JPH0219003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車などの車輌に、共振時の振幅を
減少させて振動を制御することを目的として取付
けられるダイナミツクダンパに関する。

（従来技術及びその問題点） 従来、車輌用に取付けられているダイナミツク
ダンパの基本的構造は、第４図に示すように、振
動発生体ａにバネ部材ｂを取付け、その自由端に
質量体ｃを固着した構成となつている。

そしてこのダイナミツクダンパは前記振動発生
体ａの特定の周波数における共振時の振幅を減少
させて振動を制御する働きをする。

ところで上記従来例によれば、共振時の振動抑
制を図りうるチユーニング周波数は１点であるた
め、車輌に用いた場合には次のような問題点があ
る。

すなわち自動車のリヤアクスルハウジングを例
にとつて説明すると、エンジンが低速又は中速回
転のときには前記ハウジングに２節曲げ共振が発
生し、その共振周波数が低周波数（例えば130Hz）
にあるのに対し、エンジンが高速回転のときには
前記ハウジングに３節曲げ共振が発生し、その共
振周波数が高周波数（例えば200Hz）にあるので、
前記ダイナミツクダンパのチユーニング周波数を
前記低周波数（例えば130Hz）に設定しておくと、
高速回転時の振動抑制効果が得られないという問
題がある。

尚、実開昭54−130189号公報にはダイナミツク
ダンパのチユーニング周波数を、バネ部材ｂの実
効長を可変することによつて変化させることがで
きる先行技術が示されているが、自動車走行中に
チユーニング周波数を瞬時に大きく変化させる構
成とはなつていないため、上記問題点を解消する
には至つてない。

（発明の目的） 本発明は上記車輌に特有の問題点を解消したダ
イナミツクダンパを提供することを目的とする。

（発明の構成） 本発明は上記目的を達成するため、自由端が質
量体１に常に結合されたバネ部材２ａと、自由端
が電磁石３を介して着脱可能に前記質量体１に結
合されたバネ部材２ｂとを車輌の振動抑制を欲す
る箇所４に取付けて、車輌用ダイナミツクダンパ
を構成したことを特徴とする。

（実施例） 第１図乃至第３図に示す実施例は、ダイナミツ
クダンパＡを自動車のリヤアクスルハウジング５
のアツパーコントロールアーム６取付部近傍（車
輌の振動抑制を欲する箇所）４に取付けたものに
係る。

このダイナミツクダンパＡは、自由端が質量体
１に常に結合されたバネ部材２ａと、自由端が電
磁石３を介して着脱可能に前記質量体１に結合さ
れた１対のバネ部材２ａとを車輌の振動抑制を欲
する箇所４に取付けて構成されている。前記バネ
部材２ａ，２ｂとしてはコイルスプリング、ゴム
弾性体などを採用することができる。

前記電磁石３は電磁石ドライバ７によつて、励
磁、非励磁のいずれかの状態に切替えられ、又エ
ンジン回転センサ８によつて検出されたエンジン
回転数に応じて、前記電磁石ドライバ７を制御す
るコントローラ９のオン・オフ制御下にある。

かくして前記電磁石３はエンジン回転数に応じ
てオン・オフ制御される。そしてエンジン回転数
が一定回転数未満のときは、第１図に示すように
電磁石３が非励磁状態となつて、ダイナミツクダ
ンパＡのチユーニング周波数は質量体１とバネ部
材２ａとによつて決定される。他方、エンジン回
転数が一定回転数以上のときは、第２図に示すよ
うに電磁石３が励磁状態となつて、この電磁石３
を介して１対のバネ部材２ｂと質量体１とが結合
され、ダイナミツクダンパＡのチユーニング周波
数は質量体１、バネ部材２ａ及び１対のバネ部材
２ｂで決定される。この場合のバネ定数は第１図
に示す場合のそれより増大するので、チユーニン
グ周波数も増大する。

そして例えば第１図に示す状態でのダイナミツ
クダンパＡのチユーニング周波数を低周波数側
（例えば130Hz）、第２図に示す状態のそれを高周
波数側（例えば200Hz）に設定すると、リヤアク
スルハウジング５の２節曲げ共振及び３節曲げ共
振を抑制することができる。

本発明は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。例えば上記実施例ではエン
ジン回転数に応じて自動的に電磁石３がオン・オ
フ制御されるように構成してあるが、このオン・
オフ制御を人手によるスイツチ切替で行えるよう
に構成することも可能である。又上記実施例のダ
イナミツクダンパＡには、ダツシユポルトを設け
ていないが、これを設けた構成とすることができ
る。更にダイナミツクダンパＡの取付箇所４は、
エンジン回転数に応じて共振周波数が変化し、こ
れら複数の共振点での振動抑制が必要な車輌の適
所であれば、上記実施例で示す箇所以外にも選定
することができる。

（発明の効果） 本発明は上記構成を有するので、ダイナミツク
ダンパのチユーニング周波数を車輌走行中に瞬時
に複数段に初替えることができ、エンジン回転数
によつて共振周波数が変化する車輌に対し、その
振動箇所の共振を効果的に抑制することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の原理図、第２図は電
磁石励磁時の原理図、第３図はダイナミツクダン
パの配設箇所の１例を示す斜視図、第４図は従来
例の原理図。 １……質量体、２ａ……バネ部材、２ｂ……バ
ネ部材、３……電磁石、４……車輌の振動抑制を
欲する箇所。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自由端が質量体に常に結合されたバネ部材
   と、自由端が電磁石を介して着脱可能に前記質量
   体に結合されたバネ部材とを車輌の振動抑制を欲
   する箇所に取付けてなることを特徴とする車輌用
   ダイナミツクダンパ。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の電磁石が、エン
   ジン回転センサによつて検出されたエンジン回転
   数に応じてオン・オフ制御される車輌用ダイナミ
   ツクダンパ。