JPH02197801A

JPH02197801A - 水やけ防止コート膜付き光学素子

Info

Publication number: JPH02197801A
Application number: JP63204935A
Authority: JP
Inventors: Sanji Sugiura; 杉浦　三二; Toshihiro Osuga; 大須賀　俊裕
Original assignee: Nidek Co Ltd
Current assignee: Nidek Co Ltd
Priority date: 1988-08-18
Filing date: 1988-08-18
Publication date: 1990-08-06

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明はｅけ防止コート膜付き光学素子、さらに詳しく
いえば金属酸化物によりコーティング加工された眼鏡レ
ンズ等の光学素子上に生ずる水やけを防止するための膜
が施こされた光学素子に関する。

［従来技術とその解決すべき問題点］最近の眼鏡レンズやＣＲＴフィルタ等の多くは表面にコ
ート膜が施されている。コート膜はそのレンズ表面の硬
度を高めたり、特定の波長の光をカットしたり、レンズ
の表面反射を抑える等の目的で施される。

しかしながら、コート膜は水に対する漏れ性が大きいの
みならず、不純物を含む水がコート膜表面に付着し蒸発
すると、しみ状の痕跡（水やけ）が残る。コート膜の種
類等の条件によってはこの水やけは拭きとるのが難しい
。

そこで、水やけを防止するコート膜の開発が望まれてい
た。

水やけを防止するコート膜に関する技術は、従来特開昭
６２−１７８９０２号、特開昭６２−１７８９０３号、
特開昭６２−２４７３０２４等の公報に開示されている
他、表面処理剤として各種のものが市販されている。

しかしながら、これらのものは一定の水やけを防止する
効果が認められるものの、反応性が高くコート膜の特性
を低下ざぜたり１．溶液の安定性に欠はコストが高くな
ったり、塗布が容易でなかったり、機能が一時的で永続
性に欠は耐久性に乏しい等の欠点を有している。

本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、コート
膜の特性を低下させることなくしかも安定性に優れ取扱
の容易な組成物からなり、水やけ防止効果が高く耐久性
にも優れた効果を有する被覆膜を施した光学素子を提供
することにある。

［問題点を解決する手段］本発明は、上記目的を達成するために、金属酸化物で被
覆された光学素子の被覆膜上に、一般式（ここにＲ，Ｒ
は水素原子または同種あるいは異種の１価の有機基から
選択される原子または基。

ａ、　ｂはＯ〜１．５の正数０ｍ≧１．ｎ≧０）で示さ
れる硬化性有機けい素化合物よりなる被覆膜形成剤を塗
布したことを特徴としている。

本発明者は金属酸化物のコート膜を有する眼鏡レンズに
水やけ防止性があると思われる各種の組成物について検
討した結果、水やけ防止性・耐久性・経済性・扱い易さ
等の観点からみて上記一般式で示される硬化性有機けい
素化合物が最適であるとの確信を得、本発明を完成する
に至った。

上記した一般式で示される組成物およびそのその実施例
は特開昭６０−２２１４７０号（出願人：信越化学工業
株式会社　発明の名称：「硬化被膜形成剤」）に於て詳
細に説明されている。

［作用］ＳｉＯ等の金属酸化物のコート膜の表面に不純物を含む
水が付着し蒸発すると、しみ状の痕跡が残るが、これが
水やけといわれている現象である。金属酸化物の表面に
は極性に富んだ水酸基が存在するが、これが水との接触
角を小さくしまた不純物を吸着し易くし、水やけが生じ
易い原因であるものと考えられている。そこで、コート
膜表面に極性の極性を小さくすべく硬化性有機けい素化
合物を塗布することにより表面摩擦を小さくするととも
に撥水性を高める。

また、この被覆膜はシラザン結合が加水分解するときに
生ずるシラノール基が活性に富むため接着性が高く持続
性・耐摩耗性が向上する。

［実施例１］ジエチレングリコール・ビスアリルカーボネート樹脂（
ＯＲ−３９）からなるプラスティック製レンズを洗浄し
た後、耐擦傷性向上のためにレンズ表面を有機ケイ素化
合物で表面処理した（ハードコート）。その後、反射防
止処理として真空蒸着法によりＳｉ０２５Ｚｒ０２　、
ＴＩＯｔ　、Ａｌ１０３等の化合物を３層にわたり蒸着
処理しくマルチコート）、そのレンズをＩＰＡ（イソプ
ロピルアルコール）で洗浄した。

この種の蒸着技術は公知のものであるのでその詳細は省
略する。

信越化学工業株式会社から商品名ＫＰ８０１として発売
されでいる化学式Ｃ８Ｆｌ？　ＣＨ２Ｓ　１（ＮＨ＞　
　なる組成物をフロン１１２または１１３で１．５〜２
０倍に希釈した液に蒸着処理したレンズを室温で３０秒
浸漬した。その後レンズを室温〜８０″Ｃの乾燥空気に
１０秒〜１８０秒放置した後再度フロン１１２または１
１３に浸漬し、未反応のＣｓ　Ｆｊ７ＣＨ２Ｓ　ｉ　（
ＮＨ）　　ヲ洗浄し、ざらにフロン１１２または１１３
による蒸気洗浄し乾燥した。

なお、希釈液の種類、その希釈倍率、乾燥温度、その放
置時間の違いには有意差を認めることはできなかった。

また、乾燥後のレンズの外観や反射防止特性には何等変
化は見られなかった。

得られた被覆膜の評価は以下に示す方法を用いた。

■水ヤは性：　水道水をコート膜表面にたらし乾燥ざぜ
た後、布で残留物を拭きとった。

Ｏ：完全に拭きとれるＸニ一部拭きとれない。

■接触角Ａ：接触角９０”以上Ｂ：　　　４５〜９０’ Ｃ；　　　４５°未満 ■持続性：コート膜表面を布で１Ｋｇの荷重をかけ２０
００回摩擦し、その後の接触角を測定した。

Ａ；接触角９０°以上Ｂ：　　　４５〜９０’ Ｃ：　　　４５°未満 ■密着性：８０″Ｃの純水に３０分間浸漬した後のコー
ト膜の密着を調べた。密着性はＪＩＳＤ−２０２に準じ
て、クロスカッ１−テープ試験によった。

なお、効果を確認するために水やけ防止コート膜のない
同種のハード・マルチコートレンズを比較例として用い
た。

表　　１（実施例１）水ヤは性　接触角　持続性　密着性実施例１０　　　　　Ａ　　　　Ｂ　　　１００／１０
０比較例ＩＸ　　　　　ＣＣ１００／１００市販のデユ
ーサイクル・サンシャインウェザ−メーターによる４０
０時間促進耐候性試験においてもその効果は充分認めら
れた。

また実施例１において、ハードコートをせずマルチコー
トのみを施した場合も参考までに実施例２として表２に
示す。

１−−ｚユ叉里月ノ上水やけ性　接触角　持続性　密着性実施例２０　　　　　Ａ　　　　Ｂ　　　１００／１０
０比較例２Ｘ　　　　　ＣＣ５０／１００なお、水やけ
防止コート膜はその下のコート膜が金属酸化物からなる
ときはその種類による影響はほとんど見られず同様な効
果が確認された。

また、０８　Ｆ１７　ＣＨ２Ｓ　ｉ　（ＮＨ）　　なる
組成物の希釈液にレンズを浸漬する時間は長くしても全
く影響がないことが解った。

［発明の効果コ以上説明したように、本発明によれば金属酸化物からな
るコート膜表面に前記の硬化性有機けい素化合物よりな
る被覆膜形成剤を塗布することにより、コート膜の特性
を低下さぜることなく、高い水やけ防止効果が生じる。

また、表面の疎水性は水分によるコート膜全体の耐久性
の劣化を防ぐことができる。さらに表面の摩擦係数が低
いので耐摩耗性が向上する。

Claims

【特許請求の範囲】（１）金属酸化物で被覆された光学素子の被覆膜上に、
下記の一般式で示される硬化性有機けい素化合物よりな
る被覆膜形成剤を塗布したことを特徴とする水やけ防止
コート膜付き光学素子。［Ｒ′＿ａＳｉ（ＮＨ）〔＿４＿−＿ａ＿〕／＿２］＿
ｍ［Ｒ＾２＿ｂＳｉＯ〔＿４＿−＿ｂ＿〕／＿２］＿ｎ
（ここにＲ、Ｒは水素原子または同種あるいは異種の１
価の有機基から選択される原子または基、ａ、ｂは０〜
１．５の正数、ｍ≧１、ｎ≧０）（２）硬化性有機けい
素化合物が単位式ＣＨ＿３Ｓｉ（ＮＨ）＿１＿．＿５からなるものであることを特徴とする第１項の水やけ防
止コート膜付き光学素子。（３）硬化性有機けい素化合物が単位式ＣＨ＿３Ｓ（ＯＣＨ＿３）ＮＨからなるものであることを特徴とする第１項の水やけ防
止コート膜付き光学素子。（４）硬化性有機けい素化合物が単位式 ▲数式、化学式、表等があります▼ （ここにＲは水素原子またはメチル基、ｌ＝１〜３）か
らなるものであることを特徴とする第１項の水やけ防止
コート膜付き光学素子。（５）硬化性有機けい素化合物が単位式Ｃ＿ＰＦ＿２＿Ｐ＿＋＿２ＣＨ＿２ＣＨ＿２Ｓｉ（ＮＨ
）＿１＿．＿５（ここにＰは正の整数）からなるもので
あることを特徴とする第１項の水やけ防止コート膜付き
光学素子。（６）金属酸化物で被覆された光学素子が眼鏡レンズま
たはＣＲＴフィルタであることを特徴とする第１項乃至
第５項のいずれかの水やけ防止コート膜付き光学素子。