側アーマチュア 18 内側アーマチュア 19 外側磁気抵抗部 20 内側磁気抵抗部 21 摩擦板 22 電磁コイル 23 フィールドコア 25 ロータ 26 円弧状長穴 Φ 磁束

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね荷重が高い値に設定された複数の外
    側弾性部材とばね荷重が低い値に設定された複数の内側
    弾性部材とが配設されたアーマチュアハブと、前記外側
    弾性部材に連結された外側アーマチュアと前記内側弾性
    部材に連結された内側アーマチュアと、前記外側アーマ
    チュアの摩擦面と対向する磁束迂回率が高い値に設定さ
    れた外側磁気抵抗部と前記内側アーマチュアの摩擦面と
    対向する磁束迂回率が低い値に設定された内側磁気抵抗
    部とが磁路に形成されたロータと、このロータから前記
    外側アーマチュアと前記内側アーマチュアに流れる前記
    磁束を発生する電磁コイルとを備え、前記外側アーマチ
    ュアが前記ロータに磁気吸着された後に前記内側アーマ
    チュアが前記ロータに磁気吸着されることを特徴とする
    電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記外側アーマチュアの摩擦面とこの摩
    擦面と対向する前記ロータの摩擦面のうちいずれか一方
    には摩擦板が固着されていることを特徴とする請求項1
    記載の電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記ロータは、断面がL字状で環状な内
    側磁路部材と、この内側磁路部材の外側に間隔をおいて
    嵌合された円筒状の外側磁路部材と、前記内側磁路部材
    の円板部の外周面と前記外側磁路部材の内周面との間に
    充てんされこれら部材を一体に固定した非磁性材料から
    なる前記外側磁気抵抗部と、前記内側磁路部材の円板部
    に形成され前記摩擦面側に開口する環状溝内に充てんさ
    れて固定された非磁性材料からなる前記内側磁気抵抗部
    とが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電
    磁クラッチ。
  4. 【請求項4】 前記ロータは、断面がコ字状で環状な磁
    路部材からなり、円板部の同一円周上に間隔をおいて形
    成された複数の円弧状長穴からなる前記外側磁気抵抗部
    と、前記円板部に形成され前記摩擦面側に開口する環状
    溝内に充てんされて固定された非磁性材料からなる前記
    内側磁気抵抗部とが設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の電磁クラッチ。
  5. 【請求項5】 前記アーマチュアハブのフランジ部に形
    成された偶数個のダンパ収納部には、前記外側弾性部材
    である外側ダンパゴムと前記内側弾性部材である内側ダ
    ンパゴムとが円周方向で隣り合うように収納されてお
    り、前記外側ダンパゴムに固着されて前記ダンパ収納部
    の貫通穴から突出した連結ピンの先端を前記外側アーマ
    チュアに固定するとともに、前記内側ダンパゴムに固着
    されて前記ダンパ収納部の貫通穴から突出した連結ピン
    の先端を前記内側アーマチュアに固定したことを特徴と
    する請求項1記載の電磁クラッチ。
  6. 【請求項6】 前記外側アーマチュアの内周面に形成さ
    れた奇数個の突出部と前記内側アーマチュアの外周面に
    形成された奇数個の突出部とを円周方向に間隔をおいて
    噛み合わせることにより、偶数個の前記連結ピンを前記
    フランジ部の同一円周上に配設したことを特徴とする請
    求項5記載の電磁クラッチ。
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Cited By (6)

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