JPH10292151A - 撥水処理光学要素 - Google Patents

撥水処理光学要素

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JPH10292151A
JPH10292151A JP9100191A JP10019197A JPH10292151A JP H10292151 A JPH10292151 A JP H10292151A JP 9100191 A JP9100191 A JP 9100191A JP 10019197 A JP10019197 A JP 10019197A JP H10292151 A JPH10292151 A JP H10292151A
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JP
Japan
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water
repellent
optical element
layer
silicone oil
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Withdrawn
Application number
JP9100191A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Kato
裕久 加藤
Masanori Sugiura
正宣 杉浦
Tomonori Aoki
智則 青木
Kazunori Miyashita
和典 宮下
Hiroyuki Seki
浩幸 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OPUTORON KK
Itoh Optical Industrial Co Ltd
Seiko Epson Corp
Original Assignee
OPUTORON KK
Itoh Optical Industrial Co Ltd
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性に優れていると共に、耐久性に優れて
いる撥水処理光学要素を提供すること。 【解決手段】 接触角が80°以上の撥水処理層が、下
記一般式で示される動粘度(25℃)1〜100cSt
であるハイドロジエン型シリコーンオイルの蒸着膜で形
成されてなることを特徴とする撥水処理光学要素。 【化1】 (ここで、Rは、メチル基または水素を示し、a、b
は、0≦a≦100、1≦b≦200、1≦a+b≦3
00を満たす整数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水処理光学要素に関
する。特に、眼鏡用・写真用レンズとして好適な発明で
ある。
【0002】本明細書で、配合単位は、特に断らない限
り、重量単位である。
【0003】
【従来の技術】眼鏡用や写真用レンズの場合、水滴が付
着すると、結像がゆがめられるため、水滴が付着しがた
いことが望ましい。水滴付着の原因は、親水性の無機ガ
ラス基材や、有機ガラス基材の表面に、反射率低減また
は増大のために親水性の金属酸化物・ハロゲン化物層
(以下「金属酸化物層等」)に、手あか・塵埃等の汚れ
が付着したり、また、微細な傷が発生したりすると、不
均一な親水性面となるためである。
【0004】そして、前記金属酸化物層等は、通常、真
空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等で代
表されるPVD(Physical Vapor deposition :物理蒸
着メッキ)法で形成されている。このため、金属酸化物
層等の表面は微細凹凸が存在し、より汚れ等が付着し易
く、付着後も除去しがたいとともに、微細な傷も発生し
易い。従って、金属酸化物層等が表面に形成されている
場合、水滴付着の傾向が増大する。
【0005】このような場合、撥水処理をすることが考
えられる。当該撥水処理層は、撥水性に優れていること
は勿論、耐久性に優れていることが望ましい。
【0006】そして、上記金属酸化物層(無機コート
膜)を撥水処理を行う従来技術として、下記のような特
許文献がある。
【0007】特開昭62−169102号公報:塗布
(浸漬等)やガス化反応によりハロゲン化シラン化合物
を、無機コート膜に反応させて撥水処理を行う。
【0008】特開平5−215905・6−3409
66号公報:フルオロアルキルシラザン等のシラン化合
物を多孔性材料(燒結フィルター・スチールウール等)
に含浸させて、無機コート膜に真空下・加熱蒸着させて
撥水処理を行う。
【0009】特公平6−5324号公報:有機ポリシ
ロキサン系重合物またはパーフルオロアルキル基含有化
合物を重合してなる重合物からなる有機物含有硬化物質
層を、浸漬後・硬化(反応)させて無機コート膜上に形
成することにより形成して撥水処理を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の撥
水処理技術は、下記のような問題点があることが分かっ
てきた。
【0011】上記に記載の方法の場合、ハロゲン化シ
ラン化合物を反応させるため、塗膜形成の段階で塩化水
素が発生が避けられず、雰囲気汚染や金属製設備の錆発
生が促進され易い。
【0012】上記で使用する撥水剤は、いずれも反応
性を有するモノマー性のシラン化合物であるため、撥水
剤のポットライフが短く、安定した撥水性(耐水性・滑
り性等)を得難い。
【0013】また、上記やの如くフッ素含有シラン
化合物を使用する場合は、撥水剤の価格が高いという問
題点もある。
【0014】金属酸化物層を真空蒸着により形成する場
合は、上記の如く、同一の真空蒸着槽を使用して撥水
処理を行うことが、生産性・効率の面から望ましい。
しかし、上記の撥水処理を行う場合は、撥水剤の受け
皿として、多孔性材料を使用する。このため、撥水剤と
空気との接触面積が増大し、撥水剤が空気中の水分と反
応して、使用期間がより短くなり、安定した撥水性を得
難くなる。
【0015】更には、上記の方法において光学要素基
材が有機ガラスの場合、有機ガラス表面で架橋硬化させ
るため、収縮歪みを生じ易く、光学性能に悪影響を与え
るおそれがある。
【0016】本発明は、上記にかんがみて、耐久性に優
れた撥水処理膜を有し、かつ、撥水剤の使用期間が長く
て、安定した撥水性が得られる撥水処理光学要素を提供
することを目的とする。
【0017】本発明の他の目的は、有機ガラス表面での
撥水処理膜に基づく収縮歪みがほとんど発生せず、光学
性能に悪影響を与えない撥水処理光学要素を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る撥水処理光
学要素は、上記課題を、下記構成により解決するもので
ある。
【0019】接触角が80°以上の撥水処理層が、下記
一般式で示される動粘度(25℃)1〜100cStで
あるハイドロジエン型シリコーンオイル(1) 、又は、該
ハイドロジエン型シリコーンオイルに加えて下記〜
の要件を満たす非反応性シリコーン樹脂(2) の蒸着膜で
形成されてなることを特徴とする。
【0020】(1) ハイドロジエン型シリコーンオイル
【0021】
【化2】
【0022】(ここで、Rは、メチル基または水素を示
し、a、bは、0≦a≦100、1≦b≦200、1≦
a+b≦300を満たす整数) (2) 非反応性シリコーン樹脂 繰り返し単位がRSiO3/2 で、末端が(CH33
SiO1/2 で、封止されてなるポリオルガノシロキサン
(但し、R:アルキル、アリール、またはハロゲン化ア
ルキル。) 数平均分子量(GPC法:ポリスチレン換算)が、3,
000 〜200,000 軟化点が、60〜150℃ なお、上記GPC法とは、ゲルマトパーミエーションク
ロマトグラフィーの略で、ポリスチレンゲルを用いて測
定したものである。
【0023】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明を行う。
【0024】(1) 本発明は、特定のハイドロジエン型シ
リコーンオイル(a) 、または、該ハイドロジエン型シリ
コーンオイルに加えて特定の非反応性シリコーン樹脂
(b) を蒸着して撥水処理層を形成した場合、該撥水処理
層が、撥水性能に優れるとともに、耐久性にも優れるこ
と見出したことにある。
【0025】(a) ここで、特定のハイドロジエン型シリ
コーンオイルとは、下記一般式で示され動粘度(25
℃)1〜100cSt、望ましくは、10〜50cSt
であるものとする。
【0026】
【化3】
【0027】(ここで、Rは、メチル基または水素を示
し、a、bは、0≦a≦100、1≦b≦200、1≦
a+b≦300を満たす整数) 具体的には、「TSF484」、「TSF483」の商
品名で東芝シリコーン株式会社から上市されているもの
を使用可能である。各物性を下記する。
【0028】「TSF484」:ジメチルシロキシ単位
の全てメチルハイドロジエンシロキシ単位で置換したも
の。動粘度(25℃)=25cSt 「TSF483」:ジメチルシロキシ単位の一部をメチ
ルハイドロジエンシロ キシ単位で置換したもの。動粘
度(25℃)=60cSt (b) 特定の非反応性シリコーンオイルとは、下記要件
〜を満たすものとする。
【0029】繰り返し単位がRSiO3/2 で、末端が
(CH33 SiO1/2 で、封止されてなるポリオルガ
ノシロキサン(但し、R:アルキル、アリール、または
ハロゲン化アルキル。) 数平均分子量(GPC法)が、3,000 〜200,000 (望
ましくは、15,000〜100,000 ) 軟化点が、60〜150℃(望ましくは、80〜12
0℃) 具体的には、特開平4−178428号公報の特許請求
の範囲の欄に記載の下記構成のもののうちから上記〜
の要件を満たすものを使用でき、製造方法の具体例
は、本件公報に記載されている。
【0030】 「RSiO3/2 単位 30〜99モル% R2 SiO 単位 0〜80モル% R3 SiO1/2 単位 1〜20モル% およびSiO2 単位 0〜50モル% (式中、ここで、Rは非置換の1価の炭化水素基および
/またはポリフルオロアルキル基を表す。)より構成さ
れ、平均分子量が500以上であり且つシラノール基が
0.5%以下であることを特徴とする非反応性シリコー
ン樹脂。」 ここで、上記〜に限定した理由は、下記の通りであ
る。
【0031】(i) 非反応性レジンを固形化するには、R
SiO3/2 ポリマーを主体にすることが製造上、不可欠
である。
【0032】(ii)上記の組成から軟化点60〜150
℃に対応する分子量は、3,000 〜200,000 である。
【0033】(iii) 軟化点が60℃以上でないと常温で
固形化しないため、製品化が困難である。
【0034】また、上記撥水処理層の膜厚は、通常、1
〜100nm、光学的要求が厳しい場合、通常、光学膜
厚5nmとする。
【0035】(2) 本発明の撥水処理層であるハイドロジ
エンタイプシリコーンオイル、または、該シリコーンオ
イルに加えて非反応性シリコーン樹脂の蒸着膜をセラミ
ックス層上に形成する方法としては、特に限定されない
が、下記各公報で提示されている方法が望ましい。
【0036】第一手法(特開平4−72055号公報
の請求項2参照) 「有機系保護被膜の形成が、真空中で気化し得る有機系
被膜形成物質を含浸固化させた多孔性セラミックスを加
熱することによって行われる。」 第二手法(特開平6−340966号公報の請求項1
参照) 「真空槽内で有機系被膜形成物質を加熱・蒸発せしめ、
無機コート膜上に有機系被膜を形成する表面処理方法に
おいて、該有機系被膜形成物質を繊維状の導電性物質の
塊に付着させ、それを加熱し、該無機コート膜上に該有
機系被膜を形成する。」 本発明に非反応性シリコーン樹脂を蒸着させる場合の上
記第一手法・第二手法の条件は、それぞれ下記の通りと
する。
【0037】第一手法:真空度10-3〜10-7Torr、
蒸発源温度300〜800℃、時間1〜5分間 第二手法:真空度10-3〜10-7Torr、蒸発源温度3
00〜500℃、時間1〜5分間 (3) 本発明を適用する基材としては、無機ガラス、有機
ガラスを問わない。ポリメチルメタクリレート、ポリジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタ
ン、その他が挙げられる。
【0038】無機ガラスの場合は、直接、シリコーンオ
イル、該シリコーンオイル及び非反応性シリコーン樹脂
を蒸着し、撥水処理することができる。
【0039】有機ガラスの場合は、基材とシリコーンオ
イルやシリコーン樹脂との密着が劣るため、本撥水処理
前にセラミックス蒸着膜を形成することが必須となる。
該セラミックス蒸着膜は、通常、反射防止膜やハーフミ
ラー膜を兼ねる。
【0040】使用するセラミックスとしては、各種金属
酸化物、金属ハロゲン化物を使用できる。金属酸化物と
しては、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化
イットリウム等を挙げることができる。
【0041】また、金属ハロゲン化物としては、フッ化
マグネシウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン、フッ
化ネオジウム等を挙げることができる。
【0042】また、有機ガラスの種類によっては、残留
モノマー、水分等のガスが発生するため、予めシリコー
ン系、アクリル系等のガス防止用コートを施すことも必
要である。
【0043】一般には、上記無機物を蒸着処理する前
に、ガス及び硬度の対策として、有機ガラスの上にハー
ドコート層を施すことが多い。
【0044】ハードコート層としては、通常、下記一般
式で示される有機シラン化合物および/またはその部分
加水分解物の硬化物で形成することが望ましい(特公平
6−5324号公報等参照)。
【0045】R1 a2 bSi(OR34-a-b (ここで、R1 、R2 は各々アルキル基、アルケニル
基、アリール基、またはハロゲン基、エポキシ基、グリ
シドキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリロオキ
シド基あるいはシアノ基を有する炭化水素基、R3 は炭
素数が1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
シル基、アリール基、aおよびbは0または1、かつ、
a+bは0、1または2である。) また、耐衝撃性改善のために、上記ハードコート層とガ
ラス基材との間にウレタン樹脂等からなるプライマー層
を慣用の手段で形成することも可能である(特開平6−
118203・5−142401・3−109502
号、特開昭63−87223号公報等)。
【0046】(4) 本発明は、各種光学要素に適用可能で
あり、具体的には、眼鏡レンズ、カメラレンズ、パソコ
ンのディスプレー等に付設する光学フィルター、各種光
学フィルター、自動車用窓ガラス等、その他である。
【0047】
【発明の効果】本発明の撥水処理光学要素は、上記構成
により、後述の実施例で示す如く、耐久性に優れた撥水
処理膜を有し、かつ、撥水剤の使用期間が長くて、安定
した撥水性が得られる。
【0048】撥水剤のポットライフが長く、従来技術に
比して、安定した撥水性(耐水性・滑り性等)を得易
い。
【0049】生産性の見地から、多孔性材料を撥水剤の
受け皿として真空加熱蒸着により撥水処理するに際して
も、撥水剤が空気中の水分と反応して、使用期間がより
短くなるようなことはなく、安定した撥水性を得易い。
【0050】光学要素基材が有機ガラスであつても、撥
水処理膜に基づく収縮歪みが小さく、光学性能に悪影響
を与えない。
【0051】本発明に使用する撥水剤は、フッ素含有シ
ラン化合物に比して安価であり、上記生産性と相まっ
て、光学要素の撥水処理コストの低減化も可能となる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行っ
た、実施例について比較例とともに説明をする。以下の
説明で、「部」は「重量部」を意味する。
【0053】<試験片の調製>表1〜2に示す組み合わ
せで、基材上に、単層または複層の処理膜を形成した。
【0054】(1) 各基材の符号はそれぞれ下記仕様のも
のに各下記前処理を施したものである。
【0055】「G」:白板ガラス、屈折率1.53(λ
=520nm) 30mmφ、厚さ1.2mmの平板 ;アセトン含浸木綿布で拭く。
【0056】「P−1」:ポリメチルメタアクリレー
ト、屈折率1.49(λ=520nm)、70mmφ、プ
ラノレンズ(中心厚:1.8mm) 三菱レーヨン(株)製、商品名「アクリペット」 ;アルコール含浸木綿布で拭く。
【0057】「P−2」:ポリジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート 屈折率1.50(λ=520nm)、70mmφ、プラノ
レンズ(中心厚:1.9mm) ;10%濃度苛性ソーダ液(50℃)に3分間浸漬後、
水洗いをを十分にしたものを、アルコール含浸木綿布で
拭く。
【0058】「P−3」:チオウレタン系ポリマー、屈
折率1.66(λ=520nm)、70mmφ、プラノレ
ンズ(中心厚1.2mm) 三井東圧化学(株)製、商品名「MR−7」(モノマ
ー) ;3%濃度苛性ソーダ液(50℃)を3分間浸漬後、水
洗いを十分にしたものを、アルコール含浸布で拭く。
【0059】(2) ハードコート層の符号はそれぞれ下記
ハードート液を、下記塗布方法により形成したものであ
る。
【0060】「HD−1」: (液調製)メチルトリメトキシシラン150部、ケイ酸
エチル50部、イソプロピルアルコール180部を混合
し、10-2NHClを46部添加して混合し、加水分解
を行い、さらに、酢酸カリウムを8部添加、溶解させて
ハードコート液HD−1を作成した。
【0061】(塗布方法)P−1基材をHD−1液に浸
漬、引き上げスピード150mm/min で引き上げ後、8
0℃で2時間乾燥させた。なお、膜厚は2.0μm、屈
折率は1.47であった。
【0062】「HD−2」: (液調製)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン100部、ケイ酸エチル30部、メチルアルコール1
00部を混合し、10-2NHClを30部添加して混合
し、加水分解を行い、さらに、メタノールシリカゾル
(酸化ケイ素30部、平均粒径15nm)を200部添
加して混合し、さらに、触媒として、アセチルアセトン
アルミニウムを8部添加、溶解させてハードコート液H
D−2を作成した。
【0063】(塗布方法)P−2基材をHD−2液に浸
漬、引き上げスピード120mm/min で引き上げ後、1
00℃で2時間乾燥させた。なお、膜厚は2.3μm、
屈折率は1.51であった。
【0064】「HD−3」: (液調製)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン100部、ケイ酸エチル10部、メチルアルコール5
0部を混合し、10-2NHClを26部添加して混合
し、加水分解を行い、さらに、メタノールチタニアゾル
(酸化チタン30部、平均粒径17nm)220部を添
加して混合し、さらに、触媒として、アセチルアセトン
アルミニウムを8部添加、溶解させてハードコート液H
D−3を作成した。
【0065】(塗布方法)P−3基材をHD−3液に浸
漬、引き上げスピード120mm/min で引き上げ後、1
00℃で2時間乾燥させた。膜厚は2.5μm、屈折率
は1.66であった。
【0066】(3) セラミックス蒸着層 各セラミックス蒸着層の符号はそれぞれ下記仕様(λ=
520nm)となるように、蒸着装置として「シンクロ
ン(株)製VE800型」を使用し、各層を蒸着したも
のである。
【0067】「S−1」:膜厚0.25λのSiO2
層膜 「S−2」:膜厚0.25λのMgF2 単層膜 「AR−1」:基材またはハードコート層側から、0.
15λZrO2 /0.25λSiO2 からなる反射防止
膜 「M−1」:基材側から0.25λZrO2 /0.25
λSiO2 の交互の8層膜からなるハーフミラー膜 「AR−2」:ハードコート層側から0.25λSiO
2 /0.25λZrO2 の交互の4層膜に、最上層0.
25λSiO2 からなる反射防止膜 (4) 撥水処理層 各撥水処理層の符号はそれぞれ、下記A・B受け皿に下
記各撥水剤を添加して、蒸発装置「シンクロン(株)製
VE800型」内にセットし、加熱源として、A受皿の
とき電子銃(出力4kV×7mA)、B受け皿のときタ
ングステン製抵抗加熱ボート(幅30mm、長さ70mm、
厚さ0.2mm)で、それぞれ撥水剤を蒸発させ、撥水層
を形成させた。
【0068】A受皿:スチールウール(日本スチール
ウール(株)製、#0、線径0.025mm)1を外径1
8mm、高さ7mm、肉厚2mmで、上方が解放の円筒形の銅
に詰めたもの。
【0069】B受皿:酸化ジルコニウムの粉末に、有
機バインダーを加え混合した後に、寸法が直径18mm、
高さ10mmの円筒形にプレス成形し、さらに、1400
℃で6時間焼いたもの。
【0070】(実施例群) 「WP−A−1」:A受皿にハイドロジエンタイプのシ
リコーンオイル(東芝シリコーン社製:TSF−48
4)0.2mLを添加し、120℃で1時間乾燥した。
【0071】「WP−B−1」:上記ハイドロジエンタ
イプのシリコーンオイルにB受皿を10分間浸漬後、1
20℃で1時間乾燥したもの。
【0072】「WP−A−12」:A受皿に非反応熱可
塑性有機ケイ素化合物(東芝シリコーン(株)製;「X
R39−B1676」)固体0.1部をシクロヘキサン
0.3で溶解したものを添加し、120℃で1時間乾燥
した。その後、上記ハイドロジエンタイプのシリコーン
オイル0.1部を添加し、120℃で1時間乾燥した。
【0073】なお、「XR39−B1676」の、数平
均分子量(GPC法)18,000、軟化点86℃で固体粉末
である。
【0074】「WP−B−12」:上記非反応熱可塑性
有機ケイ素化合物(固体)20部をシクロヘキサン30
部で溶解したものに、上記ハイドロジエンタイプのシリ
コーンオイル20部を添加混合した溶液に、B受皿を1
0分間浸漬後、120℃で1時間乾燥した。
【0075】(比較例群) 「WPR」:両末端にシラノール基を有するジメチルシ
ロキサン(数平均分子量:26,000)10部、炭化
水素溶媒のアイパーE部を添加・混合し、さらに、エチ
ルトリアセトキシシラン1部、ジブチルスズアセテート
0.05部を添加・混合し、24時間放置した。その
後、メチルイソブチルケトン540部と、シクロヘキサ
ノン540部を添加・混合し、撥水塗料組成物とした。
【0076】塗布及び硬化:撥水塗料組成物に浸漬、引
き上げスピード100mm/min で引き上げ後、24時間
室温で乾燥、硬化させる。
【0077】B.試験方法 上記のようにして調製をした各実施例・比較例の試験片
について、下記各項目の試験を膜評価試験を行った。
【0078】<初期膜評価方法> 外観:蛍光灯を使用し、肉眼にて干渉色、曇り等を観
察する。
【0079】密着性:1cm2 の表面の中にナイフで
縦、横に1ミリ間隔毎に切れめを入れ、1mm2 のマス目
を100個形成させた。さらに、該表面にセロハンテー
プ(ニチバン製、18mm)を強く押しつけた後、該表面
から90°方向へ引っ張り、剥離した後のコート被膜の
残っているマス目の数で判断した。
【0080】良好:1マス目も剥離しない。
【0081】不良:1マス目以上剥離。
【0082】接触角:接触角計(協和界面化学(株)
製:CA−D型)を用いて蒸留水による液滴法で測定し
た。 <膜耐久性評価>各耐久性試験後の表面(膜)の接触角
を測定し、判定した。接触角の測定方法については、上
記に同じである。
【0083】拭き耐久性:メタノールとエチルエーテ
ルとの混合溶液(混合比1:1)を木綿布に吸収させ、
手で表面を100回擦った後の接触角を測定した。
【0084】耐アルカリ性:苛性ソーダでpH11に
調整した液に、室温で6時間浸漬後の接触角を測定し
た。
【0085】耐候性:耐候性試験機(スガ試験機
(株)製:サンシャインスーパーロングライフウェザー
メーター)で200時間暴露後の接触角を測定した。
【0086】C.試験結果・評価 上記試験の結果を示す表3〜5から、本発明の実施例
は、いずれも、撥水性能に優れているとともに、耐久性
能において、従来例(比較例4・5・8・9・11・1
2)に優るとも劣らないことが分かる。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 正宣 愛知県蒲郡市宮成町3番19号 伊藤光学工 業株式会社内 (72)発明者 青木 智則 茨城県取手市白山7丁目5番16号 株式会 社オプトロン内 (72)発明者 宮下 和典 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 関 浩幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触角が80°以上の撥水処理層が、下
    記一般式で示される動粘度(25℃)1〜100cSt
    であるハイドロジエン型シリコーンオイルの蒸着膜で形
    成されてなることを特徴とする撥水処理光学要素。 【化1】 (ここで、Rは、メチル基または水素を示し、a、b
    は、0≦a≦100、1≦b≦200、1≦a+b≦3
    00を満たす整数)
  2. 【請求項2】 前記撥水処理層が、前記ハイドロジエン
    型シリコーンオイルに加えて、下記〜の要件を満た
    す非反応性シリコーン樹脂の蒸着膜で形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の撥水処理光学要素。 繰り返し単位がRSiO3/2 で、末端が(CH33
    SiO1/2 で、封止されてなるポリオルガノシロキサン
    (但し、R:アルキル、アリール、またはハロゲン化ア
    ルキル。) 数平均分子量(GPC法:ポリスチレン換算)が、3,
    000 〜200,000 軟化点が、60〜150℃
  3. 【請求項3】 前記撥水処理層の直下に接して、蒸着金
    属酸化物層からなる反射率調整層を備えてなることを特
    徴とする請求項1または2記載の撥水処理光学要素。
  4. 【請求項4】 光学要素基材が有機ガラスで形成されて
    なり、前記光学要素基材と、前記光学要素基材と前記反
    射率調整層との間にハードコート層を備えてなることを
    特徴とする請求項3記載の撥水処理光学要素。
  5. 【請求項5】 真空蒸着装置内で、請求項1または2に
    記載の前記ハイドロジエン型シリコーンオイルまたは該
    ハイドロジエン型シリコーンオイル及び非反応性シリコ
    ーン樹脂を含浸固化させた多孔質セラミックスを加熱す
    ることにより前記撥水処理層を蒸着形成することを特徴
    とする光学要素の撥水処理方法。
  6. 【請求項6】 真空蒸着装置内で、請求項1または2に
    記載の前記ハイドロジエン型シリコーンオイルまたは該
    ハイドロジエン型シリコーンオイルおよび前記非反応性
    シリコーン樹脂を繊維状の導電性物質の塊に付着させ、
    それを加熱することにより撥水処理層を蒸着形成するこ
    とを特徴とする光学要素の撥水処理方法。
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