JPH04218538A - 防汚性物質およびその製造方法 - Google Patents

防汚性物質およびその製造方法

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JPH04218538A
JPH04218538A JP3078622A JP7862291A JPH04218538A JP H04218538 A JPH04218538 A JP H04218538A JP 3078622 A JP3078622 A JP 3078622A JP 7862291 A JP7862291 A JP 7862291A JP H04218538 A JPH04218538 A JP H04218538A
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Morio Kurasawa
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を透過し、反射し、
若しくは吸収する基材、例えば、ガラス(建築用、ショ
ーウィンドー用、ショーケース用、家具用、自動車用、
電車用、飛行機用、船舶用、時計用、照明器具用、額縁
用、各種計器およびカメラのカバー用、水槽用等)、プ
ラスチック(建築用、自動車用、オートバイ用、CRT
カバー用、文房具用、家庭用品用等)、ガラスレンズ(
カメラ用、ビデオカメラ用、双眼鏡用、ライフルスコー
プ用、測定機用等)、プラスチックレンズ(めがね用等
)、表面に反射防止膜を施したガラスレンズ、若しくは
プラスチックレンズ(めがね用等)、鏡(家庭用、自動
車用、建築用等)、映像表示管(テレビのブラウン管用
、CRTのブラウン管用、LCD用、TFT用、FL用
、カソードレイチューブ用等)、その他、セラミックス
、セラミックフォーム(自動車の廃棄ガス処理用、厨房
の排煙処理用等)、磁器や陶器(美術品、食器類、便器
類、タイル、碍子等)、各種の金属、皮革類、木材、若
しくは塗膜を有する木材(建築用木材、家具調度品、工
芸品、食器、仏具、仏壇等)、石(観賞用石、岩石、墓
石等)、動物性繊維、植物性繊維、化学繊維からなる織
物、塗装した金属、プラスチック(船舶、自動車、自動
二輪車、自転車、土木建設用機械、農業用機械、飛行機
、ミサイル等の部品)等の基材に撥水性、撥油性等の防
汚性を付与し、耐摩耗性を兼ね備えた防汚性物質および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、めがね用のプラスチック
レンズやガラスレンズはその表面に反射防止膜を施して
いるが、この反射防止膜は撥水性や撥油性に劣るため、
水や指紋、脂類、塵等が付着しやすく、一旦、付着した
指紋、脂類、塵等は容易に拭き取ることができず、取扱
いに注意を要する。このため、防汚性を付与することが
要望されている。
【0003】金属等の基材の表面にポリテトラフルオロ
エチレン、若しくはシリコーンオイルによる膜を形成す
ることにより、防汚性を得ることができることが知られ
ている。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンや
シリコーンオイルによる膜は薄く形成することができな
い。例えば、ポリテトラフルオロエチレンの膜をプラス
チックレンズ、若しくはガラスレンズの反射防止膜上に
形成した場合、ポリテトラフルオロエチレンの膜が厚い
ため、この膜と反射防止膜との間で干渉を生じ、これら
を透過した光に色が付き、若しくは光を透過しなくなり
、したがって、レンズに使用することはできない。この
レンズの反射防止膜上に形成する膜は単分子膜(1分子
長の膜厚)のような薄膜であれば、互いの干渉を防止す
ることができる。
【0004】このような単分子膜を基材上に形成するに
は、単分子膜を水面上に形成し、この水面に対して基材
を浸漬することにより、その基材の表面に単分子膜を移
し取るようにしたラングミュアー法が知られている。こ
のラングミュアー法による単分子膜は結晶性単分子膜と
非晶性単分子膜に分類することができ、水相温度が単分
子膜の融点以下の場合、展開直後に孤立した二次元微結
晶が形成され、圧縮するに従い、これら微結晶が寄せ集
められ、形態学的に見かけ上、均一な結晶性単分子膜と
なり、また、水相温度が単分子膜の融点以上の場合、展
開直後に非晶性ドメインが形成され、圧縮するに従い、
これらドメインが寄せ集められ、見かけ上、均一な非晶
性単分子膜となる。そして、非晶性単分子膜の冷却結晶
化により、結晶性単分子膜よりもはるかに低欠陥の単分
子膜を得ることができる。
【0005】従来、上記のようなプラスチックレンズ、
若しくはガラスレンズの反射防止膜上に単分子膜を形成
するには、常温硬化性のポリシラザン、ポリシロキサザ
ンのいずれかの硬化皮膜形成剤(3重量%)をフロン1
13(97重量%)で希釈した溶液に上記基材を約3分
間浸漬する。このとき、単分子膜の厚さ制御が難しいた
め、必要以上の膜厚に形成した後、余分な膜厚を脱落さ
せるが、上記方法で単分子膜を形成すると、その表面に
異物が付着するおそれがあり、この異物の洗浄を兼ねて
上記の余分な膜厚をフロン113の蒸気により脱落させ
、その後、約1時間乾燥させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法により単分子膜を形成すると、温度管
理が難しく、全面に亘って非晶性とすることができず、
しかも、基材の温度も高めることができないため、密着
性、耐久性、対摩耗性に劣り、歩留も悪い。また、装置
が大掛りであり、工程が複雑で管理が難しい。また、余
分な膜厚をフロン113の蒸気で脱落させている。しか
しながら、このフロン113の消耗が激しいため、その
管理が難しく、しかも、上記フロン113を大量使用す
ることにより現在問題となっている大気圏のオゾン層の
破壊の原因となるフロンガスが大量に発生する。
【0007】そこで、本発明者は、常温硬化性のポリシ
ラザン、若しくはポリシキロサザンからなる硬化皮膜形
成剤のコーティング方法について種々試験、研究した結
果、上記硬化皮膜形成剤を真空蒸着法により基材上に形
成することにより、防汚性である撥水性と撥油性を有し
、密着性、耐久性、耐摩耗性に優れた非晶性単分子膜を
短時間で簡単に歩留良く形成することができ、しかも、
上記のように真空蒸着法で基材上に単分子膜を形成する
ことにより、その形成時に異物の付着のおそれがないの
で、単分子膜の余分な膜厚をフロン113を用いること
なく脱落させることができることを見出し、これに基づ
き、本発明の防汚性物質およびその製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の防汚性物質は、基材上に常温硬化性のポリシ
ラザン、ポリシロキサザンのいずれかの硬化皮膜形成剤
からなる非晶性単分子膜を形成したものである。
【0009】また、上記目的を達成するための本発明の
防汚性物質の製造方法は、常温硬化性のポリシラザン、
ポリシロキサザンのいずれかの硬化皮膜形成剤の溶液を
真空中で蒸発させ、基材上に上記硬化皮膜形成剤からな
る非晶性単分子膜を形成するようにしたものである。
【0010】そして、上記硬化皮膜形成剤の溶液は硬化
皮膜形成剤をフッ素系溶媒により希釈する。非晶性単分
子膜を形成する基材としては、ガラス、ガラスレンズ、
鏡、プラスチック、プラスチックレンズ、金属、セラミ
ックス、磁器、陶器、皮革、木材、石、織物、塗装した
金属、プラスチック、木材、若しくはハードコートを有
するガラス、プラスチック、金属、セラミックス等を用
いることができる。上記常温硬化性のポリシラザン、若
しくはポリシロキサザンからなる硬化皮膜形成剤は、下
記の(化1)の一般式で示される硬化性有機けい素化合
物である。
【0011】
【化1】
【0012】ここで、R1、R2は水素原子または同種
あるいは異種の1価の有機基、例えば、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、またはパ
ーフルオロアルキル基のような基の炭素原子に結合した
水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換した同
種または異種のハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、
加水分解可能な基、更にはエポキシ基などの官能基を含
有するNH2CH2CH2CH2−基などのような置換
炭化水素基から選択される原子または基、a、bは0〜
1.5の正数、m≧1、n≧0のものである。上記硬化
性有機けい素化合物としては、例えば、下記の(化2)
〜(化5)に示す構成単位式のものを用いる。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】 (ここで、Pは正の整数)
【0017】上記非晶性単分子膜は0.1nm未満の膜
厚では膜厚制御がしにくく、300nmを超えると、そ
の超えた部分が脱落しやすいので、0.1nm〜300
nmの範囲で膜厚を選択するのが好ましい。特に、プラ
スチックレンズやガラスレンズに用いる場合には、12
0nmを超えると、例えば、反射防止膜を施したレンズ
を基材として用いた場合に反射防止膜との間で干渉を生
じるので、10nm〜120nmの範囲で膜厚を選択す
るのが好ましい。
【0018】
【作用】したがって、本発明によれば、常温硬化性のポ
リシラザン、ポリシロキサザンのいずれかからなる硬化
皮膜形成剤を用いることにより撥水性、撥油性を得るこ
とができる。また、単分子膜で薄いので、例えば、プラ
スチックレンズやガラスレンズの反射防止膜上に用いて
も干渉が生じるのを防止することができ、しかも、上記
単分子膜は非晶性で低欠陥であるので、硬度に優れ、耐
久性、耐摩耗性を向上させることができる。
【0019】また、真空蒸着法により基材上に上記硬化
皮膜形成剤の単分子膜を形成することにより、真空中で
は結晶水が除去されるので、硬度に優れ、耐久性、耐摩
耗性を向上させることができるようにした低欠陥の非晶
性単分子膜を短時間で簡単に形成することができる。し
かも、上記のように真空蒸着法により基材上に非晶性単
分子膜を形成することにより、上記硬化皮膜形成剤が活
性に富むと共に、蒸着時に基材が暖められてその表面が
活性化されているので、1分子長の非晶性単分子膜を基
材上に強固に密着させることができる。また、非晶性単
分子膜は300nmを超えると簡単に脱落させることが
でき、したがって、フロン113を用いる必要がなくな
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。n
−C8F17CH2CH2SiOl350重量部、トリ
クロロモノフルオロメタン750重量部からなる液中に
乾燥したアンモニアガスを導入して液温を上昇させるこ
とにより、トリクロロモノフルオロメタンが還流状態と
なった。このようにして15.5重量部のアンモニアガ
スを吹込んだ後、アンモニアガスの導入を停止し、次い
で、還流下に窒素ガスを導入しながら4時間加熱攪拌し
、析出した塩化アンモニウムをろ別し、ろ液からトリク
ロロモノフルオロメタンを蒸発させて除去し、39.8
重量部のポリシラザンからなる硬化皮膜形成剤である白
色固体粉末を得た。
【0021】そして、まず、真空蒸着装置内のタングス
テン(モリブデン、タンタル等を用いることもできる)
からなる抵抗加熱用ボート内にポリシラザンをフッ素系
溶媒(フロン規制対象外)であるトリクロロモノフルオ
ロメタンで3重量%濃度となるように希釈した溶液を適
量準備した。次に、真空ポンプを駆動して真空装置内を
6×10−5(6×10−4〜6×10−5の範囲で選
択することができる)ミリバール程度の真空度にした。 次に、抵抗加熱用ボートに通電し、ポリシラザンの溶液
を蒸発させ、無加熱(常温)の基材上にポリシラザンの
単分子膜を付着させた。このとき、基材は無加熱であっ
ても、上記のように抵抗加熱用ボートに通電して160
0℃程度に加熱しているので、真空装置の雰囲気は加熱
され、したがって、基材も暖められている。そして、所
望量のポリシラザンの溶液を所望時間、蒸発させること
により、単分子の微結晶の大きさを大きく増加した非晶
性の単分子膜を得ることができた。その後、非晶性の単
分子膜を冷却結晶化することにより、低欠陥の単分子膜
を得ることができた。このとき、抵抗加熱用ボートに通
電する電流値と時間を制御することにより、ポリシラザ
ンの単分子の微結晶の大きさを0.1nm〜300nm
へと大きく増加し、基材上でのポリシラザンの単分子膜
の膜厚を制御することができ、このときのポリシラザン
の溶液と非晶性単分子膜の膜厚の関係は下記のとおりで
あった。 0.1  cc以下  :    約10nm以下1.
0  cc      :  約100nm1.2  
cc      :  約120nm3.0  cc以
上  :  約300nm以上
【0022】また、単分
子膜の成長の状態を試験するために次のように制御した
。 (1)ポリシラザンの溶液を真空蒸着装置内で連続的に
蒸発させ、基板上に300nmの膜厚に形成した。 (2)ポリシラザンの溶液を真空蒸着装置内で蒸発させ
、まず、基板上に150nmの膜厚に形成して蒸発を停
止し、真空状態を保持して再び蒸発させ、150nmの
膜厚、計300nmの膜厚に形成した。 (3)ポリシラザンの溶液を真空蒸着装置内で蒸発させ
、まず、基板上に200nmの膜厚に形成して蒸発を停
止し、真空状態を保持して再び蒸発させ、150nmの
膜厚、計350nmの膜厚に形成した。 (4)ポリシラザンの溶液を真空蒸着装置内で蒸発させ
、まず、基板上に300nm未満の任意の膜厚に形成し
て蒸発を停止し、この単分子膜が形成された基板を一度
空気中に放置した後、再び真空蒸着装置内に設置してポ
リシラザンの溶液を蒸発させた。その結果、(1)、(
2)の場合においては摩擦に対して欠落が認められなか
ったが、(3)の場合においては摩擦に対して300n
mを超えた50nm分の欠落が認められた。また、(4
)の場合においては再蒸発時の膜厚の成長が認められな
かった。
【0023】ポリシラザンの単分子膜は、シラザン結合
が加水分解するときに生成するシラノール基が活性に富
むものであり、これにより接着性が著しく高められ、し
かも、基材の表面が暖められて活性化しているので、ポ
リシラザンが基材に対して強固に密着するものと推測さ
れる。また、上記の試験結果から明らかなように、ポリ
シラザンの溶液を真空蒸着装置内で蒸発させることによ
り、ポリシラザンの1分子長の1層の非晶性単分子膜を
300nmまで生成させることができることが推測され
る。そして、300nmを超えた部分は容易に脱落する
ことがわかった。そこで、基材をこれに付着したポリシ
ラザンの非晶性単分子膜と共に、メタ−キシレンヘキサ
フロライド溶液に浸漬したところ単分子膜の300nm
を超えた部分を脱落させ、上記のような1分子長の非晶
性単分子膜を得ることができ、フロン113を用いるこ
となく、薄い非晶性単分子膜を基材上に隙間なく形成す
ることができた。
【0024】実施例1〜14においては、基材としてポ
リメチルメタクリレート(PMMA)からなるプラスチ
ックレンズを用い、実施例15〜28においては、基材
として反射防止膜処理を施したジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート(CR−39)からなるプラスチ
ックレンズを用い、実施例29〜42においては、基材
としてガラス板を用い、実施例43〜56においては、
基材として反射防止膜処理を施したガラスレンズを用い
、それぞれポリシラザンの溶液と蒸着時間を変えて蒸着
した。膜厚が300nmを超えた部分はメタ−キシレン
ヘキサフロライド溶液により簡単に脱落させることがで
きた。そして、各実施例において、レンズ凸面では凸面
の頂点を可能な限り水平に維持し(±3°は許容範囲)
、平面では水平を維持し(±3°は許容範囲)、接触角
計(コンタクタングルメータ)により接触角を測定した
結果を下記の(表1)〜(表4)に示す(なお、コンタ
クタングルメータによる接触角測定においては±2°の
誤差を生じ、下表では測定の最大値を示している。)。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】上記各実施例の接触角度からも明らかなよ
うに、基材上に形成されたポリシラザンからなる非晶性
単分子膜は撥水性に優れていることを確認することがで
きた。また、ポリシラザンの量と蒸着時間の選択により
0.1nm以上の膜厚で非晶性単分子膜を得ることがで
き、そして、接触角度は102.0°以上となり撥水性
を得ることができることを確認することができた。また
、上記実施例のガラス板を用いて観賞用水槽を形成し、
水を満たして苔の発生試験を行った結果、60日後まで
にはまったく発生せず、90日後で僅に確認することが
できた。このように撥水性を確認することができたので
、曇り止め効果を併せて試験した結果、この曇り止め効
果を有することも確認することができた。また、各実施
例において、指紋、脂類、塵を極めて簡単に拭き取るこ
とができ、撥油性にも優れていることを確認することが
できた。また、各実施例において、3kgs圧による耐
摩耗性の試験を行った結果、いずれも10,000回に
耐え、耐久性、耐摩耗性にも優れていることを確認する
ことができた。また、基材として上記各実施例のプラス
チックレンズ、ガラス板、ガラスレンズにおいて、ビッ
カース硬度試験機による測定結果からビッカース硬度8
、すなわち、サファイヤと同等の硬度が得られ、これか
らも耐摩耗性に優れていることがわかった。
【0030】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。基材としてセラミックス、若しくはセラミックフォ
ームを用い、上記のように0.1nm〜300nmの範
囲の膜厚でポリシラザンの非晶性単分子膜を形成した。 その結果、上記と同様、撥水性、撥油性を得ることがで
きると共に、ビッカース硬度が8、すなわち、サファイ
ヤと同等の硬度を得ることができ、耐摩耗性の向上を図
ることができることがわかった。特に、セラミックフォ
ームの場合には、自動車の廃棄ガス処理、厨房の排煙処
理に最適である。また、いずれにおいても上記ポリシラ
ザンが電気絶縁性を有しているので、電気絶縁体として
も有効である。
【0031】基材として美術品、食器類、便器類、タイ
ル、碍子を構成した磁器や陶器を用い、上記のように0
.1nm〜300nmの範囲の膜厚でポリシラザンの非
晶性単分子膜を形成した。その結果、上記と同様、撥水
性、撥油性を得ることができると共に、ビッカース硬度
が8、すなわち、サファイヤと同等の硬度を得ることが
でき、耐摩耗性の向上を図ることができることがわかっ
た。また、上記ポリシラザンが電気絶縁性を有している
ので、電気絶縁体として有効である。
【0032】基材として各種の金属を用い、上記のよう
に0.1nm〜300nmの範囲の膜厚でポリシラザン
の非晶性分子膜を形成した。その結果、上記と同様、撥
水性、撥油性を得ることができると共に、ビッカース硬
度が8、すなわち、サファイヤと同等の硬度を得ること
ができ、耐摩耗性の向上を図ることができることがわか
った。また、上記ポリシラザンが電気絶縁性を有してい
るので、電気絶縁体、例えば、導線の被覆材として有効
である。
【0033】基材として自動車等の各種輸送機器、土木
建設用機械等の各種機械の塗装した金属、若しくはプラ
スチック製の部品を用い、塗膜上より上記のように0.
1nm〜300nmの範囲の膜厚でポリシラザンの非晶
性単分子膜を形成した。その結果、上記と同様、撥水性
、撥油性を得ることができると共に、十分な硬度を得る
ことができ、耐摩耗性の向上を図ることができることが
わかった。特に、海中で使用する基材については撥水性
により貝類の付着を防止することができることがわかっ
た。
【0034】基材としてプラスチックを用い、上記のよ
うに0.1nm〜300nmの範囲の膜厚でポリシラザ
ンの非晶性単分子膜を形成した。その結果、上記と同様
、撥水性、撥油性を得ることができると共に、ビッカー
ス硬度が8、すなわち、サファイヤと同等の硬度を得る
ことができ、耐摩耗性の向上を図ることができることが
わかった。
【0035】この他、基材として皮革類(毛皮を含む)
、木材、若しくは塗装した木材(建築用木材、家具調度
品、工芸品、食器、仏具、仏壇)、墓石、動物性繊維、
植物性繊維、化学繊維からなる織物を用い、上記のよう
に0.1nm〜300nmの範囲の膜厚でポリシラザン
の非晶性単分子膜を形成した。その結果、いずれも上記
と同様、撥水性、撥油性、耐摩耗性を得ることができた
【0036】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ポリシラ
ザン、若しくはポリシロキサザンからなる硬化皮膜形成
剤を用いることにより撥水性、撥油性を得ることができ
る。また、単分子膜で薄いので、例えば、プラスチック
レンズやガラスレンズの反射防止膜上に用いても干渉が
生じるのを防止することができ、しかも、上記単分子膜
は非晶性で低欠陥であるので、硬度に優れ、耐久性、耐
摩耗性を向上させることができる。
【0037】また、真空蒸着法により基材上に上記硬化
皮膜形成剤の単分子膜を形成することにより、真空中で
は結晶水が除去されるので、硬度に優れ、耐久性、耐摩
耗性を向上させることができるようにした低欠陥の非晶
性単分子膜を短時間で簡単に形成することができ、した
がって、製造上の歩留を向上させることができる。しか
も、上記のように真空蒸着法により基材上に非晶性単分
子膜を形成することにより、上記硬化皮膜形成剤が活性
に富むと共に、蒸着時に基材が暖められてその表面が活
性化されているので、1分子長の非晶性単分子膜を基材
上に強固に密着させることができる。また、非晶性単分
子膜は300nmを超えると簡単に脱落させることがで
き、フロン113を用いることなく、メタ−キシレンヘ
キサフロライド溶液等により脱落させることができる。 したがって、フロンガスによるオゾン層の破壊等の環境
汚染を防止することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基材上に常温硬化性のポリシラザン、
    ポリシロキサザンのいずれかの硬化皮膜形成剤からなる
    非晶性単分子膜が形成された防汚性物質。
  2. 【請求項2】  基材がガラス、ガラスレンズ、鏡、プ
    ラスチック、プラスチックレンズ、金属、セラミックス
    、磁器、陶器、皮革、木材、石、織物、塗装した金属、
    プラスチック、木材、若しくはハードコートを有するガ
    ラス、プラスチック、金属、セラミックスから選ばれる
    請求項1記載の防汚性物質。
  3. 【請求項3】  非晶性単分子膜の厚さが0.1nm〜
    300nmの範囲で選択される請求項1または2記載の
    防汚性物質。
  4. 【請求項4】  常温硬化性のポリシラザン、ポリシロ
    キサザンのいずれかの硬化皮膜形成剤の溶液を真空中で
    蒸発させ、基材上に上記硬化皮膜形成剤からなる非晶性
    単分子膜を形成する防汚性物質の製造方法。
  5. 【請求項5】  基材がガラス、ガラスレンズ、鏡、プ
    ラスチック、プラスチックレンズ、金属、セラミックス
    、磁器、陶器、皮革、木材、石、織物、塗装した金属、
    プラスチック、木材、若しくはハードコートを有するガ
    ラス、プラスチック、金属、セラミックスから選ばれる
    請求項4記載の防汚性物質の製造方法。
  6. 【請求項6】  硬化皮膜形成剤の溶液は硬化皮膜形成
    剤をフッ素系溶媒により希釈している請求項4記載の防
    汚性物質の製造方法。
  7. 【請求項7】  非晶性単分子膜の厚さを0.1nm〜
    300nmの範囲で選択する請求項4ないし6のいずれ
    かに記載の防汚性物質の製造方法。
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